弊社について
開発者メインの受託開発+αな会社
こんにちは。本サイトを運営しているBPS株式会社(以降、BPS)の渡辺です。BPSは受託開発でお金をためて仲間を増やして、余裕資金で自社製品開発にも挑戦してきた、ビジネスモデルだけみればよくある会社だと思います。デザイナもバックオフィスもいますけど、大半が開発者の会社です。
開発力を武器にしない事業をやってみた
そんな会社で受託開発と製品開発以外の事業をはじめてみました。始める前の計画や、やってみてから感じたこと、気づいたこと、これまでの試行錯誤を、日記風が楽なのでそれでまとめます。
目次
- なぜはじめたか
- どんなことやってるか
- どうやってやってるか
- うまくいってるか
- 学んだこと
なぜはじめたか
開発力に依存しやすい事業を新たに始めると、どうしても受託開発や自社製品開発と人員がかぶるので、いろいろとトレードオフが発生します。開発人員に依存しにくい事業なら、バックオフィスメンバ中心でも運営できるのでは、と考えました。コストを収益に転換することもできるのではないか、と。もうちょっと細かい思考の流れを時系列でまとめます。
受託開発オンリー時代
受託開発では、人数UP=売上UP but 人数DOWN=売上DOWN...
受託開発をしていて感じたことです。受託開発は仲間が増えると売上も増えるのが良いところです。ただ、全員が売り切れてしまうと売上の増加も止まります。スキルがあがると単価をあげやすくなったりさばける量が増えたりするのでそれに注力するわけですが、結局売り切れやすさはかわりません。売り切れてしまうと、新たになにかを売る仕事(事業)は始められません。会社に投資したり皆に分売できるお金も増えません。
なのに開発者の採用は難易度が高い
とまあここまでは当たり前の話なんですけど、他業界と比べると、採用が難しい気がするんですよね。採用ももちろんめちゃくちゃ大事で、BPSには優秀な採用チームがいるんですけれども、採用できなければ何も始められない状況で手をこまねいているのはちょっとね。。というわけで、同業者の殆どの皆さんと同じように試行錯誤しているわけです。
受託開発+製品開発時代
製品開発のいいところ
製品開発で成功も失敗も経験しました。先行投資は必要になるかもしれないけどいつか受託開発の収益単価を超える。そして、開発は開発スキル向上を頑張ってくれてるんだから、ビズデブ(営業兼務や企画兼務のメンバ)も会社の利益率を高めるために頑張ることができる。と思えるのが良いところですよね。
製品開発のわるいところ
ただ、ですね、サクッと作ったものが広告費も時間も要せず爆発的に売れてくれて、その後は開発稼働をまったく要さないなら良いんですけど、そんなに甘くはなくて。誰もが知っているような有名な商材を作れたベンチャーやスタートアップがIPOするとき、何故それまでずっと赤字なのか?なぜIPO後も赤字が続くのか?資金調達の目的になぜ広告費や採用と記載されていることが多いのか?
成功するまでも人も時間も大量に必要だし、成功したらもっと人も時間も必要になるんでしょうね。当然にノッてきたら広告も増やしたくなるし、余計忙しくなる。現に僕たちの製品群も成功したものほど、体制は手厚くなってます。
開発会社が製品開発に活かせる強み
弊社(BPS)も社内に優秀な開発者がたくさんいることは大きな大きな優位性で、開発が必要なビジネスは内製化できるためコスト・品質・速度の全面で大幅に楽をできます。実際、赤字で終わる開発関連事業はありません。でもそれでも、事業成長にともなってまた開発な人員が不足しはじめます。受託開発も製品開発も、結局は開発者の人数にある程度依存したビジネスで、枯渇していないときだけ許されるのだと気づきました。
開発が主役じゃないビジネス
暇になったらやろう、だと、永遠にチャンスはこない
開発力または開発したシステム資産を販売するようなビジネスだと、結局いままでどおりです。ちょくちょく暇している会社ならともかく、弊社(BPS)のように創業当初からずっと予定が先まで埋まっている開発会社さんは以外と多いのではないでしょうか?暇になる瞬間をまっているとずっとなにもできませんよね。
自社に開発力以外の優位性がないなら、他社にのっかる
となると、受託開発でもない、製品開発でもない、売り切れを起こさないビジネスで、優位性をもって売りまくれるなにか。完全なブルーオーシャンで、ディスラプトとか最近はやりの横文字を使った画期的なビジネスプランを思いつこうと躍起になってた時期もあります。思いつかないというかよくわからなくなったので、シンプルに、BPSと異なる領域で優位性のがある他社の事業にのっかる事業を作りたいと思いました。勉強にもなるし。
どんなことをやっているか
日本一安いDM発送代行サービス
強みである安さは協業先のもの
紙のDM(ダイレクトメール)の発送代行サービスです。他社との違いは、とにかくどこよりも安いこと。この優位性は提携しているパートナーが長年の実績や培った知見からなせるものです。仕事が大量にくれば品質を落とさずにどこよりも安くできるんだよ、と言われたのが始めたキッカケです。
弊社(BPS)の役割はDX、低コスト高品質につなげる
BPSはこれにのっかるだけ、というと聞こえはわるいですけど、オペレーションをシステムに置き換えたり、SCMを行いやすいCMSを入れることで、当然原価は更に下がりサービス品質につとめやすくなります。安いDMの発送代行業者の競合でいうとプリントパックとかラクスルとかですかね。つまりビジネスモデル自体は何も新しくないです。
