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公募増資・売出(PO)これから始める生株!本気じゃないからこそ多少の手間と低リスクでお小遣いを稼ごう

こんにちは。BPS渡辺です。夏のTechRachoフェアの時期になりました。今回は、僭越ながら2-3記事程度書かせてもらうことになりそうです。難しく考えずに何記事か書けそうな、趣味の「株」を題材にした内容にさせてもらいます。(๑¯ω¯๑)

一生懸命勉強したり時間をかけたりするなら、もっと好きなことやキャリアに繋がることに費やしたいですよね。でも本業に専念しているからこそ、空き時間でちょっとでもお小遣いも稼げるならそうしたい。。特別な知識や時間が必要なものは除外して、空き時間でささっとやれる範囲のこと、紹介してみます。

はじめに

若い方々によく知られている株式投資は、ネット証券のPC画面やネット証券のスマホアプリを開いて好きな銘柄をみて買ったり売ったりする行為かと思います。マーケットが空いている時間帯であれば自由に売り買いができて、マーケットが閉まっている時間であっても次に開くタイミングで注文を受け付けてくれますよね。

これらとは別に、IPOやPOといった言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?ネット証券の管理画面でも時折募集があって申し込んでみたら、当たったり当たらなかったり。お得な価格で特定の銘柄を購入できる機会です。まあネット証券の場合は不人気(≒売却可能なタイミングで成り行きで売ろうとすると損する可能性が高い and/or 長期保有に向いていない)な銘柄以外は当選しにくいですよね。

今回はそのうちのPOを使いこなす方法を、ある程度仕組みの解説いれながら記事にしてみます。

公募増資・売出(PO)

POは「Public Offering」の略です。上場している企業が一般人(Public)向けに株式を販売(Offer)します。

2種類の方法で販売されます。1つは公募増資で、もう1つは売出しです。それぞれ雑に紹介します。

公募増資

公募増資では会社が新株を発行して、その増えた分を一般の投資家が購入できます。

売出し

売出しでは大株主が手持ちの株売却するので、それを一般の投資家が購入できます。

IPOとの違い

IPO(Initial Public Offering)との違いは、IPOは上場するからはじめて(Initial)公募するのに対して、POは既に上場している株式会社が行います。

POの特徴

主幹事をしている大手証券会社から多く購入できます

ネット証券ならインターネットで簡単に解説でき、少ないか手数料または無料で取引ができますよね。SBI証券や楽天証券などは手数料無料です。すごいですよね。逆に、大手証券会社は口座開設には営業担当がつく場合が殆どで、開設するにも営業電話をうけて、お話する機会を作って、いろいろ書類をかかされて、ようやくスタート地点に立つことができます。頑張って開設したから投資家向けにいろいろ手数料なども優遇されているのか?と思いきや一番高いネット証券よりも高い。では何故大手証券会社を使うのか?

POする会社は、証券会社をとおしてPOします。大抵の場合は主幹事をしている大手の証券会社が大半の販売権を持っています。主幹事、幹事ときて、そのあとにそれ以外の沢山のネット証券会社などに細々配分されていきます。そのため、ネット証券など配分が少なく、かつ、大量のユーザがいるところと比較すると、配分が多く比較的ユーザも少ない大手証券会社ではPOを購入しやすいのです。

どの大手証券会社がよいのか?

証券会社 特徴
野村 主幹事数も割と多く幅広く投資家にばら撒く方針。POは相談の上で先方が打診してくる数をとってきてくれる印象。
大和 IPO主幹事は小規模で利益率高い。POは当選数確定に時間がかかるためやや使いにくい。ソフバン系の債券の扱い多いのでソフバン好きならあり。
日興 IPO主幹事は小規模で利益率高いのが多い。POも幹事に加わっていることが多いため使いやすいと感じる。なんというかいろいろ勢いを感じる。
みずほ IPO主幹事は小規模で利益率高いのが多い。幹事件数も増えていてここも勢いを感じる。銀行との付き合いで当選数に影響ある。
三菱MS IPOもPOも件数は少ないけれど大きめのIPOで存在感がある。郵政、LINE、メルカリなど。

