パソコンやスマートフォンを長時間使う現代人にとって、目の疲れは避けられない悩みのひとつです。「少し休めば治る」と軽く考えていたのに、いつの間にか頭痛や肩こりまで出てきた。そんな経験はありませんか?
実は「疲れ目」と「眼精疲労」は似ているようで、深刻さがまったく異なります。放置すると仕事や生活の質を大きく下げてしまうことも。
本記事では、症状の見分け方から重症度別の対処法、さらに「治らない人がはまりがちな落とし穴」まで、わかりやすく解説していきます。
セルフケアで改善できる段階なのか、専門家に相談すべきなのかを見極める参考にしてみてください。
それは「疲れ目」か「眼精疲労」か?症状からわかる見分け方
目がつらいと感じたとき、それが一時的な「疲れ目」なのか、慢性化した「眼精疲労」なのかを見極めることが大切です。対処法を間違えると、症状が長引いたり悪化したりする原因になりかねません。
このセクションでは、症状の違いやセルフチェックの方法、眼精疲労になりやすい人の特徴を解説していきます。
こんなサインが続いたら要注意!眼精疲労チェックリスト
まずは、自分の目の状態を振り返ってみましょう。以下の項目に複数当てはまる場合、単なる疲れ目ではなく眼精疲労に進行している可能性があります。
- 目がかすんで見えにくい時間帯がある
- 目の奥がズーンと重く感じる
- まぶたがピクピクけいれんする
- 目を開けているのがつらい
- 光がまぶしく感じることが増えた
- 肩や首のこりが慢性的に続いている
- 頭痛や頭の重さを感じる日が多い
- 集中力が続かず、イライラしやすい
これらの症状がいくつも重なっているなら、目だけの問題ではなく全身のバランスが崩れているサインかもしれません。
「一晩寝れば治る」はまだ疲れ目、「数週間続く」は眼精疲労
疲れ目と眼精疲労の最大の違いは「回復するかどうか」にあります。
疲れ目は、長時間の作業や睡眠不足などで一時的に目が疲れた状態のこと。十分な休息や睡眠をとれば、翌朝には症状がリセットされます。いわば、目の「筋肉痛」のようなものです。
一方、眼精疲労は休んでも回復しない慢性的な状態を指します。目の不快感が数週間以上続いたり、休日にゆっくり過ごしても改善しなかったりする場合は、疲れ目の段階を超えていると考えてよいでしょう。
「寝れば治るはず」と放置を続けた結果、気づいたときには眼精疲労が定着していた。そんなケースは珍しくありません。
頭痛・肩こり・めまいなど全身症状との関係
眼精疲労が厄介なのは、目だけにとどまらず全身に影響を及ぼす点です。
目の周りの筋肉が緊張し続けると、その負担は首や肩の筋肉にも波及していくと言われています。結果として、慢性的な肩こりや首の痛みにつながることも。
さらに、血行不良や自律神経の乱れが加わると、頭痛やめまい、吐き気といった症状が現れる場合もあります。
「目が疲れているだけなのに、なぜか体調全体がすぐれない」と感じるなら、眼精疲労が全身に影響している可能性も疑ってみてみましょう。
眼精疲労になりやすい人の共通点
どんな人が眼精疲労になりやすいのでしょうか。共通する傾向をいくつか挙げてみます。
まず、デスクワーク中心の仕事をしている人。パソコン画面を長時間見続けることで、目のピント調節を担う筋肉が酷使されます。加えて、まばたきの回数が減り、目が乾きやすくなるのも大きな要因です。
次に、メガネやコンタクトの度数が合っていない人。見えにくい状態で無理に焦点を合わせようとすると、目に余計な負担がかかります。何年も度数チェックをしていない方は要注意。
さらに、姿勢が悪い人や、ストレスを抱えやすい人も眼精疲労のリスクが高まります。猫背や前かがみの姿勢は首・肩の血流を悪化させ、目への酸素供給を妨げる原因に。精神的な緊張が続くと、無意識に体がこわばり、目の周りの筋肉も硬くなりやすくなります。
眼精疲労が起こる4つのメカニズム
