Tech Racho エンジニアの「?」を「!」に。
  • IT Tips

MacBookのIMEをGoogle-> ATOK -> かわせみ -> Google と乗り換えた話

こんにちは、hachi8833です。

たまにはということで、気楽な日記的記事を書いてみたいと思います。

本記事では、IMEを主に「かな漢字変換機能」の意味で使っています。

参考: インプット メソッド エディタ - Wikipedia

きっかけ

参考: Google 日本語入力 – Google

ある日を境に、というほどはっきりしてはいなかったのですが、Google IMEの変換が何だかじわじわと遅くなり、しまいには変換候補が表示されるまで主観的には1秒ぐらい待たされるほどになってきました。

おそらく、半年〜1年以上のスパンをかけて遅くなっていたのではないかと思います。

Google IMEがGoogleと通信するのを止めたり、学習結果を破棄したり、果てはGoogle IMEをコンフィグごと削除してMacBookを再起動・Google IMEを再インストールすることまでやったのですが、それでもパフォーマンスが改善しなかったので、この機会に他のIMEを使ってみることにしました。

これまで使ってきたIMEを振り返る

2000年代以降は、たいてい深く考えずにGoogle IMEを使っていたはずです。

今はMacBookばかりですが、Windowsを使っていたときもGoogle IMEにすることが多かったと思います。MS-IMEも使っていたのかもしれませんが、使ったかどうかなんて何も覚えていません。

1990年代以前は、Mac OS 9(当時は"macOS"ではなかった)の「ことえり」やEGBRIDGE、Linux環境ではWnn(うんぬ)などを何となく使っていました。このあたりの意識は全然高くなかったので、使えるものを使う、といった程度でした。

ATOK

別に意識してはいなかったのですが、そういえば、これまでATOKを使う機会が不思議にまったくなかったので、この機会にATOKを使ってみることにしました。

何しろ歴史もとても長く、一般にも広く知られているという意味ではATOKは最強でしょう(最近はどうだか知りませんが)。

調べてみると、割と最近になってATOKは課金方式に変わっていました。

参考: プランと金額 | ATOK Passport |【公式】ATOK.com

とりあえず月額でサブスクし、インストールもスムーズに終わり、使用感は特に不満もありませんでした。

ただ、ATOKと一緒に、やたらめったら付加機能やらツールやらが入ってくるのが気になりました。要らないよ、そんなに...

私はWordやExcelにずらりと並ぶツールバーみたいなUIがまったく好きでないので、この種の「どうです、見てください!」と言わんばかりの、「あれもできます、これもできます」的な満艦飾のUIを見せられると、つい無意識に敬遠してしまうところがあります。

参考: デコトラ - Wikipedia

かわせみ4

その後たまたま以下の記事を見て、「かわせみ4」というIMEがあることを知りました。かわせみはmacOS専用であり、WIndows版やLinux版はありません。

参考: 30年使ってきたATOKをやめて、かわせみ4へ 2025.2.3. | pappaの育児日記
参考: 今のMacリソース・速度に不満があるなら「かわせみ4」を使うのだ|しょっさん

何やら、かわせみ4はメモリ使用量も少なく、反応もキビキビしていそうです。

かわせみ4は買い切りというのも嬉しい点です。ATOKのサブスクを継続する手もなくはありませんが、そんなお金があればClaude Maxプランに使いたい。

そこで、かわせみ4を購入してみました。この種のソフトウェアは、いくら事前調査を重ねようと、結局使ってみないとわからないので。

参考: かわせみ - 製品紹介

後になってですが、以下をみると、かわせみはegbridge Universal 2の後継IMEであるということに今頃気づきました。お前生きてたんだね、EGBRIDGE...😂

参考: かわせみ - かわせみと egbridge Universal 2 の違い

これも後になってですが、以下の記述もありました。「楽ひら」をそもそも知りませんでした。

楽ひら®
本製品は、PUX株式会社の手書き文字認識エンジン「楽ひら®」を使用しています。
「楽ひら」はパナソニック株式会社の登録商標です。
かわせみ4 - 製品紹介より

かわせみで面白いのは、「使用漢字制限」という機能があることです。これは、教科書や絵本の出版、新聞社にとって、地味に嬉しい機能だと思います。

使用漢字制限:小学校1年生〜6年生/常用漢字/新聞漢字表 / 常用&人名用漢字表
確定時の制限
コード:JIS X 0208/JIS X 0213
グリフID:Adobe Japn 1-3(Std書体)/Adobe Japn 1-4(Pro書体)
カタカナ:全角に制限
英字/数字/括弧/記号:全角に制限/半角に制限
【新機能】英語候補を表示しない
かわせみ4 - 機能一覧より

