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メガネ歴ン十年のプログラマが Kubota Glass (クボタメガネ) を買ってみた その2

メガネ歴ン十年のプログラマが Kubota Glass (クボタメガネ) を買ってみた その1の続きです。

遂に Kubota Glass を手に入れたのでレビューなどをしてみます。

🔗 2023/01~2023/03 頃に出たニュースなど

レビューに移る前に公になっている新情報などを紹介してみます。

🔗 窪田製薬ホールディングス2022年通期決算説明

以下に決算説明の動画がアップされていました。

半分くらいは Kubota Glass と関係ない内容なのですが、公式サイトにも載っていない近視治療のための手法や競合製品比較みたいのも載っていて参考になります。
(主に 8:20~16:20 辺りが Kubota Glass 中心の内容)

🔗 取扱店舗の増加

メガネストアーの12店舗にて2023年4月1日より販売を開始いたしますとのことです。

自分が買った時は関東は飯田橋か横浜しか選択肢がありませんでしたが、大分店舗数が増えるようです。

これだけ販売拡大して効果がなかったら悪評がいっぱい広がると思うので、きっと効果あるはず!

🔗 ポップアップストアの開催

2023年5月に福岡で開催するらしいです。(東京では2022年8月にやってたらしい)

上記リンクの記事を見ると以下のようなことが書いてありました。

本来は完全オーダーメイド商品で、納期も3ヶ月お待ちいただいていますが、今回はサンプルを複数点ご用意していますので、ご自身のサイズに合ったものをお試しいただき、当日お持ち帰りいただくことも可能です。

ただ、これだとレンズはオーダーメイドに出来なさそう?

まあ実際のところ、この記事では「完全オーダーメイド」を謳ってますがフレーム含めた細かい部分はどちらにせよオーダーメイドに出来ないっぽいんですよね。(後述のレビューに詳細を記載します)

🔗 ニュース記事

窪田製薬HD、Kubota Glassは10数台を販売

上記記事は有料だったため詳細は見れていないですが、「10数台」販売したらしいです。

2022年8月の先行販売時に先着20台限定で全額保証キャンペーンをしていて結構早い段階で締め切ってた気がするんですが、あれは含まれてないんですかね?

そうだとして、おおよそ月に3台くらい売れてる計算ですね。

🔗 製品レビュー

🔗 納品、受け取り

納品までに2~3ヶ月かかるという話を聞いていましたが、今回は7週間ちょっとでメガネ屋から納品連絡がありました。

購入したスカイビルメガネの営業時間が11:00~19:00のため、仕事がある日は取りに行けず数日してから受け取りに行きました。

受け取りはその場で軽く使い方とか注意事項などを聞くだけで、数十分で完了。
77万円を袋に入れて持って帰るのが怖かったです。

メガネ屋でデカイ袋をもらうケースって少ない気がするので、知識がある人には「スカイビルメガネのデカイ袋」には77万円が入っているとバレるのでは・・・?
中身が分からない袋に入れるような配慮が欲しいところです。

🔗 初回限定版

購入時には説明を受けていなかったのですが、どうも初回限定版だったらしく、プレミアム保証規定というものがついていました。

なんと2年以内であれば「お客様側事由にて商品が破損した場合や、お客様都合にてレンズの度数を交換される場合」に使用出来るらしいです。

これは非常に嬉しい内容ですね。通常の1年保証はよくある電化製品とかの保証と同じで通常利用時の故障以外では交換してもらえないはずです。

「その1」の記事内に記載した通りレンズ交換は30万円かかるため、視力が改善して2年以内にレンズの度数を変えたくなった場合に使えそうです。
1~2年後に20万くらい値下げしてたとしてもガッカリしなくて済みそうです。

この保証の差はかなり大きいと思うので、購入を検討している方は事前に確認した方が良さそうです。

そして初回限定版にはカッコいい盾もついてます。

※名前やカスタマー番号が記載されてる箇所を塗りつぶしてあります

プレミアム保証のサポートにはこの盾に記載されている番号が必要らしいので大事にしまっておくことにします。

あと正直なところ盾は個人的にはいらないのでどうでも良いのですが、気になる点があったので気にする人用に注意事項を記載します。

盾には名前が英語名で記載されますが、英語名を事前に指定する機会はありません。
そして勝手に記載された英語名はローマ字表記ではありませんでした。
※一応Google先生に聞いてみたら「名前の英語表記の基本はローマ字表記」と出てきました