IPOの話を増せているのは、証券会社との付き合いを深めていくとIPOのおこぼれがあるためです。基本的には慣れていくにつれて複数口座開設することになります。それぞれの会社には得意・不得意、使い勝手、活用タイミングも異なります。銀行を親会社として持っているところとはそこでも口座を開いてあげたりメインバンクに変更してあげたり、あるいはその会社・関連会社が持っている別の商材やサービスを利用してあげるなどすれば、おこぼれの可能性が上がってきます。

たとえば、大抵の会社は不動産会社とのつながりがありたまたま不動産購入を検討している方は紹介してもらった先で購入した場合や、そろそろ会社を売却しようと思っているときに紹介してもらったM&A仲介会社を通して売却した場合など、わりと大き目のおこぼれがある、かもしれませんね、というふうにぼかしてみます。そんな大きな売買ではなくても、証券会社内での担当さんの成績が決まるタイミングや募集があるIPO/POのタイミングで少し預かり残高を増やしてあげるなどでも結構おこぼれが期待できます。

この辺についてはわからなくても証券会社の担当さんが会話の中でちょろちょろヒントをくれるので、楽しんでみてください。会社の特徴としてはA社が好きだけど、B社の担当のほうが馬が合うからいろいろいいことが多い、なんてこともよくあるため、柔軟にやってみることをお勧めします。

購入時に手数料がかかりません

主幹事をやっているような大手証券会社の手数料は通常ネット証券と比べて割高です。電話・ネットでの決済で異なりますが購入金額の0.5%~1%を削減できます。ただし売却時は定価の手数料がかかります。

数%程度ディスカウントされた価格で購入できます

昔は3~5%のディスカウントもちらほらあったのですが、最近2~3%くらいが目立ちます。手数料が下がったり、ネット証券が増えたりで、買い手が増えて需要が強まりましたね。1%もたまにみかけますが元々購入予定があったり長期保有前提で欲している場合以外では基本的に無視します。

抽選への申し込みや購入時には手数料はかかりませんが、POで当選した株式を売却する時や、売りつないで利益を出すときにも手数料がかかるため、1%くらいの余裕をもたせておきたいからです。せっかく1%くらいのディスカウントをもらって購入して大抵の場合で1%の利益がだせそうであっても、売却のタイミングで1%が手数料で消えるならあまり意味がありませんよね。売りつなぎ方については後述します。

希薄化や需要悪化で価格決定日まで価格が下落します

POが発表されると希薄化懸念や需要悪化で会社の株価が価格決定日まで大抵下落します。新株発行で株式の総数が増えることによって1個あたりの株式価値が相対的に下がるから、あるいは、これまで大株主が保有していた株が大量に新たにマーケットにでまわるから、ですね。

下落した後にディスカウント購入できます

POでは価格決定日を基準にそこからさらに株価がディスカウントされた状態で購入できるため多少有利な状況で購入することができるといえます。ただ、そこから更に下落しやすい銘柄もあれば、PO発表後からずっと株価があがりやすい銘柄があります。もちろんダウ全体の値動きによって価格決定日に値上がりしているケースもあります。

全てのPOで、同じ金額分を購入できて、売却日に前場が始まると同時に成り行きで売却していれば、過去のデータだけでみれば利益がだせます。ただし値段があがりやすくて人気銘柄でコツコツ小さな勝ちを積み上げていても、値段が下がりやすくて不人気の銘柄を大量につかまされて大損しかねないため、ただ何も考えずにPOで同じ金額を毎回申し込んで売却可能日がきたら全部売るのはやめましょう。データ通りに売買できないことや、例外はいつだってあることは最低限踏まえたうえでリスクを抑えて利益を作っていきましょう。

安定操作期間があります

抽選に当選し、購入する手続きを行ってから2日間は安定操作期間というものがあります。これは、POで購入すると決めた銘柄の株価が購入時の金額を下回らないように、証券会社が買い支える仕組みです。よって、この2日間だけは、POで購入した金額を上回っている可能性がとても高いのが特徴です。

