「パソコン作業を続けていると、目の奥がズーンと重くなり、いつの間にか首の付け根まで痛くなっている」。そんな経験はありませんか。
眼精疲労と首の痛みは、実は密接につながっていると言われています。放っておくと慢性的な肩こりや頭痛に発展することも少なくありません。
本記事では、眼精疲労で首の付け根が痛くなる原因を解説するとともに、今日から実践できる5つの対処法やストレッチをご紹介します。
デスクワークが多い方、スマホを長時間使う方は、ぜひ最後までお読みください。
眼精疲労により首が痛くなる原因・判別方法
眼精疲労が首の痛みを引き起こす原因と、単なる肩こりとの見分け方について解説します。以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 眼精疲労性頸肩腕症候群の可能性が高い
- デスクワークで後頭下筋群という筋肉に痛みが出る
- 単なる肩こりとの違いは痛みの連動性・持続時間・悪化タイミング
1:眼精疲労性頸肩腕症候群の可能性が高い
目を酷使した後に首や肩、腕にまで痛みやだるさが広がる場合、「眼精疲労性頸肩腕症候群(がんせいひろうせいけいけんわんしょうこうぐん)」の可能性があります。
これは、眼精疲労をきっかけに首から腕にかけての筋肉や神経に不調が連鎖する状態のこと。
特にパソコンやスマホを長時間使う方に多く見られます。目の疲れだけでなく、首の付け根のこわばりや、腕のしびれ、手先の冷えなどを伴うケースも珍しくありません。
単なる「疲れ目」と軽視せず、体全体の不調として捉えることが大切です。
2:デスクワークで後頭下筋群という筋肉に痛みが出る
デスクワーク中、画面に集中するあまり頭が前に突き出た姿勢になっていませんか。
この姿勢が続くと、「後頭下筋群(こうとうかきんぐん)」という首の付け根にある小さな筋肉群に大きな負担がかかります。
後頭下筋群は、頭蓋骨の後ろ側と首の骨をつなぐ筋肉の集まりです。頭の重さは約5kg前後ありますが、頭が前に傾くほど首にかかる負荷は増加します。
たとえば15度前傾しただけで首への負担は約12kgに、30度では約18kgにもなるといわれています。
近くのものをじっと見続ける「近方固視」の状態では、無意識に頭が前に出やすくなります。
その重みを支え続けた結果、後頭下筋群が疲労し、首の付け根に痛みやこわばりが生じるのです。
3:単なる肩こりとの違いは痛みの連動性・持続時間・悪化タイミング
「これは普通の肩こり?それとも眼精疲労からくる痛み?」と迷ったときは、3つのポイントで判別してみてください。
まず「痛みの連動性」について。眼精疲労が原因の場合、目の疲れや頭痛と首・肩の痛みが同時に現れやすいのが特徴です。目を休めると首の痛みも和らぐことが多いでしょう。
次に「持続時間」です。単なる肩こりは休息で比較的早く回復しますが、眼精疲労由来の痛みは休んでも翌日まで持ち越すことがあります。朝起きたときから首が重い、という方は要注意。
最後に「悪化するタイミング」を確認しましょう。パソコン作業や読書など、目を使う作業の後に痛みが強くなる場合は、眼精疲労との関連が疑われます。
逆に、重い荷物を持った後や運動後に悪化するなら、筋肉疲労による肩こりの可能性が高いでしょう。
これらの特徴に当てはまる方は、目と首の両方をケアするアプローチが効果的です。
デスクワーカーが陥る視覚疲労→体の痛みの連鎖
デスクワークで目を酷使すると、なぜ首の付け根にまで痛みが広がるのでしょうか。ここでは、視覚疲労から体の痛みへと発展する流れを4つのステップで解説します。
- 【ステップ1】ピント調節が限界に
- 【ステップ2】前のめり・あご突き出しが始まる
- 【ステップ3】首の付け根が固まる
- 【ステップ4】血流悪化と神経圧迫による痛みの慢性化
【ステップ1】ピント調節が限界に
パソコンやスマホの画面を見続けると、目の中にある「毛様体筋(もうようたいきん)」という筋肉が酷使されます。
毛様体筋は、カメラのオートフォーカスのように水晶体の厚みを変え、近くや遠くにピントを合わせる役割を担う筋肉です。
近くの画面を見続けると、毛様体筋は縮んだ状態で固定されます。この緊張状態が何時間も続くと、筋肉が疲労してピント調節がうまくいかなくなることに。
「画面の文字がぼやける」「目がかすむ」といった症状は、毛様体筋が限界を迎えているサインといえるでしょう。
