morimorihogeです。
夏のTechRachoフェア2025、皆様楽しんで頂いているでしょうか?たまにはエンジニアリングに全然関係のないネタも書いてみようかなということで、今回はここ最近安定化させた牛乳材料の自家製モッツァレラチーズの作成方法について、解説したいと思います。
何が書いてあるのか知りたい人まとめ
- 牛乳と酢を使ってモッツァレラチーズを作る方法を解説するよ
- 既存の解説レシピに比べて、成功率・お手軽さで圧倒的に安定・楽な方法を紹介するよ
- 著者はほぼ毎週この手法でモッツァレラチーズを作っていて、直近半年以上の失敗率はゼロだよ
モッツァレラチーズ自作で困ってた人などはぜひ見てください。
※僕自身食品の取り扱いについては調理師免許や衛生管理者資格などを持たない素人ですので、保存や安全に関する記述については素人感覚で書いています。
※本記事の内容を参考にしたことで発生する健康被害その他について補償はできませんので、その点ご理解の上読んでください。
モッツァレラチーズについて
イタリア料理などで当たり前のように出てくるモッツァレラチーズ、本来は水牛の乳から作るのが本家なのですが、水牛の乳は日本ではそう簡単に手に入らないことから代替原料として牛乳から作るものが日本では一般的です。
例えば、明治の生モッツァレラや、森永乳業のフレッシュモッツァレラなんかは特に明示してませんが牛乳ベースのモッツァレラチーズで、むしろ水牛のモッツァレラチーズは日本国内で入手しようとすると、明示的に「水牛のモッツァレラチーズ」という指定で調べないと見つけられないレベルです。
お値段もかなり異なる(概ね市場価格ベースで2倍以上違う)ことから、飲食店などでもこだわりで水牛モッツァレラチーズを使っている場合は「水牛のモッツァレラ」などと明示していることも多いかなと思います。
ちなみに、モッツァレラチーズがあるとどんなものが作れるかというと・・・
トマト+スイートバジルと合わせてカプレーゼを作ったり
ご自宅pizzaの具にしたり
タルタルのうま味担当にしたり
といったよろずな用途に使えたりします。後述しますが、ギュッと絞ると締まった感じになるので、サラダに適当に和えてみたりもいいですね。おつまみ系として、からすみとかの味の濃い珍味を合わせてみるのもいい感じです。割とどうにでもなります。
自家製モッツァレラチーズとは?
牛乳由来ということで、実は牛乳ベースのモッツァレラチーズは自作することができます。いくつか雑にググって出てくるレシピを以下に紹介してみます。
- デリッシュキッチン: 市販の牛乳で作る!モッツァレラチーズの作り方
- macaroni: 手作りに挑戦!モッツァレラチーズの作り方とおすすめレシピ5選
- 佐藤ナツコ: うちでモッツァレラチーズを作る。
- 宮平乳業: 手作り☆モッツァレラチーズ<2025年版>
他にも、YouTubeで「モッツァレラチーズ 作り方」などで検索すれば多数の動画が見つかりますので、意外とモッツァレラチーズ自体を自宅で作るのは難しくないんだな、ということが分かります。
なお、牛乳 1000ml からおよそ 130 ~ 150g くらいのモッツァレラチーズが作れます。低温殺菌牛乳がちょっと高いことを考慮に入れても製品になってるモッツァレラチーズを買うよりはかなり安いので、経済的にもアドです。
世に出回るモッツァレラチーズレシピをやってみて分かる難点
世間に出回っているモッツァレラチーズレシピですが、どれも基本的な流れは同じで低温殺菌・ノンホモ牛乳を材料とし、
- 牛乳を小鍋で60~70度(レシピによって差あり)に温める
- 酢を入れて混ぜる
- 分離した固形分(カード)をザルや布巾で分離してまとめる
- 固形分をこねて絞る
- 冷やして保存
というのが大まかな流れです。
これらの中で、実際にやってみると極めて大変・めんどくさいのが3と4の工程です。それぞれめんどくさいポイントを説明します。
分離した固形分(カード)をザルや布巾で分離してまとめる時の難点
1-2の工程がうまくいくと固形分(カード)と透き通った液体部分(ホエイ)に分離します。
これを穴あきお玉などですくってザルや布巾に入れて漉すのですが、この時点で一つ目の問題が発生します。
