ガイジン向けRubyKaigiガイド(翻訳)

概要 原著者の許諾を得て翻訳・公開いたします。 英語記事: Gaijin Guide to RubyKaigi 公開日: 2017/9/27 著者: Richard Schneeman サイト: https://schneems.com/ ガイジン向けRubyKaigiガイド(翻訳) ガイジンの皆様、RubyKaigiの参加準備は整いましたか?私はRubyKaigiのプロではありませんが、RubyKaigiには数回参加したことがあります。本記事では、外国人としてRubyKaigiに参加するときに知っておきたかったことをご紹介したいと思います。 RubyKaigiは年に1度日本で開催される特別なRubyカンファレンスです。とにかく規模が大きいのが特徴で、今年はおよそ1000人もの開発者が集結しました。私が参加したRubyKaigiは東京が2回、広島が1回です。RubyKaigiでは、プロ開発者に向けて繰り広げられる非常にコアな技術トーク、つまり徹底的にコード中心のプレゼンを見ることができます。 Rubyコアチームで活躍する開発者の多くは日本在住なので、RubyKaigiはRubyコミッター(MRI — Matz Ruby Interpreterへのcommit権限を持つ)たちが集結する唯一にして最大の場であり、日本人開発者(コミッター)のプレゼンを見る唯一の機会でもあります。多くの日本人開発者が日本語で話すプレゼンを見る機会は他にないと言ってよいでしょう。 プレゼンが日本語の場合は英語に通訳されます。最近は日本人開発者から通訳者にスライドを渡しておき、通訳者が難しい用語に対処する時間を確保できるようにしています。日本語プレゼンが始まると英語に通訳されるので、それを聞くための特殊な赤外線デバイスを受け取っておきましょう。イヤホンをデバイスに挿せば、後は国連の会議にでも出席している気分で腰掛けるだけです。別の言語に翻訳されたスピーチをずっと聞き続けるのは少々つらいのですが、なかなかクールな経験でもあります。スピーチ後の質問タイムでは、会議室のモデレータが可能な限り(日本語の)質問を通訳してくれます。 日本語スピーチは通訳されますが、動画はそうではありません。つまり、会場でどうしても見たい英語プレゼンと日本語プレゼンのどちらかを選ばなければならないとしたら、日本語プレゼンを選ぶことをおすすめします。というのも、プレゼン動画は日本語英語を問わず後でYouTubeにアップされますが、通訳の音声は動画に含まれないからです。しかし先ほども申し上げたとおり、外国語のコアな技術トークを同時通訳音声で聞き続けているととても疲れるので、ときには英語プレゼンに切り替えたり「hallway track(訳注: 通路やロビーでの即興セッションや立ち話といった参加者同士の交流)」に顔を出したりしてリフレッシュしましょう。 hallway trackでのやりとりは、日本だとかなり様子が違います。文化的に日本人開発者の多くは、見知らぬ人に自分から近づいて質問や自己紹介をしたり、hallway trackに加わったりすることに慣れていません。これに気づくまで少々時間がかかりました。 RubyKaigiに初めて参加したときには、もしかして嫌われているんだろうかと思ってしまったほどです。その会期中は、開発者から話しかけられて会話が始まったことはなかったと思います。 皆さんが怖気づいてしまいそうですが、(日本人)開発者は実は私たちと話したいと思っており、かつ失礼があってはいけないとも思っていることがわかってきました。スピーチが終わったら近寄ってどんどん話しかけ、スピーチの内容を褒めましょう。彼らのシャツやバックパックに社名が表示されていれば、「どんな会社ですか?」と尋ねて会話のきっかけにしましょう。(日本人)開発者が集まって何か英語で話しているように見えたら、こちらも英語で「May I join you?」と話しかけましょう。ささいなアドバイスのようですが、これだけで世界ががらっと変わります。 ところで、日本人開発者でこの記事をお読みの方がいらっしゃいましたら、ぜひともRubyKaigiで外国人にどんどん話しかけてください。皆あなたの話を聞きたいと思っていますし、新しい友だちを作りたくてはるばる日本にやってきてるのですから、遠慮は要りません。皆さんが自己紹介しようが「Where are you travelling from?」と尋ねようが失礼にはなりません😀。 次に押さえておきたいのは食事です。日本では大勢で入れるレストランを見つけるのに苦労します。6人連れでもディナーには多いくらいですし、10人連れならおそらくジャパニーズバー、つまり居酒屋に行くよりほかにないでしょう。そういう場所ではビールや日本酒はたっぷり飲めますが、食べ物は塩気が強かったり揚げすぎだったり一人あたりの量が少なかったりすることも多いのが少々残念です。