※ 「Ruby/Rails界隈ウォッチ」は2016年12月より週刊Railsウォッチにタイトルを改めました。
こんにちは、hachi8833です。実はようやくTechRachoのWordPress記事をMarkdownで書けるようになって、うれしくてたまりませんです。
11月最初のRailsウォッチです。明日はどっちだ。
(11/3追加)臨時ニュース: 「HTTP Headers」Chrome拡張にマルウェアの疑い
HTTP Headers という 5万人が使っている Chrome 拡張のマルウェア疑惑。セッション盗まれて BTC も盗まれそうになった話。をご覧ください。
松江出張中のmorimorihogeさんからのお知らせにより、本項を緊急で追加いたしました。
臨時ニュース
ここで臨時ニュースです。
11/1付でHTML 5.1が正式に「勧告(Recommendation)」になりました。詳しくはリンク先か、勧告前の参考記事をどうぞ。
変更点についてはChangeLogを見ていただくとして、ざっと目についたものを。
requestAnimationFrame
History.scrollRestoration
臨時ニュース2
引き続き臨時ニュースです。クラウド開発環境で知られているhttps://www.nitrous.io/の閉鎖が決まったそうです。
Nitrous閉じちゃうのか、、、残念、、、同僚とSFのオフィスへ行ったときにすごく歓迎してもらって嬉しかった。 / “Cloud development platform Nitrous.io shuts down | Tec…” https://t.co/kCpQt4vDUR
— igaiga (@igaiga555) 2016年10月31日
Googleトレンドが無情にCloud9との明暗を示しています。
Ruby Facets
CDNミラー化でRubyGems.orgが倍速に
タイトル通りです。
We have cut the https://t.co/9PrknbLX0k response times around the world in half, thanks to @fastly! pic.twitter.com/ccInMmdDIx
— David Radcliffe (@dwradcliffe) 2016年10月12日
RubyFlow
Rubyのdecoratorパターン
先週の週刊Railsウォッチでもdecoratorパターンの記事をいくつか取り上げましたが、流行ってるんでしょうか。
この記事では、シンプルで使いやすいという理由でSimpleDelegagorというRubyの標準ライブラリを推しています。SimpleDelegatorのドキュメントだけではなく、親クラスであるDelegateクラスのドキュメントも読むことをすすめています。どちらも短いのですぐ読めそうです。
Rubyには他にもforwardable.rbやdelegate.rbといったライブラリがあります。
morimorihogeさんも指摘するように、デザインパターンとしてのdecoratorと、RailsのView presenterを指すときのdecoratorは同じではないので、今更ながら注意が必要ですね。後者は文字通り「デコレーションする」に寄った意味と考える方がよさそうです。正直、私もこのあたりで迷っておりました。
RubyプロジェクトのCIとデプロイをBitbucket Pipelinesで
これについては既にAtlassianの日本語公式サイトが立ち上がっているのでそっちを見るのが早いですね。
rowフラグメンテーションでデータベースロックのパフォーマンスを向上させる
データベースチューニングの記事です。割と込み入ってます。
ダメなテストを書く5つの方法
良記事。著者はMiniTestで説明していますが、RSpecにも通じる内容だとのことです。
- 運が悪いとランダムなファクトリが重複してuniquenessが損なわれる
- Orderを指定しないデータベースレコード
- グローバルな環境を汚して次回のテスト結果に影響してしまう
- 時間的な再現性のないテスト
- requireしすぎて他のテストに影響してしまったり、順序で結果が違ったりする
Web Push APIをVAPIDとRubyで
Wevサーバーからクライアントに通知をプッシュする技術のひとつであるWeb Pushで、Pushサーバーの認証に使われるのがVAPID(Voluntary Application Server Identification for Web Push)ということのようです。VAPIDの利用は現在必須ではありませんが、今後は必須化が進むかもしれません。
Rubyで自然な英文を自動生成する
正確にはJRubyとSimpleNLGも使っています。英語でも日本語でもこの種のお遊び研究は昔からありますね。
Ruby Weekly
HexaPDF: PDFの作成と操作
PDFマニピュレーションができるのはかなり有望かもしれません。GitHub TrendingのRuby部門でいきなりトップに躍り出ていました。
