Tech Racho エンジニアの「?」を「!」に。
  • ライフ

利き手の手首を骨折したソフトウェアエンジニアに捧ぐ経験談

morimorihogeです。

今年もアドベントカレンダーのシーズンがやってきました。遡ってみるとTechRachoでは2016年から毎年続けている恒例行事となっています。
普段業務で忙しくて記事を書く余裕のないメンバーにも積極的に記事を書いてもらえる機会として企画しているイベントです。日替わりで色々なネタが投稿されていくかと思いますのでぜひお楽しみください。

以下、バックナンバーです

さて、トップバッターということで、今年始めにあった大きな出来事として利き手(右手)の手首を骨折した件について、経験談&将来の骨折仲間に向けて書いていきたいと思います。

あらまし

2月某日、スノボで転んで右手首(利き手)を骨折。縦に一回転した割には頭は打たずに事なきを得たが、転んだ際に手が下になってしまったせいかやってしまった模様。
過去に一度自転車で転んで骨折した経験があったので、この痛さは捻挫ではなく折れてるなという確信がありました。捻挫は関節動かすと痛いくらいですが、骨折は中の方から痛い&痛みが治まらずに続く印象(主観です)。

片手が使えないなかスノボ道具一式を持ってコースを歩いて降りていき、最寄りで診療やってる病院探して予約して診てもらいました。この時が一番しんどかったです。
レントゲン撮ってもらった結果、概ね以下の画像の部位がきれいに折れてました。南無。その時点の見込みでは全治3ヶ月くらいと言われました

参考: 転んで手をついて手首が痛い… 〜橈骨遠位端骨折の症状と治療法〜 | 佐久平整形外科クリニック

スノボ初日の午前に骨折して宿に戻って撮った一枚

生活・仕事における制限事項など

骨折は割とメジャーな怪我ではありますが、未経験な人もいるかと思うので参考までにどんな制限が出てきたかをまとめます。

ギプス

手首の付け根の骨折ではあるのですが、手首周りだけ固定しても回転してしまうので初期は上腕部までギプスで固定する必要があります。

  • 初期(0~2週間)は上腕部から手までギプスで固定
    • この間はギプスを外せないので一番めんどかった。冬でよかった(風呂的な意味で)
  • 中期(~1ヶ月くらい)は前腕部肘から手までギプスで固定
    • この時期になるとギプスに切れ目を入れてもらえたので、気をつけつつ風呂に入ったり洗ったりはできるようになった
  • 後期(~2ヶ月くらい)は前腕部から手までギプスで固定
    • この時期になると、関節が固まらないようにちょいちょいリハビリ始めてねと言われる
    • 治り具合によってちょっとずつ小さく切ってもらい、徐々に小さくなった
  • ギプスを外した後はリハビリ

食事

利き手が使えないので、箸を使うのが困難になります。
箸が使えないと思ったより困難になる食事が多く、外食頻度が下がりました。食事の準備や洗い物が面倒になるので、昼は雑にプロテインで済ましたりなどすることも増えました。
自宅飯ではnosh(招待クーポンのリンク張っておきます)の冷凍弁当なんかには助けられました。レンチンのみ+ゴミはそのまま捨てて洗い物なしというのは特に初期の手を濡らせない時期にはありがたい。

運動

転んだりするリスクのない運動であれば問題ないので、右手以外の筋トレとかローラー台で自転車漕いだりなんかはできました。
ただし、骨折した右手側は全然運動できないので左右の腕の太さが合わなくなっていきます
これは概ね同じくらいの太さに戻るまで5ヶ月くらいかかったかもしれない。

風呂

風呂はICLの時(参考: メガネ歴ン十年のプログラマが眼内コンタクトレンズ手術をしてみた)とは違い、ギプスを濡らさないようにという以外の制限は無かったので、注意しつつ普通に入ってました。
中期以降はギプスに切れ目を入れてもらって自分で着脱できるようになったので、不潔になるようなこともなかったです。

着替え

冬だったので、着られる服がギプスが袖を通る服に限定されました。特に肘まで固定されていた時期はかなりよく伸びるタイプの伸縮素材でないと厳しかったです。

仕事

不幸中の幸いというか、僕のチームは全てのプロジェクトがフルリモート可なので、出社のための移動という超絶面倒なタスクは回避できました。
その上での不便ですが、利き手が固定されてしまって手首や全ての指を自由に使えないため、キーボードでの入力には当然ですが難が出ました。

