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フルリモート主体組織でのオフラインコミュニケーションの実情

morimorihogeです。もう12月かという気持ちです。11月あっという間だったので師走はもっと早いのか💦

今年もTechRachoではBPS株式会社のメンバーとご一緒に仕事させて頂いている近しい皆さまの参加するアドベントカレンダー記事を投稿していきます。
普段記事執筆する機会が無い人にも年に1-2回くらいはアウトプットしてもらう機会を作ろうという企画ですので、いつもと少し違うTechRachoをお楽しみください。

BPSアドベントカレンダー2024

アドベントカレンダー初日ということで、僕からは社内でのオフラインコミュニケーションについて書いてみたいと思います。

弊社のリモートワークの現状

リモートワークを導入している会社数も減っていると聞きますが、その上でもフルリモートだったりハイブリッドだったり出社日があったりなかったりと一言でリモートワークといっても導入状況は様々です。
弊社では、チームや職種によっても少しずつ詳細は異なりますが、基本的には以下のポリシで運用されています。

  • 業務優先(業務がより円滑に進められること)
  • 各チームごとに上長(チームリーダー)の許可をもらえるならその範囲で柔軟に運用

というわけで、弊社の社内Slackで雑にアンケートを採ってみました。

※特に勤怠実績等とは結びつけず雑にやったアンケートなので、回答数は弊社50名前後に対して36名程度で、回答率70%くらいのものです。

勤務日数の半分以上出社している

該当0名でした。コロナ前は原則出社だった記憶がありますが、ずいぶん様変わりしましたね。
フルリモート化をきっかけに事務所近くから引っ越した人も多く、以前は事務所に近い場所を選んで住んでいた人達が何名かいたのですが、今は少なくとも徒歩圏に住んでいる人は絶滅してしまいました。栄枯盛衰。

週1~2回程度定期的に出社している

該当5名(14%)でした。こちらの内訳は、以下の通りです。

  • 総務系の職種で郵便・宅配物の発送・受取など業務上出社が必要になっている人
  • エンジニアのうち(一部)出社を希望する人

職種によってはどうしても出社しないとできない業務もあるため、全社員が100%フルリモートというのは難しいですね。
ちなみに弊社はfondeskを利用しているため、電話番という役割で事務所待機している人はいません。
電話代行サービスを導入していなかった頃は事務所に誰か一人は電話取れるようにしようとかやってましたが、あれは大変でしたね。

オフトピところで、最近問題の詐欺電話(総務省を名乗る回線解約通知の電話とか、自動音声系の折り返しを求めてくる奴などいろいろ)にも課金されていると思うと微妙な気分になりますね。
他にも、弊社では担当者に電話転送はしない運用のため必要なコンタクトは折り返しが必須になるのですが、営業電話で折り返し電話番号を教えられないのに何度もかけてくる会社なんかは「これにお金払ってるのか~」と思うといろいろもにょります。電話代行サービスは儲かってそうですが・・・

月1回程度出社している

該当5名(14%)でした。僕もここに該当しますね。

ここに該当しているのは通常業務で出社が必須ではないが、月に1回くらいは社内や社外打ち合わせの関係で出社する人達でしょうか。
僕はチーム内コアメンバーのミーティング兼定期飲み会をやるために毎月1回出社しています(後述)。

年数回程度出社している

該当17名(47%)でした。最大派閥!

恐らくここに該当しているのは基本フルリモートの人達で、年に1-2回ほどチームの方針でオフラインミーティング(後述)を行うときに出社するくらいの人達ではないかと思います。
国内で出社しようと思えば飛行機・新幹線なりで出社できるような人達ですね。

1年以上出社していない

該当8名(22%)でした。思ったより多い。

こちらは遠方居住だったり自宅に作業環境を築城してしまい、完全にフルリモートな体制が染みついた人達ですね。
チーム方針のオフラインミーティングについてもチームに寄って強制加減が異なるので、ゆるめの運用をしているチームだと数年レベルで顔を合わせた覚えのない人もそれなりにいます。

リモートワーク状況まとめ

というわけで、これらの結果をClaudeに食わせてQuickChartに図にしてもらいました。

弊社は現在50名程度(関係会社・アルバイト含まず)の組織ですが、数年前までは元々出社前提だった組織としては、現実的な範囲でフルリモート化できているのではないでしょうか。

フルリモート下でコミュニケーションをどうするか?