問題とは、ザルや布巾に入れて漉したあとの固形分の塊(これが実質モッツァレラチーズ)を取り出す際に、ザルや布巾に少なくない量がこびりついてしまい、少なくない量無駄になる&洗うのがめんどくさくなるということです。
この後のこねる工程の前にある程度絞っておきたいということもあるため、実際にはある程度ぎゅっと押しつけたり絞ったりしたいわけですが、良くあるレシピで提示されるようにザルや布巾でやろうとするとこのタイミングで少なくない量がこびりついてしまい、うまく取れなくなります。
このこびりつくというのが地味に厄介で、中途半端に固形なため洗うのが極めて面倒なことになります。
もちろんこびりついた分は食べられないので歩留まりも低下してしまうということで、これらは普段からモッツァレラチーズ制作をしようと思うとやる気に大きく影響するところですね。
※洗い物がめんどくさい料理って何度もやりたくないですよね
固形分をこねて絞る時の難点
3でザルや布巾で軽く絞ったものを、さらに絞っていく一番大変な工程になります。
世の中のレシピでは、ある程度熱い(70~90度くらい。レシピによる)お湯の中にザルから取り出した塊を入れ、ヘラ2本などを使ってこねるといった解説がされています。
しかし、これが実際やってみると超絶大変です。
やってみると分かるのですが、この工程で大事なのはモッツァレラチーズ(未完成)の塊をこねながら絞ることなので、ヘラでやろうとすると
- 両手のヘラ2本でうまく塊を扱うのが難しい。ぎゅっと力を入れようとしてもうまくこねられない
- そもそも熱湯の中にある塊を力をいれてこねるので、お湯が跳ねると熱いし大変
- こねて絞る作業をどこまでやればいいのかよくわからない果てしなさを感じる
という問題が発生します。厚手のゴム手袋を使うという手もありますが、それでも熱湯の中でこねると大変で、まーめんどくさいし大変です。
こういっためんどくさいポイントがあるため、牛乳モッツァレラチーズ作りは最初は物珍しさでチャレンジするのですが、めんどくささを考えると普段からやるのはちょっと・・・となりがちです。
超絶簡単レシピ 2025版の紹介
というわけで、毎週作ってもめんどくさくないレシピを紹介します。前述しためんどくさいポイントに限らず、最初からstep-by-stepで説明します。
材料・道具の準備
食材としては牛乳と酢だけです。
酢はなんでも良いです。僕は ミツカンの穀物酢 が近所のスーパーで100円だったのでそれを使ってます。
牛乳選びは最重要項目の一つです。必ず低温殺菌のノンホモ牛乳を手に入れてください。ここをミスるとモッツァレラチーズにならず、カッテージチーズの出来損ないみたいになってしまいます(経験者)。
牛乳は地方によって売ってる種類が異なるのでなんとも言えないのですが、比較的手に入りやすい定番のものとしてはタカナシ乳業の低温殺菌牛乳が安心です。ただ、うちの近くでは1000mlで350円とかそれ以上とちょっと高いことが多いです。
僕が良く使っているのはpal-systemの酪農家の牛乳(緑色パッケージのやつ)です。これは生協で 1000ml 300円ちょいくらいなので、今すぐ作りたい時以外は大体これを使ってます。
道具としては以下を揃えましょう。
- 小鍋(1000ml + αが入るサイズ)
- 温度計
- デジタル式の温度計ではなく、タニタ 温度計 アナログ 揚げ物のような揚げ物用とかで使われるアナログ式のものがオススメです。デジタル式の温度計は短い時間でピンポイントの温度を測るのには良いのですが、長時間鍋に入れっぱなしにすると回路部分が高熱になるせいか壊れます。
- ザル(直径15cmくらいがベスト)
- 穴あきお玉
- 普通の穴あきお玉で良いです。あくとりみたいなネット上のものは後で洗うのめんどくさいですが、それでもいけます
- 目の細かいストッキングタイプの水切りネット
- 僕はダイソーの水切りネット を使っていますが、他にもあると思います。大事なのは目がストッキング状に細かいことです。目が粗いやつを使うと後で泣きを見ます
- ジップロック
- Mサイズのフリーザーバッグを使っています。別に冷凍するわけではないのでフリーザーバッグでなくても良いのですが、後の工程でかなりしっかり揉み込むので丈夫なものが良いです。安物を使うと力を入れたときに破れたりして悲しいことになるので注意。
牛乳を温める
