cellotakです。
4月にAWS認定のクラウドプラクティショナー (CLF)を受験した経験談まとめます。
クラウドプラクティショナーの受験を検討している方の参考になればと思います。
受験のきっかけ
元々AWSのキャッチアップのためにAWS認定試験は受験したいとは考えていました。
しかしAWSに関する知識がゼロだったため、「いきなりソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA)を受験するのはちょっとしんどいしクラウドプラクティショナー(CLF)からかなー」と考えてました。
ところが弊社にはSAAの受験料補助の制度はあるもののCLFの受験料補助がなかったので、私費で受ける必要がありました。AWS認定試験は全体的に費用が高いので、「私費で受験するのはそれはそれでちょっとしんどいし、まあそのうちSAAに挑戦するか」という感じで放置していました。
そんな中、今春ごろからAWSのスキルアップ推進の流れとなり、AWSの経験が浅く、受験の価値があると認められた場合はCLFも受験料補助を出して頂けるようになりました。これはありがたい!ということで制度を利用させて頂いて、SAAの前にワンステップ踏むことにしました。
勉強前のレベル
勉強前の私の技術レベルを紹介します。
後述しますが、前提知識の有無によって対策に必要な勉強量がかなり変わってくる印象ですので、対策時間を見積もる際にはここをよく確認・比較してもらうことをオススメします。
- エンジニア歴
- 半年ちょっと (Rails)
- 資格試験遍歴
- 基本情報技術者試験 合格
- 応用情報技術者試験 合格
- データベーススペシャリスト試験 午後Ⅰ試験落ち
- ネットワークスペシャリスト試験 午後Ⅱ試験落ち
(正確にはネスぺ対策期間中に並行してCLFの勉強をしていました。)
- AWSに関して
- 社内勉強会で扱ってもらった際にリージョンとかIAMぐらいは何かを知ったレベル。
- AWS Skill builderでAWS Partner: Accreditation (Technical)というオンライン講座を序盤だけ流し見していていました。
受験申込
Pearson VUEを利用して、最寄りのテストセンターを指定して申し込みました。
戦略
限られた時間の中でどう対策すべきかの戦略を考えました。
試験形式把握
試験対策には形式把握が重要です。
CLFは以下の形式です。
- 試験時間
- 90分
- 問題数
- 全65問(うち15問は採点対象外)
- 合格点
- 1000点満点中700点以上
- 出題形式
- 14肢択一または5肢から複数選択
調べた限り解答時間的には余裕がありそうです。
合格ラインは7割ですが、消去法の使えない複数選択問題もあるので、確実に正解できる問題がかなり必要になりそうです。
ざっくり見積もりですが、
- 1択で確実に成功できるものが5割
- 2択まで絞り込めるものが3割
- 3択まで絞れる問題が1.5割
となれば期待値がぎりぎり7割に達するので、まずはそこを目安とします。
対策の時間配分
事情によりなるべく早くCLFの受験をする必要があったのですが、直後にネットワークスペシャリスト試験を控えていたため、CLFの勉強期間として取れるのは1週間、時間にして10時間~15時間程度という状況でした。
とりあえず、どのくらいのレベル感なのかがわからなかったので、WEB問題集 (【AWS資格】無料WEB問題集&徹底解説 | クラウドプラクティショナー(CLF)) で20問くらい解いてみたところ、一般的な知識で解けそうなものが2~3割ありそうということがわかりました。その他もとりあえず何がどういうサービスかさえ覚えれば解けそうな問題が多そうという印象でした。
ということで2~3時間くらいで主要なサービスの名前と内容をインプットして、残りは問題を解きながら足りない知識を補っていく戦略をとることにしました。
勉強内容
インプット
選んだのが 一番メジャーっぽいこの教科書です。
なんかいつの間にか過去の自分が買っていたみたいです。
AWS公式の説明を読んでいく方法もありといえばありですが、絶妙に分かりづらくどこが重要なのかも判断つきづらかったので、結局教科書が最適解だろうという判断で読み始めました。
だいたい3時間くらいで読み終えて、その後問題演習するときにちょくちょく見直す形で利用しました。
問題演習
WEB問題集
問題演習には主に
【AWS資格】無料WEB問題集&徹底解説 | クラウドプラクティショナー(CLF)
を利用しました。
- 公式ではないですが対策するにはかなり便利なサイトです。
- 無料で利用できるのは100問だけだったので課金しました (¥900/月)。
- 間違えた問題を後で復習できたり、理解度に応じてチェックボックスにチェックを入れておけるのがGood。(過去問道場とかと使い勝手が似てます)
- 各問題にコメントが投稿できるようになっていて、解説が不十分なものへの補足や、問題への考察や指摘などが共有されています。結構荒れている問題もあるので注意が必要ですが、たまに有益なコメントもあります。
- 受験料値上がりの駆け込み需要なのか、登録者数が3月に瞬間的にかなり増えていました。
- 他の問題集も見てみましたが、結局これが一番よさそうだったので「ひたすら解いて分からなければググる」を繰り返しました。
その他の問題演習
- Exam Prep Official Pretest: AWS Certified Cloud Practitioner (CLF-C02 - Japanese)
- AWS Skill Builderが用意してくれている公式の練習問題です。
- 20問しかない上に、どうも問題が簡単すぎる気がして心もとない印象。