眼精疲労を根本から改善するには、「なぜ目が疲れるのか」という仕組みを理解しておくことが大切。原因がわかれば、的外れなケアを避け、自分に合った対策を選びやすくなるはずです。
ここでは、眼精疲労を引き起こす代表的な4つのメカニズムを解説していきます。
- 近くを見続けることによるピント調節筋の酷使
- モニター作業による角膜の乾燥
- 度数の合わないメガネ・コンタクトの影響
- 姿勢の崩れと首・肩こりの連鎖
①近くを見続けるとピント調節筋の酷使が起こる
目には「毛様体筋(もうようたいきん)」という小さな筋肉があり、水晶体の厚みを変えることでピントを調節しています。
遠くを見るときはこの筋肉がゆるみ、近くを見るときは収縮してレンズを厚くする。この動きを一日中繰り返しているのです。
問題は、パソコンやスマートフォンなど近距離を見続ける時間が長いこと。毛様体筋が収縮しっぱなしになり、筋肉疲労を起こしてしまいます。
たとえるなら、腕を曲げたまま何時間も維持しているような状態。当然、筋肉は悲鳴を上げます。
この状態が続くと、ピント調節がスムーズにいかなくなり、「夕方になると目がかすむ」「遠くがぼやけて見える」といった症状につながることがあります。
②モニター作業が角膜を乾かす
画面を集中して見ているとき、まばたきの回数は通常の約3分の1まで減るといわれています。まばたきには涙を目の表面に広げ、角膜を保護する役割があるため、回数が減れば目は乾燥しやすくなります。
さらに、エアコンの効いたオフィスや乾燥した室内環境が重なると、涙の蒸発が加速。
角膜の表面が乾いてデコボコになると、光の屈折が乱れて見えにくさを感じたり、目がゴロゴロしたりする原因になることも。
いわゆる「ドライアイ」の状態ですが、これが眼精疲労と密接に関係していることは意外と知られていません。目の乾きを放置すると、疲労感が慢性化しやすくなるため注意が必要です。
③度数の合わないメガネ・コンタクトが目を追い詰める
「見えているから大丈夫」と思っていても、メガネやコンタクトの度数がわずかにズレているだけで、目には大きな負担がかかります。
度数が強すぎる場合、目は「過矯正」の状態に。
必要以上にピントを調節しようとして、毛様体筋が常に緊張してしまいます。逆に度数が弱すぎると、見えにくさを補おうと目を凝らすため、やはり筋肉疲労を招くことに。
また、レンズの中心と瞳の位置がズレている「フィッティング不良」も見落としがちな原因のひとつ。視線を動かすたびに余計な調節が必要になり、知らないうちに目を酷使してしまうのです。
数年前に作ったメガネをそのまま使い続けている方は、一度度数を見直してみることをおすすめします。
④姿勢の崩れと首・肩こりが眼精疲労を増幅させる
眼精疲労は目だけの問題ではありません。姿勢の悪さが症状を悪化させるケースは非常に多く見られます。
猫背や前かがみの姿勢でパソコンに向かうと、頭の重さを支える首や肩の筋肉に大きな負担が発生。
例えば成人の頭の重さは約5kg。これが前に傾くだけで、首にかかる負荷は数倍に跳ね上がるといわれています。
首や肩の筋肉が硬くなると、頭部への血流が悪くなり、目に届く酸素や栄養も減少。結果として、目の疲労回復が遅れ、眼精疲労が長引く悪循環に陥りやすくなります。
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【重症度別】眼精疲労の治し方
眼精疲労の対処法は、症状の重さによって変わります。軽い段階で適切なケアを始めれば短期間で回復できることもありますが、放置して重症化すると専門家の力を借りる必要が出てきます。
ここでは、重症度を3段階に分け、それぞれに合った治し方を紹介していきます。
- 軽度:夕方に疲れるが一晩寝れば戻るレベル
- 中等度:数週間続く・仕事や勉強の効率が落ちているレベル
- 重度:頭痛・吐き気・視力の違和感を伴うレベル
【軽度】夕方に疲れるが一晩寝れば戻るレベルのリセット法
