毎日のデスクワークで、気づけば肩が凝っていたり腰が痛くなったりしてしまうもの。長時間パソコンに向かっていると、知らず知らずのうちに姿勢が崩れてしまいます。
猫背や前のめりの姿勢が続くと、肩こりや腰痛だけでなく、頭痛や眼精疲労といった不調にもつながります。
「正しい姿勢を意識しているつもりなのに、すぐ元に戻ってしまう」という方も多いのではないでしょうか。
実は、姿勢の悪化には単なる意識の問題だけでなく、デスク環境や体の使い方に根本的な原因が潜んでいるケースも少なくありません。
それでは、なぜデスクワークで姿勢が悪くなるのか、その原因から詳しく見ていきましょう。
なぜデスクワークで姿勢が悪くなるのか?
デスクワークで姿勢が崩れてしまう背景には、以下のような要因が関係しています。
- 人間の体は「座り続ける」ようにできていない
- 集中するほど体が前のめりになってしまう
- 楽な姿勢=正しい姿勢ではない
- デスクワークで筋力が低下し、姿勢崩れを加速させる
1:人間の体は「座り続ける」ようにできていない
人間の体は本来、立ったり歩いたりする動作に適した構造をしています。考えてみると、人間は狩猟採集の時代から移動しながら活動することが基本でした。
ところが現代のデスクワークでは、1日の大半を椅子に座って過ごすことに。座った状態が長時間続くと、腰や背中の筋肉といった一部分だけが常に負荷を受け続け、血流も滞りがちになってしまうはずです。
体が「座り続ける」想定で作られていないため、どうしても無理が生じてしまいます。
特に椅子に座ると、立っているときよりも腰椎(腰の骨)にかかる圧力が約1.4倍になるという研究結果も。座っているほうが楽に感じるかもしれませんが、実は腰への負担は大きいのです。
2:集中するほど体が前のめりになってしまう
仕事に集中すればするほど、無意識のうちに画面に顔が近づいていく経験はありませんか?細かい文字を読んだり、資料を作成したりするとき、自然と体が前のめりになります。
この前傾姿勢は、首や肩の筋肉に大きな負担をかける原因になります。頭の重さは成人で約5キロほどありますが、前に傾くほど首や肩で支える負荷が増大します。
たとえば頭を15度前に傾けるだけで、首にかかる負担は約12キロにまで増えるといわれています。
さらに、集中していると姿勢の崩れに気づきにくいのも問題です。気がついたときには、すでに肩がガチガチに凝り固まっていた、ということもよくあります。
3:楽な姿勢=正しい姿勢ではない
「楽だから」という理由で選んでいる座り方が、実は体に負担をかけているケースは少なくありません。
たとえば、背もたれに寄りかかって骨盤を前にずらした「ずり落ち座り」や、片方のお尻に体重をかける「斜め座り」。
一時的には楽に感じますが、骨盤や背骨のバランスが崩れ、特定の筋肉だけに負担が集中してしまいます。
また、足を組む座り方も骨盤の歪みを招く原因のひとつ。左右どちらかの足ばかり組む癖があると、骨盤の高さに差が生まれ、腰痛や肩こりにつながります。
楽に感じる姿勢は、筋肉を使わずに骨や関節で体を支えている状態であることが多く、長期的には体への負担を増やしてしまうのです。
4:デスクワークで筋力が低下し、姿勢崩れを加速させる
デスクワークが続くと、体を支えるために必要な筋肉が衰えていきます。特に影響を受けやすいのが、背中や腰を支える「抗重力筋」と呼ばれる筋肉群です。
座りっぱなしの生活では、これらの筋肉を使う機会が減少します。筋力が低下すると、正しい姿勢を保つこと自体が難しくなり、ますます楽な(悪い)姿勢に頼るという悪循環に陥りがち。
