こんにちは、hachi8833です。BPS Advent Calendar 2016に私も参入してみました。
突然ですが、皆様はメガネにどのぐらいお金をかけましたか?まさかレイバンのスパムバナーを踏んでたりしませんよね?
エンジニアに限らず、オフィスで働く人の多くが日がな一日LCDモニタの画面を凝視しています。休憩時間や昼休み、職場への通勤、果ては自宅でくつろぐ間もスマートフォンやノートPCを眺め続けていることと思います。
こうした人々がメガネに十分なお金をかけるべき理由について、今回は私の体験のみを元に帰りの電車内で一気に書き下ろしてみました。残念ながらメガネ業界・眼科業界から何もいただいていないので、本記事はあえて外部リンクなしで通しています。
⚓ 対象となる人
面倒なので「メガネをかけたエンジニア」と一括りにして書きますが、デザイナーやプロジェクトマネージャーなど、長時間にわたって目を酷使する人々ならすべて対象です。
⚓ 対象でない人
メガネをかけていない人。
ただし早い人は40歳ぐらいで老眼が顕在化するので、そのときに思い出していただければ結構です。コンタクトレンズはほとんど使ったことがないので何も知りません。
⚓ エンジニアがメガネにお金をかけるべき理由
高価な買い物を投資と見た場合、投資に対する効果を見定めるうえでシンプルにして最強の原則があります。
それは長時間使い続けるものに投資を集中することです。めったに使わないものに金をかけるのは趣味であり道楽です。
なお本記事で言う「お金」や「投資」には、手間暇などのあらゆるコストも含めています。
私もご多分にもれず、おはようからおやすみまで一日少なくとも12〜16時間はMacBook ProやiPhoneを凝視しています。平日も休日も盆暮れ正月も変わりません。
風呂場ではさすがにしませんが、トイレにもごくごくたまにMacBookを持ったまま入ったことはありました。トイレで本を読む習慣がまったくないので、たぶんソファーに置くのを忘れたんだと思います。
どこからどう見ても、目を酷使し続けるただのネット廃人であり、行路病者です。
言うまでもなく、中学校から一貫してメガネ君です。
そんな私がお金をかけるべき要素は、もう以下で決まりです。
- ノートPC
- キーボード
- メガネ
先の原則を軽んじていると、長時間使い続ける道具に安物を使い続けることになり、不便さとストレスと後悔を抱え込むことになります。他のアイテムはほっといて、メガネについてのみ説明します。
⚓ メガネのどこにお金と手間暇をかけるべきか
レンズと検眼です。以上。
で終わってはあんまりなので補足します。
⚓ レンズ
カメラ好きや光学機器メーカーで働いている人や天体観測が趣味な人の方がずっと詳しいと思いますが、近年の値段の高いレンズの性能は驚異的です。どこがどう凄いのかは各自ぐぐってください。
移動中につき何もググらずに書きますが、今どきの高級レンズはプラスチック化されて羽根のように軽くなり、精緻を極めた非球面設計やバウムクーヘン並の多層化のおかげでレンズのエッジの収差は極限までキャンセルされて有効視野も飛躍的に拡大され、傷防止コーティングも大幅に強化されています。
この装用感は安いレンズでは絶対に得られません。
⚓ レンズはいいものを買おう!