後日Webでのカスタマー登録時には自分で英語名を記載するところがあったのですが、そこにはクレジットカードなどに記載しているローマ字を入力したため、盾の英語名とは違う名称になってしまいました。

名称を指定したい場合は購入時に言っておけばきっと対応してくれるはず?

🔗 開封

それでは開封に入っていきます。
製品の箱はこんな感じ。

開けるとこう。

左上の部分はほぼ余白です。

説明書とか保証書などが入っていた封筒をまとめてしまっておこうとしたら、微妙にサイズが違い端を折る羽目になりました。残念。
※一応封筒の中身を取り出せばちょうど収まる

上部の底を覗くとメガネ拭きが5枚も入っていました。なにげに嬉しいやつです。

箱からメガネケースや充電ケーブルなどを取り出して接続するとこうなります。

USB-C 側をケースに指し、USB-A 側を充電アダプタに指してコンセントから給電する形です。

ついでに説明書の写真も掲載。

中身はKubota Glass取扱説明書のページから見られます。

🔗 メガネケース、メガネ本体

メガネケースを開けるとこうなっています。

このケースの蓋なんですが、バネが結構強くて大分開けづらいです。閉めるときも慎重にやらないと「バンッ」ってなります。
毎回バキバキ言うのも怖いので改良して欲しいポイントの1つ。

右端の充電ランプはケースのもので、満充電の状態でメガネ本体を4回充電可能とのこと。

左下の充電ランプはメガネ本体の充電状況で、満充電で48時間持つらしいです。

「その1」の記事内でバッテリーの劣化について気にしてましたが、このくらい持つのであれば数年後に半分以下まで持ちが悪くなっても1日2時間の着用なら問題なさそうですね。
直営店で聞いた時は「2時間以上は持つ」的な表現だったので不安でしたが、この辺りは店員の知識が若干足りなかった感があります。

最後に目のマークの部分は使用時間を示しています。
ケースからメガネを取り出して利用し、ケースに戻した際に使用時間に応じて点灯します。

2時間経過後に戻すと4つすべて点灯するのですが、1時間経過後に1度戻して2つ点灯した状態で再度取り出し、もう1時間経過後に戻しても4つ点灯します。
これは右下のリセットボタンを押すことで経過時間が元に戻るため、1日の使用終了後はリセットボタンを忘れずに押す必要があります

詳細は不明ですが、おそらくメガネ本体に経過時間が記録されています。
2時間経過後に自動で電源がOFFになり、一度ケースに戻してリセットボタンを押さないと再使用が出来ないようになっているようです。

このため、メガネ屋で受け取り時に「充電できなくなったという問い合わせが過去に何件かあったが、リセットボタンを押してもらったら解決しました」という注意説明をされました。
若干面倒な部分もありますが、2時間経過で自動でOFFになるのは分かりやすくて個人的には好きです。

ただ、数日に1回の頻度で本体の充電ランプ右の状態表示ランプが赤く点滅するんですよね・・・。
これは本体エラーらしいのですが、理由は不明です。こうなるとリセットボタンを10秒ほど長押しする必要があります。

ケースとメガネ本体の充電接続は右の方についているプラグで行います。磁石でカチッとくっつきます。
最初の数回は若干接続に手間取りましたがすぐ慣れました。

メガネ本体は以下のような感じ。

鼻あてがよくあるやつではなくて、この画像のような形になっています。
硬いただの突起のため刺さって痛いです。

この構造を好意的に解釈すると、メンテナンスがメガネ店で出来ないため壊れにくくするために、ということなんでしょうか?
一日2時間とは言え、もうちょっと付け心地を良くしてもらいたいところ。