さらに、画面に集中しているときはまばたきの回数が通常の約半分に減るともいわれています。目の表面が乾きやすくなり、疲労感がいっそう強まる悪循環に陥りやすいのです。
【ステップ2】前のめり・あご突き出しが始まる
目が疲れてくると、無意識のうちに画面に顔を近づけてしまいます。「もっとよく見よう」とする体の自然な反応ですが、これが姿勢の崩れを招く原因に。
典型的なのが、背中が丸まり、あごが前に突き出た「ストレートネック予備軍」のような姿勢です。
本来、首の骨(頸椎)は緩やかなカーブを描いていますが、この姿勢ではカーブが失われ、首がまっすぐになってしまいます。
自分では気づきにくいものの、横から見ると耳の位置が肩よりもかなり前に出ている方は要注意。この姿勢が習慣化すると、次のステップへと進行していきます。
【ステップ3】首の付け根が固まる
頭が前に出た姿勢が続くと、首の付け根にある後頭下筋群や僧帽筋(そうぼうきん)の上部に過剰な負担がかかります。
僧帽筋は首から肩、背中にかけて広がる大きな筋肉で、肩こりの原因としてよく知られています。
これらの筋肉は、前に傾いた頭が落ちないように常に引っ張り続けなければなりません。いわば「綱引き」をしているような状態が何時間も続くわけです。
筋肉が緊張し続けると、やがて血流が滞り、筋肉に十分な酸素や栄養が届かなくなります。
すると筋肉はさらに硬くなり、「首の付け根がガチガチに固まっている」という状態に。この段階で痛みやこわばりを自覚する方が多いでしょう。
【ステップ4】血流悪化と神経圧迫による痛みの慢性化
首の付け根の筋肉が硬くなると、周囲の血管や神経にも影響が及びます。血流が悪化すれば、疲労物質が溜まりやすくなり、痛みを感じやすい状態に。
さらに、硬くなった筋肉が神経を圧迫すると、後頭部の頭痛やこめかみの痛み、ひどい場合は腕や指先のしびれにまで発展することがあります。
後頭部には「大後頭神経」という神経が通っており、ここが圧迫されると頭全体が締め付けられるような痛みを感じることも。
この段階まで進むと、週末に休んだ程度では回復しにくくなります。「月曜の朝からすでに首が重い」「マッサージに行っても数日で元に戻る」という方は、慢性化のサインかもしれません。
痛みが慢性化すると、脳が痛みを記憶してしまい、ちょっとした刺激でも痛みを感じやすくなる「痛みの悪循環」に陥るリスクも。早めの対処が重要です。
症状が出たらすぐ始めたい5つの対処法
眼精疲労による首の痛みを感じたら、早めの対処が肝心です。ここでは、今日から実践できる5つの対処法をご紹介します。
- 後頭下筋群ほぐしストレッチで1回30秒×3セット
- 温冷交代法で目と首の血流を改善する
- モニター位置を目線の高さ・距離40cmに調整する
- 20-20-20ルールで20分ごとに目の緊張をリセットする
- 1時間ごとに首をリセットするストレッチを行う
1:後頭下筋群ほぐしストレッチで1回30秒×3セット
首の付け根にある後頭下筋群を直接ほぐすストレッチです。デスクに座ったままでもできるので、仕事の合間に取り入れてみてください。
やり方はシンプルです。まず、両手の指先を組んで、後頭部の出っ張り(後頭骨)のすぐ下あたりに当てます。
次に、手のひらで頭を支えながら、あごを軽く引いて「うなずく」ような動きをしましょう。首の付け根が伸びている感覚を意識しながら30秒間キープし、ゆっくり元に戻します。
これを3セット繰り返してください。
ポイントは、無理に強く押さないこと。「痛気持ちいい」程度の力加減で十分です。後頭部の筋肉がじんわりほぐれていく感覚があれば、正しくできている証拠といえるでしょう。
また、指先で後頭部の髪の生え際あたりを小さく円を描くようにマッサージするのも効果的です。後頭下筋群のある場所を直接刺激することで、血流が促進されます。
2:温冷交代法で目と首の血流を改善する
温めると冷やすを交互に行う「温冷交代法」は、血流改善に効果が期待できる方法です。目と首の両方に使えるテクニックなので、ぜひ試してみてください。
目の温冷交代法は、蒸しタオル(または市販のホットアイマスク)を閉じた目の上に乗せ、1〜2分温めることから始めます。
次に、冷たいタオルや保冷剤をハンカチで包んだものを目に当て、30秒ほど冷やします。これを2〜3回繰り返しましょう。
