公募増資・売出(PO)の株を買う方法は以下の手順に沿って進めると良いです。PO(Public Offering)は企業が資金調達のために新株を発行する(公募増資)または既存株主が保有株を売り出す(売出)仕組みです。
1. 証券会社の口座を開設する
公募増資・売出株を購入するには、証券会社で口座を開設しておく必要があります。配分を増やすためには大手証券会社での口座が必要です。また売買手数料を抑えるためにネット証券での口座も必要です。
証券会社名 | 特徴 | 強み | POでのポイント |
---|---|---|---|
野村證券 | 日本最大手の証券会社。個人・法人問わず幅広いサービスを提供。 | 豊富な取り扱い案件数と情報力、特にIPOやPOに強い。 | 主幹事数が多い。支店が多い。幅広く投資家に配分する方針。申し込み時に大体どのくらい配分があるか教えてくれる傾向あり。 |
大和証券 | 個人投資家向けに強みを持つ証券会社。伝統的な証券サービスを提供。 | 安定した顧客基盤とネット対応のサービスの充実。 | 配分連絡が安定操作1日目の昼頃までかかることがある。法人でもネットで売買できるため法人手数料が安い。 |
SMBC日興証券 | 三井住友フィナンシャルグループ傘下で、幅広い顧客層に対応。 | 大型案件や企業提携に強く、リサーチ力も高い。 | 主幹事数が多い。支店が多い。配分は価格決定日に教えてくれる傾向あり。大まかな配分も同様。 |
みずほ証券 | みずほフィナンシャルグループ傘下の証券会社。企業取引と個人取引の両方に注力。 | 手数料が比較的安価で、個人投資家に親しみやすい。 | 主幹事数は比較的少なめ。支店数も同様。その結果配分は比較的多めになる傾向あり。案件数が増えていると感じる。 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 国内と海外の両方で幅広いサービスを提供。モルガン・スタンレーとの提携により国際的なリーチを確保。 | グローバルなネットワークを活用した高度な金融商品提供に強い。 | 主幹事数は比較的少な目。支店数も同様。大き目の案件で存在感がある。POより大型IPOで利用しやすい。 |
楽天証券 | ネット専業証券会社としてトップクラスの取引量を誇る。 | 手数料が非常に低く、投資初心者でも扱いやすいプラットフォーム。 | 売り繋ぐときに使う空売りの手数料が無料。 |
SBI証券 | ネット証券最大手で、幅広い商品とサービスを提供。 | 低コストで幅広い商品を扱い、IPOやPOの取り扱い数が多い。 | 売り繋ぐときに使う空売りの手数料が無料。 |
大手証券会社
ネット証券ならインターネットで簡単に開設でき、少ない手数料または手数料無料で取引ができますよね。SBI証券や楽天証券などは手数料無料です。逆に、大手証券会社は口座開設には営業担当がつく場合が殆どで、開設するにも営業電話をうけて、お話する機会を作って、いろいろ書類を書かされて、ようやくスタート地点に立つことができます。頑張って開設した投資家向けに手数料など優遇されているのか?と思いきや手数料が高いネット証券よりも高い。では何故大手証券会社を使うのか?
POする会社は、証券会社をとおしてPOします。大抵の場合は、大手証券会社のどれかまたは複数社で主幹事をしています。主幹事をしている証券会社が大半のPOを販売する権利を持っています。主幹事、幹事の順で販売できる数量を多くもっていて、ネット証券は基本的に主幹事をしていることは稀です。幹事として加わっていたとしても販売できる数は限定的です。そのため、ネット証券用に元々販売できる数量が少ないのに大量のユーザがいるところと比較すると、配分が比較的多く投資家も比較的少ない大手証券会社のほうがPOを購入しやすいです。
ネット証券会社
逆に、POを多く買うためには大手証券会社を使うのに、何故ネット証券会社の口座も必要になるのか?繋ぎ売りで鞘を抜くためと、その時に手数料を抑えるためです。
2. PO情報を確認する
ネット証券の場合
ウェブサイトやアプリ内で、現在実施されているPOの情報を確認します。
以下の情報をチェックすることができます。
• 対象企業の名前
• 募集期間(申込期限)
• 発行価格(または価格決定の予定)
• 最低申込単位(株数)
• 予定上場日
大手証券の場合
担当がついていれば、前項と同じ内容を口頭で説明してくれます。担当がついていない場合は、前項とほぼ同じです。
3. POへの申し込み
ネット証券の場合
以下の手順で申し込みを行うことができます。
1. 証券会社の「公募増資・売出」または「PO募集情報」のページにアクセスします。
1. 対象銘柄を選び、申し込み画面に進みます。
1. 申し込み株数を指定します(最低単位以上で申請が必要)。
1. 必要に応じて、資金を証券口座に入金します。
1. 申し込みを確定します。
大手証券の場合
証券会社との担当と電話口で同じやりとりをすることもできます。大手証券会社で多めに資金を預けている場合は基本的に担当者がつくため、担当者との電話で申し込むことが多くなります。
配分量を大まかに予想するためには?