安定操作期間中に売り繋いだ場合はそこで利益が確定します

この2日間で空売りすれば利益が確定します。購入時の金額を上回っている可能性がとても高いのに加えて、下限が購入時の金額なため、多少注意して空売りすれば勝率はとても高いです。注意すべき点としては、利益を確保するための売買手数料と、空売りを用いて売りつなぐので逆日歩と売り禁です。売りつなぎや逆日歩や売り禁についても後述します。

PO株の購入から売却までの流れ

まずはざっと流れをおさらいします。

順番 フェーズ 時期
POの発表日
価格決定日 1の1~2週間後
申込開始日 2の翌営業日
売却開始日 2の5-6営業日後

POの発表日から価格決定日まで

証券会社の担当から需要調査という名目で、◯◯社のPOがありますよー、と連絡がきます。来ない場合は、POの情報を証券会社のログイン後のページをみたり、ネットでPO速報を追えるようにしておいたり、たとえば日経新聞を購読しているならPO情報欄などを確認して、適時連絡しましょう。需要調査なので、多めに申し込むと、総需要が増えるわけで、その店舗に配分される個数が増えることもあります。

そして、発表日からだいたい1~2週間後に価格決定日がきます。◯◯月◯◯日~◯◯月◯◯日というふうに期間が決まってますが、大抵は初日に決まります。100回に1回くらい初日に決まらず翌日以降になります。また、往々にして配当時期にPOをしています。これらがなぜ大事かについては後述します。

価格決定日から申し込み開始日

予定していた価格決定日期間中に価格が決定した場合、決定日当日の夜または翌日の申込み開始日に、申し込んだ数量に対して、いくつ配分され購入できるのかがわかります。例えば、100万円分を申し込んで、配分された10万円分を購入できる権利がありますよ、といった連絡が証券会社担当からきます。購入できるかどうかは抽選です。当選した場合に、当選した個数を購入手続きできます。

当選した場合の金額感は事前に把握することができます

POで募集されている金額と、申込先証券会社が販売権を保有している割合はネットや新聞で適当に検索したらでてきます。その証券会社の店舗数なども検索すればでてきます。そのため、以下で申込先証券会社の店舗(例:◯◯証券の◯◯支店)でそもそもいくつ配分できるのか?を計算できます。

100億くらいのPOに対して、50%を主幹事が販売権を保有していて、主幹事している証券会社に100店舗ほどあったら、各店舗の平均販売可能金額は5000万くらい、といった感じですね。この場合、0~100万円くらいですかね。IPOほどではありませんが、POも購入時にディスカウントがあって人気商品です。そしてビジネスなため、証券会社側が恣意的に操作したうえで抽選が行われます。

抽選に当選する確度をあげるためにできることがあります

証券会社によって扱いは多少異なりますが、以下条件に合致すると少し多めにもらえます。

1 証券会社に預けている総資産(現在&将来)
2 証券会社担当の役職・職位
3 証券会社担当との関係値
4 過去取引内容や頻度
5 今回の申込数量

残念ながら1~3の占める割合は大きく、1の金額で2と3が決まるため、結局は1の資産額が大きいと有利です。金額は証券会社によって異なりますが、1000万超え、3000万超え、5000万超え、1億超えで待遇差があります。POでの配分量にも差がでてきますし、それぞれを超えるタイミングや入金予定を伝えるタイミングで偶然?IPOのオファーがあります。タイミングは信頼や話術次第でしょう。

ただし最近では、より多くのお客様に幅広く配分するといった方針で販売する証券会社も多く、また投資家およびPO購入を試みる投資家の絶対数も増えていること、もらえる最大数もだいぶ昔と比べて少なくなってきています。そのためいくら抽選で購入権利があたったとしても100億のPOで100万円くらいまでがいいところで、得られる利益に大きな差はありません。少しずつ種銭を増やして抽選確率を上げていきましょう。