フルリモート自体は昔から概念としてはありましたが、特に日本の多くの組織では例の感染症騒ぎを機に半強制的に整備された会社が多かったかと思います。
感染症騒ぎが(少なくとも世間の常識という意味での社会活動的には)納まった昨今、出社勤務に戻す会社も増えて来ている現状ですが、弊社はフルリモート前提での遠方採用も始めたこともあり不可逆にフルリモート化されたなあという印象です。

フルリモートは出社より優れているのか?世界的なフルリモート化の波の中で、フルリモート支持過激派な人達が発生したりもしていますが、フルリモートは常に出社勤務に対して優れているのでしょうか?

実際のところ、国内・海外の多くの会社で従業員の強い反対(離職を伴うレベル)を押し切ってでも原則出社を求める経営者が多いところを見るに、出社勤務にはフルリモートにはない大きな利点があるのだと思います。僕は出社だるいので嫌ですが(個人の感想です)。

フルリモート化が促進された一方で、どうしてもコミュニケーション密度が下がったと感じる部分もあります。
順調に進んでいる継続プロジェクトであれば特に問題がないのですが、気になるなあと感じるケースがいくつかありました。

  • 新しいメンバー構成で始める新規プロジェクトでの価値観・文化のすり合わせ
    • お互い密に知っている間柄なら問題無いですが、初めて一緒のプロジェクトチームで仕事するようなケースではお互い恐る恐るのコミュニケーションになりがちです。こうしたときに隣同士やすぐに声をかけられる距離で仕事をしていると、数分コミュニケーションが数秒のコミュニケーションに短縮できることがあります
    • 文字ベースの非同期コミュニケーションだと怖がられたり誤解を招きがちなタイプのメンバーが、実際の立ち振る舞や言動を見せることで外部からの心理的障壁が下がる効果がある。例えばSlackやPRのコメントでのやり取りが歯に衣着せないタイプ(悪く言えば乱暴だったりつっけんどん)なメンバーなんかがナイーブな人にとっては「この人は怖い」と思われたりするケースがありますが、実際に会ってみることで「別に怖い人じゃなかった」と安心するような事例はあるあるです
  • 社内でちょっとしたことを聞きたいときの気軽に聞ける感の低下
    • 同じ社内だけど別チームや別プロジェクトの人で普段の交流が無い場合、気軽に質問したりできるかどうかは心理的な距離感が重要だが、その距離を詰める機会が少ない。お互い出社していれば、ちょっと休憩だったりお昼ごはんだったりで気軽になんとなく場を共有する機会があるが、リモートワークだと意識的にそういった場を作ったり参加しない限りは機会を得られない

こうした傾向は確かにあるなーと実感することがあり、世の中のパンデミックが収まったあたりから少しずつオフラインコミュニケーションの機会というのも重要だなということで取り組みを行ってきました。

メンバー全員出社してのチームミーティングを年2回実施する

毎年9月と3月に、チームメンバー全員集まってのミーティングを実施しています。この際、遠方メンバーは新幹線や飛行機で来てもらうことになりますが、そこは今後も仕事を円滑に回していくためのコストということで会社に経費を出してもらっています。
また、せっかく全員が集まるということで、このタイミングで上半期・下半期それぞれのプロジェクト振り返りを実施しています。

事前準備としてチームが関与している全プロジェクトについて、以下を実施しています。

  • プロジェクト概要の整理(プロジェクト体制図の更新、サービス自体の簡単な説明、主要技術など)
  • 半期分の振り返り。KPT法を使っていますが手法自体にそこまでこだわりはないです。フレームワークがあったほうがやりやすいよね、くらいのチョイス

ここ最近は長期お付き合いのあるお客様との仕事が増えたため、意識的に振り返りをする機会を作らないとなかなか棚卸ができずマンネリ化してしまう危険があるよね、ということで簡単な振り返りをチーム全体で共有しています。

こうした振り返りを実施した上で、当該プロジェクトに関わっていない人も含むチーム全体で共有することで、将来的なメンバー入れ替えだったり、興味ある技術が実際に使われているプロジェクトを再発見したりできるのがメリットでしょうか。
リモートワークだと同じプロジェクトのチームに所属していない人同士は何をやっているのか分からなくなりがちですしね。