「夕方になると目がショボショボするけれど、翌朝には回復している」。この段階であれば、日常のセルフケアで十分に対応できるでしょう。
意識的にまばたきを増やす
パソコンやスマートフォンに集中しているとき、まばたきの回数は無意識に減っています。
1時間に1回は画面から目を離し、意識的にまばたきを繰り返してみてください。目の表面に涙が行き渡り、乾燥を防ぎやすくなります。
20-20-20ルールを取り入れる
20分ごとに、20フィート(約6メートル)以上離れた場所を、20秒間眺める。これが「20-20-20ルール」です。
遠くを見ることで毛様体筋がゆるみ、ピント調節の緊張がリセットされやすくなります。窓の外の景色や部屋の奥を眺めるだけでも効果が期待できるでしょう。
目を温めてリラックスさせる
蒸しタオルやホットアイマスクで目の周りを温めると、血行が良くなり筋肉のこわばりがほぐれやすくなります。温める時間は5〜10分程度が目安。
就寝前に行うと、リラックス効果も相まってぐっすり眠れるようになるかもしれません。
目の体操で筋肉をほぐす
目をギュッと閉じてパッと開く、上下左右にゆっくり動かす、ぐるりと円を描くように回す。
こうした簡単な体操を休憩時間に取り入れると、凝り固まった目の筋肉がほぐれやすくなります。1セット30秒ほどで十分なので、こまめに行う習慣をつけてみてください。
【中等度】数週間続く・仕事や勉強の効率が落ちているときの整え方
休んでも目の疲れが抜けず、集中力の低下や作業効率の悪化を感じる場合は、セルフケアだけでなく生活習慣全体を見直す必要があります。
作業環境を整える
モニターの位置は目線よりやや下に設定し、画面との距離は50〜70cmを確保しましょう。明るすぎる照明や、画面への映り込みも目の負担を増やします。
部屋全体の明るさとモニターの輝度のバランスを調整することで、目への刺激を軽減できるはずです。
睡眠の質を上げる
睡眠中は目を閉じているため、日中に酷使した目の回復が進む大切な時間。6〜8時間の睡眠時間を確保するだけでなく、就寝前のスマートフォン使用を控えることも重要です。
ブルーライトは睡眠の質を下げるだけでなく、目の疲労を蓄積させる原因にもなりかねません。
目に良いとされる栄養を意識する
ビタミンA、ビタミンB群、アントシアニン、DHA。これらは目の機能をサポートするとされる代表的な栄養素です。
レバーやにんじん(ビタミンA)、豚肉や玄米(ビタミンB群)、ブルーベリーや紫キャベツ(アントシアニン)、青魚(DHA)などを日々の食事に取り入れてみてください。
メガネ・コンタクトの度数を確認する
視力は年齢や生活環境によって変化します。「最近なんとなく見えにくい」と感じたら、眼科やメガネ店で度数をチェックしてみましょう。
デスクワーク中心の方は、遠くをはっきり見る度数よりも、近距離用に調整したメガネのほうが目の負担を減らせる場合もあります。
加湿で目の乾燥を防ぐ
エアコンの効いた室内は想像以上に乾燥しています。加湿器を使って湿度を50〜60%程度に保つと、目の表面の乾きを和らげやすくなります。
卓上タイプの小さな加湿器をデスク周りに置くだけでも違いを実感できるかもしれません。
【重度】頭痛・吐き気・視力の違和感を伴うときに優先すべき対処法
目の疲れだけでなく、頭痛や吐き気、視界のぼやけや歪みを感じる場合は、自己判断でのケアは控えるべき段階。
まずは専門家に相談し、原因を特定することが最優先となります。
眼科を受診する
視力の急激な変化、目の痛み、光がまぶしすぎる、視野が欠けて見えるといった症状がある場合は、緑内障や網膜の異常など、眼精疲労以外の病気が隠れている可能性も。
自己判断で放置せず、眼科で検査を受けてください。
鍼灸院に相談する
「眼科で検査したが異常なしと言われた。でも目のつらさは続いている」。そんなときは、鍼灸院への相談がひとつの選択肢になります。