なお、ATOKは、最初の1か月が過ぎないとサブスクを解除する手続きを始められないのだそうで、本記事執筆時点ではまだATOKのサブスクを解除できていません。
やめてそういうAdobe仕草...🫠

追記: その後1か月が経過し、めでたく退会成功🎉。

またGoogle IMEへ

かわせみを20日ほど使ってみました。たしかにレスポンスもよく、非常に細かなカスタマイズも可能です。

かわせみで気になったのは、以下ぐらいでした。

  • Google IMEでは普通にできていた「キメる」「キレる」といったカタカナ動詞の変換を、デフォルトでは動詞として行えず、明示的に登録する必要があったこと

  • Google IMEでは、入力のわずかなタイプミスを察して、こちらが期待する入力に置き換えることをやってくれたが、かわせみはタイプミスをそのまま変換する傾向があったこと(ただしこれは自分がその種の機能をオフにしていた可能性もあり)

それだけなら大したことではありませんが、最も困ったのは、変換関連のデフォルトキー操作がGoogle IMEのそれとだいぶ違っていることでした。

かわせみ4には、既存のIMEからの移行を支援するため、「ATOK用キーバインド」「EGBRIDGE用キーバインド」「ことえり用キーバインド」はあらかじめ用意されているのですが、惜しいことに「Google IME用キーバインド」が用意されていないのです。


かわせみ - 機能一覧より

これまで変換操作や変換部分の拡大縮小・変換対象の移動といった操作をあれこれカスタマイズしようとしたのですが、どうしても作業の合間にちょこちょこやることになります。

かわせみの設定項目はかなり詳細にできていて、おそらく頑張ればGoogle IMEの操作を再現できそうに思えたのです。

しかし私には、これらの変換関連の操作をGoogle IMEと同じにすることができず、それなりに粘ったものの、とうとう諦めました。


そして、一度捨てたはずのGoogle IMEを1か月ぶりにインストールしてみたところ、何と今度はレスポンス低下などまったく発生せず、その後は、こうして書いている今もスムーズに動いています。

何だったんだ...あれは

という気持ちしかありません。

私はおそらく、IMEに多機能性よりも透明性を求めているのかもしれません。
IMEには、できるだけその存在を意識させないで欲しいという気持ちがあることに今気づきました。

なお、私のMacBookにはAppCleanerというツールが入っていて、アプリファイルをゴミ箱に入れると、コンフィグファイルの一覧を表示して「これらも削除しますか?」と聞いてくれます。そのまま全削除することも、特定のコンフィグファイルだけ残すことも可能です。

Google IMEからAOKに乗り換えたとき、こんなこともあろうかと、Google IMEのコンフィグファイルを捨てないでおいたのが幸いでした😂。Google IMEにスムーズに戻れたのもそのおかげでした(大した設定はしていませんが)。

参考: AppCleaner

追記: 現象再発

またしてもGoogle IMEが遅くなる現象が再発...🫠ブラウザウィンドウ(タブ)を開きすぎなんだろうか?🤔

とりあえずブラウザウィンドウ(タブ)をかなり減らしてMacBookを再起動した結果、「今のところ」落ち着いています。

自分が以前から使っているiStat Menuという有料ツールに通知機能があることを思い出したので、メモリ圧迫とこの現象が関連するかどうかを軽く調べるために、とりあえず通知を追加してみました。

現時点で、まだ通知は発生していません。

再び: かわせみ4について

誤解しないでいただきたいのですが、かわせみ4は歴史も長く、最新のmacOSにもきちんと追従していて(Sequoiaも!)、とても素性のよいIMEだと今も思っています。特にサポートの継続は、普段最も使われるソフトウェアの1つであるIMEにとっては重要な選定要素です。

ただ、おそらく自分がGoogle IMEの変換操作に慣れすぎてしまったために、乗り換えそびれたのだと思っています。私の場合、変換済み部分の拡大縮小をどのキーで行うか、といった操作は、完全に手が覚えてしまっているので、操作をカスタマイズするには、手で覚えた操作をいちいち言語化しなければならないのが厄介です。

人の味覚はとても保守的で、日本人が海外旅行をすると醤油味や梅干しやぬか漬けが恋しくなるみたいな話をよく聞きますが、それと似たようにIMEの変換操作にも保守的になってしまったのかもしれません。

だからというわけではありませんが、かわせみの環境移行オプションに「Google IMEタイプ」もあれば、Google IMEに戻らなくて済んだかも知れないと切に思った次第です。

今後かわせみに「Google IMEタイプ」テンプレートが入ってくれば、せっかく買ったのでまた試してみたいと思います。



関連記事

該当する記事がありません。

CONTACT

TechRachoでは、パートナーシップをご検討いただける方からの
ご連絡をお待ちしております。ぜひお気軽にご意見・ご相談ください。