さらに、腹筋や背筋といった体幹の筋力が弱まると、骨盤を正しい位置に保てなくなります。
骨盤が後ろに傾くと猫背になりやすく、前に傾くと反り腰になりやすいなど、姿勢の崩れが加速していきます。
運動不足も重なると、筋肉の柔軟性まで失われてしまうため、姿勢改善がさらに難しくなるという側面も見逃せません。
姿勢の悪さに繋がるデスク環境の要因
姿勢が崩れる原因は、体の使い方だけではありません。実は、毎日使っているデスク環境に問題がある場合も多いものです。
- 視力が悪くモニターが小さい
- 椅子・デスク・モニターの高さが悪い
- キーボードの位置が悪い
1:視力が悪くモニターが小さい
視力が低下しているのに眼鏡やコンタクトの度数を合わせていないと、画面の文字がぼやけて見えにくくなります。
さらに使用しているモニターが小さいと、細かい文字を読み取るのに一層苦労することに。
その結果、無意識のうちに顔を画面に近づけてしまいます。この前のめりの姿勢が習慣化すると、首や肩への負担が慢性化し、ストレートネックや肩こりの原因となるのです。
特にノートパソコンだけで作業している場合、画面が小さく位置も低いため、自然と顔が下向きになりがち。長時間この姿勢が続くと、首の自然なカーブが失われてしまいます。
また可能であれば、23インチ以上(フルHDは概ねこのサイズ)の外部モニターを使用すると、文字が読みやすくなり姿勢の改善につながります。
2:椅子・デスク・モニターの高さが悪い
デスク環境で最も見落とされがちなのが、椅子やデスク、モニターの高さ設定です。これらの高さが体に合っていないと、どんなに姿勢を意識しても無理が生じてしまいます。
まず椅子の高さが低すぎると、膝が腰より高い位置にきて骨盤が後傾しやすくなります。
逆に高すぎると足が床にしっかりつかず、太ももの裏が圧迫されて血流が悪化。どちらも姿勢の崩れを招く原因です。
デスクの高さも重要なポイント。デスクが高すぎると肩がすくんだ状態になり、肩こりの原因に。低すぎると前かがみになってしまいます。
理想は、肘を自然に下ろしたときに、肘の角度が90度から100度程度になる高さです。
モニターの位置が低いと、視線が下向きになり首や背中が丸まった姿勢に。気づかないうちに椅子の上でずり落ちた座り方になってしまうことも。
モニターは目線のやや下、画面の上端が目の高さと同じか少し下にくるよう調整しましょう。
キーボードトレーを使うと、デスクの高さに関係なく手元の位置を最適化できるため、姿勢改善に効果的です。
3:キーボードの位置が悪い
キーボードがデスクの奥に置かれていると、タイピング時に腕を前方に伸ばす形になります。この姿勢が続くと、肩が前に引っ張られて「巻き肩」の状態に。
巻き肩は肩甲骨が外側に開いて前方に出てしまう状態で、肩こりや背中の痛みだけでなく、呼吸が浅くなったり胸が圧迫されたりする原因にもなります。
理想的なキーボードの位置は、デスクの手前側。肘を体の横に自然に下ろした状態で、無理なくタイピングできる位置です。
ここでもキーボードトレーが有効。デスクの下にスライド式のトレーを設置すれば、キーボードを体に近い位置に配置でき、腕を前に伸ばす必要がなくなります。
肩への負担が軽減され、自然と背筋が伸びた姿勢を保ちやすくなるのです。
マウスも同様に、体から遠い位置にあると肩や腕に無理がかかります。キーボードとマウスはセットで、体に近い位置に配置することを心がけましょう。
姿勢の悪さはいつから体に影響が出始める?