次に重要なのは4ですが、喜ばれるのは投資信託など手数料を常時とれるもの、FX手数料が入りネット証券で買いにくく為替の影響もあってお客さんが逃げにくい外貨決済で購入する外国株と、あとは不人気な商品全般、ですね。大抵、営業担当が勧めてくるものです。正直いらないです。IPOやPOの配分を条件に捨てる覚悟でちょっとだけ購入してあげるなどはやってもいいかもしれません。

IPOやPOでいいやつをもらうたびにメインの証券会社をお引越しする方もいるようです。分散するとそれだけ預けている資産額が減りますからね、メイン証券1口座に資産を集約すれば金額は増えます。さすがに担当がかわいそうだし信用詐欺みたいな行動なのでオススメはしませんが1-2周はたしかに少し利益を作れます。ただし長くは利益を作れなくなる(継続的にIPO/POはくれなくなる)ので良し悪しですね。

申し込み開始日から売却可能日

抽選に当選して購入申込みができた後、そこからさらに5-6営業日後に売却できるようになります。以前は6営業日だったのですが、最近1日早くなったそうで。早く手放せるようになったので多少有利になったくらいの気持ちでいればOKです。

売却可能日

そのままですね。売却可能日には現物が届いているため証券会社の管理画面などで売却可能です。

安定操作期間中に売りつないで利益を作る

POで購入した銘柄には安定操作期間があります。この期間中に空売りをすることで、リスクを抑えて利益を確定させることができます。安定操作期間は購入日を含め2日間です。

申込開始日以降に正式に購入手続きをするときには、抽選が終わっており、何株または何口を購入できるのかが把握できている状態です。通常10万円の株式を2%ディスカウントで10株購入していたとすれば、合計98万円の買いですよね。安定操作期間である2日間は、98万円を下限に売買されていくわけですから、98万円~の値段で取引されています。

値段が前日の価格決定日と同じ10万だとして、同じ10株を空売りすれば、100万円の売りになります。100万の売りに対して、98万円の買いですから、差額の2万円が利益となります。これを、売りつなぐ、とか、つなぎ売り、とか、サヤをぬく、とか、サヤをとる、というふうに表現します。もちろん値段が上がっているところで空売りできれば利益幅が広がります。

その後、売却可能日になったら、POで購入した現物を成り行きで販売すると同時に、空売りしていたほうを信用買いを成り行きで入れることによって、双方の保有を解消して利益を確定させます。

ここまでは超単純なのですが、注意点もいくつかあります。

売りつなぐ時の注意点

売買手数料

以下の取引で売却額の合計1%近くまで手数料がかかることがあります。100万のものを98万円でかって、100万で空売りした場合は、1万円くらいまでは手数料でとられることがあります。詳しくは使われている証券会社の売買手数料を確認の上で利益計算してください。

POで得た株式の現物売却手数料

POは購入時には手数料はかかりませんが、売却するときには手数料がかかります。大手証券会社での売却方法はいくつかありますがネットを利用して売却するのが最も手数料が安いです。

利益が出やすい銘柄であれば証券会社担当に多めに手数料がおちるように電話して取引を実行させてあげてもよいですが、利益が削れて赤字になる可能性をはらんでいるので極力手数料が安い方法で売却をオススメします。

また、売却のタイミングは、空売りしている側の証券会社の返済買いのタイミングと揃えます。売却可能日当日の前場が開くと同時に成り行きでだしておくと間違いが少ないですね。

ネット証券などでの空(信用)売り手数料

POで株式を購入してそれを売却するのは大手証券会社であっても、空売りまでここでやる必要はありません、というか、やると利益が残りません。

最近はどのネット証券も1取引あたり数百円~千円とかなり安いので自分にあった手数料の爆安なネット証券会社を見つけてください。できる限り取引時の手数料を抑えて利益を残してください。

1日の取引が100万円までなら無料のところもありますし、1件あたりのとにかく手数料額が安いところがあります。個別に利益を計算しやすいのは1件あたりが安いところですかね。

安いけど管理画面が使いにくい、ちょっとだけ費用かかるけどとても使いやすい、スマホだと見やすいけどパソコン画面がそうでもない、など様々で、ご自身のリテラシにあわせてください。