続いてレンズのアップ。
画像だと分かりづらいかも知れませんが、部品は全部レンズの中に埋め込まれています。

明るさを検知するセンサーも付いているようです。

Kubota Glass は室内の一般的な明るさでの利用が想定されており、暗いところを通ると自動でOFFになる機能が付いていました。
いきなりパッと付いたり消えたりはせず、段々と明度が変わるのでチカチカしたりはしません。

最後にツルの部分。

耳に引っ掛ける部分が耳の後ろを覆う形にはなっておらず、耳に乗っけるような感じになるため最初の頃は大分不安感が強かったです。
とは言え室内での日常生活を送る分には簡単に外れたりはしないと思います。

普段使っているメガネと比較するとこんな感じです。

🔗 メガネ本体の使用感

パンフレットを見ると以下のような説明があります。

この画像の右に写っている8つの白いターゲットなのですが、メガネの装着の仕方によっては見えません。

具体的に言うと、各ターゲットは「穴の奥から見える」ような形になっており、ずれると「穴の奥」が見えなくなるためターゲットも見えなくなります
言葉での説明が難しいのですが、細長い筒から向こう側を覗く際に筒を斜めに傾けると奥が見通せなくなるイメージが近いと思います。

視力改善の効果にどの程度差があるのかは不明ですが、店員の説明でもターゲットが見えるようにしてください、と言っていたのでターゲットが見えていない状態で使うのはあまり良くなさそうです。

が、しかし、前述の通りフレーム含めた細かい部分はオーダーメイドではありません

そのため自分の場合ちょうどいい具合にするには以下のようにする必要がありました。

  • 左のツルを少し上に浮かせる
    • きっちり装着すると左のレンズのターゲットの大部分が見えない。
  • 若干右方向に押し付ける
    • 右のレンズは通常で6割位は見えているが、少し押し付けると8割位見えるようになる。

本当にキッチリ見える状態を維持する場合は両手で支えていないと不可能です。
さらに細かく言うと左のレンズは良いポジションに持っていけばほぼ全てのターゲットが見えますが、右のレンズは最大でも8~9割位しか見えません。

最初は「おいおいマジかよ」と思ってましたが、調整に慣れてきたら7~8割くらい見える状態で維持できるようになってきました。
左のツルは少し浮かせた状態を維持しないといけないため、もちろん動いたりするとすぐズレます。下を向いた際もズレやすい。

若干上を向いた状態を維持するか、頭をあまり動かさなければまぁまぁ大丈夫です。

しかし、77万もするのだからこういう部分はもっとちゃんとしていて欲しかったですね。
キッチリ顔の大きさとか眼球の位置を計測して、適切な位置に部品を配置すれば直せるはずです。それが「完全オーダーメイド」というものでは?

また、上記パンフレットの説明文や公式サイトに数十分でターゲットが見えなくなる(気にならなくなる)という表現があります。

しかし、ターゲットを表示するための部品が付いている部分は当然前が見えません。
両目で視野は異なるため、片方の目が見えない位置もある程度は見えますが、両目でちょうど部品が重なる位置は一切見えなくなります。

そのため、公式サイトに記載の以下のような見え方には絶対になりません


https://www.kubotaglass.jp/technologyより

気にならなくなる可能性はありますが、上記は完全に誇張表現であり絶対にあり得ないと思っています。
※前述のように装着中にメガネがズレてターゲットが見えなくなることならある

あとレンズの額縁がかなり太く、その部分も視界が悪いです。

🔗 各作業ごとの感想

  • テレビ
    • ニュース、スポーツ、バラエティなどを見る分には問題ないが、映像をじっくり見たい場合は避けたい。
  • Web閲覧
    • 概ね問題ないが、左右に余白があって画面中央に縦長に文章が並んでいるケースで不便を感じる。(詳細は後述)
  • 新聞など
    • 読めるけど速度は落ちる、目ではなく顔を動かして文章を追う必要がある。
  • マンガ
    • 概ね新聞同様。好きな作品とか絵をじっくりみたいような作品を読む時は避けたい。
  • ソシャゲ
    • いわゆるデイリーを消化するような慣れた操作時は問題なし。
  • 食事
    • 概ね問題ないが、中央のターゲットよりもレンズの額縁の方が邪魔で口元が見えづらく、豆腐とかを食べる難易度が上がる。
  • 歯磨き
    • 概ね問題なし。
  • トイレ
    • 移動時のみ注意。トイレ内で座っている時も当然ながら目を開けている必要がある。

