- Ruby / Rails関連
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本記事の続編「ActiveRecordのRangeHandlerクラスとRubyの範囲メソッド」もご覧ください。
こんにちは、hachi8833です。
Active Recordで日付範囲を指定して読み出そうとすると、おそらく次のようなコードになるでしょう。
Pattern.where(“updated_at BETWEEN ? AND ?”, from, to)
社内のSlackチャンネルのログを遡ってて、Active Recordでwhere(updated_at: range_obj_start..range_obj_end)
のように、Rangeオブジェクトを#where
の値指定として渡せるというやりとりを見つけたので、確認してみました。
RubyのRangeオブジェクトでは、..
と...
という範囲演算子を使えます。
条件式以外の場所では式1から式2までの範囲オブジェクトを返します。範囲オブジェクトはRangeクラス のインスタンスです。... で生成された範囲オブジェクトは 終端を含みません。
Ruby 2.3.0 リファレンスマニュアル
終端を含まないのは..
と...
のどっちだったかときどきわからなくなったりしますね。
なお、数学用語では端の値を含む範囲を「閉区間」、端の値を含まない範囲を「開区間」と呼んでいます(Wikipedia: 区間(数学))。
Range#newでオブジェクトを生成できます。ここでの範囲演算子は..
なので閉区間ですね。
Range.new(Time.zone.now, Time.zone.now.tomorrow)
(pry-rails gemを導入したRailsコンソールで出力しました)
範囲演算子を思い出したところで、適当なRailsプロジェクトをbundle exec rails c
でコンソール起動し、Active Recordの適当なモデル(ここではPatternというモデル)の”updated_at”カラムに次のクエリをそれぞれ実行してみます。両者の違いは、Rubyの範囲指定子..
と...
だけです。
Pattern.where(updated_at: Time.zone.today.beginning_of_day..Time.zone.today.end_of_day).to_sql
Pattern.where(updated_at: Time.zone.today.beginning_of_day...Time.zone.today.end_of_day).to_sql
1番目の..
のSQLでは、ストレートにBETWEENを使っています。
2番目の...
のSQLでは、end_of_day
に終端を含まないよう、<
を使って自動展開しています。
SELECT `patterns`.* FROM `patterns` WHERE (`patterns`.`updated_at` BETWEEN '2016-08-18 00:00:00' AND '2016-08-18 23:59:59')
SELECT `patterns`.* FROM `patterns` WHERE (`patterns`.`updated_at` >= '2016-08-18 00:00:00' AND `patterns`.`updated_at` < '2016-08-18 23:59:59')
もし、終端値のクラス(DateとかDatetimeとか)に応じて<
と<=
を切り替えようとすると、クラスのチェックが必要になるので煩雑になってしまいます。
BETWEEN
と>=
〜<
の切り替えなら、終端値のクラスを気にせず、大小関係が定義されている値の範囲にシンプルに適用できます。ささやかですが、うまい処理ですね。