ネット証券などでの信用返済買い手数料

空売りしておいた株式を返済買いをするときも手数料がかかります。返済外のタイミングは、現物を売却するタイミングと揃えます。売却可能日当日の前場が開くと同時に成り行きでだしておくと間違いが少ないですね。

配当

POを公表する会社は、往々にして配当時期にあわせています。理由は様々です気になる方は調べていただければと思いますが利益を計算するにあたり覚えておくポイントが2つあります。

POで購入する株価には配当は含まれません

配当前に購入しても手元に届くのは配当後なため、配当は含まれません。購入金額も、価格決定日の終値から配当金額を差し引いた後にディスカウント率を掛け算したものになっています。

空売りしている株価には配当が含まれています

前項に対して、配当日を迎える前に空売りしている株の株価は配当分の金額を含んでいます。売った値段と勝った値段を単純に比較して利益額を割り出すのではなく、配当分の金額も利益から引いてお考えください。

空売りできない銘柄

信用銘柄など、空売りがそもそもできない銘柄があります。この場合は安定操作期間があっても空売りすることができないため上記方法で利益を確定させることができません。申し込まないようにしてください。

また、注意喚起銘柄に指定されている銘柄も、売り禁止になる可能性があるため避けてください。注意喚起銘柄かどうかは証券会社の担当に聞くか、検索して見つけることができます。証券会社の取引注文画面で注意喚起銘柄と記載される会社もありますがぜんぶの証券会社の管理画面を確認したわけではないため自身で確認してください。

安定操作期間以降の価格下落

安定操作期間中は購入時の価格を割ることはありませんが、安定操作期間をすぎると下回ることがあります。なるべく安定操作期間中に売却しちゃったほうが安全です。ただし逆日歩には注意です。

逆日歩

逆日歩自体の解説は長くなるので詳しく知りたい方は検索してもらえたらと思いますが、超大雑把にいうと空売りする株式はかわりに誰かが貸してくれているものなので、空売りが多すぎると不足しちゃって空売りの手数料が増える仕組みです。空売りしたその取引だけでなく、空売りして返済買いするまで毎日費用がかかります。

POのタイミングで売りつなぐ人は他にも当然いるわけで、空売りが増えてくれば銘柄によっては逆日歩の危険が増します。信用銘柄や注意喚起銘柄など、まずは空売りできない・できなくなりそうな銘柄を避けたあとは、次は逆日歩をどう回避するか、です。というかもうほぼこれしかありません。

いくつか注意すべき箇所を紹介します。

時価総額および時価総額に対してのPO額の割合

時価総額が大きい銘柄は貸してくれる人が多くて空売りしやすい傾向にあります。大雑把な指標として1000億円を超える時価総額だと機関投資家が入っていることも多く結構な売買が発生したとしても影響を受けることは少ないように感じます。逆に時価総額が1000億を超える銘柄は、ほかに買う理由がなければ、逆日歩が付きやすいように感じるため個人的には敬遠するのが良いと感じます。また、時価総額に対してPOをしている額が10%を超える場合も同様で、逆日歩が付きやすいです。20%を超えると注意喚起からの売り禁の可能性が高まります。

単元価格

大きいと逆日歩が占める割合が低くなります。小さいと逆日歩が占める割合が高くなります。100万の株を買うときに1千円の逆日歩だと気になりませんが、1万円の株を買うのに1千円の逆日歩だと困りますよね。

割安か割高か

もともと割高(例:ここ10年で一番高値など)な状態からPOを公表された場合、POの購入をしていなくても空売りをする人も当然いますよね。空売りがとっても増えているとそれだけ逆日歩がつきやすくなるので注意です。

割高かどうかはたとえば、業績に対して株価の状況や、同規模同業の業績と比較して株価が高いか低いか、配当狙いで購入されている銘柄であった場合の配当%や、運転資金と収益が比例する業種なら借り入れ額がしめる資本の割合などを見ます。