首の温冷交代法も同様の流れで行います。蒸しタオルを首の後ろに当てて2〜3分温めたら、冷たいタオルに替えて1分ほど冷やします。これも2〜3回繰り返してください。
温めることで血管が広がり、冷やすことで収縮する。このポンプ作用によって血流が活発になり、溜まった疲労物質の排出が促されます。
蒸しタオルは、濡らしたタオルを電子レンジで30秒〜1分ほど加熱すれば簡単に作れます。やけどに注意しながら、心地よい温かさで行いましょう。
3:モニター位置を目線の高さ・距離40cmに調整する
作業環境を整えることは、根本的な予防策として非常に重要です。特にモニターの位置は、姿勢に大きく影響します。
理想的なモニター位置としては、画面の上端が目線と同じか、やや下になる高さに設定しましょう。
目から画面までの距離は40〜50cm程度が目安です。また、画面は正面に配置し、首をひねらない位置に調整してください。
ノートパソコンを使っている方は要注意。画面が低い位置にあるため、どうしてもうつむき姿勢になりがちです。
外付けキーボードとノートパソコンスタンドを使い、画面の高さを上げることをおすすめします。
また、椅子の高さも見直してみてください。足の裏が床にしっかりつき、膝が90度程度に曲がる高さが理想的です。椅子が高すぎると前傾姿勢になりやすく、首への負担が増してしまいます。
4: 20-20-20ルールで20分ごとに目の緊張をリセットする
「20-20-20ルール」とは、アメリカの眼科医が提唱した目の休息法です。シンプルながら、眼精疲労の予防に高い効果が期待できます。
内容は、20分ごとに20フィート(約6メートル)以上離れた場所を20秒間眺める、というもの。
近くの画面を見続けると、毛様体筋が縮んだまま固定されてしまいます。遠くを見ることで筋肉がゆるみ、緊張がリセットされる仕組みです。
オフィスで6メートル先を見るのが難しい場合は、窓の外の景色や、できるだけ遠くにあるものを眺めるだけでも構いません。大切なのは「近くを見続ける」状態を定期的に中断すること。
スマホのタイマー機能やパソコンのリマインダーアプリを活用して、20分ごとにアラームを設定しておくと忘れずに実践できるでしょう。
5: 1時間ごとに首をリセットするストレッチを行う
目のケアに加えて、首そのもののストレッチも欠かせません。1時間に1回、以下のストレッチで首の筋肉をリセットしましょう。
首の前後ストレッチでは、背筋を伸ばして座り、ゆっくりとあごを胸に近づけます。首の後ろが伸びている感覚を意識しながら15秒キープ。
次に、ゆっくり上を向き、首の前側を伸ばして15秒キープしてください。
首の左右ストレッチは、右手を頭の左側に添え、ゆっくり右側に倒します。左の首筋が伸びているのを感じながら15秒キープし、反対側も同様に行いましょう。
首回しストレッチでは、ゆっくりと首を時計回りに大きく回します。5回まわしたら、反時計回りにも5回。勢いをつけず、ゆっくり丁寧に行うのがポイントです。
首を回すときに「ゴリゴリ」と音がする方は、筋肉が硬くなっているサインかもしれません。無理に音を鳴らそうとせず、痛みのない範囲で動かしてください。
これらのストレッチは、会議の合間やトイレ休憩のついでなど、ちょっとした時間に行えます。習慣化することで、首こりの予防効果が高まるでしょう。
病院での治療法と改善までの期間目安
セルフケアを続けても改善しない場合や、症状が強い場合は、医療機関への受診を検討しましょう。
ここでは、受診の目安や診療科の選び方、改善までの期間について解説します。
- 「様子見」は危険!すぐ受診すべき5つの症状をチェック
- 症状別の受診先は主症状で判断する
- 改善期間の目安は症状の発症時期で異なる
1:「様子見」は危険。すぐ受診すべき5つの症状をチェック
「もう少し様子を見よう」と放置しているうちに、症状が悪化してしまうケースは少なくありません。以下の症状に当てはまる場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
| 症状 | 注意すべき理由 |
| 首の痛みとともに腕や手にしびれがある | 神経が圧迫されている可能性があり、放置すると感覚障害や筋力低下につながることも |
| 頭痛が頻繁に起こる、または強くなっている | 緊張型頭痛の慢性化や、他の疾患が隠れている可能性がある |
| 吐き気やめまいを伴う | 自律神経の乱れや、頸椎(首の骨)の異常が疑われる |
