「夏のTechrachoフェア2021」ということで、 昨年度の記事のアップデートとしてアプリチーム の紹介をさせていただければと思います。
どんな仕事している?
アプリチームでは、自社製品である電子書籍ビューア、デジタル教科書ビューア、およびそれに関連するアプリ、システムの開発を主な業務としています。
電子書籍ビューア:『超縦書』 『超画像』
デジタル教科書ビューア:『超教科書』 および 『超教科書クラウド』
Windows/Mac/Android/iOS/Webブラウザ が主な対象環境になっており、特にWebブラウザ向けでは、画面遷移を伴わない、いわゆる「シングルページWebアプリケーション」として開発しています。
これらのビューア製品の自社開発の他に、ビューア製品をコアとしたアプリの受託開発、たまにビューア製品とは関係ない受託開発も実施しているという感じです。
チームの特徴・体制
チームメンバーはそれぞれ異なった得意分野をメインのスキルとして持っています。
- Windows/Macアプリを C++ でガリガリ開発するのが得意な人
- iOSアプリ(Objective-C, Swift)が得意な人
- Androidアプリ(Java, Kotlin)が得意な人
- iOS/Androidアプリをまとめて作れるFlutterをずっと追いかけてきた人
- HTML + CSS + TypeScript & JavaScriptが得意な人
などなど
さらには、UIを作り込んでゆくレイヤが得意な人、SDKとしてコアな処理を固めていくのが得意な人などなどの違いもあり、全く同じタイプの人はいないと言ってもいいくらいです。
これら、実装寄りの開発スキルを持つメンバに加えて、開発の進行、取りまとめ側をメインスキルとする人たちもいます。
- 開発管理全般が得意な人
- 開発要件、仕様の整理が得意な人
- 品質管理、テストが得意な人
- ドキュメンテーションが得意な人
などなど
アプリチームでは、開発対象の製品、案件毎に、メンバーそれぞれの得意分野を持ち寄る形でプロジェクトを担当します。一緒に担当するメンバから他領域のフィードバックを得られたりと良い刺激があります。
開発においてよくあること
開発においては、完全に0から全てのコードを書くことは稀です。OSSのライブラリを利用することはもちろんですし、大きいものになるとChromium (GoogleのWebブラウザChromeのOSS版) を読み解きつつ、必要な改造を加えるというものもあります。
そうなると、当然ながら微妙に必要性とズレた機能となっていることや、バグを発見してしまうこともあります。
そのようなときには
- 自分たちで直す、改造する。
- 当該OSSプロジェクトのバグ管理システムにバグ報告をして、修正要望の調整をする。
ということも行います。Chromeや、Safariについて不可解な挙動に悩まされることも度々あり、必要に応じでバグ報告を行ったりもしています。
OSSを使うにあたって、ただあるものをあるがままに使うというのではなく、このような対応を行っていくことに「なれている」「物怖じしない」人は活躍できている状況があります。
その一歩前の段階である、普通に利用する場合においても、ドキュメントされていない部分の挙動などを実験的に試したり、ソースコードを読んで確認したりということをよく行っています。
ここ最近の傾向
コロナウィルスに伴う、IT化、リモート化推進ということで、特にデジタル教科書ビューア関連でのビューア機能強化、クラウドシステムの検討、開発というのがかなり大きな割合を占めているというのは昨年度から継続しています。
文部科学省による「GIGAスクール構想」による、学校現場への学習用端末の導入が大きく進み、かつ「学習者用デジタル教科書普及促進事業(PDF)」の実証事業として「パブリッククラウド」を利用しての学習者用デジタル教科書導入促進が実施されています。弊社の『超教科書クラウド』も令和3年4月からのサービス開始を間に合わせることができました。
特に昨年度末は、最大で数十万人が同時利用する可能性も念頭に置き、システムの各種負荷検証に大忙しでした。
過去数年間にわたって開発の進んできたデジタル教科書ビューアについて、クラウドも含めてようやく一通りのサービス提供を開始できました。これからはよりデジタルならではの機能、価値の提供を目指し、「紙面同一性」に縛られないデジタルならではの新しい教科書、「個別最適化」を実現するための基盤機能などなど、単に今までの教科書がタブレット等で見れるということ以上の進化を進めていかなければというところです。
これからの見通し
教育のデジタル化、クラウド化に関連する形で、「ビューアをSDKとして製品提供し、開発者の方に使ってもらう」という仕事から、段々とサービスプラットフォーム を運用していくという仕事にシフトしていく流れは続いていくと考えています。
引き続き超教科書ビューアのコアについて機能強化を進めていくのはもちろん大切なのですが、それ以上に様々な人からのフィードバックを受けて、細かい改善を積み重ねていく仕事、ドキュメント、Webサイトを通じて利用者の方々により丁寧に情報をお伝えしていくことも大事になると考えていることは変わりません。その部分での力となってくれるメンバはまだまだ必要です。
それと合わせて、「デジタルならでは」な機能・サービスを考え、システムとして実現につなげることのできる人、今まで開発してきたデジタル教科書ビューアをコアにしたサービスの展開を考えられる人も必要だと考えています。
おわりに
ごく簡単ではありますが、アプリチームの仕事、開発の現状についてまとめさせていただきました。
超絶スキルを持つ開発者は、もちろんチームの開発戦力としてすごく大きな位置を占めるのですが、それだけでは仕事が回っていかないという状況も見え始めています。
最初はドキュメンテーション、テストを担当しながら、徐々に開発を学んでいくことを目指す方、開発への1ステップとしてではなく、コアスキルとして品質管理、テストを極めたい方、実装スキルには自信はないが、情報の整理、方式の検討、ステークホルダー向けの説明・プレゼンテーションに自信のある方にも、活躍していただける場所があると考えています。
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