そんなわけで、大人数でディナーを味わうことについては期待しないほうがよいでしょう(Kaigiの開催場所によっては、ランチでも同じように苦労するかもしれません)。 カンファレンス後の私は、打ち上げを企画している人を探してどこかのグループに加わろうと懸命になります。Kaigiでは、カンファレンス終了後に誰かと話していても、一瞬あたりを見回してから振り返るといつの間にか相手がいなくなっていることがあります。これは別に無礼でも意地悪でもなく、単に彼らは彼らでグループがあってそちらの人数がいっぱいになっただけのことです。その場を離れるときに「じゃこの辺で私は…」などと断るのは、相手がそちらのグループに呼ばれなかった経緯も伝えることになって失礼にあたるので、このように姿を消すのはよくあることです。 同じように、グループでのディナーや呑み会を企画したものの、後でそのグループをどうしても見つけられないことがあります。私はグループ呑み会を企画することもあれば、時間が迫ってから周りの人たちに「誰かディナー行く?後一人入れそう?」と尋ねて回ることもあります。ディナーには、できれば日本語が話せる人を一人誘っておきましょう。いい感じのこじんまりした店では英語が通じないことがほとんどなので、身振り手振りとGoogle翻訳であたふた乗り切る手もありますが、日本語のわかる人がいればずっとスムーズです。誰も日本語が話せないときは、壁のメニューやお品書きを指差して注文しましょう。 少人数でのディナーの後は、他にも何人か友だちを誘って次の店に行くのが理にかなっています。カンファレンスでは公式のアフターパーティが開催されることもありますし、開催されない場合でもカラオケやバーなどいろいろ選択肢があります。ディナーの人数がいっぱいで友だちを呼びきれないときは、ディナーの後の二次会の方に誘うこともあります。 ところで、レストラン探しの定番であるyelpには日本版もありますが、食べログの方がずっとおすすめです。それから、日本のコンビニにはびっくりするほどおいしいものがあります。うまく思い出せないのですが、海藻で包んだライスボールの中にいろんな肉が入っている何とかという食べ物がおいしかったのを覚えています。青い包装のものはツナとマヨネーズのミックスでこれも美味でした。 追伸: この素敵なライスボールの名前は「Onigiri」でした。 私はデータ通信にt-mobileを使っていますが、ここの国際プランはデータ通信やメッセージングが無料で、信頼性も上々でした。他のプロバイダにも旅行先で安価にデータ通信できるプランがあると思いますし、主要な空港でSIMカードを購入するのも手です。 日本国内での乗り継ぎは重要かつ非常に良好です。私はGoogleマップで乗り継ぎ方法を確認しますが、ホテルのスタッフに尋ねるのもよい方法です。日本が初めての方は、駅の乗り降りの合間に観光の時間も見込んでおきましょう。ほとんどの駅は照明も明るく案内表示も充実していますが、それでも戸惑うことがあります。日本の英会話の水準は非常に高く、警備員や従業員はもちろん、そのあたりにいる普通の日本人にも私の英語の質問がちゃんと通じました。英語がわからないことがあっても、英語のわかる人を教えてもらえるでしょう。自分の行き先をスマホやパンフレットなどで見せるとよいと思います。 最後に皆様にお伝えしたいのは、尊重の気持ちを表すことです。一言二言で構いませんので、簡単な日本語のフレーズをいくつか覚えておくことをおすすめします。「Thank you」に相当する「Arigatou gozaimasu」は定番中の定番で、日本の文化を学ぼうとする姿勢を少しでも示すことができるでしょう。日本では酒を飲むときに相手に酒を注ぐなどさまざまな習慣がありますが、そうしたときに使うフレーズです。日本の習慣に厳密に合わせる必要はありませんが、旅先で覚えた習慣を尊重するのは楽しいものですし、それで変な外国人みたいになっても気にしないことです。 旅先では道に迷ったり電車を乗り間違えたり、何かしらしくじることもありますが、旅行なのですから何事も経験です。変な人だと思われないかと気にしすぎず、(日本の習慣に)敬意を払いましょう。 RubyKaigiでのさまざまなコツや注意点について書きましたが、重要なのは思い切って飛び込むこと、無礼な振る舞いをしないこと、そして日本のRubyコミュニティへの感謝の気持ちを忘れないことです。お読みいただき「ありがとうございます!」 この記事が気に入りましたら、私のRubyKaigi 2017初日のまとめ記事もどうぞご覧ください。 関連記事 米国から見た日本のRuby事情(翻訳) 週刊Railsウォッチ(20170922)特集: RubyKaigi 2017セッションを振り返る(1)、Rails 4.2.10.rc1リリースほか 週刊Railsウォッチ(20170929)特集: RubyKaigi 2017セッションを振り返る(2)Ruby 2.3.5リリースほか