「作業時間が短いから、ちょっと姿勢が悪いくらい大丈夫」と思ってはいませんか?実は、悪い姿勢の影響は思っているよりも早く体に現れ始めるものです。
- 30分で筋肉の緊張が始まる
- 1〜2週間で「悪い姿勢」が脳に定着する
- 3ヶ月放置すると慢性痛へ移行する
タイムラインに沿って、体に何が起きるのか見ていきましょう。
1: 30分で筋肉の緊張が始まる
デスクワークを始めてわずか30分程度で、筋肉の緊張は始まっています。同じ姿勢を保ち続けることで、特定の筋肉だけが働き続け、血流が滞り始めるのです。
前のめりの姿勢では、首の後ろ側や肩周りの筋肉が常に緊張状態に。この状態が30分続くと、筋肉内に疲労物質が蓄積し始め、軽い張りやこわばりを感じるようになります。
また、座ったままの姿勢では、太ももの裏やお尻の筋肉が圧迫され続けることに。血液やリンパの流れが悪くなり、むくみの原因にもなります。
この段階であれば、立ち上がって軽く体を動かしたり、ストレッチをしたりすることで比較的簡単に回復可能です。
30分に1回程度、姿勢を変えたり席を立ったりすることが、筋肉の緊張を防ぐポイントとなります。
2: 1〜2週間で「悪い姿勢」が脳に定着する
悪い姿勢での作業を1〜2週間続けると、その姿勢が「普通の状態」として定着し始めてしまうことでしょう。
猫背や前のめりの姿勢が習慣化すると、意識して正しい姿勢を取ろうとしても、すぐに元の悪い姿勢に戻ってしまうのはこのため。
さらに、悪い姿勢に合わせて筋肉のバランスも変化していきます。使われる筋肉は過度に緊張し、使われない筋肉は弱く硬くなります。
この不均衡が定着すると、正しい姿勢を取ること自体が不快に感じられるようになってしまいます。
この時期に姿勢を改善しようとすると、最初は違和感や軽い痛みを感じることもあります。しかし、ここで諦めずに正しい姿勢を意識し続けることが、悪い癖を上書きするために重要です。
3: 3ヶ月放置すると慢性痛へ移行する
悪い姿勢を3ヶ月以上続けると、筋肉の緊張や痛みが「慢性化」してしまうリスクが高まります。慢性痛とは、通常の回復期間を過ぎても痛みが続く状態のこと。
この段階になると、単に姿勢を正すだけでは痛みが取れにくくなります。筋肉や関節、さらには神経系にまで負担が及んでいる可能性があるためです。
たとえば、長期間の猫背でストレートネックが定着すると、首の骨の配列自体が変化してしまうことも。
本来、首の骨は緩やかなカーブを描いていますが、前傾姿勢が続くとこのカーブが失われ、まっすぐな状態になってしまいます。
また、腰痛の場合も同様です。3ヶ月以上続く腰痛は「慢性腰痛」と呼ばれ、椎間板や関節への負担だけでなく、痛みを感じる神経回路が過敏になっている状態。
この段階まで進むと、改善にも時間がかかります。
だからこそ、違和感や軽い痛みを感じた時点で、早めに対処することが大切。放置せず、姿勢の見直しやストレッチ、必要に応じて専門家への相談を検討しましょう。
【壁立ちテスト】自分の姿勢タイプをチェックする方法
自分の姿勢がどのように崩れているのか、客観的に把握できていますか。姿勢の問題点を知ることが、改善への第一歩です。
ここでは、自宅で簡単にできる「壁立ちテスト」をご紹介します。自分の姿勢をチェックしてみましょう。
- 壁立ちテストのやり方
- 後頭部がつかない、ストレートネック型
- 腰と壁の隙間が大きい、反り腰型
- 肩甲骨が壁につかない、巻き肩型
それぞれ詳しく解説します。
1:壁立ちテストのやり方
壁立ちテストは、壁を使って自分の姿勢の癖をチェックする方法。用意するものは何もありません。壁さえあればできます。
まず、壁に背を向けて立ちましょう。かかとを壁から5センチほど離した位置に置きます。そのまま自然に壁に寄りかかるように、体を壁に近づけてください。
このとき、後頭部、肩甲骨、お尻、かかとの4つが壁に触れているか確認します。
理想的な姿勢では、これら4点が無理なく壁に接します。また、腰と壁の間には、手のひら1枚分(3〜5センチ程度)の隙間が空くのが正常な状態です。
もし、どこかの部位が壁につかなかったり、腰の隙間が広すぎたり狭すぎたりする場合は、姿勢に何らかの問題がある可能性が高いでしょう。
