パソコンやスマホの画面を見続けた後、目の奥が重い、ぼやける、頭が痛い。そんな症状に心当たりがある方は、単なる「疲れ目」ではなく「眼精疲労」かもしれません。
眼精疲労は一晩寝ても回復せず、慢性的に目や体に不調をもたらす状態です。放置すると肩こりや頭痛、集中力の低下など、日常生活に支障をきたすことも。
今回は、眼精疲労の原因から今すぐ実践できる対策法、日常の予防習慣まで詳しくご紹介します。
目の疲れ、なぜ起こるの?眼精疲労の原因を知ろう
眼精疲労を効果的に対策するには、まず「なぜ目が疲れるのか」を理解することが大切です。原因は人によってさまざまですが、主に以下の5つに分類されます。
- 長時間の画面作業で目の筋肉が悲鳴をあげている
- ブルーライトが目と体のリズムを乱す
- ドライアイで目の表面が傷ついている
- 姿勢の悪さが目の疲れにつながっている
- ストレスや睡眠不足も目を疲れさせる
それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。
長時間の画面作業で目の筋肉が悲鳴をあげている
パソコンやスマホを見続けると、目の中にある「毛様体筋(もうようたいきん)」という筋肉が常に緊張した状態になります。
この筋肉は、近くを見るときにレンズの役割を果たす水晶体を厚くして、ピントを合わせる働きをしています。
長時間近くを見続けると、毛様体筋が休む暇なく働き続けることになります。これは腕の筋肉を何時間も曲げっぱなしにしているのと同じ状態です。
結果として筋肉疲労が起こり、目の奥の痛みやかすみ、重だるさといった症状が現れます。
特にデスクワークが中心の方は、1日8時間以上も近くを凝視していることが多く、目の筋肉に相当な負担がかかっています。
ブルーライトが目と体のリズムを乱す
パソコンやスマホの画面から発せられる「ブルーライト」は、可視光線の中でも特にエネルギーが強い光です。
この光は目の奥の網膜まで届きやすく、長時間浴びると目に負担がかかります。
さらに厄介なのは、ブルーライトが体内時計を狂わせる点。本来、ブルーライトは太陽光に多く含まれ、朝浴びることで「今は昼間だ」と体に知らせる役割を持ちます。
しかし夜遅くまでスマホを見ていると、脳が「まだ昼間だ」と勘違いし、睡眠の質が低下してしまうのです。
睡眠不足は目の疲労回復を妨げ、眼精疲労の悪循環を生み出します。
ドライアイで目の表面が傷ついている
集中して画面を見ているとき、まばたきの回数が通常の3分の1程度まで減ることが分かっています。
まばたきは目の表面に涙を行き渡らせ、潤いを保つ大切な動作。回数が減ると目が乾き、「ドライアイ」の状態になってしまいます。
目の表面が乾燥すると、角膜(黒目の部分を覆う透明な膜)に小さな傷がつくことも。すると目がゴロゴロしたり、充血したり、光がまぶしく感じたりする症状が出ます。
さらに乾燥した目でピント調節をしようとすると、より目が疲れやすくなるという悪循環に。
エアコンの風が直接当たる環境や、空気が乾燥しやすいオフィスでは、特にドライアイになりやすいので注意が必要です。
姿勢の悪さが目の疲れにつながっている
実は、姿勢の悪さも眼精疲労の原因と言われています。猫背やうつむいた姿勢で作業を続けると、首や肩の筋肉が緊張し、血行が悪くなります。
目と脳をつなぐ血管や神経は首を通っているため、首の血流が悪くなると目にも影響が及ぶのです。
また、姿勢が悪いと画面と目の距離が近くなりがち。近い距離で見続けることは、先ほど説明した毛様体筋への負担をさらに増やします。
スマホを見るときに顔を下に向け続ける「スマホ首」も、同様の問題を引き起こします。
目だけでなく、肩こりや首のこりを感じている方は、姿勢を見直すことで眼精疲労が改善する可能性が高いでしょう。
ストレスや睡眠不足も目を疲れさせる
意外に思われるかもしれませんが、精神的なストレスや睡眠不足も眼精疲労の原因になり得ます。
ストレスがかかると自律神経のバランスが乱れ、目の周りの筋肉が緊張しやすくなるためです。