ここにめいいっぱいお金をかけることで、最大の投資対効果を得ることができます。ものすごい額を使えとは言いませんが、今のメガネの倍、できれば3倍ぐらいの額を張り込みましょう。
CPUは10倍速くなってやっと体感で2倍ぐらいですが、メガネは今の倍額以上つぎ込めば3倍増ぐらいの手応えがあります。
⚓ 参考: ブルーカットフィルタ
最近流行りのブルーカットフィルタについては、それが効くのかどうかを検証したことはありませんが、たとえプラシーボだとしても自分がそれで満足できるならためらわずに付けましょう。
ブルーカットフィルタの効果を自分が検証するには、ブルーカットなしのメガネとありのメガネを交互に装着して確認しなければなりませんが、自分の身体を張ってA/Bテストを実施するつもりはありません。
当然私はブルーカットを付けました。色は一番薄いのにしたので、この記事を書く今までそのことを忘れていたほどです。
⚓ 検眼
これもレンズと同じぐらい重要です。
必ず眼科で半日かけてみっちり検眼を受けること。そして処方箋をメガネ屋に持ち込んでメガネを作り、届いたら後日必ず眼科に行って再チェックしてもらうこと。
再チェックは、どんなに忙しくても怠らないでください。
メガネ屋さんにもごつい検眼ツールがずらりと揃っていますが、これはあくまで簡易検査用です。正式な検査のためには点眼薬で瞳孔を開く必要があり、この点眼薬は眼科でないと処方できません。
追記
後にかかりつけの眼科医にこの点を尋ねてみたところ、現在点眼薬が必要なのは、成長期の子どもまでとのことでした。高校生でも成長が完了しているとみなされる場合は点眼薬を使わないこともあるそうです。
点眼薬を使った検査には半日かかりますし、点眼後は終日物がまぶしく見えてしまうので仕事になりません。検査当日に急な仕事が入らないよう準備しておきましょう。
⚓ 注文や希望を徹底的に伝える
ここがもっとも重要です。眼科での検査で気付いた点があれば遠慮せずにその場でどしどしお医者に言いましょう。メガネの性能は検査で決まると言ってもよいので、もじもじしている場合ではありません。
散髪じゃありませんので、「あ...適当でいいです」で済ませないように。
特にメガネの主要な用途をお医者とメガネ屋さんに必ず告げてください。液晶画面を真正面から眺めることが多いのであれば、それに合わせて最適化してくれます。ノートPCを膝に置くことが多いならそれも。
⚓ メガネができあがったら
処方箋をもらったらメガネ屋でレンズとフレーム一式を発注します。
新しいメガネを装着すると、最初のうちはピントが合いすぎてつらく感じることがありますが、それは予定どおりなので「失敗した!」と後悔するのは早計です。お医者やメガネ屋さんにもよりますが、一週間もすれば落ち着くと言ってくれるはずです。
一週間経過してもつらさが軽減しない場合は、職場がどんなにブラックであろうと脱出して即眼科に行きましょう。
⚓ メガネ屋の甘い誘惑
メガネ屋さんはメガネを売りたくて仕方がありません。良心的なメガネ屋さんなら付き合いのある眼科を紹介して処方箋をもらってくるよう依頼するものですが、成績を伸ばしたい店員は店内の検眼ツールで済ませてとっとと買ってもらおうと働きかけることがあります。
今どきそういう店員はめったにいないと思いますが、この誘いに乗ってはなりません。早く済まして深夜アニメをチェックしたいのをぐっとこらえましょう。
メガネ屋さんではレンズとフレームを選ぶにとどめ、信頼できる眼科医を紹介してもらってください。まともなメガネ屋さんならそうした眼科医を自信を持って紹介してくれるはずです。
⚓ 追記(2020/11/05): 探し方
眼科医院やメガネ屋の探し方もいろいろあるかと思いますが、たとえばGoogleマップで探してみるのもひとつの手かもしれません。
なおGoogleマップに表示されるレビューはこれはこれで読んでいて非常に楽しいものですが、レビューや星は情報としては参考どまりで考えています。自分が見て十分によい病院でもクレーム的なコメントがちらほら程度に書き込まれていることもありますし、星5つが異常に多いとかよほど評判が悪いとかでない限り困ったことにはならないだろうと自分は考えています。
Googleマップのレビューに積極的に返信(お礼やお詫びなど)を付けている病院や店舗もたまに見かけますね。少なくともネットの評判を意識していることは窺えます。
⚓ 参考: フレーム
フレームは完全に趣味でよいと思います。自分に似合うもの、気に入ったものなら何でも構いません。セルロイドでも白フチでもべっ甲でも鎖付きでもお好きなものをどうぞ。今使っているフレームを使い回すのもおk。
私の場合は軽くて頑丈なチタンフレームにしましたが、おかげでどんなに酔っ払ってもメガネがひん曲がることがぴたりとなくなりました。長年使ったせいで塗装がややハゲチョロケになってますが、性能はまったく衰えていません。だからといってチタンを推すつもりもありません。
無理にとは言いませんが、せっかくなのでこの機会にフレームも新しくしてみるとよいかもしれません。