眼精疲労には、目の周りの血行不良や首・肩のこり、自律神経の乱れなど、検査では見えにくい要因が絡んでいることも少なくありません。
鍼灸では、目の周囲のツボだけでなく、首・肩・全身にアプローチして血流や自律神経のバランスを整えていきます。薬を使わない施術のため副作用の心配がなく、体質そのものを見直していける点がメリット。
慢性化した眼精疲労や、頭痛・肩こりを伴う複合的な症状には、眼科と鍼灸を併用するアプローチも検討してみてください。
無理をしない勇気を持つ
重度の眼精疲労は、体が「限界です」と発しているサイン。休息を取ることに罪悪感を持たず、仕事量の調整や休暇の取得を真剣に検討してみてください。根本原因を放置したまま無理を続けると、回復までの期間がさらに長引いてしまうこともあります。
眼精疲労が治らない人に多い5つの落とし穴
「いろいろ試しているのに、なかなか良くならない」。そう感じている方は、知らないうちに回復を妨げる行動をとっているかもしれません。眼精疲労が長引く人には、いくつかの共通したパターンがあります。ここでは、見落としがちな5つの落とし穴を紹介していきます。
- 目薬だけで治そうとしている
- 睡眠不足・質の悪い睡眠を放置している
- メガネ・コンタクトの度数チェックを何年もしていない
- 肩こり・姿勢の悪さを改善していない
- ストレス・メンタル面のケアをしていない
目薬だけで治そうとしている
目が疲れたらとりあえず目薬。この習慣自体は悪くありません。しかし、目薬だけに頼って他の対策をしていないなら、根本的な改善は難しいでしょう。
市販の目薬は、乾燥を一時的に和らげたり、充血を抑えたりするのに役立ちます。ただし、あくまで「その場しのぎ」であり、眼精疲労の原因そのものを取り除くわけではありません。
目薬をさした直後は楽になっても、しばらくするとまた疲れが戻ってくる。その繰り返しに心当たりはないでしょうか。
慢性的な眼精疲労には、生活習慣の見直しが欠かせません。また、短期間で集中的に取り組みたい場合は、鍼灸院に相談するという選択肢も。
目の周りの血流を良くし、首・肩のこりをほぐすことで、目薬では届かない部分にアプローチできる可能性があります。
睡眠不足・質の悪い睡眠を放置
目の疲労回復は、主に睡眠中に行われます。睡眠時間が足りなかったり、眠りが浅かったりすると、日中に蓄積したダメージをリセットしきれません。
「6時間寝ているから大丈夫」と思っていても、実際には睡眠の質が低下しているケースは多いもの。
寝る直前までスマートフォンを見ている、寝室が明るい、就寝時間がバラバラになってしまっている。こうした習慣は睡眠の質を確実に下げてしまいます。
また、睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、目の血流にも悪影響を及ぼすことがあります。いくら目のケアを頑張っても、睡眠という土台が崩れていては思うような結果が得られにくいもの。
まずは就寝の1時間前からスマートフォンを手放し、部屋を暗くして眠る準備を整えることから始めてみてください。
メガネ・コンタクトの度数チェックを何年もしていない
「まだ見えるから」「作り直すのが面倒だから」というような理由で、何年も同じメガネやコンタクトを使い続けていませんか。
視力は加齢や生活環境の変化によって少しずつ変わります。とくに40代以降は老眼が始まり、近くが見えにくくなる変化が起こりやすい時期。
若い世代でも、スマートフォンの使いすぎで一時的に視力が変動することがあります。
度数が合っていないメガネやコンタクトを使い続けると、目は常に「見えにくさを補おう」と無理をし続けることに。これが眼精疲労を慢性化させる大きな要因になりかねません。
理想は1年に1回の度数チェック。「最近なんとなく疲れやすい」と感じたら、それがメガネを見直すタイミングかもしれません。
肩こり・姿勢の悪さを改善していない