また、睡眠中は目の筋肉や細胞が修復される大切な時間。十分な睡眠が取れないと、日中に蓄積した目のダメージが回復されず、翌日に疲れを持ち越してしまいます。
仕事の締め切りに追われていたり、人間関係で悩んでいたりすると、無意識のうちに目に力が入り、まばたきも減少します。
こうした生活習慣の積み重ねが、慢性的な眼精疲労につながっていきます。
今すぐできる眼精疲労対策5選
眼精疲労の原因が分かったところで、具体的な対策方法をご紹介します。
どれも特別な道具や時間を必要とせず、今日からすぐに実践できるものばかり。以下の5つの方法を日常に取り入れてみましょう。
- 20分に一度、20秒間の休憩を取る
- スマホ、PCの画面を調整する
- 遠くを見て目の筋肉をリラックス
- 目の周りを温めて血行促進
- 簡単な目のストレッチをする
それぞれ詳しく解説していきます。
20分に一度、20秒間の休憩を取る
「20-20-20ルール」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは眼科医が推奨する目の休憩法で、「20分ごとに、20フィート(約6メートル)離れたものを、20秒間見る」というシンプルなルール。
20分という短いスパンで休憩を取ることで、毛様体筋が固まる前にリセットできます。遠くを見ることで筋肉が緩み、近くを見続けていた緊張状態から解放されるのです。
実践のコツは、スマホのタイマーやパソコンのリマインダー機能を使うこと。集中していると時間を忘れがちなので、自動的に知らせてくれる仕組みを作っておくと続けやすくなります。
休憩中は窓の外の景色や、部屋の奥の壁など、できるだけ遠くのものを眺めましょう。
スマホ、PCの画面を調整する
画面の明るさや位置を見直すだけで、目の負担は大きく変わります。
まず画面の明るさは、周囲の環境に合わせて調整を。暗い部屋で明るすぎる画面を見たり、逆に明るい場所で暗い画面を見たりすると、目が疲れやすくなります。
画面の位置は、目線よりやや下になるように設置するのが理想的。目線が下向きになることで、まぶたが自然と画面を覆う面積が増え、目の乾燥を防げます。
また、画面との距離は40センチ以上離すことを心がけましょう。
ブルーライト対策として、スマホやパソコンの「ナイトモード」や「ブルーライトカット機能」を活用するのも効果的。特に夕方以降は、画面を暖色系にすることで目への刺激を和らげられます。
文字サイズも重要なポイントです。小さな文字を見ようと目を凝らすと、それだけ目の筋肉に負担がかかります。無理なく読める大きさに調整しておきましょう。
遠くを見て目の筋肉をリラックス
先ほどの20-20-20ルールとも関連しますが、意識的に遠くを見る習慣は眼精疲労対策の基本中の基本です。近くを見続けることで緊張した毛様体筋を、遠くを見ることで緩めることができます。
オフィスで働いている方なら、トイレに立ったときに窓から外を眺める、廊下の端まで視線を向けるなど、移動のタイミングを利用するとよいでしょう。
在宅勤務の方は、ベランダに出て空を見上げたり、遠くの建物を眺めたりする時間を作ってみてください。
遠くを見るときのポイントは、ぼんやりと眺めること。何か特定のものを凝視する必要はありません。むしろ力を抜いて、景色全体を柔らかく見るイメージで行うと、より目がリラックスします。
目の周りを温めて血行促進
目の疲れを感じたら、温めるケアが効果的です。温めることで目の周りの血流が良くなり、凝り固まった筋肉がほぐれます。
また、涙の油分を分泌する「マイボーム腺」という器官の働きも活発になり、ドライアイの改善にもつながるのです。
一番手軽な方法は、蒸しタオルを使うこと。清潔なタオルを濡らして軽く絞り、電子レンジで30秒ほど温めます(やけどに注意)。
適温になったら目の上に乗せて、5分ほどリラックス。じんわりと温かさが広がり、目の疲れがほぐれていくのを感じられるはずです。
より手軽に続けたい方には、市販のホットアイマスクもおすすめ。使い捨てタイプなら外出先でも使えますし、USB式や電子レンジ式の繰り返し使えるタイプもあります。
