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ヤマハルーターをバッファローの安物に買い替えた(VR-U500Xの簡易レビュー)

RTX810からVR-U500Xに乗り換えたので、ヤマハルーターのライトユーザー視点で少しだけレビューしてみます。なお、記事執筆時点でまだ回線もLAN内端末も全部1Gbpsなので、本当に設定画面とかのインプレッション程度です。

背景

もともとフレッツ光ネクストの光コラボでtransixを使い、RTX810で運用していました。VPNは特に必要ないので使っておらず、慣れ親しんだ使いやすいインターフェースとVLAN機能を主に活用しています。

フレッツ光クロスが出た直後から、神奈川に来たら乗り換えよう、その頃にはヤマハの10GbEルーターも出るだろうから買い替えようとほぼ毎日提供エリアページを見ること2年。一向に来ないまま、突然「インターネットに繋がらない」になりました。原因はONUの故障でした(Bフレッツ時代からありがとうございました、光コンセントも存在しない100Mbps時代の機材なのに1Gbps対応してたのすごすぎる)。

これは交換して無事に直ったのですが、一度トラブルが起きると、やっぱり乗り換え考えたくなりますよね。RTX1300の情報は出ていたもののクロスは全く来ないので、これはもう諦めてNuroかauひかりに乗り換えろという天啓かと思い、検討の結果auひかりを申し込みました。なお申し込んだ翌週に「フレッツ光クロス値下げ、神奈川にも展開」というニュースが流れて泣きました。

元のネットワーク構成

VLANが必要な理由

リモートワークで仕事をする際、当然ながら家庭内ネットワークには業務用端末以外も接続されています。

  • 家族のスマホやPC
  • Google Nest Hub
  • Android TVやゲーム機
  • プリンター

仕事中、スマホやタブレットの実機動作を確認するために 0.0.0.0 でサーバを立ち上げ、実機から接続するということをよくやります。この際に、家族からもアクセスできてしまうのは情報管理上好ましくありません。

また、ただでさえプリンターやゲーム機などはアップデートがあまりされずにセキュリティホールになりやすいものですので、必要性もないそういうものが業務用PCと同じネットワークにいるのはリスクが気になります。

解決案

この課題への解決策はいくつかあると思いますが、基本的に開発中でバグがある前提のシステムなので認証をかける発想は弱く、やはりネットワークの分離が簡単確実です。

  • 業務用ネットワークとそれ以外で、回線ごとLANを完全に分ける?
    • 回線の維持費が2倍になる。
    • 狭いエリアにWiFiの電波が競合する。
  • フレッツなので、ONUからブリッジ経由でルーターを2台接続し、業務用ネットワークはIPoEを使い、それ以外はPPPoEで接続する?
    • 物理的な配線都合で実現しにくい。
    • 家族からPPPoEが遅いという苦情が出ることが予想される。
    • 狭いエリアにWiFiの電波が競合する。
  • 二重ルーターにして、業務用PCは二重ルーター内に置く?
    • 狭いエリアにWiFiの電波が競合する。

このようなことを考えるとVLAN(IEEE 802.1Q タグVLAN)がお手軽です。ルーターが1台ですみ、配線もスッキリしますし、何よりも電波の届き具合が一番良いところにWiFi APを1台置けば良いのが魅力的です。ということで、リモートワークではVLANは割と必須だと思うのですが、あまり導入を聞かないような気がして、他の方がどうしているのかは不思議に思っています。

VLANの設定

こんな感じてやっていました。VLANのタグが付くのは二重線のところだけで、ほとんどはデフォルトのvlan1に流れるお手軽設計です。

これでvlan1→vlan2への通信を拒否すれば、業務ネットワークのセキュリティが確保できます。vlan2→vlan1は開けておくことで、業務PC側のネットワークを変更せずにプリンタを使うこともできます。

もちろん、vlan2用SSIDのパスワードやスイッチの管理パスワードは家族に教えず、スイッチの物理アクセスは自分だけとなるようにしておく必要があります。ついでに、ルーターの設定機能はvlan2からだけアクセスできるようにしておきました。

10GbE対応環境の選定

前述の通り10Gbps回線にするために回線とルーターを選定しました。

回線の選定

本当はフレッツ光クロスが良かったんです。ONU単品でルーター直結できるから。ホームゲートウェイは無駄な機材が場所を取る上にルーター機能が外せなくて邪魔なだけなので、そういうのがつかないフレッツが良かったんです。でも来ないことは仕方ありません。ひかり電話なしならMAC偽装で接続できるかもというワンチャンにかけて、auひかりを選択しました。キャッシュバックも多かったし。

ルーターの選定

ようやく本題です。ルーターをどうするかですが、必須要件は「10Gbps対応」と「VLAN対応」です。WiFiはAPを別にしたいのでいらない。あとあまり大きいものは置けません。一般家庭にラックなんて存在しない。