小鍋に牛乳を入れて温めます。温度計も刺しておきましょう。目標温度は65度くらいです。70度を超えてはいけないくらい。
この際に注意なのが弱火でじっくり温めることです。
モッツァレラチーズ制作失敗1つ目の罠はこのタイミングで温めすぎてしまうことなので、慌てずゆっくり温めましょう。この間に次に入れる酢の準備やザルの準備をしておくとスムーズです。
僕は最近は慣れてきたので、50-60度くらいまでは中火で加熱し、60度になったら弱火にしてかき混ぜながら65~70度を目指す、というのをやっています。
酢を入れて、軽くかき混ぜる
牛乳の温度が65-70度くらいになったら、火を止めて牛乳1000ml に対して酢 50ml の割合で酢を入れます。概ね酢を入れて冷めた分で60-65度くらいになることを意識します。
酢を入れたら軽くかき混ぜます。酢がまんべんなく混ざるかな、くらいの感じで、勢いよく混ぜる必要はないです。僕は横着して刺してる温度計で軽くかき混ぜてますが、それくらい。
うまくいけば30秒~2分くらいでカードとホエイが分離します。
ここまでくれば一つ目のハードルクリアです。
チーズの元であるカード(固形分)をザルに取り分ける
穴あきお玉で分離してきたチーズの元をすくい取り、ザルに移していきます。なお、ここで鍋に残ってるのがいわゆるホエイです。料理に使ってもいいですが、酢の味がするのでちょっと使いにくいです。もったいなくはありますが、僕は割り切って捨ててしまうことも多いです。
この際、ザル側にあらかじめ水切りネットをかぶせておくことで、この後の工程が楽になります。僕の場合はもはやザルも使わず片手鍋に水切りネットをかぶせて、そこに移すということをしています。これだとザルすら洗わなくてよくなってヨシ!ですが、水切りネットが破れると悲しいことになるのでそこは注意です。
チーズの元をこねて絞って水分を出す
ここが第二の難しいポイントです。慣れるまでは慎重にいきましょう。
水切りネットに一通りチーズの元を出しきったら、水切りネットが破けないように注意しながら雑に優しく絞ります。60度くらいはあって熱いので、素手が厳しい人はゴム手袋とかをしてもいいかもしれません。
ここで強く絞ろうとすると、水切りネットが破けて大惨事です。ここではホエイ(液体)が垂れてこない程度に絞れれば十分です。
次に、絞ったものをジップロックに入れてこねて絞っていきます。
ジップロックに入れた状態で、以下の写真のように片側を少し開けた状態にします。
この状態で、ジップロックごしにチーズの元をギュッギュっとこねて中の水分を抜いていく感じで絞っていきます。
こねて絞っていくと中から水分が出てくるので、出てきた水分をジップロックの空いている部分から適宜排出する感じでやればOKです。
慣れるまでは力加減が結構難しいのですが、ここの絞りが甘いとベタっとした柔らか目のモッツァレラチーズになります。
ギュっとしたモッツァレラチーズが欲しいのであれば、ここでしっかり絞りましょう。
熱湯で温めなくていいの?世の中のよく見るレシピでは、この工程をお湯で温めながらやるとか、熱湯の中でヘラを使ってこねる、みたいなことが書かれています。しかし、いろいろ試してみた結果、別に温めなくてもこのやり方で作れることがわかりました。
絞り始めはまだ熱いですが、だんだん素手でも絞れるようになってくるので僕はゴム手袋も使わず作ってます。
もう絞ってもホエイが出てこないな、というくらいまで絞ったら、
氷水に入れて急冷します。冷やしたら、あとはこのまま冷蔵庫に移してよしなに使いましょう。
長期間保存するとかなら別かもしれませんが、どうせ1~3日くらいで食べきるのであれば問題ないでしょう。
まとめ
そんなわけで、夏のイベントということで日常系記事を書いてみました。
酢を入れたら突然固形分が分離するあたりは夏休みの自由研究感もあってなかなか楽しいですよ。
慣れると30分くらいで作れるようになるので、普段使いできるチーズの手札としていかがでしょうか。ではでは
オススメポイント普段牛乳って 1000ml で買うと余りがちだし、500ml だとなんかもったいない気がしますよね。低温殺菌牛乳であればとりあえず 1000ml で買っておいて、余ったらモッツァレラチーズにしてしまうという運用ができます。
牛乳買うと余らせてしまって捨ててしまいがち、みたいな人にもモッツァレラチーズ化はオススメです。