就寝前に使うと、リラックス効果で睡眠の質も向上します。
簡単な目のストレッチをする
目の筋肉も、体の筋肉と同じようにストレッチでほぐすことができます。デスクに座ったままできる簡単な方法をいくつかご紹介しましょう。
目をぐるぐる回す運動は、目の周りの筋肉全体をほぐせます。まず顔を正面に向けたまま、目だけを右回りにゆっくり一周。次に左回りに一周させます。
これを3セット繰り返しましょう。勢いよく回すと目が疲れるので、ゆっくり丁寧に動かすのがコツ。
上下左右を見る運動も効果的。目だけを動かして、できるだけ上を見る、次に下を見る、右を見る、左を見る、という動作を繰り返します。
それぞれの方向で2秒ほど止めると、より筋肉がほぐれます。
最後に目をぎゅっと閉じて、パッと開く運動。強く閉じて3秒キープし、一気に開いて3秒。これを5回繰り返すことで、目の周りの血行が促進され、リフレッシュできます。
これらのストレッチは、先ほどの20分ごとの休憩時間に組み合わせて行うと、より効果が高まります。
毎日続けたい眼精疲労の予防習慣
眼精疲労は一度症状が出てから対処するよりも、日頃から予防することが大切です。朝・昼・夜、そして週末と、時間帯ごとに取り入れたい習慣をご紹介します。
無理なく続けられるものから始めてみましょう。
- 朝の習慣|一日を快適に過ごすために
- 昼・仕事中の習慣|こまめなケアで疲れを溜めない
- 夜の習慣|目をしっかり休ませる
- 週末の習慣|疲れをしっかりリセット
- 目に優しい食生活を心がける
それぞれの時間帯に合わせた習慣を見ていきましょう。
朝の習慣|一日を快適に過ごすために
朝は目を一日の活動モードに切り替える大切な時間。起きたらまずカーテンを開けて、自然光を浴びましょう。
太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、自律神経のバランスが整います。これは目の疲れにくさにもつながる重要なポイントです。
洗顔のときには、目の周りを優しくマッサージするのもおすすめ。まぶたの上を内側から外側へ、軽く指の腹でなぞるように動かします。
力を入れすぎず、心地よいと感じる程度の刺激で十分。血行が良くなり、目がすっきりと目覚めます。
朝食では、目に良いとされる栄養素を意識的に取り入れてみてください。たとえばブルーベリーを使ったヨーグルトや、ほうれん草入りの卵料理などです。
栄養については後ほど詳しく解説しますが、朝から目に優しい食事を心がけることで、一日の目のコンディションが変わってきます。
昼・仕事中の習慣|こまめなケアで疲れを溜めない
仕事中は、先ほどご紹介した20-20-20ルールを実践しましょう。タイマーをセットして、20分ごとに遠くを見る習慣をつけることが理想的です。
ランチタイムは目を休める絶好のチャンス。食事中はスマホを見ず、窓の外の景色を眺めたり、同僚と会話を楽しんだりして、画面から目を離す時間を確保しましょう。
食後に軽く散歩ができれば、なお良いですね。外を歩くことで遠くを見る機会が増え、目の筋肉がリラックスします。
午後の眠気を感じたら、コーヒーブレイクのタイミングで簡単な目のストレッチを。デスクを離れて少し歩くだけでも、目と体の緊張がほぐれます。
エアコンの効いたオフィスでは乾燥しやすいので、意識的にまばたきを増やしたり、必要に応じて目薬を使ったりするのも有効です。
姿勢にも気を配りましょう。背筋を伸ばし、画面との距離を保つことを意識するだけで、目への負担は大きく変わります。
夜の習慣|目をしっかり休ませる
夜は目を休め、翌日に疲れを持ち越さないために大切な時間です。まず心がけたいのは、就寝の1時間前にはスマホやパソコンの使用を控えることです。
ブルーライトは睡眠の質を下げるため、寝る前の使用は避けるのがベストです。
どうしても使う必要がある場合は、画面の明るさを最小限に落とし、ナイトモードに設定しましょう。また、部屋の照明も暖色系の間接照明に切り替えると、目への刺激が和らぎます。
