morimorihogeです。突然ですが本日から夏のTechRachoフェア2020というイベントを実施します。
BPSやBPSゆかりの人たちに声をかけ、普段記事をあまり書かない人にも積極的に書いてもらおうということで、しばらくはいつもとちがうタイプの記事も出てくるかと思いますので、お楽しみいただければ幸いです。
昨年の様子は夏のTechRachoフェア2019タグからご覧いただけます。
というわけで、最初は僕ですが、今回は普段と趣向を変えて自宅のウォシュレットを交換した話を書いていきます。
写真や図付きの解説になりますが、汚いモノは写さないようにしていますのでご安心下さい。
概要とお約束
流れとしては本体購入の検討、ウォシュレットの構造、取り外しと取付という形で進んでいきます。
僕自身のDIY度ですが、組み立て家具やプラモなど、キットがあったらそれ通りにとりあえず組める程度です。後述するようにウォシュレットはほとんどユニット化されているので、高度なスキルは不要です。
ただ、非力な方の場合、止水栓が固まってしまっていた場合に開け閉めが難しいかもしれません。特に水回りは何かあると大事になりがちなので、あまり自信がない場合はプロに任せることをお勧めします。
あくまで自己責任ということで。
以下、いくつかの注意事項です。水回りの家電なので諸々うるさめになります。
※本記事の内容は内装工事や水回りの経験や資格を持たない素人がWebを検索しながら試行錯誤した記録であるため、手順や内容の正確性については怪しい点もある可能性についてはご理解下さい。
この手順通りにやってみてうまくいかなかったりした場合の保証などは出来かねますので、諸々自己責任でお願いします。
※お住まいの自宅が賃貸の場合、元々ウォシュレットがあったものを勝手に取り外したり、取り付けのために配管に手を入れることが問題になる可能性があります。管理会社や大家さんに確認してからやりましょう
交換の経緯
当たり前な要因ですが、自宅のウォシュレットの調子が悪く、動かなくなってしまいました。
考えてみれば今の家に引っ越してから特に交換もせずに毎日使ってきたので寿命というのは納得のいく話です。なお、ウォシュレットの寿命は7-10年くらいのようです。もちろん使用頻度や環境によって異なると思うので、あくまで目安ということで。
この時、壊れたウォシュレットのメーカー・型番を便座裏に貼ってあった仕様情報から調べたところ、TOTOのアプリコットC1 TCF4011でした。2000年代前期のモデルということで、20年弱くらい動き続けていたようです。よくがんばった。
というわけで、ウォシュレット交換についていろいろと調べていたのですが、どうやら調べる限りでは業者に頼むと本体に加えて工賃で1万円~2万円程度はするようです。世の中は例の感染症の関係で恐らく工事業者も忙しいと考えたのと、調べる限りでは単純な交換だけなら自分でもできそうだということでやってみることにしました。
交換か新規設置か?
まず、交換か新規設置かで前提が大きく異なります。
交換の場合は既にウォシュレット用の水道配管が設置済みなので、基本的には現在の設置状況を見た上で、適切な後継機種・後継型番を購入すれば大丈夫なことが多いと思われます。
ウォシュレットはどんな場合でも1つの製品を買えば設置できるという機器ではなく、後述するように便座のサイズ、配管の位置など自分の環境に合わせた型番を購入しないと設置できません。
現在使っているものがあればその製品型番を追いかけることで逆算的に今の環境も分かりますので、交換の方が圧倒的に簡単です(本記事で扱うのも交換のケースになります)。
※なお、自宅環境によっては配管を独自に延長するなどして製品をそのまま利用していないケースがあるかもしれないので、交換の場合でも現在配管を事前に目視確認して買おうとしている製品がちゃんと使えそうかを下見しておくのが安全でしょう
なお、新規設置の場合は、
- そもそもウォシュレットが取り付け可能な個室配置か?
- 便座のサイズは?
- 買おうとしているウォシュレットは他に干渉せずに配置できるか?
- 電源は足りるか?
などなど色々と考慮しないといけないポイントがあります。一つでも間違えるとうまく設置できないのでこの辺は自信がなければ業者にやってもらう方が良いでしょう。
ウォシュレット本体の購入
今使っている機種の後継機種が最も問題が起こりにくいだろう、ということでTOTOのアプリコットのサイトを眺めたところ、現行機種があるようでした。カタログを見ると色々と種類があることが分かります。ハイテクだ。
機能面での違いは概ねこんな感じのようです。
- 便座の自動開閉機能の有無
- 自動洗浄機能の有無
- 脱臭機能や自動乾燥機能の有無
なお、カタログ品番一覧のページを眺めてみると、自動洗浄機能付きのものを買う場合には取り付け部品の組み合わせでセット品番が異なるということが書いてあります。
今回は自動洗浄なしモデルのF1グレードのものを買ったので特に問題ありませんでしたが、こうした設置環境に応じた品番を買わないといけないタイプを購入する場合には事前にカタログや注意書きをよく読み込んでおくことをオススメします。
また、もしこれを機に上位グレードへの移行などを検討している場合、消費電力も確認しておきましょう。一番大きいのはヒーターの瞬間式と貯湯式の差で、瞬間式はトータルのコストとしては電気代が安くなりますが、利用時の消費電力は大きいです。
現在貯湯式が使われている環境で瞬間式に切り替えた場合、電源容量不足でブレーカーが落ちる可能性もあるので気を付けましょう。
参考:ウォシュレットの瞬間式とは?貯湯式よりも電気代がお得ってほんと?