Web閲覧の具体例として Techracho を見た際のイメージは概ね以下のような感じになります。

肝心のコンテンツ部分にターゲットが集中しており、外周の見やすい部分には何の情報もないという悲しいケースです。
両目のターゲットが重なって見える部分は顔を動かさないと(またはスクロールしないと)一切見えません。

🔗 慣れて以降の普段の生活について

「ターゲットが見えなくなることはあり得ない」と手前で書きましたが、一応慣れてくると「気にならなく」はなります。
もちろん前述の「避けたい作業」の時は気になりますが、慣れるとそもそもそういう作業をしなくなるので結果的に気になることは少なくなります。

🔗 仕事がある日

現状完全在宅勤務でプログラミングメインのPC仕事となっており、基本的には午前中に2時間ほど Kubota Glass をかけながら仕事をしています。

ドキュメントを読み続けるような場合は外したくなることもありますが、考え事やキーボードを打っている時間等の方が多いので特に問題なく作業ができます。

在宅勤務ではない方の場合、仕事がある日に Kubota Glass を1時間以上使用出来る余裕があるかは確認しておいた方が良いと思います。
職場に持っていくことが可能な場合はその限りではありませんが、以下の辺りは把握しておく必要があります。

  • Kubota Glass は屋外での利用は想定されていない。
  • 装着時の見た目はパッと見ヤバい人である。
  • メガネケースから出した状態で経過時間を停止&リセットすることが出来ないため、ケースを一緒に持ち運ぶ必要がある。
  • 破損の可能性が増える。

🔗 休日

起きて少ししてから以下の作業中に2時間ほど Kubota Glass をかけていることが多いです。

  • 朝食&新聞
  • 歯磨き
  • Webニュース閲覧など
  • 電子書籍閲覧

電子書籍は以下のような感じでイスの上に膝上テーブルを置いて、その上に 15.6 インチのタッチモバイルディスプレイを乗っけて見ています。

🔗 まとめ

  • メガネケースの作りはイマイチなところもあるが、機能的には概ね問題ない。
    • 威力の強いバネにやられて指の肉を挟み痛い思いをしたことはある。
  • メガネ本体はフレームや8つの白いターゲットの配置などがオーダーメイドではないため、ターゲットが正常に見えないことがある。
    • その際、意図的にずらして装着するなどの工夫が必要になる。
    • 個人ごとに異なり、納品後しかチェックできないため注意。(置いてあるサンプルと全く同じであれば事前チェックが可能かも知れないが、全て手作りらしいので部品の配置なども微妙に差異がありそう?買う前に要確認)
  • メガネをかけた状態での作業は慣れれば概ね問題ない。
    • 前述の通り、自分の場合はターゲットを見える状態にするため少し左のツルを持ち上げた状態で固定して利用しています。(大きく顔を動かしたりしなければずれない)
    • 人によってはさらに装着難易度が上る可能性があり、その際に「慣れれば概ね問題ない」状態まで持っていけるかは分かりません。

ひとまず「利用」に関するまとめは以上となります。

初回版ということもありちょこちょこ気になる点はありつつも、個人的には毎日2時間の利用を継続できそうな感じです。
視力改善の効果についてはまだ企業側も検証段階なので直近での改善は難しいと思いますが、ケースや掛け心地などはすぐ改善出来そうなポイントも多いと思うので早めの対応をお願いしたいところです。

可能なら2年後にプレミアム保証を使って改善版に交換して欲しいところですが、難しいですかね・・・?

あとは一番重要な「視力改善の効果」がどうなるか、ですね。

3ヶ月くらいしたら眼科検診に来て欲しいという話はメガネ屋で伺いましたが、強制じゃないようなので半年後くらいに行こうと思っています。

視力改善の結果については年内に書く予定の「その3」をご期待ください。(自分が一番期待しています)

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