大手競合ほどバラエティに富んだ商品ラインアップを揃えられているわけではありませんが、逆に扱っている範囲の商材とサービスの値段だけは確実に最安になるよう心がけています。キャンペーンで他社が一時的に0.01円でも安くともそれに合わせます。どこを利用しても大差ないってみんないいますけど、だからこそ値段で差をつけます。その値段を実現するためにも人力で行ってきた作業をシステムに置き換え、同じ人員の数でより多くの仕事やより高い品質の仕事を実現します。
20年以上の実績と自社倉庫をもったパートナー
自社で印刷できて自社倉庫と物流の仕組みを持っています。値引きしても品質面をないがしろにする必要がなく、倉庫のキャパを受注アッパーに、どこよりも安く抑えられます。BPSが開発においてできていることを、この事業でできるパートナーと提携してみています。
単独の事業にすると、どちらかがどちらかに外注することになり、最適化度合いがコストと反比例するので中途半端なところに落ち着きがちです。結果、提供するサービスの売値に影響します。
WEBも紙も、1発目の広告運用で最適化はできません。当たりをつけて実行し、データを集めて、試行錯誤を繰り返します。商材も成長するし、市場も変化するわけで、これを定期的に行う必要があります。あたりをつけて実施するためには実績や知見が必要で、繰り返し行うからこそ1回あたりの固定費を下げることに意味があると思っています。
どうやってやっているか
BPSでやっていること
- EC関連の開発
- ウェブマーケティング
- システムによるオペレーション軽減
- ネット方面での事業計画立案と提案
- オペレーションに関わるメンバとのすり合わせ
まあ一生懸命一緒に考えていろいろ提案してみてますけど、20年は伊達じゃないですね。提案するといろいろ喜んでもらえますけど、コメントを受けて学ぶことのほうが多いです。
BPSでやっていないこと
- 電話対応
- ウェブサイト含めたデジタル媒体経由の問い合わせ対応
- 問い合わせ以降のサービス提供に関連したオペレーション全て
計画してネット関連のものを作るし整備するけどそれ以降の営業活動はすべて印刷と物流のプロにおんぶにだっこ、ですね。
うまくいってるか
収益に絡んでくるものはいろいろありますけれど以下は機密としています。
- 新規問い合わせ数
- 契約率
- 新規・リピーター比率
- 顧客単価
- リピート率
- 解約率
- 顧客LTV
新規顧客獲得数
今回は、中でも重要視している新規顧客獲得数に限定して、公開します。在庫切れの心配が少なく、かつ、リピート率も高い事業において、新規獲得が素直な事業成長を意味するからで、指標としてはシンプルかと思います。
平均して新規を獲得できるだけでも御の字なんですけれど、たまたま獲得数も右肩あがり。
社内原価
対して、投資状況はどうかといいますと、広告運用予算が一定、として、社内稼働量も一定に近い、もしくは減少傾向にあります。減少は意図するところではなく、次の投資対象がはっきりとイメージできてないのが原因なため、今後の課題です。
学んだこと
ビジネスとしては良いところがあっても、技術的な楽しさは別問題
この事業は、奇抜なシステム構成でなにかが動いているわけではありません。難解な技術課題があったわけでも、発生しやすいわけでもありません。組む相手にもエンジニア部隊がいるわけでもないし、むしろITは素人に近いのでいちいち説明に苦労するし、もう説明をすっ飛ばして”信頼して”っていうしかありません。半分自社サービスみたいなものですし、B2Bだし、どれだけお客さんがふえても、誰もが知ってて”すごいね”って言ってもらえることもあまりないです。なので開発者視点からみればあまりおもしろくはないのかもしれなくて、唯一押せるところは、スクラッチで開発できることや、自分たちも企画に関わったり推進したりできることでしょうか。そのスクラッチで作れるっていうのも、初期開発に限定してますし。その分、企画・マーケティングの分野で、事業やプロジェクトを楽しく飽きさせないようにしないとなー、と感じます。
念願の人数比例ビジネスからの脱却には成功、そこから見える様々なメリット
飽き回避もそうですけど、前項でもふれましたた、在庫切れを起こさない、かつ、リピート率が高いと、事業として収支の計算がしやすい状況となりますよね。当然といえば当然なんですけれども、なかなか初めて会社でお仕事を作ろうとしていたころはそれをビジネスに落とし込むことができなくて。自社商材をつくっているとき、たとえばカスタマイズ導入という選択肢を捨てたら、在庫切れを起こしにくい状況を作れますよね。昔は、そういうことをするとお客さんにとってデメリットしかない、と思っていたんですけれど、マイノリティにたいしてコストをかけないかわりにマジョリティにたいしてコストメリットを提供することができるようになるんですね。まあその分、カスタマイズ可っていう優位性を失う場合もあるんですけど。
これからの色々遊んでみて得た知見を公開していきます
ビジネスをちゃんと勉強してないから気づくのに時間がかかっちゃったのかなあ、でもいつも入っているチェーンのコーヒーショップでいつも目の当たりにしてたはずなんですよね。自分の勘の悪さにはイライラしますけど学び自体は何よりも大事なクリスマスプレゼントだと思ってます。社内でこういう勉強をさせてもらって感謝です。多少かしこくなった気がするのでうまく来年以降の事業計画に活かしてみますー。