入浴時には湯船にゆっくり浸かり、目を閉じてリラックス。温かいお湯が全身の血行を促進し、目の疲れも和らぎます。
お風呂上がりにホットアイマスクを使うのも効果的です。温めることで一日の目の疲れがほぐれ、心地よく眠りにつけます。
寝室の環境も大切になります。真っ暗にするか、豆電球程度の明かりにして、目が完全に休める状態を作りましょう。睡眠時間は7〜8時間を目安に、しっかり確保することを心がけてくださいね。
週末の習慣|疲れをしっかりリセット
平日に溜まった目の疲れは、週末にしっかりリセットしましょう。
まず意識したいのは、いつもより長めの睡眠時間を確保すること。平日の睡眠不足を補うだけでなく、目の細胞が修復される時間をたっぷり与えてあげましょう。
天気の良い日には、散歩やハイキングなど屋外での活動がおすすめ。自然の中で遠くの景色を眺めることは、最高の目の休息になります。
緑色は目に優しい色とされているので、公園や山などの緑豊かな場所へ出かけるのも良いですね。
週末だからといって、一日中スマホを見たりゲームをしたりするのは避けましょう。趣味の時間も、できれば画面を使わない読書や料理、手芸など、目を使いすぎない活動を選ぶと理想的です。
また、週に一度はゆっくりとお風呂に浸かり、蒸しタオルやホットアイマスクで目を温める時間を作りましょう。平日は忙しくてできなかったケアを、週末にまとめて行うのも効果的です。
目に優しい食生活を心がける
目の健康は、毎日の食事からも支えられています。特に意識して取り入れたい栄養素がいくつかあります。
まずビタミンAは、目の粘膜を保護し、暗いところでの視力維持に関与する栄養素。レバー、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などに豊富です。色の濃い野菜を意識的に食べるようにしましょう。
他にもビタミンB群は、目の疲労回復をサポートします。特にビタミンB1は視神経の働きを助け、B2は目の充血を和らげる働きが期待できます。豚肉、玄米、納豆、卵などに多く含まれています。
またDHAは青魚に豊富な栄養素で、目の網膜の健康維持に関与します。サバ、イワシ、サンマなどを週に2〜3回は食卓に取り入れたいですね。
これらの栄養素を意識しながらも、最も大切なのはバランスの良い食事。特定の食材に偏らず、多様な食品を組み合わせて食べることが、目の健康を長期的に支えることでしょう。
それでも良くならない時は専門的なケアへ
セルフケアを続けても症状が改善しない場合や、日常生活に支障をきたすほどの症状がある場合は、専門家に相談することが大切です。眼精疲労だと思っていたら、実は別の病気が隠れていることもあります。
- こんな症状があったらすぐ眼科へ
- 眼精疲労以外の病気が隠れているかも
- 整体・鍼灸も選択肢に
それぞれ詳しく見ていきましょう。
こんな症状があったらすぐ眼科へ
以下のような症状がある場合は、セルフケアで様子を見るのではなく、できるだけ早く眼科を受診しましょう。
急激な視力低下を感じたら要注意です。「昨日まで見えていたものが今日はぼやける」といった急な変化は、網膜剥離や緑内障などの深刻な目の病気のサインかもしれません。
視野の一部が欠ける、暗く見えるという症状も危険信号。視野の端が見えにくくなる、中心部が暗く感じるなどの症状は、緑内障や網膜の病気の可能性があります。
目の痛みが強く、頭痛や吐き気を伴う場合も要注意。急性緑内障発作の可能性があり、放置すると失明に至ることもあるため、すぐに受診が必要です。
光がまぶしすぎる、光の周りに虹が見えるといった症状も、白内障や緑内障などの病気のサインかもしれません。
目やにや充血がひどく、痛みがある場合は、結膜炎や角膜炎などの感染症の可能性があります。他の人にうつすリスクもあるため、早めに受診しましょう。
これらの症状は、単なる眼精疲労とは異なる重大なサイン。「少し様子を見よう」と先延ばしにせず、すぐに眼科専門医の診察を受けることが大切です。
眼精疲労以外の病気が隠れているかも
慢性的な目の疲れや不調の背後に、実は別の病気が隠れているケースがあります。