POで募集されている金額と、申込先証券会社が販売権を保有している割合はネットや新聞で調べれば知ることができます。また、その証券会社の店舗数なども検索すればでてきます。それによって、各店舗に大まかにいくら販売する権利があるのか?いくつ課があって何人の担当者がいるかで、大まかに現実的な配分量を逆算することができます。
100億くらいのPOに対して、50%を主幹事が販売権を保有していて、主幹事している証券会社に50店舗ほどあったら、各店舗の平均販売可能金額は1億くらいとなります。では100人が申し込んできた場合、全員が100万円配分されて購入することができるのか?違います。IPOほどではありませんが、POも人気商品です。証券会社もビジネスでっ変わっているため、当然今後の利益に繋がる顧客(投資家)を優先します。優先される顧客(投資家)になれば、当選確率や配分量を増やすことができます。
当選確率および配分量を増やすためには?
証券会社によって扱いは多少異なりますが、以下条件に合致すると多めにもらえます。
- 証券会社に預けている総資産
- 証券会社担当の役職・職位
- 証券会社担当との関係
- 過去取引内容や頻度
- 今回の申込数量
残念ながら1,2,3の占める割合は大きく、1の金額で2と3が決まるため、結局は1の資産額が大きいと有利です。金額は証券会社によって異なりますが、1000万超え、3000万超え、5000万超え、1億超えで待遇差があります。POでの配分量にも明確な差がでますし、それぞれを金額うを超えるタイミングや入金予定を伝えるタイミングで偶然?IPOのオファーがあります。
ただし最近では、より多くのお客様に幅広く配分するといった方針で販売する証券会社も増え、また投資家およびPO購入を試みる投資家の絶対数も増えていることから、いくら預けている金額が大きくてもらえる最大数もだいぶ昔と比べて少なくなってきています。それでも5億以上預けて1億以上で申し込む顧客(投資家)向けの優先配分を行う証券会社もいるため、少しずつ種銭を増やして抽選確率と配分量を上げていきましょう。
次に重要なのは4ですが、これは証券会社の方針や担当者の年次でばらつきがあります。証券会社によっては売買額が大事なところもあれば、投資家がそのアカウントで利益をだしているかどうか、直近で手数料をいくら落としているか、将来の手数料に繋がる投信をいくら買っているか、などですね。担当者が新人の場合は投信の知識も少なく売ってこいと会社に言われていないこともあり、もっぱら売買額優先です。多少儲かったらいくらか担当者さんと相談して喜んでくれるものを買ってあげればいいのではないでしょうか。
以下例です。(個人的な感想です)
- 1年目:預け残高と売買額で評価が決まる。
- 2~3年目:訪問回数、顧客紹介、債券や投信
- それ以降:支払った手数料(売買時、投信、Etc)、通常の商材以外のやりとり(以下例)
- 提携不動産会社経由で不動産の購入
- 提携M&A企業への企業売却または企業買収
- 紹介いただいた企業への業務の発注
1のために、IPOやPOで欲しい商品をもらうたびにメインの証券会社をお引越しする方もいるようです。分散するとそれだけ預けている資産額が減りますからね、メイン証券口座に資産を集約すれば金額は増えます。個人的にはそういった行為は嫌いですがたしかに上手く会話すれば1-2周はたしかに少し利益を作れます。かわりに、長くは利益を作れなくなる(継続的にIPO/POはくれなくなる)ので良し悪しですね。
4. 抽選の結果を確認
ネット証券の場合
POは基本的に先着順ではなく、抽選による配分が行われます。
抽選結果は証券会社を通じて通知されます(結果発表日時は事前に告知されます)。
- 当選した場合:購入手続きが自動的に完了し、発行価格分の資金が口座から引き落とされます。
- 落選した場合:口座の資金に変更はありません。
大手証券の場合
担当者がついている場合、電話で知らせてくれます。購入の意思確認後、口座の資金が足りていれば購入することができます。担当がいない場合は、前項と同じです。ただし、自動的には購入が完了しない場合が多く、購入にはいくらか操作する必要があります。詳しくは証券会社のページでご確認ください。
5. 繋ぎ売りで鞘を抜く
株式投資の中でも、公募増資・売出(PO)は個人投資家にとって魅力的な機会を提供します。しかし、その中で「繋ぎ売り」と呼ばれる戦略を活用することで、リスクを低減しながら利益を最大化する方法があります。次の記事では、POと繋ぎ売りの仕組み、具体的な方法、注意点について解説します。また、「安定操作」や「安定操作期間」にも触れ、リスク管理の観点を補足します。
6. 株の受け渡し
当選、購入後、約5営業日後に株式の受け渡しがあり、以降売却が可能になります。