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銀座Rails #37 開催レポート

morimorihogeです。Kaigi on Railsは良かったですね。RafaelのKeynoteほんとよかった。

先日の記事でもお知らせした通り、銀座Railsの運営を引き継ぎまして、去る2021/09/24に銀座Rails #37が開催されました。本記事はそちらの開催レポートになります。

銀座Railsについて

銀座Railsは3年以上継続して毎月開催されているRuby/Rails勉強会・発表コミュニティです。
技術的な内容にこだわらず、コミュニティ活動やRails開発者が興味を持つような開発一般の周辺トピックを扱っています。
過去の開催についてはConnpassのサイトをご覧ください。

銀座Rails#37 レポート

Google Play IAB(In-App Billing) 〜Railsでのサーバサイド対応のすべて〜

三星祐也(@Y_MITSUBOSHI)さんの発表。

Google Playのアプリ内課金を実装する場合のRails側での対応について、必要な部分を丁寧に解説しています。
この手のプラットフォーム課金サービスは、概ね考え方の互換はありつつもプラットフォームによって用語や詳細実装が異なるため、なんだかんだで真面目に対応しようとするとがっつりドキュメントを読み込んで参考実装を動かしてみたりなどフィジビリティチェックに手間がかかる部分ですよね。
本発表はここまで丁寧に!というレベルで解説してくれているので、そうしたフィジビリティチェックにかける時間を大幅に短縮してくれる内容でした。僕も仕事で使うことになったら再度参照させていただきます 🙇‍♂️

Kaigi on Rails 2021タイムテーブル完全解説

大倉雅史(@okuramasafumi)さんの発表。

10/22-23に開催されたKaigi on Rails 2021運営から発表内容のat a glance解説という形で発表いただきました。
2日間にわたって開催されるイベントということもあり、盛りだくさんな内容となっていました。国内ではRubyKaigiRubyWorld Conferenceに並ぶ大規模参加イベント(だと僕は認識しています)ということもあり、発表内容に注目が集まりました。

本記事投稿時点で開催は終わっていて僕ももちろん参加したのですが、いろいろと見どころ盛りだくさんでした。最後のRafaelのKeynoteはとても印象に残った発表で、僕がなぜRuby/Railsが好きなのかを自分の中で思い返せる内容でした。後日公開されるなら改めて見直したい。

スポンサーセッション: リンクアンドモチベーション株式会社

スポンサーであるリンクアンドモチベーションさまの発表。

直近開催予定だった進化するエンジニアキャリアパスの在り方【クラスメソッド×リンクアンドモチベーション】の紹介をされていました。
リンクアンドモチベーション様は経営・人事向けのイメージが強いかもしれませんが、実は銀座Railsの立ち上げからスポンサーをして下さっているなどエンジニア向けのイベント開催や支援も意欲的に行われています。

スポンサーセッション: 株式会社DeNA

スポンサーであるDeNAさまの発表。
ヘルスケア事業本部福島様より「ヘルスケアのプロジェクトにおけるRailsの利用事例とお知らせ」という題で発表頂きました。
kencomのバックエンドではRailsが使われているということで、そのアーキテクチャの紹介などされていました。
個人的には既に6年間運用していて蓄積されたデータも多そうで、ビジネスとしてもやれること多そうだなと感じました。ご興味ある方はぜひ。

DeNA TechCon 2021 Autumnのご紹介もされていました。
本記事投稿時点では既に開催終了しておりますが、DeNAさまの技術イベントは定期的に開催されていますので Twitter: @DeNAxTechをフォローしていただけるとそうした技術イベントの情報が収集できるかと思います。

Ruby/Railsと遠隔講義:受講者評点がリモートでも伸びた理由

yasulabさんの発表。

Ruby on Railsチュートリアルは日本語話者のRailsエンジニアならお世話になった方も多いのではないでしょうか。
本発表ではこのRailsチュートリアルを使った遠隔学習について、Webテキストだけでなく解説動画や反転学習を導入していった取り組みのお話をされていました。

Railsチュートリアルは演習主体の内容になるので知識面は講義の前にWebテキストや動画といった教材を使って学習しておき、講義中には主に課題で詰まったところを質問するような形にしていくのは実際効率的かなと感じました。
僕自身今も大学の非常勤でWebサイト開発の演習授業を担当していることもあり、とても興味深い内容でした。

なお、英語版のRuby on Rails Tutorialとは違う機能やコンテンツが大幅に拡充されており、単なる日本語訳版ではない独自版となっているとのことですので、これからやるぞという人は電子書籍版を購入されると良さそうですね。
スライド後半にもあるように企業向けに研修支援もされているとのことですので、自社でRailsエンジニアを育成される予定のある企業はこちらも検討されると良いかもしれません。

また、RailsチュートリアルはYouTubeチャンネルがあり、そちらで過去の発表などを閲覧することができますので興味のある方はご参照下さい。

既存のRESTful なRails プロジェクトに、GraphQLの導入を検討した話

ゲストスピーカー 飯塚 浩也(@0317_hiroya)さんの発表。

元々8年間医師をされていた経歴の中エンジニアに転身し、現在Beatfit社でCTOをされているという立場の中で、小規模なエンジニア組織の中で事業を進めていくための技術選定の成功・失敗についてお話いただきました。

ベンチャーという資金・時間的リソースの制約に大きく振り回される中、エンジニア採用という視点で見て新しい技術を使ってエンジニアから魅力的に見せたいという部分と実際に開発しているチームの持っている技術スタック、経験値のバランスなど、小さい企業でエンジニアをされている人なら一度は遭遇したことがあるのではないかと思います。
エンジニアとしては新しくて良いとされている技術を使いたいが、その技術のノウハウや実績が手元のメンバーでは心もとない状況というのは僕も経験があり、そういった場合に無理せず枯れた選択肢を選ぶ、というバランス感覚はサービスをリリースしていくというビジネス視点から大事な点かと思います。

なお、先に紹介したRailsチュートリアルのYouTubeチャンネルにて、飯塚さんのインタビューも投稿されています。

まとめと次回予告

というわけで、遅くなりましたが銀座Rails#37の開催報告でした。

次回銀座Rails#38は本記事を投稿している今週金曜の2021/10/29 19:00より開催します。まだ未登録な方はぜひご登録下さい。

ゲストスピーカーには笹田耕一さんをお呼びし、先日のRubyKaigi takeout 2021でもお話されたdebug gemについてお話いただきます。
debug gemは先日open chromeによるChrome Devtoolsを使ったリモートデバッグがサポートされたりなど、現在進行形で意欲的な開発が進められているので見どころです!

その他銀座Railsに関する公式情報はTwitter: @GinzaRailsにて発信しておりますので、お気軽にフォローいただければと思います。


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