ドライアイは、涙の量が減ったり質が悪くなったりすることで起こる病気。単なる乾燥ではなく、治療が必要な状態です。
眼科では涙の量を測定したり、目の表面の状態を詳しく調べたりして、適切な治療法を提案してくれます。
老眼も眼精疲労と間違えやすい症状。40歳を過ぎると誰でも起こる老化現象ですが、適切な老眼鏡を使わずに無理をすると、ひどい眼精疲労につながります。
「最近、近くの文字が見づらい」と感じたら、眼科で視力検査を受けましょう。
斜視や斜位といった、両目のバランスが崩れている状態も、眼精疲労の原因に。片方の目だけで見ようとしたり、両目で見ているものの位置がずれていたりすると、脳が無理に調整しようとして疲れが生じるのです。
緑内障や白内障の初期段階でも、目の疲れやかすみを感じることがあります。
これらは早期発見・早期治療が重要な病気。定期的な眼科検診で、自覚症状が出る前に見つけることができます。
また、糖尿病や高血圧、甲状腺の病気など、全身の病気が目の症状として現れることも。眼精疲労がなかなか治らない場合は、内科的な検査が必要になることもあります。
眼科では、視力検査だけでなく、眼圧測定や眼底検査など、詳しい検査を受けられます。「ただの疲れ目だろう」と自己判断せず、気になる症状があれば専門医に相談するのがおすすめです。
整体・鍼灸も選択肢に
眼科で検査を受けても特に異常が見つからず、それでも眼精疲労の症状が続く場合は、整体や鍼灸といった東洋医学のアプローチも選択肢のひとつ。
眼精疲労は、目だけの問題ではなく、首や肩のこり、姿勢の悪さ、全身の血行不良など、体全体のバランスの崩れが関係していることが少なくありません。
整体では、骨格の歪みを整えたり、筋肉の緊張をほぐしたりすることで、目への血流改善を目指します。
鍼灸治療では、目の周りや首、肩などのツボに鍼や灸を施すことで、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげます。
「攅竹(さんちく)」や「太陽(たいよう)」など、目の疲れに関連するとされるツボがいくつもあり、これらを刺激することで症状が和らぐケースも。
出典:南接骨院+鍼灸院
出典:道後はり灸接骨院blog
特に、長年のデスクワークで姿勢が悪くなっている方や、ストレスで自律神経のバランスが崩れている方には、体全体を整えるアプローチが役立つ場合があります。
ただし、整体や鍼灸を受ける前には、必ず一度眼科で検査を受けておくことが重要です。目の病気が隠れている場合、整体や鍼灸では対処できないどころか、症状を悪化させる恐れもあります。
眼科で異常がないことを確認した上で、補完的なケアとして取り入れるのが賢明な選択と言えるでしょう。
施術を受ける際は、国家資格を持つ施術者がいる信頼できる院を選ぶことも大切です。事前に口コミを調べたり、初回のカウンセリングで丁寧に話を聞いてくれるかどうかを確認したりすると安心です。
眼精疲労のお悩みQ&A
ここからは、眼精疲労についてよく寄せられる質問に答えていきます。日常生活の中で気になるポイントを確認しておきましょう。
スマホの使用時間、どれくらいなら大丈夫?
明確に「○時間まで」という基準はありませんが、連続使用時間を短くすることが大切です。
理想的には、20分使ったら20秒の休憩を取る「20-20-20ルール」を守ること。つまり、長時間連続で見続けないことが何より重要なのです。
総使用時間としては、1日2時間以内が目安とされることもありますが、現代社会では仕事でパソコンを使う方も多く、現実的には難しい数字かもしれません。
それでも、仕事以外のプライベートな時間では、できるだけスマホの使用を控える工夫が必要でしょう。
特に注意したいのは、寝る前のスマホ使用。就寝1時間前からはスマホを見ないようにすると、睡眠の質が向上し、目の疲労回復も促進されます。
また、移動中や食事中など、「何となく」スマホを見る習慣を見直すだけでも、総使用時間はかなり減らせます。
コンタクトレンズとメガネ、どちらが目に優しい?