  • QNAP QHora-301W
    • 要件は満たすが、いらないWiFiがついているあたりで不安があるのと、NAS以外使ったことがなく、そこまでメーカーを信頼しきれていない。
    • 選定開始時点でDS-Lite非対応だったり、良く言えば継続的に改善しているけど悪く言えば~~作りかけ~~枯れていなくて不安定な偏見がある。NASなら良いけどルーターでそれは嫌だな。頻繁な再起動やりたくない。
  • UNIVERGE IX2310
    • 税込み40万円近いのはちょっと...
  • YAMAHA RTX1300
    • 数年前から「ヤマハの10GbEルーター出たら買おう」と思っていたけど、まだ発売していないものは仕方ない。
    • 勝手にRTX1220と同じくらいで実売10万だろうと思っていたら、真偽不明の噂でIX2310と大差ないというのを聞いて及び腰。RTX830の後継で良いんです...
  • 自作
    • あまり大きいのは嫌だし、10GbEを複数ポート搭載するとベアボーンはもちろんmini-ITXでもなかなか少ない。組み込み系のやつでたまに見かけるけど経験不足でよくわからない。
    • 電気代と安定性が気になる。
    • 多分すぐ飽きる。

そんなわけで、お財布事情的に買えるのが他にないので仕方なく、バッファローのVR-U500Xを購入しました。

VR-U500Xの感想

大きさ

写真だと大きさわかりにくいですよね。分かりやすくRTX1000と並べてみました。ほとんど似たようなサイズです。RTX810とはさらに似たようなサイズです。ただしACアダプタが大きくコードも太く重いので、トータルでは必要スペースが増えます。

管理画面

使ってみた感じは、ものすごくバッファローのルーターです。業務用と書いてあるけど家庭用だと思います。電源とLANケーブル挿したら、(初期パスワード設定以外)何も設定せずにいきなり自動判別でtransix接続したのはびっくりしました。すごい。

設定UIも家庭用と同じ感じで、あの大嫌いな何か設定変更するたびに毎回再起動がかかるのも健在です。LAN設定変更なら40~60秒程度、ファイアウォール(パケットフィルタ)設定なら10秒程度かかります。この間、たいてい通信ができません。ファイアウォールのルールを1件追加・変更・削除するたびに毎回10秒待たされ、ちょっとDHCPの設定を変更しようものなら1分近く家庭内の全ての通信が途絶します。ものすごいストレスです。YAMAHA RTX系なら、設定は即反映で再起動はもちろん不要ですし、saveコマンド打つまでは不揮発メモリに保存されないから、設定ミスって戻せなくなっても電源切って入れれば戻せるというのも地味に便利でした。この使い勝手の良さは一切ありません。本当に家庭用ルーターに少し機能が増えたという印象です。

基本的にGUIでポチポチやるしかなく、バックアップとして出力できる設定ファイルがバイナリなのもマイナス点です。SSHやtelnetにも対応していますが、IPアドレス設定くらいしかできません。初期設定や設定ミスで詰んだときにシリアルコンソールで繋いで使うもの、という印象です。設定が1個のテキストファイルで完結するRTXは使いやすかったですね。

悪いこと

とにかく設定がGUIでしかできない上にいちいち再起動されるというそれに尽きます。

良いこと

MACアドレスを設定できる

これはauひかりでHGWなし運用できる期待が高まります。なぜかヤマハルーターにはないんですよね。

ポートごとにVLAN設定できる

一般的なVLAN対応スイッチと同じ設定ができます。なぜかヤマハルーターだと、タグVLANを有効にした場合、「LAN1の4ポートのうち特定ポートだけタグがなかったらvlan2にする(タグがあったらそれに従う)」みたいな設定ができないのが不便でした。

性能が上がった

RTX810は10年以上前のルーターですので性能的にはかなり低く、VLANを使うと速度が落ちます。フレッツ光ネクスト+transixで、VLANなしだと調子が良ければ700Mbps近く出るところ、VLAN2の中ではどうしても350Mbpsくらいで頭打ちになります。

VR-U500Xはさすがに10GbE対応モデルですので、少なくともVLANを有効にしてもギガビットイーサネットレベルでの速度低下はなく、インターネット速度テストも最大700Mbpsくらい出ました。

VLANでもIPv6できる

RTX810、タグVLANを組むと最初のVLAN以外にはIPv6アドレスをRAできないんですよね。ちょっと不便でした。

VR-U500Xは普通にVLANごとにRAできました。プレフィックスが64未満ならサブネットごとにサブネットIDを割り当てたりもできるみたいです。

とにかく安い

おそらくRTX1300が10万円台なんてことは全く期待できない以上、それと比較するのは酷でした。5万円で買える格安ルーターとして考えれば、欲しい機能は揃っているし、設定が使いにくい以上のデメリットは現状ありません。設定も別に本機種だけが特別に使いづらいわけではなく、普通の5000円ルーターと同じ程度であり、業務用ルーターの使いやすさに慣れると辛いという程度のものです。

まとめ

何の面白さもないけど、とりあえず最低限必要な設定をしてインターネット環境が手に入れられるという意味では良いのかもしれません。ただあまりに面白くなさすぎたので、やっぱりQHora-301Wにしておくべきだったかとも思わなくもないです。

早く10G回線が開通してほしいです。あと、ひかり電話なしにするために割高な料金払うプラン設定はやめてほしい。



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