購入する品番と色が確定したら、購入についてはAmazonでも売ってるレベルなので価格比較サイトなどで調べつつ購入すれば良いです。
色についてはTOTO製の便器の場合、側面に色番号ラベルが貼ってあるので、これを見れば良いです。ちょっと調べた感じではLIXILなんかも同様の様です。
なお、僕は2020年6月時点で66,000円(税込、送料込)でした。
壊れたウォシュレット本体の取り外し
※以下はTOTOアプリコットの例なので、他の機種だとやや手順が異なる可能性があります。ご了承下さい。
事前に以下はやっておきます。作業時間は慣れればトータル1時間もあれば終わりますが、多少余裕を見ておいた方がいいでしょう。
- 個室内・便器の掃除
- いざというときに止めるための水道元栓の場所確認
- 作業前の各種配管・配線の状況を写真に撮っておく(大事)
- 作業中はトイレが使えないので出すものがあるなら先に出しておく(重要)
- 工具の確認
- プラスドライバー(比較的大口径のもの。PC分解に使うものより1つ大きいタイプがいいかもしれない)
- マイナスドライバー(止水栓を回すのに使う。力の入れやすい大型のタイプが良い)
- モンキーレンチ(ナットと止水栓を回す際に使う)
接続されている電源・給水管の取り外し
ウォシュレットは概ね以下のようにコンセントに向かう電源コードと水道管に接続される給水管がつながっています。
電源コードは何も考えずにアース線とともに抜けば良いので、説明は省きます。
壁からの水回り配管は下図のように接続されていました。
壁から通ってきた水が止水栓を通して上に流れていく構造となっており、タンクに向かう配管の間にウォシュレット用の分岐金具が入っていることがわかります。
ここで青枠に囲った分岐金具はウォシュレット本体と一緒に交換する必要がありますので、これを外さないとウォシュレット本体の取り外しができません。だから、タンクへの接続金具も外す必要があったんですね。
止水線は通常のねじ通り時計回りで閉まり、反時計周りで開きます。ここでとても固くて回らないことがありますが、力回せに回してはいけません。
やたら固いときは、ドライバーの持ち手側などであちこちの方向から止水栓をコンコンと叩いてやります。思いっきり叩くというよりは、固着化してしまっている部分を振動で軽く剥がしてやるくらいの気持ちで。
我が家の場合は最初全然回らず軽くねじ穴をナメそうになりましたが、何度か叩いた後は回るようになりました。
※ここから先の作業は配管内に残っている水がこぼれるため、バスタオルを敷くなど濡れ対策をして作業しましょう
その後、止水栓を閉じれたら、一度タンクの水を流してみて確かに水が止まっていることを確認した後、タンクへの接続金具を外します。
これは普通にナットで止まっているだけなので、モンキーレンチ+手回しで簡単に外せます。
続いてはウォシュレットからの接続金具も同じように抜きとります。
これでようやくウォシュレット本体がフリーになりました。いよいよウォシュレット本体を外していきます。
ウォシュレット本体の取り外し
ウォシュレット本体ですが、下図のような形で固定用プレートにマウントする形で固定されています。
固定用プレートは便器にボルトで固定されており、ウォシュレット本体と固定用プレートの間が爪でいい感じにカチッとハマる構造になっています。
ウォシュレット本体の左右の奥辺りにはこの固定用プレートとのロックを外せるボタンがあるので、そこを押しながら手前に引っ張ってやると、あっさりウォシュレット本体が外れます。
固定用プレートはボルトで固定されているので、これをプラスドライバーで外してやればこれで旧ウォシュレットの取り外しは完了です。
新しいウォシュレットの取り付け
基本的に取り付けの逆をやれば良いこと、取り付けについては本体に同梱される施工説明書を見れば大抵必要なことは書いてあるので細かい手順については省略します。家具やプラモが組み立てられる人なら大丈夫でしょう。
とりあえず雰囲気を味わうなら以下のサイトが詳しくて良かったです。
取り付け金具に付属のパッキンを取り付けたり、
新しいウォシュレット付属の取り付け金具を取り付けたり、
諸々タンクへの接続も含め元に戻したり(タンク側のねじ締めが甘いように見えますが、これで奥まで締まってます)、
新しい固定用プレートを取り付け、ウォシュレットをマウントしたら止水栓を開き、明らかな水漏れがないかをチェックし、電源を入れてみます。
※水回りなので、電源ケーブルのアース接続はちゃんとしましょう。
うん。良さそうです。
古いウォシュレットの処分について
古いウォシュレットの処分については各自治体によって取り扱いが異なるので、お住まいの自治体のゴミ捨てに関する案内を参照しましょう。
僕の住んでいるところでは、品目ごとの取り扱いを検索できたので、そこで調べたところ不燃ごみとして回収してもらえるようでした。
サイズの関係でそこそこかさばるので、作業は処分のことも考えてスケジューリングすると無駄がないかもしれません。
完走した感想
感想としては、思っていたより全然簡単でした。
築年数の長い建物で配管が錆びてて回らなかったり、特殊な配管構成になっていてアタッチメントを自作しないといけないような環境はLunatic難易度かと思いますが、一般的な仕様であれば特に戸惑うこともなく対応できるでしょう。
ただ、やらかした場合には水漏れのリスクがあったり、適合しない機種を買ってしまうと悲しい思いをするリスクがありますのでそうしたリスクを取れない人はおとなしくプロに頼みましょう。
そんなわけで、ウォシュレット交換というのは人生の中で何度もやらないことだと思いますが、もしやる機会があれば参考にしていただければと思います。
# 余談ですが、本稿出稿時カテゴリどうしよう?と思いましたが、生活インフラということで「インフラ」にしました。まあ間違ってはいないだろう。