こんにちは、hamです。
早いもので今年も残すところ数日。年末は App Store Connectも休みに入るので
アプリ申請の駆け込みで慌ただしい時期ですね。
今回は、そんな慌ただしい中でも面倒な
iOSアプリの配布関連のtipsをご紹介したいと思います。
開発中の進捗確認の中で、たまに「開発中の状態でもいいので、現時点でのアプリを少し触ってみたい」
というケースが発生することがあると思います。
ベータ版のiOSアプリ配布といえば
Testflight経由で配信したり、AdHockビルドを配布したりなど方法が色々ありますが
いずれもUDID
の登録だったり、アカウント周りを整備したり
AppStoreConnect
へのアップロードが必要だったり、どうしても準備に手間がかかってしまうもの。
そのあたりの整備が整う前の段階で
サッとアプリを渡して動作確認したい時のチップスをご紹介したいと思います。
iOSシミュレーター向けビルドを渡して確認して貰う
あくまでもiOSシミュレーター上での動作になるので、
(カメラやGPS等のハードウェアを使用する機能は確認できないので)割り切りは必要ですが
.app
ファイルを直接手渡して、iOSシミュレーター上にインストールして貰って動作確認することが可能です。
通常ベータ配信時に必要になる以下もろもろが不要になる反面
- UDID登録不要
- 証明書+プロビジョニングプロファイル不要
- Apple外部テスト審査不要
- AppStoreConnectアカウント登録不要
アプリ提供先にXCode
(正確にはiOSシミュレーター)の環境が整っていることが条件です。
送付側の手順
1. XCodeで通常通りシミュレーター向けビルドを実施します(※. いきなりですが割愛します)
2. 以下コマンドで、1.でビルドされたシミュレーター向け.app
ファイルを探します
ls -d ~/Library/Developer/Xcode/DerivedData/*/Build/Products/*-iphonesimulator/*.app
3. Finder上で.app
を選択してメニューを表示し、***を圧縮
でzip
形式に圧縮
4. zipを送付する。
受取側の手順
5. zipをダウンロード&解凍して、.appを取り出す
6. 以下コマンドでiOSシミュレーターを起動
open -a /Applications/Xcode.app/Contents/Developer/Applications/Simulator.app
7. 5.で取得した.app
ファイルをiOSシミュレーター上へドラッグ&ドロップ
提供先にXCode環境が無い場合は?
諦めてベータ版アプリ配布の手続きを進めましょう・・・
となるところですが、地獄の沙汰も金次第。外部サービス(要課金)を使えば別手段で可能だったりします。
Appetize.io
Webブラウザ上に構築されたiOS(Android)シミュレーター環境で動作確認が可能なWebサービス
実際に以下リンク先へ飛んでいただければ分かると思いますが、
Webブラウザ上でシミュレータービルドのアプリの動作確認が可能です。
詳細な手順の説明は省きますが、上記手順と同様にシミュレータービルドの.app
を摘出して、Appetize.ioの管理サイトへアップロードすればOK。
あとは、発行されたURLを展開すればブラウザ上での動作確認が可能です。
(※.但し、繰り返しになってしまいますが、あくまでシミュレータービルドでの確認になります)
メリット・デメリットについて
非常に強力なサービスですが、難点としてはセッション数+時間でシッカリ目に課金されてしまう点でしょう。
(一応、無制限のプランもありますが、なかなか気合が必要なお値段です)
ただ、現時点で目立ったライバル(類似サービス)が無い以上は妥当なのかもしれませんね。
他にない利点としては(おそらくこちらの方が正規の使い方だとは思いますが)
シミュレーター環境自体を自社のサイト内に埋め込むことが可能な点でしょう。
例えば、
- プロモーション目的で登録ユーザ限定にサイト上でプレイアブルなサンプルを提供
- 操作方法など、実際にアプリを操作して貰いながら試せるチュートリアル環境を提供
などなど、
使い道はいろいろありそうですよね。