RubyでのPDF生成というとPrawnなどいくつかありますが、GitHubのREADMEによると「HexaPDFはまだPrawnほど機能は多くないが、PDF標準に沿っているのでずっと拡張しやすい」だそうです。
PDFレポート生成と言えば以前morimorihogeさんが日本製のThinReportsを推していたのを思い出しました。この種のソフトは英語圏ではよくても日本語を通そうとした途端に詰まることがよくあるので、日本語での実績があるソフトウェアはその意味で安心度が高い気がします。
RedisMonitor
RedisMonitorは、Redisのメモリ使用状況をビジュアル表示してくれるパフォーマンスモニタです。お役立ち度高そうです。
無料とありますが、他のところでどうやって費用を回収しているのか気になるところです。
AWS LambdaとSlackでSidekiqを監視
バックグラウンド処理でよく使われるSidekiqの監視をAWS LambdaとSlackでやってみたという記事です。
Hacker News
人間優先のプログラミング言語: Eve
言語とIDEで、ビジュアルプログラミングとも違う環境を作ろうとしている感じなのでしょうか。Hacker NewsでMacbook記事を押さえて圧勝しています。
JSONのパースは地雷だらけ
JSONの仕様をがっつり読み込んでますね。これよさそう。
- 参考: json.org
GoogleのAIが暗号アルゴリズムを考案
生成された暗号アルゴリズムの原理がどうなっているのか皆目わからないそうです。
そういえば最近自分の子ども用に買ったスパイ学とか何とかいう絵本に「古代中国では暗号がほとんど発達しなかった」みたいな記述を見つけたのですが、信じていいのかなそれ。
そもそも漢字だけの文章は、アルファベット圏の人どころか日本人にとってすら、文章のどの部分が暗号っぽいのかを見分けるだけでめちゃくちゃ骨が折れそうな気がします。実はちょっと縦読みならぬ横読みするだけでも隠しメッセージがざくざく出てきたりするんじゃないかしら。
Github Trending
LinuxBrew
MacでおなじみHomeBrewのLinux版です。Rubyで書かれてます。HomeBrewがroot権限なしでもパッケージを導入できるのが羨ましかったのかな?
cuttlefish
Cuttlefishは「甲イカ」のことですが、こちらはれっきとしたメールサーバーソフトです。内部ではPostfix使ってるそうです。
GUIがかわいくてピチピチしてて、メールサーバーとはなかなか思えないほどです。
メールサーバーとかapacheとか、この手のソフトは無骨かつ無愛想でなければ本物とは呼びたくないという先入観が私にもあったのかも。
無印枠
golanglibs.com
Go言語の伸びざかりなパッケージをチェックできます。Github trendingとまた違うランキングですね。しかも頻繁に変動してます。
CSON
カンマが不要でコメントもできるポストJSON(元)候補。ニュースと言うほど新しくないですね。失礼しました。
JSONはケツカンマと融通の効かなさが残念な点で、私もSublime Textの設定ファイルをいじるたびにいらいらしていました。JSONを追う者としては他にJSON5もありますが、カンマなんてそもそもいらないっしょと思ってしまう私はCSONの方に思い入れてしまいます。
しかしながらGoogle Trendsではグラフが下でぺしゃんこになっててどう見ても惨敗です。無念です。たぶんCoffeeScriptという名前が悪かったんです。ECMAあたりをもじってESONにしときゃよかったんです。もう遅いんです。
howtocenterincss.com
Hacker Newsにあがってたそうですが、yamasita情報なので無印枠にエントリーしました。名前のとおり、ボタンをポチポチするだけで中央揃えするCSSを生成してくれます。
ウケ狙いと思いきや、かなり実用的な内容。
どう思われますか。いかに多くのフロントエンド開発者がCSSの中央揃えで泣かされているかよくわかります。CSSはカスケードや継承が災いして途方もなく複雑な代物になってしまいました。
GoogleがSPDYをこっそりChromeに忍ばせて実地テストを重ね、いつの間にかHTTP/2を成立させてしまったみたいに、Flexboxを中心に次世代スタイルシートを1から作り直してまたこっそりChromeに忍ばせてしまえばいいと思います。
joshbuchea/HEAD
HTMLの<head>
に書けるタグがずらりとリストアップされています。
☆17,000超えです。どう思われますか。いかに多くの開発者がHTMLの<head>
で泣かされているかよくわかります。下手をすると本文よりヘッダーの方がはるかに饒舌で、本末転倒感を感じさせます。
日本語版もあるそうですが、訳すところほとんどないと思います。
今週は以上です。
おまけ
ニュースではありませんが、BPS Webチーム部長のmorimorihogeさんが松江から送ってきた写真です。
いよいよ明日からRuby World Conferenceですね。Enjoy!
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