では、具体的にどのような姿勢のタイプがあるのか、見ていきましょう。
2:後頭部がつかない、ストレートネック型
壁に寄りかかったとき、後頭部が壁につかない場合は「ストレートネック型」の可能性があります。
ストレートネックとは、本来緩やかに前方へカーブしているはずの首の骨(頸椎)が、まっすぐになってしまった状態のこと。
デスクワークやスマートフォンの使用で、頭が前に出た姿勢を長時間続けることで起こります。
この状態では、頭の重さを首の筋肉だけで支えることになるため、首や肩への負担が大きくなります。肩こり、首の痛み、頭痛、さらには手のしびれなどの症状が現れることも。
壁立ちテストで後頭部がつかない場合、普段から顎が前に出ている可能性が高いです。鏡で横から自分の姿を見てみると、耳の位置が肩よりも前に出ていることが確認できるでしょう。
改善には、首を後ろに引くのではなく、頭全体を後方へスライドさせるイメージが大切。顎を軽く引きながら、頭の位置を体の中心線上に戻すよう意識してみてください。
3:腰と壁の隙間が大きい、反り腰型
腰と壁の間に手のひらが2枚以上入るほど大きな隙間がある場合は、「反り腰型」です。
反り腰は、骨盤が前に傾きすぎて腰が反った状態。女性に多く見られ、ハイヒールをよく履く方や、デスクワークで長時間座っている方に起こりやすい傾向があります。
一見、背筋が伸びているように見えることもありますが、実は腰椎(腰の骨)に過度な負担がかかっている状態。
腰痛の原因になるだけでなく、ぽっこりお腹や下腹部が出て見える原因にもなります。
反り腰の方は、腹筋の力が弱く、太ももの前側の筋肉が硬くなっている傾向が。また、お尻の筋肉もうまく使えていないことが多いです。
改善には、骨盤を正しい位置に戻すことが重要。下腹部に軽く力を入れ、恥骨を少し前方に引き上げるイメージで骨盤を起こしましょう。
4:肩甲骨が壁につかない、巻き肩型
壁に寄りかかったとき、肩甲骨が壁につかず、肩が前方に出ている場合は「巻き肩型」の可能性があります。
巻き肩は、肩甲骨が外側に開いて前方に出てしまった状態。デスクワークでキーボードやマウスを使うとき、腕を前に出し続けることで起こりやすくなります。
この姿勢では、胸の筋肉が縮んで硬くなり、背中の筋肉が伸びきって弱くなっている状態です。肩こりはもちろん、呼吸が浅くなったり、首や背中の痛みにつながったりすることも。
また、巻き肩は見た目にも影響します。胸が閉じて猫背に見えやすく、実際の体型よりも太って見えたり、老けて見えたりする原因にもなるのです。
壁立ちテストで肩甲骨が壁につかない場合、普段から肩が内側に入っている可能性が高いでしょう。鏡で正面から見たとき、手の甲が前を向いていたら巻き肩のサイン。
改善には、胸を開くストレッチや、肩甲骨を背中側に寄せるエクササイズが効果的です。日常生活では、腕を体の横に自然に下ろし、手のひらが体側を向くよう意識してみましょう。
デスクワークの正しい姿勢は骨盤・背骨・首で決まる
「正しい姿勢」と聞いて、どんな姿勢を思い浮かべますか?実は、想像しているその「正しい姿勢」がかえって体に負担をかけている…ということも考えられます。
- 骨盤は「立てる」のではなく「自然体」に
- 背骨のS字カーブを意識しすぎると逆効果
- 首の正しいポジションは「顎を引く」ではない
- 膝・肘の角度は100〜110度がベスト
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1:骨盤は「立てる」のではなく「自然体」に
「骨盤を立てましょう」というアドバイスをよく聞きますが、実はこの表現には注意が必要です。
骨盤を無理に立てようとすると、腰が反りすぎたり、お腹に力が入りすぎたりして、かえって疲れてしまうことがあります。
理想的な骨盤の位置は、「立てる」というよりも「自然な状態」を保つこと。座ったときに、坐骨(お尻の下にある骨)が座面にしっかり当たっている感覚があれば、骨盤は自然な位置にあります。
坐骨を探すには、椅子に浅く腰掛けた状態で、お尻の下に手を入れてみてください。左右に尖った骨を感じられるはず。
この坐骨が座面に垂直に当たるように座ると、骨盤が自然な角度になります。骨盤を過度に前傾させたり後傾させたりせず、ニュートラルな位置を見つけることが大切です。
