長時間のデスクワーク中、急にめまいを感じた経験はありませんか。
パソコン作業に集中していると、目がグルグル回るような感覚や、フワフワと浮いているような不安定さを覚えることがあります。
こうしためまいは、首や肩のこり、眼精疲労、自律神経の乱れなど、デスクワーク特有の原因が複雑に絡み合って起こるケースが少なくありません。
本記事では、症状のタイプ別にめまいの特徴を整理し、職場でできる対処法や、再発を防ぐための環境改善について詳しく解説していきます。
「病院に行くほどではないけれど、なんとなく不調が続いている」という方のお役に立てば幸いです。
【症状別】デスクワークによるめまいの特徴
ひと口に「めまい」といっても、感じ方は人によってさまざまです。自分の症状がどのタイプに当てはまるかを知ることで、原因の見当をつけやすくなり、適切な対処にもつなげられるでしょう。
デスクワークで起こりやすいめまいは、大きく分けて以下の4つに分類できます。
- グルグル回る「回転性めまい」
- フワフワする「浮動性めまい」
- 立ち上がると起こる「立ちくらみ」
- 複数の症状が重なる「混合型」
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
1:グルグル回る「回転性めまい」
自分自身や周囲の景色がグルグルと回転しているように感じるのが、回転性めまいの特徴です。
遊園地のコーヒーカップから降りた直後のような感覚、といえばイメージしやすいかもしれません。
このタイプは、耳の奥にある「内耳」と呼ばれる器官のトラブルが原因となることが多いとされています。
よく知られているのが「良性発作性頭位めまい症」で、頭を特定の方向に動かしたときに症状が出やすいのが特徴。
デスクワーク中にふと上を向いたり、振り返ったりした瞬間に発症するケースも珍しくありません。
吐き気を伴うことも多く、症状が強いときは仕事を続けるのが難しくなります。ただし、多くの場合は数十秒から数分で治まり、安静にしていれば回復に向かうでしょう。
2:フワフワする「浮動性めまい」
地面が揺れているような、あるいは雲の上を歩いているようなフワフワとした感覚が続くのが浮動性めまいです。
回転性めまいほど激しくはないものの、なんとなく頭がぼんやりする、足元がおぼつかないといった不快感が長く続きやすい傾向があります。
デスクワーカーに多いのがこのタイプ。長時間のパソコン作業による眼精疲労や、首・肩のこりからくる血流の悪化、自律神経の乱れなどが複合的に影響していると考えられています。
「病名がつくほどではないけれど、一日中すっきりしない」という訴えが多いのも特徴で、ストレスや睡眠不足が重なると症状が悪化しやすくなることがあります。
3:立ち上がると起こる「立ちくらみ」
長時間座っていた状態から急に立ち上がったとき、目の前が暗くなったり、クラッとしたりする症状が立ちくらみです。医学的には「起立性低血圧」や「起立性調節障害」と呼ばれることもあります。
座りっぱなしの姿勢が続くと、下半身に血液がたまりやすくなります。その状態で急に立ち上がると、脳への血流が一時的に不足し、めまいやふらつきにつながることも。
デスクワークでは、集中するあまり何時間も席を立たないことが珍しくありません。
会議や休憩で立ち上がった瞬間にフラッとするのは、こうした血液の偏りが原因となっている可能性が高いでしょう。
4:複数の症状が重なる「混合型」
実際には、上記の症状がきれいに分かれるとは限りません。
回転性と浮動性が交互に現れたり、立ちくらみとフワフワ感が同時に起こったりと、複数のタイプが混在する「混合型」も多く見られます。
とくに、デスクワークによる不調は原因が一つに特定しにくいのが実情です。
姿勢の悪さ、目の疲れ、ストレス、運動不足など、さまざまな要因が絡み合っているため、症状も複雑になりがちです。
「なんだかよくわからないめまい」として片付けられてしまうケースも少なくありません。
