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ASUS Z690マザーで第13世代Coreに乗り換えたらIntel MEのアップデートが必須だった

今年も冬の足音が聞こえてきたところで、去年組んだPCのCPUを第12世代(Alder Lake) Core i9-12900Kから第13世代(Raptor Lake) Core i9-13900Kに載せ替えました。

購入

あまり高価なものを最近落ち目のAmazonで買いたくなかったのですが、タイムセール祭りのポイントアップセールに負けました。

潰れても良いタオルでも入っていそうなボール紙で、
開封前にも少し隙間があったから雨に弱い

10万円の電子機器を入れるにしてはなかなか素敵な梱包ですね。玄関にぽいって置いていくし。

内部に緩衝材は無し

ちなみに重さを測ったら40gだったので、グラム単価でいえばプラチナの半分くらいあることがわかりました。

12900Kよりだいぶ薄くなりました

兄弟比較

換装

簡易水冷はヘッドが小さいので、CPUの交換がとても簡単で感動しました。ネジを4本外して水冷ヘッドをどかし、CPU外して付け替えるだけ。一瞬です。

最近のケースとクーラーは交換しやすい!

こんな構成になりました。

分類 機種
CPU Intel Core i9-13900K
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36 Blackout/SP
MB ASUS TUF GAMING Z690-PLUS D4
メモリ Team DDR4 3200Mhz PC4-25600 32GB * 4 (128GB)
グラボ MSI GeForce RTX 3060 VENTUS 2X 12G OC VD7553
SSD M.2 NVMe PCIe Gen3 SSD * 3 (3TB)
NIC IODATA ET10G-PCIEB 10GbE (AQC107)
電源 Seasonic FOCUS PX-750S

BIOSアップデート

えらく簡単に終わって拍子抜けだぜ、と思って電源を入れたら、BIOS画面は出るもののそこから先は再起動するばかりでWindowsが起動しません。Q-LEDを見るとメモリのところが長く光っているので、メモリがなんか調子悪いのかなと思って抜き差ししたりCMOSリセットしても改善せず、30分近く浪費して気づきました。

BIOS更新していなかった

ということでASUSのページから対応BIOSを入れます。

バージョン 2103
2022/10/19 9.22 MBytes
TUF GAMING Z690-PLUS D4 BIOS 2103
1. Improve system overclocking stability on 13th Gen Intel Processors
2. Update Microcode for 13th Gen Intel Processors
3. Update Microcode for 12th Gen Intel Processors

幸い最近のマザーボードは便利なもので、非対応CPU挿してる状態でもBIOSまでは行けるから、別のPCでUSBメモリに最新BIOSを入れておいてEZ Flash 3を使えば更新できました。CPU戻さなくていいし、起動用のフォーマットとかせずにFAT32のただのUSBメモリが使えるからとても楽ちん。

更新したら、無事にWindowsが起動しました。

発生した3つの問題

Windowsは起動したのですが、3つの問題が発生しました。

(1) M.2 SSDが1枚認識しない

元々1TBのM.2 NVMe SSDを3枚使っており、1枚をCPU側のPCIeに、2枚をチップセット側のPCIeに接続していました。なおCPUからはPCI Expressが20レーン出ているので、グラボにx16、SSDにx4を使うのが一番高効率です。

アップデート後起動したところ、ドライブの1個が消えていました。ディスクの管理はもちろん、BIOS画面からも認識していません。チップセット側のM.2スロットが3つあって1つ空いていたので、取り外してそちらに付け替えると正常に認識しました。SSDではなくCPU直結のPCIe M.2スロットが壊れているようです。

(2) メモリが半分しか認識しない

元々DDR4-3200 32GB DIMMを4枚挿して128GBにしていたのですが、更新後にタスクマネージャやシステム情報で見ると2枚64GBしか認識していませんでした。

BIOS画面では4枚認識しており、それどころかHWiNFOやCPU-Zでも4枚128GB認識しているのが不可解です。メモリ診断をしても異常は見つからず、スロットを入れ替えてみても改善しませんでした。

わけがわからないよ

(3) ベンチの結果がいまいち

このマザーボードのデフォルト設定はPL1=253W, PL2=4095W, Tau=56secなのですが、この状態でもCinebench R23のマルチスコアが3万に届きません。シングルは2200を超えており順当なのですが、マルチがだいぶ低いです。温度は80度程度で落ち着いており、パッケージパワーが瞬間最大でも270W程度までしか上がっていないなど、どうにもポテンシャルを発揮できていません。

Multi: 29367
Single: 2231

試しにマザーボードおすすめの自動チューニングみたいなメニューを選んでみたら、PL1=PL2=4095Wにされていたのですが、その状態でもスコアはなんとか3.5万を超える程度です。前評判ではPL1=PL2=253Wでも3.6万~3.8万、Unlimitedなら4万超えと聞いていたのでこれは悲しい。

解決

適当にググっていたら同じような人がたくさんいました。

ようするにIntel MEを更新しろということですね!BIOSやドライバは更新していたのですが、MEの機能は意識して活用することもなく、脆弱性提供システムみたいなイメージから関わりたくないという気持ちでアップデートを入れそこねていました。いや脆弱性たくさんあるからこそまめに更新しないといけないんですけど...

ということでインストールです。

Intel has identified security issue that could potentially place impacted platform at risk.
Use ME Update tool to update your ME.

このリリースノートじゃわからない...
※なおME Driverはあまり記憶に無いのですが、多分何かのファームついでに先に更新していたのかもしれません。


ME Update Toolで更新して再起動したところ、 3件全ての問題が解決しました!

Cinebench R23のスコアも、PL1=PL2=253Wとさっきより下げた状態で3.7万に上昇。満足です。
※マザーボードデフォルトのPL2=4095W, Tau=56secではサーマルスロットリングしながらクロック調整していく熱血モードになっちゃうので、多分Intel推奨らしき253W揃えにしました。

Multi: 37222
Single: 2220

超縦書(Chromiumベース)のビルドもめっちゃ早く終わりましたが、シングルスレッド処理時に5.8GHzで動いてくれるのはなかなか良いですね。タスクマネージャがP-CoreとE-Coreのクロックをよくわからない比率でブレンドた数字を出してくるので、12900Kだと5.2GHz + 3.7GHzでブースト時でも滅多に5GHz表示にならなかったのが、13900Kだと5.5GHz以上の表示になってくれてとても気分が良いです。TypeScriptのビルドなど日常的な作業も気分的に速くなったような気がします。

眺めながら作業すると捗る気持ちになれる

結論

Intel MEのアップデートを忘れずに。

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