やや難しいので過去10-20年での位置をみる、くらいでいいと思います。

現在の逆日歩、過去の逆日歩

証券会社の管理画面でも検索できますし、銘柄+逆日歩と検索しても見つけることができます。
証券会社の管理画面で見られる情報のほうが早いのと、信用買いと信用売り(空売り)の速報もあるので、予測がたてられます。
過去の逆日歩は検索してまとまった情報をみるほうが楽だと感じます。

株主および保有割合

空売りが一杯でもいくらでも貸してくれる人がいるなら逆日歩をつきにくいわけで、そういう人がいるかどうかを確認するために株主の一覧を見ます。
例外もありますが資産管理信託銀行あたりがよく貸してくれるし多くもってたりするので、いたら多少の安心材料です。
日本とかトラストとかマスターとか資産管理といった文字が名前に入っています。

税金

売買利益から手数料を引いて利益がでたら、利益の2割が税金でもっていかれちゃいます。細かいところまで気を回せるかたはNISAなどの口座をうまく活用してください。損をだしている証券口座が他にあれば利益を相殺したり、口座間で持ち替えたりして相殺したりできます。この辺はPOでの売りつなぎにあまり関係ないので気が向いたら別記事にします。

PO公表日~価格決定日までの間に空売りを行うのはNGです

昔は価格決定日前に空売りしてPOで購入した株式とあとで相殺することで、ノーリスクと低手数料で利益を事前に確定させることができました。当時はディスカウントも今の倍くらい大きかったですしね。ただし今は法律で禁止されているためできません。また、法律での禁止以前にするべきではありません。できない理由と、するべきではない理由、それぞれ軽く触れておきます。

また、POで購入した株式を移管することによって、相殺(空売りポジション解消)の手数料も圧縮するといったこともできます。一部の証券会社の一部の支店によっては購入後即座に移管されることを想定した動きをしてくれますが、最近はもうやってないかよっぽどの大口でないと対応してくれません。取引金額が大きく成れば手数料率も低くなりますし、片側をネット証券で行う以上昔と比べるとそれだけで手数料は半分になったようなものです。逆に取引金額が小さければ圧縮できる手数料もしれているので今ではほぼ使わなくなった手法かなあと思います。私は手数料をちゃんと証券会社に落とすことで次の配分を相談しやすいと感じます。

できない理由

価格決定日前の空売りは今は禁止されており、違法です。

移管手続きのほうは、やろうと思えばまだできます。

するべきではない理由

購入と空売りする証券会社をかえておけば横断して調べないとわからないじゃん、って言う人もいますが、簡単にわかります。配当を配布しているところが同じ時期に空売りの配当と現物の配当を計算するため把握しやすいです。

昔と比べ今ではPOも買いたい人がだいぶ増えて、証券会社が大口からもらえる手数料もだいぶ少なくなってしまったため、顧客増を狙って幅広く少なく配分する証券会社がほとんどです。大量に購入できない以上、逆日歩のコントロールが難しくなりました。今ではネット証券の手数料もほぼ無料みたいなものですし逆日歩が最大のリスクである以上、1日早く売って利益を確定することよりも安定操作期間中の2日でちまちま見ながら売るのでも十分リスクは低く利益は出しやすいです。

実際のところは小さな金額での空売りだとあえて注意はされないかもしれませんが確実に証券会社側には知れる仕組みにはなっているため、次回以降のPOの抽選は期待できなくなります。法律だけだと立ち止まれない人は、儲からないとも考えてやめておいてください。

最後に

この手の売り繋ぎは、禁止されているわけではありません。今となって知ってる人は沢山いますしむしろ知らなくても証券会社の担当さんもそれとなく言葉の端々でヒントをくれます。やりたい放題な度合も昔と比べるとずいぶんマシになりました。それでも、いくらかフェアではないところ残っていますよね。これをやる毎度やる投資家には証券会社の担当さんもPOを売りにくそうにします。

はじめての方には特に、低リスクでの利益を確定させるためには安定操作期間中に残さず売ることをおすすめはしています。ただし長期的に続けるなら、慣れてきたころには、全部売らずに状況によっては保有する、といったことも選択肢に入れ、株式投資理解への第一歩にするのもありなのではないでしょうか。

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