自分の症状を正確に把握するためには、「いつ」「どんな状況で」「どのように感じたか」を記録しておくと、医療機関を受診する際にも役立つはずです。
デスクワークでめまいが起こる原因とは
デスクワーク中にめまいが起こる背景には、オフィスワーク特有の身体的・精神的な負担が潜んでいます。
原因を正しく理解することで、効果的な予防や対策につなげることができるでしょう。
主な原因として、以下の4つが挙げられます。
- 長時間同じ姿勢による首の血流悪化
- 眼精疲労が引き起こす自律神経の乱れ
- 座りっぱなしで起こる血圧の変動
- ストレスと過労による自律神経失調
それぞれ詳しく解説していきます。
①長時間同じ姿勢による首の血流悪化
パソコン作業では、どうしても顔を前に突き出すような姿勢になりがちです。
この「ストレートネック」と呼ばれる状態が続くと、首や肩の筋肉が緊張し、血管が圧迫されて血流が滞ってしまいます。
首には脳へ血液を送る重要な血管が通っています。この部分の血流が悪くなると、脳に届く酸素や栄養が不足し、めまいやふらつきにつながることも。
とくに、何時間も同じ姿勢でモニターを見続けるデスクワーカーは、知らず知らずのうちに首への負担を蓄積させています。
「肩こりがひどくなるとめまいも出やすい」と感じる方は、首の血流悪化が関係している可能性が高いでしょう。
②眼精疲労が引き起こす自律神経の乱れ
長時間のパソコン作業は、目に大きな負担をかけます。
ニターを凝視し続けることでまばたきの回数が減り、目が乾燥。さらに、近い距離にピントを合わせ続けることで、目の周りの筋肉が疲弊していきます。
この眼精疲労が厄介なのは、目だけの問題にとどまらない点です。
目の疲れは自律神経のバランスを崩す引き金となり、全身のさまざまな不調を招くことがあります。めまいやふらつきもその一つ。頭痛や吐き気を伴うケースも珍しくありません。
ブルーライトの影響や、照明とモニターの明るさの差なども、目への負担を増幅させる要因となっています。
③座りっぱなしで起こる血圧の変動
デスクワークでは、1日の大半を座った状態で過ごすことになります。
この「座りっぱなし」の習慣が、血圧の調整機能に悪影響を及ぼすことをご存じでしょうか。
人間の体は本来、立ったり座ったり歩いたりと、さまざまな姿勢を取ることで血液循環を維持しています。
ところが、長時間座り続けると下半身に血液がたまりやすくなり、心臓や脳への血流が滞りがちに。
この状態で急に立ち上がると、血圧が急激に変動し、めまいや立ちくらみにつながることがあります。
また、座っている間も血圧は微妙に変動しており、これが浮動性めまいの原因となることもあるようです。
④ストレスと過労による自律神経失調
締め切りに追われるプレッシャー、人間関係の緊張、残業続きの疲労。デスクワークには、身体的な負担だけでなく、精神的なストレスもつきものです。
こうしたストレスや過労が蓄積すると、自律神経のバランスが乱れやすくなります。自律神経とは、心拍や血圧、体温調節など、体の機能を無意識にコントロールしている神経のこと。
この働きが乱れると、めまい、動悸、倦怠感、不眠など、多様な症状が現れることがあります。
「検査をしても異常が見つからないのに、めまいが続く」という場合は、自律神経の乱れが背景にある可能性を疑ってみてください。
休息を取っても改善しない場合は、専門家への相談を検討することをおすすめします。
【4ステップ】めまいが起きた時の正しい対処法
デスクワーク中に突然めまいが起きると、焦ってしまうものです。
しかし、慌てて動くと転倒などの二次的な事故につながる恐れがあります。落ち着いて段階的に対処することが大切です。
めまいが起きた時は、以下の4つのステップで対応しましょう。
- 【STEP1】発症直後の対応
- 【STEP2】症状を和らげる応急処置
- 【STEP3】姿勢の調整と経過観察