その他、チーム全体として最近業務で必須になってきた技術の棚卸などを行い、お互い業務に必要なスキルセットのすり合わせのようなことをやっていたりします。
こういった出社前提な時なら特に明示的に話さなくてもなんとなくお互い掴めていた様な情報を意識的に共有・再確認する機会として手間はかかりますが役に立っているのではないでしょうか。

月に1回事務所で雑な飲み会を実施する

こちらは業務とは無関係の活動として僕が企画しているものです。もちろん参加も任意でやっており、給与評価等には結びついていないものになります。

いわゆるJTC的なイメージのある飲み会文化、僕は嫌いじゃないんですよね。チームや職種を横断した人同士での雑談は新しい発見があったりしますし、Slackだとしょーもなさすぎて書かない様な内容も話題にできたりします。

会社とプライベートをきっちり分けたい人もいれば、それなりに会社のメンバーとも和気藹々とやりたい人もいて、それ自体は各自の好みとか生き方の問題なのでお互いを尊重すれば良いと思います。
業務で個人的な仲の良さで仕事の質を変えられてしまうのは困りますが、それでも何かちょっと頼み事をしたり連絡しあったりする際、コミュニケーションの距離がある程度詰められているとコミュニケーションギャップが小さくなるメリットは明らかにありますね。

・・・なんてそれっぽいことを書いてみましたが、実際のところ僕がやりたいからやってるというのが正直なところです。勉強会もそうですが、「自分がやりたいから自分で開催する」というのが一番健全にやれますね。

こちらの飲み会はお店ではなく事務所のスペースを活用して行っています。
事務所で開催することでお店を確保するのに比べて参加費用を抑えられますし、時間・参加者数の増減についても柔軟に対応できます。
ごはんや飲み物は最寄りのスーパーに皆で買い出しに行き、机などのセッティングも自分達でやるので、ノリとしてはほとんど宅飲みですね。

こだわりポイントとして、スーパーの出来合い総菜だけだと流石に寂しいので、持ち寄り歓迎ということでたまに皆思い思いの物を持ってきてくれたりしています。
これはお酒の持ち寄りですね。デビルクラフト、自由が丘店だけ行ったことないなあ。そして武豊ビール、マニアックすぎる。

僕は大体何かしらの肉塊を調理して持ってきています。これは前回の飲み会に持っていった低温調理ローストポーク。

1kgほどあるので潤沢に食べ放題できます。レシピはこれです: 63℃ ローストポーク 3種ソース添え 低温調理は放置できるのが楽ですね。

お店で注文したら良い値段になってしまいますが、ロピアで買ってくれば2000円いかない価格で購入できてうれしい。

プルドポークを作って持っていったりもしました。これは24時間かけて調理したやつ。

肉を調理する気力や塊肉が手に入らなかった時には魚をサクで買ってきて刺身にしたりすることもあります。

これも余力があれば昆布締めにして持ってきたり。昆布のうま味はチート。

こんな感じで大物を自前で用意していけば、毎回の費用は一人当たり1000-2000円くらいで抑えられます。
お店でやるとそれなりの金額になってしまうので定期開催が経済的にしんどくなりがちですが、これなら持続可能ですね。

ちなみに事務所で宴会をやる際には他の業務をしている人の迷惑になったり、食べ残しを腐らせたりしないように気をつける必要があります。
弊社では以下の様に事務所で部活動・イベントを実施する際の注意事項をまとめています。用法・用量を守って正しく使うのが大事。以下は当該ページの一部です。

実際にオフライン集まりの効果はあったか?

こうしたオフライン活動の取り組みの効果については比較検証が難しいので正直なんとも言えないところではありますが、少なくとも悪い方向にはいっていないので、現状維持か改善には役に立っているのではないでしょうか。今後も様子を見つつ続けるなり改善するなりしていければいいなと思います。

おまけ:飲み会は自由参加とか言いつつ実際には強制なんじゃないの?という方へ

安心して下さい。僕のチームメンバーの定期飲み会の参加率は20%(僕含む)程度です。自己満足で開催している会なので、別に寂しくなんてないですよ!!

まとめ

そんなわけで、フルリモート化した開発会社のオフラインコミュニケーション事情について書いてみました。
意味もなく出社して体力を消耗するのは嫌ですが、意味があるなら出社する価値はあるよね、という観点で考えるのが健全なのかなと思います。

たまには顔をつきあわせて話すのも気づきにくいところでじわじわと効果があるのではないでしょうか。
皆さまの参考になれば幸いです。


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