普段使っているKinesis Advantage 2キーボードはしばらくお休みの運びとなりました。

骨折ライフ向上のためのあれこれ

というわけで、骨折ライフをなんとかするために利用していたものなどを紹介してみます。

左手用練習箸

利き手でないと難しい筆頭が箸の扱いなのですが、これは練習箸と呼ばれるリング付きの箸を使うことでずいぶん改善しました。

やってみると分かるのですが、利き手でない方の手で箸を使おうとするとそもそも箸を動かないように固定するのが難しいです。この手の練習箸を使うと箸の可動範囲がある程度固定されるため、利き手ほどではないですが、かろうじて食事できる程度には使えるようになります。

将来骨折するであろう皆さんにもぜひオススメです!。僕は2膳買って移動用のバッグにも入れておき、外食時にも使えるように常備していました。

お風呂用防水ギプスカバー

ギプスを外せない初期に特に活躍しました。ギプスを付けたまま腕を通してお風呂に入れる奴です。

腕を通す部分は伸縮性シリコンなので、ちょっとくらいシャワーが当たっても水が入り込むことはありませんでした(湯船には浸けられないです)。
少なくとも僕が使っていた1ヶ月強くらいの間ではシリコンが伸びてしまって使えなくなるようなことはありませんでしたが、長期使うのであれば数ヶ月で交換する必要があるかもしれません。

これも未来の骨折仲間にオススメです!あるのとないのでお風呂時の安心感が違いますし、ギプスが濡れるとテンション下がるので。

食器洗い乾燥機

いわゆる食洗機です。骨折の少し前に買ってたのですが、これは買っておいて本当によかった。

どの機種の食洗機が良いとかの話はかなり人によってrequirementsが異なるので一概にこの機種!というのはすすめないことにします。僕の選定理由はキッチンに置ける寸法、工事不要、使ってる鍋・フライパンが入ることくらいでした。
「洗うときにギプス濡れるのが面倒だから飯食うのもめんどいな」という気持ちがかなり軽減されるので、QOL向上に役立ったと思います。

小型でも良いので食洗機があると骨折ライフが全然違います!ギプスの大敵は水に濡れることなのでこれは大きい。

Thinkpad トラックポイントキーボードII

普段使いのKINESISだと左右分割されていて左手で右手割り当てのキーを打鍵するのが困難なので、ギプスが取れるまではこれを使っていました。

キーボードは趣味の世界もあるのでアレですが、左右分割型キーボードは骨折と相性が悪いので将来骨折する貴方も一つは一体型キーボードをストックしておくことをオススメします
ちなみに、数年前に別の骨折をしたとき(この時も右手首)は手首の固定角度がまた違ったので、Kinesis Freestyle2を使っていました。この辺は骨折後のギプスの固定角度によって適切なキーボードも変わってきそうです。

GitHub Copilot

今や普通に使っている企業も増えましたが、GitHub Copilotには非常に助けられました。
タイピングが遅くなってしまう関係で長い文章を打ち込んだりソースコードをタイピングするのが物理的に面倒になるのですが、GitHub Copilotが良い感じに補完してくれるとタイプ数自体を減らすことができてとても良かったです。
ソースコードだけでなく、文章を書くときなんかにもそれなりに良い感じで候補を出してくれるので、議事録取りやメールの文章書くのにもMarkdownのテキストファイルを開いて使っていました。

特に、テストコードでケースを増やして行く時なんかはCopilotがうまく効いてくれることが多く、お手軽にcoverageを上げられるという恩恵に預かることができました。賢い。

その他の話

その他の話を雑多に。

医療費について

トータルでかかった金額は保険適用後自己負担額で3万円くらいでした(施術+通院含む)。普段払ってる保険代金をここで回収できたと思えば・・・。

リハビリについて

ギプスが小さくなってくると始まるリハビリですが、これには結構時間かかりました。今(10ヶ月後くらい)もまだ完全には復帰してないくらい。
ギプスで手首を固定した状態で骨が治ってくると手首の可動域が小さくなってしまうのですが、この可動域を広げるために痛いけど手首を前後左右に曲げてやったりする必要があります。

そもそも治りかけな状態なので、どこまで負荷をかけていいのかの加減が分からず優しめにやっていたのですが、全然負荷が足りなかったようで、その後のリハビリが長引きました。
この辺は将来の骨折ニキネキ達には注意喚起しておきたいところです(お医者さんにも相談してください)。

まとめ

そんなわけで骨折体験談でした。事件・事故はいつやってくるか分からないので、前もって備えられるようなことがあれば備えておくといいかもしれません。
別に骨折してなくても便利なモノもありますので、興味を持ったモノがあれば試してみて頂ければ幸いです。ではでは。



CONTACT

TechRachoでは、パートナーシップをご検討いただける方からの
ご連絡をお待ちしております。ぜひお気軽にご意見・ご相談ください。