前のセクションでも触れましたが、眼精疲労と肩こり・姿勢は切り離せない関係にあります。目のケアばかりに気を取られ、首から下の問題を放置している人は意外と多いのです。
デスクワーク中、気づけば猫背になっていたり、首が前に突き出ていたりしませんか。この姿勢が続くと、首や肩の筋肉が硬くなり、頭部への血流が滞りやすくなります。
目に届く酸素や栄養が減れば、当然ながら疲労は回復しにくくなるでしょう。
対策として、まずは作業中の姿勢を意識すること。椅子の高さやモニターの位置を調整し、背筋を伸ばして座る習慣をつけましょう。
また、1時間に1回は立ち上がって肩を回す、首をゆっくりストレッチするなど、こまめに体を動かすことも効果的です。
それでも肩こりが改善しない場合は、整体や鍼灸院に相談することを検討してみてください。
ストレス・メンタル面のケアをしていない
眼精疲労というと身体的な原因ばかりに目が向きがちですが、精神的なストレスも大きく関係しています。
強いストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れ、体は常に緊張状態に。血管が収縮して血流が悪くなり、目の周りの筋肉もこわばりやすくなります。
「仕事が忙しくなると決まって目が疲れる」という方は、ストレスが引き金になっている可能性も考えられます。
また、不安や焦りを抱えていると、無意識のうちに目を見開いたり、画面を凝視したりする傾向も。まばたきが減り、目の乾燥や疲労を招く悪循環に陥りやすくなります。
ストレス対策に特効薬はありませんが、自分なりのリラックス法を見つけることが大切です。軽い運動、入浴、趣味の時間、深呼吸。どんな方法でも構いません。心がほぐれると、体の緊張も自然とゆるみ、目の回復力が高まりやすくなるでしょう。
眼科や鍼灸に相談すべきタイミングと受診の進め方
セルフケアを続けても改善しない場合、専門家の力を借りることが解決への近道になることがあります。ただ、「どのタイミングで受診すればいいのか」「眼科と鍼灸、どちらに行けばいいのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、受診の判断基準や、眼科・鍼灸それぞれの役割、上手な活用法を解説していきます。
このサインが出たら自己判断はNG!まず眼科を受診すべき症状
以下のような症状がある場合は、眼精疲労以外の病気が隠れている可能性があります。自己判断でセルフケアを続けず、まずは眼科を受診してください。
- 視力が急に落ちた、または見え方が変わった
- 目の痛みが強い、ズキズキする痛みが続く
- 視野の一部が欠けている、黒い点や光が見える
- 目が赤く充血し、数日経っても引かない
- 光が異常にまぶしく感じる
- 目やにが大量に出る、涙が止まらない
これらの症状は、緑内障、網膜剥離、角膜の傷、感染症など、放置すると視力に深刻な影響を及ぼす病気のサインである場合があります。
「たぶん疲れ目だろう」と楽観せず、早めの検査を心がけてください。
「検査は異常なし」なのにツラい…そんなときには鍼灸院へ
眼科で検査を受けたものの「異常なし」と言われた。でも目のつらさは消えない。こうした経験をお持ちの方は少なくありません。
眼科の検査では、視力や眼圧、網膜の状態など器質的な異常を調べます。
しかし、目の周りの筋肉のこり、首・肩の血行不良、自律神経の乱れといった「機能的な不調」は、検査数値には現れにくいもの。結果として「問題ありません」と診断されても、症状が続くケースがあるのです。
このような場合に選択肢となるのが鍼灸院への相談。
鍼灸では、目の周囲のツボへの刺激に加え、首・肩・全身の血流を良くするアプローチを行います。検査では見つからない「体の巡りの悪さ」や「筋肉の緊張」に働きかけることで、慢性的な眼精疲労のケアを目指していきます。
眼科でできること・鍼灸でできること|それぞれの役割
