cellotakです。
仕事中や勉強中に眠気に襲われる方は多いのではないでしょうか。日本人は世界的に見ても睡眠時間が短いそうなので、そうなるのも当然です。
参考: 日本人は「睡眠不足」 女性の4割が睡眠6時間未満 先進国で最下位:朝日新聞デジタル
もちろん普段の生活の中で睡眠時間を十分確保できればいいのですが、なかなかそうもいきません。
そんなとき眠気覚ましとして頼れるのがコーヒーやエナジードリンクといったカフェインです。とはいえカフェインがなぜ眠気を覚ますのかというのは意外と考えたことがないのではないでしょうか。今回はカフェインの眠気覚ましのメカニズムと、摂取方法のポイントを簡単にまとめてみました。
※ 医療従事者でもなんでもない素人が調べた内容になるので、あくまで参考程度にしてください。
眠気覚ましのメカニズム
以下の3つの作用が前提としてあります。
前提①
ヒスタミンという覚醒物質があり、作用していると覚醒し、作用が弱まると眠気を感じる。
前提②
アデノシンという物質がアデノシン受容体と結合することで、ヒスタミンの作用を抑える。
前提③
カフェインはアデノシンに形が似ているため、アデノシン受容体と結合しやすく、アデノシンと受容体の結合を阻害する。
これらの前提を元に考えると
①カフェイン摂取
↓
②カフェインがアデノシン受容体と結合
↓
③アデノシンと受容体の結合をブロック
↓
④ヒスタミンの作用が阻害されない
↓
⑤ヒスタミンの覚醒作用により眠気を感じにくくなる
という流れになるようです。
参考: カフェインと睡眠 | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター
参考: アレルギーに関わる「ヒスタミン」が脳の活動を調節するしくみを解明~認知機能障害を改善する薬の開発に向けた取り組み~|医学部・学会情報|医・歯学部を知る|時事メディカル|時事通信の医療ニュースサイト
摂取方法のポイント
ここで重要なのは、カフェインはアデノシンと受容体の結合を阻害するだけで、結合しているものを解除する効果があるわけではないという点です。つまり現時点で眠いと感じている場合、既にアデノシンと受容体は結合しているので、そこからカフェインを摂取しても効果が薄くなってしまうのです。もちろん時間経過によってアデノシンと受容体の結合は徐々に解かれていくはずなので、そこにカフェインが結合していけばだんだんと眠気は抑えられるかもしれませんが、急にシャキッとはなりづらいようです。
ではどうすべきか?というと、オススメなのは
- 眠気を感じる前に摂取する
もしくは
- 仮眠とセットにする
ことです。
前者は先ほどの理屈でいうと、まだアデノシンと受容体の結合前の段階なので、あらかじめブロックしておけばOKという発想です。
後者は、仮眠をとることで一旦アデノシンと受容体の結合を解除させて、そこにカフェインを入れて受容体と結合させるという算段です。ポイントとしては、仮眠をとる直前にカフェインを摂取し、その後30分程度の仮眠をとることです。カフェインの効果は摂取後約30分から出始めるため、仮眠の直前に摂取すると、うまくタイミングが合うことになります。
参考: お茶とコーヒーとカフェインについて - お茶の池田選茶堂 鹿児島茶 知覧茶の通販
カフェイン摂取時のその他の注意点
覚醒効果の持続時間
カフェインは摂取してから最大8時間程度体内に残り、覚醒効果を及ぼすようです。
参考: カフェインと睡眠 | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター
つまり夕方以降にカフェインを摂取すると就寝時間に被ってしまい、入眠を妨げたり睡眠の質を下げたりしかねないので注意が必要です。もし23時くらいに寝るのであれば理論上は15時くらいがカフェインを摂取してもいいリミットになりますね。
エナジードリンクは血糖値スパイクを引き起こす
カフェインをエナジードリンクで摂る場合も注意が必要です。成分表を見てもらうとわかりますが、ほとんどのエナジードリンクは尋常ではないくらいの糖分が含まれています。これを一気に飲むと、血糖値が乱高下するいわゆる「血糖値スパイク」を引き起こしてしまいます。
血糖値スパイクは血管がダメージを受けたり、糖尿病の発症リスクを高めます。また、血糖値が急降下するときに眠気や倦怠感を引き起こすので、しばらく経ってからかえって強い眠気を引き起こしてしまうこともあります。
参考: 血糖値スパイクとは?症状や原因、糖尿病との関係を解説|千葉市若葉区の都賀駅の内科病院でおすすめの板谷内科クリニック
エナジードリンクを摂取するときには十分気を付けましょう(砂糖たっぷりのコーヒーもよくなさそう)。
この記事がカフェインの特性を理解して上手に活用する助けになれば幸いです。