Stripe決済を自社サービスに導入してわかった5つの利点と2つの惜しい点

弊社で提供している塾シリーズ(入退室管理システム『入退くん』コマ組み管理システム『コマグミくん』)がクレジットカード支払いに対応しました。決済代行会社としてStripeを利用したので、実際に使ってみて気づいた点を書いてみます。


https://stripe.com/about/resourcesより

バックグラウンド

私がこれまで実際に使ったことがある決済システムは、GMOペイメントゲートウェイソフトバンクペイメントGMOイプシロンエフレジなどです。いわゆるAPI型サービスはサンプルやドキュメントを眺める程度で、実際に使うのは初めてでした。

SPIKE, Pay.jp, omiseなども比較検討しましたが、決済においては規模や実績が大事だと判断し、Stripeを採用しました。

Stripeの良かった点

1. 導入までが早い

API型全般にいえると思いますが、圧倒的な短期間で使い始めることができます。テストアカウントはもちろん、本番決済まで1日でできそうでした。

アカウントの発行は、Webからぽちぽちやるだけです。紙の書類はもちろん、メールでの自然言語によるやりとりすらなく、機械的に登録が完了するのは非常に楽です。伝統的な決済代行に対するもっともわかりやすいメリットの一つですね。

本番利用には、以下のような情報が必要ですが、これもフォームで入力するだけでよく、登録後即座に利用できました(おそらく、審査NGだとあとからアカウントが保留になるのだと思います)。

  • 会社の登記番号(ググれば探せます)
  • 責任者(代表または事業責任者)の身分証スキャン
  • 電話番号
  • サービス名、サービスの概要、特商法URL
  • 支払いを受け取る銀行口座情報

開発に必要なテストアカウントは、ほぼメールアドレスだけで発行できます。

2. 隠れた手数料が本当にない

導入が簡単、と並ぶAPI型の大きなメリットの1つとして、手数料が安いことが上げられます。固定費ゼロで料率も3.6%と良心的です。

最初に受け取り銀行口座を登録する際、名義人のカタカナ表記がわからず、エラーになってしまいました。この場合登録情報を更新して再度振り込みを受けることになりますが、このような時でも手数料はかからず、振り込み手数料無料で受け取ることができました。
Stripe側で無駄な手数料が発生したはずで申し訳ない気持ちですが、隠れた手数料がないのは安心して使えますね。最低支払額もなく、数百円であってもちゃんと週ごとに受け取ることができます。

3. 開発工数を抑えられる

基本決済以外のすべてをダッシュボードに寄せられる

ダッシュボードの完成度がとても高いです。支払い履歴の検索はもちろん、返金作業、登録済み顧客への臨時の請求をダッシュボードから行うこともできます。

返金や一時的な金額変動はどうしても発生しますが、小規模なシステムでそのための機能を実装・テストするのは大変です。このダッシュボードがあるおかげで、例外運用はすべてダッシュボードに寄せ、顧客に直接見せる部分やシステム連携が必要な部分だけを実装し、すぐにサービスインすることができます。例外運用を自動化する実装はサービスが大規模になってきてからで良いので、初期開発コストを大幅に圧縮できます。

※ダッシュボードからクレジットカード番号を入力することもできるので、究極的には一切開発せずダッシュボードだけで決済できますが、これをやるとPCI DSSの自己問診範囲が増えると思います。

自動レシートが便利

決済完了時に、顧客に自動レシートメールを送ることができます。カスタマイズの幅は少ないのですが、領収書メールやPDF発行機能を自前実装するとそれなりの工数になるため、よく使う機能が標準搭載されているのはとてもありがたいです。

※なお、この機能はたまにふと英語になったり、改行が反映されなくなったり、若干安定しないようです。

4. 簡単にセキュアなシステムを構築できる

トークン型を実際に使ったのは初めてだったのですが、標準のポップアップ型の他に、自分でレイアウトを定義する方法でも入力フォームがiframeで隔離されるので安心でした(これはどのサービスでもそうなっていると思います)。