- 【STEP4】周囲への連絡と判断
それぞれの段階で行うべきことを具体的に説明していきます。
【STEP1】発症直後の対応
めまいを感じたら、まずその場で動きを止めてください。無理に立ち上がったり、歩いたりしようとするのは禁物です。
座っている状態であれば、そのまま椅子に深く腰掛け、デスクや壁など安定したものに手を添えて体を支えます。
可能であれば目を閉じて、視覚からの情報を遮断しましょう。周囲がグルグル回って見える回転性めまいの場合、目を開けていると症状が悪化しやすいためです。
立っている時にめまいが起きた場合は、その場にしゃがむか、近くの椅子や壁を頼りにゆっくりと腰を下ろします。転倒を防ぐことを最優先に考えてください。
【STEP2】症状を和らげる応急処置
体勢が安定したら、次は症状を和らげるための応急処置を行います。
まず、衣服の締め付けを緩めましょう。ネクタイやベルト、きつめのシャツのボタンなど、血流を妨げているものがあれば楽にします。
次に、ゆっくりと深呼吸を繰り返してください。鼻から4秒かけて吸い、口から6秒かけて吐く。このリズムを意識すると、自律神経が落ち着きやすくなります。
冷たい水を少量飲むのも効果的です。脱水がめまいの原因となっていることもあるため、水分補給は応急処置として有効でしょう。
ただし、吐き気が強い場合は無理に飲まず、様子を見てください。
【STEP3】姿勢の調整と経過観察
応急処置を行ったら、楽な姿勢を取りながら経過を観察します。
症状が軽い場合は、椅子の背もたれに体を預け、首や肩の力を抜いた状態で5〜10分ほど安静にしましょう。
可能であれば、横になれる場所に移動するのも一つの方法です。休憩室やソファがあれば活用してください。
この時、時計を確認して症状が始まった時刻を覚えておくことをおすすめします。
めまいがどのくらい続いたか、どのように変化したかを記録しておくと、後で医療機関を受診する際に役立つはずです。
多くの場合、10〜30分ほど安静にしていれば症状は徐々に治まっていきます。
【STEP4】周囲への連絡と判断
症状が落ち着いてきたら、今後の行動を判断しましょう。
まず、近くにいる同僚や上司に状況を伝えておくことが大切です。
一人で抱え込まず、周囲に知らせておくことで、万が一症状が悪化した場合にも迅速に対応してもらえます。
なお、めまいが30分以上続いたり繰り返し起こったりする場合、激しい頭痛や吐き気を伴う場合、手足のしびれやろれつが回らないなどの症状がある場合、意識がもうろうとする場合は、速やかに医療機関を受診してください。
とくに、手足のしびれや言葉の異常を伴う場合は、脳の血管に問題が生じている可能性もあります。ためらわずに救急車を呼ぶことも選択肢に入れてください。
症状が軽く、しばらく休んで回復した場合でも、同じようなめまいが繰り返し起こるようであれば、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。
めまいを防ぐデスクワーク環境の改善法
めまいへの対処法を知っておくことも大切ですが、そもそも発症させないための予防がより重要です。
デスクワーク環境を見直すことで、めまいのリスクを大幅に減らすことができるでしょう。
環境改善のポイントは、以下の4つに分けられます。
- モニターの高さ・位置調整で首への負担を軽減する
- 正しい椅子と机の高さで姿勢を改善する
- 照明の明るさと色温度を最適化する
- 1時間ごとの休憩とストレッチを習慣化する
今日からできる改善策を具体的に見ていきましょう。
1:モニターの高さ・位置調整で首への負担を軽減する
モニターの位置が適切でないと、無意識のうちに首を前に突き出したり、見上げたりする姿勢になってしまいます。
この不自然な姿勢が首の血流を悪化させ、めまいの原因となることは先に述べた通りです。
