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(1/3) 公募増資・売出(PO)とは?

公募増資・売出(PO)と新規公開株式(IPO)の比較

項目 公募増資(PO) 新規公開株(IPO)
実施企業 既に上場している企業 未上場の企業
目的 追加の資金調達(設備投資、負債返済、事業拡大など) 初めての資金調達(成長資金、知名度向上など)
株式の種類 追加発行株式または既存株主の株式 新規発行株式
リスク 株式の希薄化や需給悪化に伴う株価下落リスク 初値が公開価格を下回る可能性(公募割れ)
投資家の関心 安定的な利益を狙った投資家が多い 成長期待で高リスクを許容する投資家が多い

公募増資・売出(PO)の仕組み

公募増資や売出(PO)は、企業が資金調達を目的として新たに株式を発行したり、既存株式を売却する手法です。この手法は企業の成長を支える重要な仕組みであり、投資家にとっても比較的低リスクで安定した利益を狙える手法とされ、利益を得るための魅力的な手段となり得ます。

公募増資・売出(PO)のメリット

  • 低リスクでのエントリー ディスカウント価格で株式を購入できるため、一定の利幅を確保しやすい。
  • 購入時の手数料不要:大手証券会社によっては必要な~1%の手数料がかかりません。ただし売却時は定価の手数料がかかります。
  • 配分の可能性 幹事証券を通じて抽選に参加し、条件を満たせば株式が配分されます。特に、配分率が高い銘柄では投資機会が広がります。
  • 安定操作によるリスク軽減 幹事証券が市場で安定操作を行うことで、株価が急激に下落するリスクが抑制されます。

公募増資・売出(PO)のポイント

  • 幹事証券の役割 幹事証券はPOの運営を担当し、投資家への株式配分や安定操作を行います。幹事証券の選定は、投資家にとって重要な要素です。
  • ディスカウント価格の設定 POでは、通常の市場価格に対して割引(ディスカウント)が適用されます。これにより、投資家は割安に株式を取得できる可能性があります。
  • 募集割合と時価総額 募集割合が高すぎる場合、需給バランスが崩れて株価が下落するリスクがあります。一方で、時価総額の大きい企業のPOは市場への影響が相対的に小さいとされています。
  • 株式希薄化の影響 公募増資により株式数が増加すると、既存株主の保有価値が希薄化します。これが株価下落の一因となることもあります。

公募増資・売出(PO)のリスク

  • 需要悪化 過度な募集割合や市場全体の需給バランスの悪化により、株価が下落する可能性があります。
  • 空売りと逆日歩 貸借銘柄の場合、空売りを活用した繋ぎ売り戦略が可能ですが、逆日歩(貸株料)が発生することがあります。これは予想外のコストとなる可能性があるため、注意が必要です。
  • 手数料の影響 証券会社による手数料が利益を圧迫する場合があります。特に、小口投資家は費用対効果を考慮する必要があります。

公募増資・売出(PO)のステップ

  1. 発表日
  2. 価格決定日:市場価格や需要に基づき、新株の価格が決まる日。
  3. 申込開始日:投資家がPOに申し込みを始める日。 価格決定日の翌営業日。
  4. 売却可能日:配分された株式が売却可能となる日。申込開始日の5営業日後あたり。

(1)発表日から(2)価格決定日まで

証券会社の担当から、◯◯社のPOがありますよーいかがですかー?と連絡がきます。来ない場合もあるので、証券会社のログイン後のページをみたり、ネットでPOの情報を追えるようにしておいたり、日経新聞を購読しているならPO情報欄を確認したり、よければこちらの「最近の公募増資・売出(PO)一覧」ページをご確認いただいたりして、欲しいときは主幹事を中心に連絡していきましょう。

発表日時点で◯◯月◯◯日~◯◯月◯◯日というふうに価格決定日に幅があるような記載がありますけれど大抵は初日に決まります。100回に1回くらい初日に決まらず翌日以降になります。

(2)価格決定日から(3)申込開始日

予定していた価格決定日期間中に価格が決定した場合、価格決定日当日の夕方~翌営業日のお昼くらいまでに、申し込んだ数量に対していくつ購入する権利があるのかがわかります。例えば、100万円分を申し込んで、配分された10万円分を購入できる権利がありますよ、といった連絡を証券会社の担当からもうらうことになります。ネット証券ではログイン後の画面に表示されるでしょう。もちろん購入できないこともあります。最速でわかるタイミングは証券会社によってバラツキがあります。

(3)申込開始日から(4)売却可能日

抽選に当選して購入申込みができた後、そこからさらに5営業日程に受渡日=売却可能日があり、POで購入していた株式を売却できるようになります。以前は6営業日だったのですが最近1日早くなったそうで。早く手放せるようになったので多少有利になったくらいの気持ちでいればOKです。

(4)売却可能日

そのままですね。売却可能日には現物が届いているため証券会社の管理画面などで売却可能です。

目次

(1/3) 公募増資・売出(PO)とは?

(2/3) 公募増資・売出(PO)株の買い方

(3/3) 公募増資・売出(PO)における繋ぎ売りの戦略

最近の公募増資・売出(PO)一覧


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