| 目の痛みや視力の急激な低下がある | 眼圧の上昇や眼底の異常など、眼科的な疾患の可能性がある |
| 2週間以上セルフケアを続けても改善しない | 慢性化が進行しており、専門的な治療が必要な段階に入っている |
特に注意したいのが、しびれを伴う場合です。首の骨の間にある椎間板(ついかんばん)がつぶれて神経を圧迫する「頸椎椎間板ヘルニア」などが隠れている可能性があります。
「そのうち治るだろう」と放置せず、整形外科を受診しましょう。
2:症状別の受診先は主症状で判断する
眼精疲労と首の痛みが同時にある場合、「何科に行けばいいのかわからない」と迷う方も多いでしょう。基本的には、一番つらい症状(主症状)を基準に受診先を選ぶとスムーズです。
目の症状がメインの場合は眼科へ行きましょう。目のかすみ、充血、ドライアイ、視力低下などが強い場合は、まず眼科を受診してください。
眼精疲労の原因が、度の合わないメガネやコンタクトレンズ、あるいは緑内障などの眼疾患にある可能性も考えられます。
眼科で目の状態を詳しく調べてもらうことで、根本的な原因がわかることがあります。
首・肩の痛みがメインの場合は整形外科が適しています。首の付け根の強い痛み、肩から腕にかけてのしびれ、首を動かしたときの痛みなどが主な症状であれば、整形外科を選びましょう。
レントゲンやMRIで頸椎の状態を確認し、骨や椎間板に異常がないかを調べてもらえます。
頭痛がメインの場合は頭痛外来や脳神経内科への受診を検討してください。
後頭部の締め付けるような頭痛、こめかみのズキズキする痛みなど、頭痛が一番つらい場合は頭痛外来や脳神経内科(脳神経外科)が適しています。
緊張型頭痛や片頭痛の診断を受け、適切な治療を受けることができるでしょう。
どこに行くべきか迷ったら、まずかかりつけ医や内科を受診するのも一つの方法です。症状を聞いた上で、適切な診療科を紹介してもらえます。
3:改善期間の目安は症状の発症時期で異なる
「どのくらいで良くなりますか」という質問はよくありがちですが、改善までの期間は症状の程度や発症からの経過時間によって大きく異なります。
急性期(発症から2週間以内)の場合は、適切な治療とセルフケアで比較的早く改善が見込めます。
目安としては2週間〜1か月程度。この段階で正しく対処できれば、慢性化を防げる可能性が高いでしょう。
亜急性期(発症から2週間〜3か月)の場合は、改善までに1〜3か月ほどかかることが多いです。
筋肉の緊張が定着し始めているため、治療に加えて生活習慣や作業環境の見直しも重要になります。
慢性期(発症から3か月以上)の場合は、改善に3〜6か月以上かかることも珍しくありません。
痛みの悪循環が形成されていたり、姿勢の崩れが体に染みついていたりするため、根気強い治療が必要です。
いずれの場合も、「一度良くなったから終わり」ではなく、再発予防のためのセルフケアを継続することが大切です。
特に慢性化していた方は、症状が落ち着いた後も定期的なメンテナンスを心がけましょう。
眼精疲労には専門家への相談も検討する
セルフケアや作業環境の改善を試しても、眼精疲労や首の痛みがなかなか良くならない場合は、専門家への相談を検討してみてください。
慢性化した症状は、自己流のケアだけでは改善が難しいケースもあります。
鍼灸院「ハリのち晴れ」では、眼精疲労や首・肩のこりに対して、薬に頼らない体質改善アプローチを行っています。
飲み薬や塗り薬を使わないため、副作用の心配がなく、薬との相性が気になる方や、できるだけ自然な方法で改善したい方にも選ばれています。
施術は、お一人おひとりの症状や体質、ご希望に合わせたオーダーメイド。
「首の付け根が特につらい」「目の奥の重さが取れない」など、気になるポイントを丁寧にヒアリングした上で、最適なアプローチをご提案します。
眼精疲労や首こりは、一度の施術で完全に解消するものではありません。継続してケアを受けることで、体質から整えていくことが大切です。
「セルフケアを続けているのに良くならない」「病院に行くほどではないけれど、ずっと不調が続いている」という方は、検討してみるとよいでしょう。
なお、このサイトを運営するシステム開発会社であるBPS株式会社では、エンジニアの労働環境改善に注力しています。
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