「背筋をピンと張る」イメージよりも、「坐骨で座る」イメージを持つと、無理なく正しい位置を保てるでしょう。
2:背骨のS字カーブを意識しすぎると逆効果
「背骨のS字カーブを保ちましょう」というアドバイスも一般的ですが、これを意識しすぎると、かえって不自然な姿勢になってしまいます。
確かに、背骨は横から見ると緩やかなS字カーブを描いています。首は前方へ、胸は後方へ、腰は前方へとカーブしているのが自然な状態です
しかし、このカーブを強調しようとして胸を張りすぎたり、腰を反らせたりすると、筋肉に余計な負担がかかります。
特に「胸を張る」ことを意識しすぎると、肩甲骨が寄りすぎて背中の筋肉が常に緊張状態に。また、腰のカーブを作ろうとして反り腰になってしまうケースもよくあります。
大切なのは、背骨のS字カーブを「作る」のではなく、「崩さない」こと。骨盤を自然な位置に保ち、頭を体の中心線上に置くだけで、背骨は自然とS字カーブを維持します。
力を入れて姿勢を作るのではなく、重力に逆らわずリラックスした状態で座ることを心がけましょう。
3:首の正しいポジションは「顎を引く」ではない
「姿勢を良くするには顎を引きましょう」というアドバイスもよく聞きますが、実はこれも誤解を招きやすい表現です。
顎を引くことを意識しすぎると、首の前側に力が入ってしまい、首の筋肉が緊張してしまいます。さらに、顎を引きすぎると二重顎になったり、呼吸がしづらくなったりすることも。
正しいのは、顎を下に引くのではなく、頭全体を後方へスライドさせるイメージ。耳の位置が肩の真上にくるよう、頭を体の中心線上に戻します。
具体的には、頭のてっぺんから糸で引っ張られているようなイメージを持つと良いでしょう。顎の角度はほとんど変えず、頭全体を後ろに移動させる感覚です。
横から鏡を見たとき、耳たぶ、肩の中心、股関節、くるぶしが一直線上に並んでいるのが理想的。この位置関係を保つことで、首への負担が最小限になります。
4:膝・肘の角度は100〜110度がベスト
デスクワークの姿勢で意外と見落とされがちなのが、膝と肘の角度です。
よく「90度に保ちましょう」と言われますが、実はぴったり90度にこだわる必要はありません。むしろ、100度から110度程度、少し開いた角度のほうが体には楽なのです。
膝の角度が90度よりも少し開いていると、太ももの裏への圧迫が減り、血流が改善されます。長時間座っていても、足のむくみや痺れが起こりにくくなる効果が期待できます。
肘の角度も同様。ぴったり90度にしようとすると、肩に力が入りやすくなります。
100度から110度程度、やや開いた状態で肘を自然に下ろせる位置にキーボードやマウスを配置すると、肩の緊張が和らぎます。
大切なのは、角度の数字にこだわることではなく、関節に無理な負担がかかっていないかを確認すること。
座ったときに、どこかの筋肉に力が入りっぱなしになっていないか、定期的にチェックしてみましょう。
少し角度を変えるだけで、体への負担は大きく変わります。自分にとって最も楽な角度を見つけることが、長時間のデスクワークを快適にする秘訣です。
モニター・椅子・デスク|正しい配置の黄金比
姿勢を正しく保つには、デスク環境の配置が非常に重要。どんなに意識しても、環境が整っていなければ無理が生じてしまいます。
- モニター位置は「目線のやや下」が疲れない
- モニターとの距離は腕1本分が目安
- 椅子の高さや肘置きの高さを調整する
それぞれのポイントを詳しく解説します。
1:モニター位置は「目線のやや下」が疲れない
モニターの高さは、姿勢に大きく影響する重要な要素。高すぎても低すぎても、首や肩への負担が増えてしまいます。
理想的なモニターの高さは、画面の上端が目の高さと同じか、やや下にくる位置。視線が自然に下向きになる角度、具体的には10度から15度程度下を向く高さがベストです。
この角度には理由があります。人間の目は、わずかに下を見る角度が最も自然で疲れにくい構造になっているのです。
本を読むときや、歩いているときを思い出してみてください。自然と視線は少し下向きになっているはず。