一般的には、メガネの方が目への負担は少ないと言えます。
コンタクトレンズは目の表面に直接触れるため、どうしても目が乾きやすく、酸素不足にもなりがちです。長時間の装用は目の負担になります。
コンタクトレンズを使う場合は、装用時間は1日8時間程度に抑え、それ以上使う場合は途中でケアが必要です。また、帰宅したらできるだけ早くメガネに切り替えることをおすすめします。
特にデスクワークが中心の方は、職場ではメガネを使い、外出時だけコンタクトレンズにするといった使い分けも有効です。
集中してパソコン作業をしているとまばたきが減り、コンタクトレンズ装用時はドライアイになりやすいためです。
最近では、酸素透過性の高いコンタクトレンズや、ドライアイ対策がされた製品も増えています。眼科医に相談して、自分の目の状態に合ったレンズを選ぶことも大切です。
どちらを選ぶにしても、定期的な眼科検診は欠かせません。目の状態をチェックしながら、最適な矯正方法を見つけていきましょう。
眼精疲労は完治しますか?
眼精疲労は「病気」というより「症状」なので、「完治」という表現は難しいかもしれません。
ただし、原因をしっかり取り除き、適切なケアを続けることで、症状を大幅に改善させることは十分に可能です。
眼精疲労の原因が屈折異常(近視や乱視など)にある場合は、適切なメガネやコンタクトレンズで矯正することで症状が解消することもあります。
ドライアイが原因なら、治療用の点眼薬や涙点プラグといった治療で改善が期待できます。
一方、生活習慣が原因の場合は、その習慣を変えない限り症状は繰り返します。
長時間のパソコン作業が避けられない仕事をしている方は、定期的な休憩や目のケアを生活に組み込むことで、症状をコントロールしていく必要があるでしょう。
重要なのは、「一度良くなったら終わり」ではなく、予防習慣を続けること。歯磨きと同じように、目のケアも毎日の習慣として定着させることで、快適な視生活を長く保てます。
目薬は1日何回まで使っていいですか?
目薬の使用回数は、製品によって大きく異なります。
市販の目薬には、1日5〜6回までと記載されているものが多いですが、必ず購入した目薬のパッケージや説明書に書かれている用法・用量を守ることが大切。
処方薬の場合は、医師の指示に従うことが絶対。「症状が良くなったから」と勝手に使用を中止したり、逆に「早く治したいから」と回数を増やしたりするのは厳禁です。
また、複数の目薬を使う場合は、差す順番や間隔も重要。眼科で処方を受ける際には、必ず「他に使っている目薬はありますか」と聞かれるので、市販薬も含めて正直に伝えましょう。
眼精疲労なら鍼灸院の利用も視野に
ここまでご紹介してきた対策を試しても、なかなか眼精疲労が改善しない。そんな時は、東洋医学の視点から体を整える鍼灸治療という選択肢もあります。
眼精疲労は、目だけの問題ではありません。首や肩のこり、姿勢の悪さ、ストレス、睡眠不足など、さまざまな要因が絡み合って症状を引き起こしています。
鍼灸治療では、目の周りのツボだけでなく、全身のバランスを整えることで、根本的な改善を目指します。
頭部への集中治療と全身調整を組み合わせることで、目の疲れだけでなく、それに伴う頭痛や肩こりといった不調も同時にケア。飲み薬や塗り薬の副作用が心配な方にも選んでいただきやすい治療法となっています。
眼精疲労は、放置すると日常生活の質を大きく下げてしまう原因にも。セルフケアと並行して、専門家のサポートを受けることで、より早く快適な生活を取り戻せるかもしれません。
目の疲れでお悩みの方は、検討してみるのも良いでしょう。
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