眼科と鍼灸は、それぞれ得意とする領域が異なります。どちらが優れているという話ではなく、役割が違うと理解しておくことが大切です。
眼科でできること
眼科では、視力検査や眼圧測定、眼底検査などを通じて、目の病気や器質的な異常を発見・治療します。
緑内障や白内障、網膜の病気、ドライアイなど、医学的な診断と治療が必要な症状には眼科が不可欠。目薬の処方やメガネ・コンタクトの度数調整も眼科の領域です。
鍼灸でできること
鍼灸は、目の周りや首・肩・全身のツボに鍼やお灸で刺激を与え、血流の改善や筋肉の緊張緩和、自律神経のバランス調整を目指します。
検査で異常が見つからない慢性的な眼精疲労、頭痛や肩こりを伴う症状、ストレスや疲労が原因の不調などに対応。体質そのものを整えることで、症状が出にくい状態を目指していきます。
簡単にまとめると、「病気を見つけて治す」のが眼科、「体の機能を整えて回復力を高めていく」のが鍼灸。両者の得意分野を理解しておくと、自分の症状に合った相談先を選びやすくなるはずです。
眼科と鍼灸を上手に併用するための考え方
眼精疲労が重症化している場合や、複数の要因が絡み合っている場合は、眼科と鍼灸を併用するアプローチも検討してみましょう。
まず最初のステップとして、眼科で検査を受けることをおすすめします。目の病気が隠れていないかを確認し、必要であれば治療を開始する。これが大前提です。
その上で、「検査結果に異常はないが症状が続く」「眼科の治療だけでは改善が不十分」という場合に、鍼灸院への相談を取り入れてみてください。
眼科では対応しきれない血行不良や筋肉のこり、自律神経の乱れにアプローチすることで、回復が早まる可能性があります。
併用する際は、眼科の医師に「鍼灸も受けている」と伝えておくと安心です。症状の変化を双方で共有することで、より適切なケアにつながるでしょう。
受診前に整理しておきたい「症状メモ」
眼科でも鍼灸院でも、初診時には症状について詳しく聞かれます。限られた時間で的確に伝えるために、事前にメモを作っておくとスムーズです。
ざっくり、以下のような情報をメモしておけばよいでしょう。
- いつから症状が始まったか(何週間前、何ヶ月前など)
- どんな症状があるか(目のかすみ、痛み、乾燥、頭痛、肩こりなど)
- 症状が出やすいタイミング(夕方、パソコン作業後、朝起きたときなど)
- 症状の頻度と持続時間(毎日なのか、週に数回なのか)
- 自分で試したケアとその結果(目薬、温める、休息など)
- 生活習慣(1日のパソコン使用時間、睡眠時間、メガネの使用状況など)
- 服用中の薬やサプリメント
これらを簡潔にまとめておくと、専門家も状態を把握しやすくなり、より適切なアドバイスを受けられるはず。スマートフォンのメモ機能を使って、気づいたときに症状を記録しておく習慣もおすすめです。
専門家への相談も視野に
ここまで、眼精疲労の見分け方から重症度別の対処法、治らない人に多い落とし穴、そして受診のタイミングまで解説してきました。
眼精疲労は「たかが目の疲れ」と軽視されがちですが、放置すれば頭痛や肩こり、集中力の低下など、日常生活全体に影響を及ぼすことがあります。
逆に言えば、早い段階で適切なケアを始めれば、短期間で改善できる可能性も十分にあるのです。
大切なのは、自分の症状がどの段階にあるのかを正しく見極めること。軽度であればセルフケアと生活習慣の見直しで対応できますが、数週間以上続く場合や全身症状を伴う場合は、専門家の力を借りることを検討してください。
眼科では目の病気がないかを確認し、必要な治療を受けられます。
一方、「検査では異常なし」と言われたのに症状が続く場合や、首・肩こりを伴う慢性的な眼精疲労には、鍼灸院という選択肢もあります。
鍼灸院「ハリのち晴れ」では、目の疲れだけでなく、首・肩・全身の血流や自律神経のバランスを整えることを目指しオーダーメイドの鍼灸施術を行っています。お困りの方はぜひご相談ください。