とはいうものの、エンジニアの皆様の中にはメガネのフレームを選ぶなどというチャラいことに時間やエネルギーを使いたくない方も大勢いらっしゃると思います。同意です。私もまるっきりそれで通してきたので。
そういう方には、ぜひ女性を伴ってメガネ屋に赴き、その方々にフレームを選んでもらうことを最短のソリューションとしておすすめします。自分に似合うフレームをずばり選ぶうえで、女性からのアドバイスは効果絶大ですし、何といっても楽ちんです。同伴するのはもちろん女性でなくても一向に構いません。
その場では「えー、これかっこよすぎじゃね?」と思っても、あっという間に慣れます。
別に彼女や奥さんや愛人でなくても構いませんが、母親や姉や妹だと主観が混入しやすいので、いとこや伯母・叔母のような近すぎない親戚や学校の知人、職場の同僚がお手頃です。お花でも着物でも絵でもいいので、多少そういう心得のある人だとなおよいでしょう。かわいい小学生女子の同伴は、私以外にはおすすめしたくありません。
面倒がって女性店員に選んでもらおうとすると、高いフレームを売り付けられるかもしれません。高いのはレンズだけで十分です。
フレームを選んでもらったら同伴者へのお礼を忘れずに。飯をおごることすらスカッとスッキリ忘れていたことをたった今思い出した私からのお願いです。
⚓ 結果
以上の難関をクリアすれば、それまで安いメガネで済ませていた人ほど別天地のような快適さに打ち震えることでしょう。
私の場合、それまで長時間作業したり本を読んだりするとたびたび眼がしょぼしょぼして困っていたのですが、レンズを新調した結果、今では1日18時間のネット三昧でもびくともしません。
後は年に一回、長くとも3年に一回は眼科で検眼しましょう。眼のコンディションは時間とともに変わります。
皆さんもレンズを新調して、快適なネット三昧の日々にまみれて一生を終えてみませんか。
⚓ まとめ
- メガネは「レンズ」に投資を集中し、「眼科検眼」の手間を惜しまないこと
- 眼科検眼の際にメガネに対する希望や利用方法をできるだけ詳しく医師に伝える
- メガネをあつらえた直後に度が強すぎると感じるのは正常: 1週間は様子を見て、違和感がおさまらない場合は眼科でチェックしてもらおう
- 年に1回〜3年に1回は眼科で検眼しよう
⚓ 追記(2020/11/05)
最近の自分はスマホを見る機会がぐっと増えていて、老眼とともにメガネを外してスマホを見ることが多くなっているので、次回眼科に行くときにセッティングをスマホ寄りに変えてもらおうと考えています。
なお書籍はKindleで読むことがほとんどで、紙の本をめっきり読まなくなったので、そこもセッティングを変えてもらおうかと思っています。
⚓ あとがき
私の場合、たまたま結婚相手のご両親がそれぞれ眼科向け医療機器メーカーの営業職&メガネ屋勤務だったため、上のプロセスで手を抜きたくても抜きようがなかったという事情が幸いしました。それなくして、私のような横着者がどうしてちゃんとしたメガネを得られたでしょう。
眼科でもらった処方箋を持って帰って一応ご両親に見せると、その場で二人して処方箋の数値を厳しくレビューしていてビビりました。分野は違っても、プロはさすがですね。
あまつさえ「あそこ、奥さんに財布握られてるのよね」と検眼してもらった眼科の裏事情まで握っておりました。
ここまで一気に書いてしまった以上、この記事から当該眼科およびメガネ屋にリンクしたくてもしようがない事情をどうかお察しください。
🔗 追記(2023/12/15)
本記事を書いてからだいぶ経った昨年の冬、とうとうメインのパソコン用メガネが崩壊し、レンズをどこかに落っことしてしまいました🫠。
もちろん速攻でメガネを誂えました。本記事のとおりに眼科にてしっかり検眼し、スマホ向けにチューニングも施してもらった処方箋を手にメガネ屋に駆け込みました。検眼してもらったのは、以下の記事で登場した大きな眼科です。
しかし何ということ、これまで愛用していた最寄りのメガネ屋は数年前に閉店してしまい、駅数個分離れた本店のみとなっていたのでした...
本店にもご両親の顔が利くのでそちらにしたいところですが、頻繁に通うことを考えると遠い店で作るのは不利です。考えた末、ちょうど近所で新しいメガネ屋が開店したばかりだったので、そちらに乗り換えることに決め、めでたくメガネを新調できました🥸。
フレームはチタンですが、前回よりもレンズを大きめにしたこともあって視野が広がり快調です。ブルーカットもうんと薄いのを入れました。
⚓ 追伸
海外出張される方や徴兵された方は、ぜひ同一のメガネを3つはあつらえておきましょう。出張先や戦場でメガネが使えなくなるとマジで身動きが取れなくなります。
⚓ 追伸2
これ、面白いので誰か買ってみてください。
外気と体温の温度差という微妙なエネルギーで十二分に発電して、レンズの曇りを自動的にキャンセルできる眼鏡。
なにこのテクノロジー・・・! pic.twitter.com/cN5MFhMrQW— 磨伸映一郎@木曜東A23b (@eiitirou) 2016年5月28日
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