真の意味での非保持化(たとえ自社側のサーバプログラムやJavaScriptが悪意を持っていたとしても、ユーザの入力したカード番号は隔離されたiframe内で完結するためアクセスできない)がここまで簡単に実装できるとは良い時代です。

このような見た目でも、input要素1個1個がiframeで囲まれており、セキュリティが保たれる

また公式の開発ドキュメントライブラリが充実しており、React用のコンポーネントなどもしっかり用意されています。決済サービスで非公式のライブラリを使うのは怖いので、公式が充実していることはとても大切です。

5. 日本語でサポートが受けられる

サポートはメール対応で、概ね1-2営業日程度で返信がもらえました。なんちゃってじゃぱにーずではなく、完璧な日本語サポートが受けられます(数回の問い合わせで、日本語に違和感を感じたことは一度もありません)。ややこしい質問にもしっかり対応していただけて、サポートのレベルは高いと思います。

お金が絡むだけに、いざというときにしっかりとサポートが受けられるのは大切ですね。

※ダッシュボードはごく一部英語が残っていますがおそらく英語アレルギーの担当者に触らせることは問題ないレベル、開発ドキュメントは全て英語です。まあ開発ドキュメントを半端に日本語化されても逆に不便なので問題ないですね。

Stripeの残念な点

1. JCBが使えない使えなかった

最初からわかっていたことなので取り立てて言うことでもないのですが、JCBは使えません。
なおUSD決済なら使えます。USD圏内でJCB保持者はどのくらいいるんですかね。

追記: ごく最近(2018/05/17)、StripeがJCBカード決済に対応すると発表がありました。

参考: オンライン決済「Stripe」、JCBのカード決済に対応--グローバルで提携 - CNET Japan

2. 引き落とし明細の表記をコントロールできない

これが今回一番困った点でした。

テスト環境で問題なかったので本番カードで決済してみたところ、明細書を見ると「オンライン決済」の表記が…

三井住友VISAだと「オンライン決済」となり備考欄に登録した表記が出る
ヨドバシカードなどだと、備考欄にも出ず、何の決済かわからない

手持ちのクレジットカードで確認したところ、以下のようになりました。

「オンライン決済」と表示されるもの

  • 三井住友VISAカード
  • Amazonマスターカード
  • ヨドバシゴールドポイントカードプラス

「ST* 登録したサービス名 」と表示されるもの

  • ビックカメラViewスイカカード
  • ソニー銀行デビットカード

問い合わせた結果、一部のクレジットカード(VJAグループなど)ではこのような表記になるそうです。その「一部」に三井住友VISAカードが含まれています。おそらく国内でかなり多くのカードが該当するため、要注意です。

なお、「カード会社によっては ST* のプレフィックスが付与されることもある」とのことですが、現在のところ、付与されないカードを見つけたことはありません。

まとめ

開発者とスタートアップに優しいサービスだと思いました。API型全般に言えることですが、直接的な手数料のほか、開発コストを圧縮できるのは大きなメリットです。特に、例外系の運用を最初から実装しなくて良いのが素晴らしいです。

一方、日本で本格的に使うサービスとしてみると、やや荒削りな面があるのも事実です。

pay.jpなども試してみたいところですが、あまり小規模なサービスはwebpayのこともあり怖いので、Stripeが日本市場で人気を博し、早く成熟してくれるのが一番です。ということで皆さんStripeをどんどん使っていってください。

追記: ツイートより

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この記事の著者

baba

ゆとりプログラマー。 高校時代から趣味でプログラミングを初め、そのままコードを書き続けて現在に至る。慶應義塾大学環境情報学部(SFC)卒業。BPS設立初期に在学中から参加している最古参メンバーの一人。Ruby on Rails、PHP、Androidアプリ、Windows/Macアプリ、超縦書の開発などを気まぐれにやる。軽度の資格マニアで、情報処理技術者試験(16区分17回 + 情報処理安全確保支援士試験)、技術士(情報工学部門)、Ruby Programmer Gold、AWSソリューションアーキテクト(アソシエイト)、日商簿記2級、漢検準1級などを保有。

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