- 公式ということで2日前に解いてみましたが 16/20 問正解で一応合格ラインは超えました。
- AWS認定 クラウドプラクティショナー模擬問題集
- kindle unlimitedで無料だった問題集。
- 解説が手薄すぎる、問題傾向が微妙、日本語訳がおかしいところが多い、などの理由により30分でやめました。
勉強の成果
最終的に確定で1択に絞り込める問題が5~6割ぐらいにはなったのでとりあえず目安は達成したかなという具合です。ネットワークスペシャリストの勉強と並行していましたが、かなりリンクするところが多くて助かりました。
試験当日
会場には15分くらい前に到着しました。時間前でしたが、身分証確認されたのちそのままPCルームに通されて試験開始しました。
試験開始
問題が1問ずつ表示されるので選択肢をポチポチ選びます。
後で見直しできるようにチェックできる機能があるので、見た瞬間確定できるような問題以外はすべてチェックします。
時間は90分ですが、やはりかなり余裕で、 相当ゆっくり解いたつもりですが15分余りました。
時間配分の内訳としては
- 悩ましい問題はチェックして飛ばしつつ1周目が45分
- 悩ましい問題の解答とその他チェックした問題の確認で20分
- 最後に全問題チェックで10分
という感じでした。
全く見たことないような単語もあったので、新しいサービス関連の単語なのかなと思いながらもメモできないのでどんな問題だったかは忘れました。
テストセンターのモニターの解像度が低すぎて文字が読みづらかったのが一番やっかいでした。
結果
無事、780点で合格しました。
手ごたえとしては7割前半ぐらいと思っていたので、思っていたより良い点数でした。スコアレポートは後日見ることができるのですが、クラウドプラクティショナーに限っては解答終了直後に操作しているPC画面に即合否が表示されます。結果待ちのソワソワする時間がなくて楽でした。
勉強時間の記録
一応参考のため勉強時間を記録していましたが、 ほぼ10時間でした。
社内勉強会分とSkill Builderで学んでいた分を合わせるとプラス 3~4時間くらいだと思うので、ほぼ見込み通りでした。
受験後の感想
良かった点
- AWSに関する会話が以前よりも理解できるようになった
今までは業務中の会話でAWS用語がでてきた場合、よくわからないまま通り抜けてしまっていましたが、その用語がどんなものかはある程度知ることができたことで、理解できる会話内容が増えて吸収できる情報量が増えました。(いわゆる知識のインデックスを張るというやつ?) -
SAAへの足がかりができた
いきなりSAA受験はつらいと感じていたので、ここで基礎をつくれたのは良かったです。
微妙な点
- 本番も含めて問題の質はイマイチ
各サポートプランの詳しい保証内容を答えさせたりといった、覚えて意味あるのか?という知識を問う問題がそれなりの数ありました。
また、解くのに支障はないレベルですが日本語翻訳が微妙なときがありました。「コストと使用状況レポート」と「AWS CUR」が同じものでも別の形で表記されたり、「AWSサービス」みたいなちょっと気持ち悪い表現があったりします。試験中に英語原文も読めるので英語が読めるなら問題はないです。 -
問題集の質が低い、少ない。
本番の傾向を押さえていて、解説がしっかりしているものがあまりありませんでした。そもそもどんどんサービスが移り変わるので問題集では対策できないものも多そうです。公式の問題集 (Exam Prep Official Pretest: AWS Certified Cloud Practitioner (CLF-C02 - Japanese)もやはり取り組んだときに感じた通り、本番に比べて簡単すぎました。 -
受験料が高い
2024年3月までに申込すれば税込み11,000円でしたが、今は税込み16,500円になっています。IPAの試験が税込み7,500円であることを考えると、正直高いなと感じました。(補助してもらってる分際で言うことではないですが)
合格に必要そうな要素
最後に、合格のためにどういう要素が必要と感じたかを自分なりに振り返ります。
ネットワーク、インフラの最低限の知識
ネットワークやインフラに関する一般的な技術やサービスをある程度知っているかいないかはかなり大きく影響しそうです。
「DNSって何?」、「CDNって何?」、「RDBの特徴は?」のようなことが分かっているとAWS的にはそれぞれどう呼ばれているかさえ覚えれば解答できるような問題が結構あります。(例えば Route53に関する問題だけどDNSの一般的な知識を聞いているだけでRoute53がDNSであることを覚えてさえいれば答えれる、等)
もちろんAWS特有の独自な仕様のものもありますが、それはそれで一般的なものに対する知識を軸に、比較して覚えることができることも多いので、いずれにせよ有利に働きます。
逆にそういった前提知識がないと一般的な技術やサービスの勉強からせざるを得なくなりそうです。流石に応用情報だったりネスぺの勉強からやりはじめないと、なんてことはないですが、対策時間としてはもっと必要になってきます。
教科書のインプット
網羅的に知識を入れるのであれば教科書が最適だと思いました。
何かしらの問題演習
結構細かい知識も聞かれるので網羅性を考えると 200問以上は解いておいた方がよさそうと感じました。
最後に
本記事がクラウドプラクティショナーの受験を検討されている方の参考になれば幸いです。
SAAを受験した際にはまた記事化できればと思います!
関連記事
10年超え実務経験者によるAWS認定SAP(Solutions Architect Professional)合格体験記