理想的なモニターの位置は、画面の上端が目の高さと同じか、やや下にくる高さ。視線を少し下げた状態で画面の中央を見られるのがベストです。
モニターが低すぎる場合は、モニタースタンドや台を使って高さを調整しましょう。
ノートパソコンを使っている方は、外付けのキーボードとモニタースタンドを組み合わせると、適切な高さを確保しやすくなります。
2:正しい椅子と机の高さで姿勢を改善する
いくらモニターの位置を調整しても、椅子や机の高さが合っていなければ効果は半減してしまいます。
正しい姿勢を維持できる環境を整えることが、めまい予防の土台となるでしょう。
椅子の高さは、足の裏全体が床につき、膝が90度に曲がる位置が適切です。足が床につかない場合はフットレストを活用してください。
また、椅子の奥まで深く腰掛け、背もたれに背中をつけることで、腰や背中への負担を軽減できます。
机の高さは、椅子に座った状態で肘が90度に曲がり、キーボードに自然に手を置ける位置が目安。
机の高さが調整できない場合は、椅子の高さで調整し、足元にはフットレストを置くとバランスが取れます。
3:照明の明るさと色温度を最適化する
意外と見落とされがちなのが、照明環境の影響です。明るすぎる照明や、モニターとの明暗差が大きい環境は、眼精疲労を加速させ、自律神経の乱れを招く原因になることがあります。
デスク周りの照明は、モニター画面の明るさとのバランスを意識しましょう。部屋全体が暗い中でモニターだけが明るく光っている状態は、目への負担が大きくなります。
できれば、モニターの後ろや横に間接照明を置いて、画面との明暗差を和らげるのがおすすめです。
照明の色温度も考慮したいポイント。昼白色や白色の照明は作業効率を高めますが、長時間浴び続けると目が疲れやすい傾向があります。
夕方以降は暖色系の照明に切り替えるなど、時間帯に応じた調整ができると理想的です。
4: 1時間ごとの休憩とストレッチを習慣化する
どれだけ環境を整えても、長時間同じ姿勢を続ければ体への負担は蓄積されていきます。定期的に体を動かす習慣を取り入れることが、めまい予防には欠かせません。
目安として、1時間に1回は席を立ち、5分程度の休憩を取るようにしましょう。
トイレに行く、お茶を入れに行くなど、ちょっとした移動でも構いません。座りっぱなしの状態をリセットすることが目的です。
休憩中には、簡単なストレッチを取り入れると効果的。首をゆっくり回す、肩を上げ下げする、背伸びをするといった軽い動きで十分です。
目の疲れを和らげるために、窓の外の遠くの景色を眺めるのもよいでしょう。
こうした習慣を続けることで、首や肩のこり、眼精疲労、血流の滞りといっためまいの原因を未然に防ぐことにつながります。
自律神経が原因のめまいなら専門家への相談も
デスクワーク環境を改善し、休憩やストレッチを習慣化しても、めまいがなかなか改善しないケースがあります。その場合、自律神経の乱れが慢性化している可能性を考えてみてください。
自律神経の不調は、生活習慣の見直しだけでは根本的な改善が難しいことも少なくありません。
「病院で検査を受けても異常なしと言われた」「薬を飲んでも一時的にしか良くならない」という方は、体質そのものにアプローチする方法を検討してみてはいかがでしょうか。
例えば鍼灸院「ハリのち晴れ」では、薬に頼らない体質改善を軸とした施術を行っています。飲み薬や塗り薬を使わないため、薬との相性に不安を感じている方にも選びやすいのが特徴です。
「どこをどう施術するか」を丁寧にカウンセリングした上で決定し、必要に応じてパルス通電などを組み合わせながら、アプローチを提案しています。
慢性的なめまいや不調でお悩みの方は、検討してみても良いでしょう。
なお、当サイトを運営しているBPS株式会社では「エンジニアが快適に働ける環境づくり」を大切にしています。
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