ThinkPadのTシリーズには、T14とT14sがあります。このシリーズ、以前から
- 重くて厚い代わりに、ポートが充実していてお値段が安いT14
- 軽くて薄い代わりに、ポートが減ってお値段が高いT14s
という棲み分けがされていました。
しかし、Gen3 (第12世代Core, AMD Ryzen 6000シリーズ世代) になって、スペック上の重量表記が逆転していることに違和感を覚えた方も多いと思います。
- 仕様表
- ThinkPad T14 Gen 3 約1.21kg~
- ThinkPad T14s Gen 3 約1.22kg~
- 販売代理店モデル製品仕様書
- ThinkPad T14 Gen 3: 約1.3kg (平均値)
- ThinkPad T14s Gen 3: 約1.42kg (平均値)
インテル、AMDでスペック表での差異は見られません。ちなみにGen2はこんな感じでした。
- ThinkPad T14 Gen2: 1.53kg (平均値)
- ThinkPad T14s Gen2: 約1.28kg (平均値)
T14が大幅に軽く、T14sが重くなり、逆転していますね。
レノボなのであまりスペックはあてにならないとは言え、逆転というのはかなり違和感があります。大手レビューサイトなどでも「T14が大幅に軽くなった」とだけなっていますが、実際どうなのでしょうか。
サポートに問い合わせてみた
サポートに問い合わせたところ、最初は「わからない、買ってみろ」的なことを言われましたが、何度か聞いていたら回答をもらえました。
■ThinkPad T14 Gen 3 (AMD)
・Model with 39.3Wh battery Around 1.21 kg
・Model with 52.5Wh battery Around 1.32 kg
■ThinkPad T14s Gen 3 (AMD)
・Around 1.23 kg
■ThinkPad T14s Gen 3 (Intel)
・Storm grey models Around 1.45 kg
・Thunder black models Around 1.21 kg
■ThinkPad T14 Gen 3 (Intel)
・Models with storm grey cover and 39.3Wh battery Around 1.33 kg
・Models with storm grey cover and 52.5Wh battery Around 1.36 kg
・Models with thunder black cover and 39.3Wh battery Around 1.21 kg
・Models with thunder black cover and 52.5Wh battery Around 1.32 kg
※T14sのバッテリーは4セル57Whしか選べません。
はい、つまり
- T14の最小値が極端に軽いのは、バッテリが小さいから。ただし、それを差し引いてもGen 2から200g近く軽量化はされている。
- バッテリ容量を揃えれば、T14sのほうが100gほど軽い。
- 仕様書でT14sが大幅に重くなっていたのは、未発売のStorm Greyモデルが平均されているから。金属製なんですかね。
ということがわかります。詳しく見ていくとバッテリ容量と材質による差分が一貫していない箇所も見つかりますがまあそこは気にしすぎないことにしましょう。
実際に買ってみた
両モデルではありませんが、T14 Gen 3 (インテル)とT14 Gen 3 (AMD)を1台ずつ購入したので実測してみました。
- ThinkPad T14 Gen 3 (第12世代インテル): 1370g
- 16GB+16GB DDR4
- 2.2K液晶 IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 100%sRGB, 300 nit
- 4 セル リチウムイオンバッテリー (52.5Wh)
- ThinkPad T14 Gen 3 (AMD): 1386g
- 16GB LPDDR5
- WUXGA液晶 IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 100%sRGB, 400 nit, 60Hz, 省電力
- 4 セル リチウムイオンバッテリー (52.5Wh)
インテル・AMDで16g違いましたが、これが液晶の差なのかマザーボードやチップセットの差なのかはよくわかりません。いずれにせよ、サポートの提示した1.32kgよりは50gほど重いですね。
その他
ということで、Gen 3になっても、毎日持ち運ぶから軽さを最優先するという場合はT14sのほうが良いということがわかりました。X1 Carbonはもっと軽いですが高いですね。
重すぎなければ良い程度なら、T14は「(インテルモデルのみ)メモリを48GB積める」「4K液晶が選べる」「イーサネットコネクタがある」「安い」などメリットが多いと感じており、さらに前世代より200gも軽量化されたことで、かなり多くの方におすすめできるモデルになったと思います。
ところで、近年キーボードが劣化してきたThinkPadですが、液晶が16:10になった余波か配列も一部が狭い手抜きになってしまいました。キーストロークもかなり浅く底打ち感も出るようになっています。IBM時代とは言わないまでも、5年前と比べてもだいぶ違うレベルで劣化したなーと思います。一般のノートPCより悪いとは言いませんが、正直キーを押した感触だけならVAIOや富士通のほうが良くなってきたと感じました。
まあこのPC使うの僕じゃないから良いんですけどね。気になる人はRealforce使えば幸せになれるので良いと思います。