逆に、モニターが高すぎると視線が上向きになり、目が乾きやすくなります。まばたきの回数が減って、ドライアイの原因にも。
さらに、顎が上がった姿勢になるため、首の後ろ側の筋肉が常に緊張状態になってしまいます。
ノートパソコンを使用している場合は、モニターの位置が低すぎることが多いでしょう。
外付けモニターを使うか、ノートパソコンスタンドを活用して高さを調整すると、首への負担が大幅に軽減されます。
複数のモニターを使用している場合は、メインで見る画面を正面に配置し、サブモニターは横に置くこと。首を左右に振る動作が多いと、首の筋肉に偏った負担がかかります。
2:モニターとの距離は腕1本分が目安
モニターまでの距離も、目の疲れや姿勢に大きく関わってきます。
適切な距離の目安は、腕を前に伸ばしたときに、指先がモニターに軽く触れるくらい。具体的には40センチから50センチ程度です。
この距離であれば、目の焦点を合わせる筋肉への負担が少なく、長時間作業しても疲れにくくなります。
モニターが近すぎると、目のピント調節機能が常に働き続けることになります。目の疲れや眼精疲労の原因となり、頭痛や肩こりにもつながってしまうことも。
さらに、近距離で画面を見続けると、自然と前のめりの姿勢になりがちです。
一方、遠すぎると文字が読みにくくなり、結局身を乗り出して見る形になってしまいます。特に視力が低下している方や、小さなモニターを使っている方は注意が必要です。
モニターのサイズによっても適切な距離は変わります。
大きなモニター(27インチ以上のQHD、4Kなど)を使用している場合は、50センチから70センチ程度離れたほうが、視野全体に収まりやすく疲れにくいでしょう。
また、モニターの明るさも重要。画面が明るすぎると目が疲れやすくなるため、周囲の明るさに合わせて調整してください。
目安としては、モニターの背景が白のとき、紙の白さと同じくらいに感じる明るさが適切です。
3:椅子の高さや肘置きの高さを調整する
椅子の高さ調整は、正しい姿勢を保つための基本中の基本。しかし、適当に調整している方も多いのではないでしょうか。
まず、椅子の高さは足の裏全体が床にしっかりつく高さに設定します。
このとき、膝の角度が100度から110度程度になるのが理想的。足が床につかない場合は、フットレストを使うと良いでしょう。
椅子が高すぎて足が床につかないと、太ももの裏が座面に圧迫され、血流が悪化します。逆に低すぎると、膝が腰よりも高い位置になり、骨盤が後傾して猫背の原因に。
次に、肘置き(アームレスト)の高さも調整しましょう。肘を自然に下ろしたとき、肘置きが肘の高さと同じになるよう設定します。
肘置きが高すぎると肩がすくんだ状態になり、低すぎると腕が前に伸びて巻き肩の原因になります。
デスクの高さも、椅子と合わせて調整することが大切になります。肘を90度から100度に曲げたとき、手がデスクの高さと同じになるのが理想です。
デスクの高さが固定されている場合は、椅子の高さで調整し、足が床につかなければフットレストで補います。
これらの調整は一度設定したら終わりではありません。
体調や作業内容によって、快適に感じる高さは微妙に変わるもの。定期的に見直して、その日の自分に合った設定を見つけることが、長時間快適に作業するコツです。
デスクワークの疲れには鍼灸院も検討する
デスク環境を整え、正しい姿勢を意識していても、すでに慢性化してしまった肩こりや腰痛は、なかなか改善しないこともあります。
特に長年の姿勢の癖で筋肉が硬くなっている場合、セルフケアだけでは限界を感じる方も少なくありません。
そんなときは、鍼灸治療という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。鍼灸は、筋肉の深部にアプローチすることで、凝り固まった筋肉をほぐし、血流改善にも働きかけます。
ハリのち晴れでは、デスクワークによる肩こりや腰痛など、一人ひとりの症状や体質に合わせたオーダーメイドの施術を提供しています。
慢性的に不調を感じている方は、環境改善やストレッチと合わせて、専門的なケアも検討してみても良いでしょう。
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