こんにちは、hachi8833です。
今回は、たったひとつの点に着目するだけで、分野を問わずあらゆる文章を4割程度改善できるコツをご紹介します。ブログ記事・論文・レポート・エッセイ・マニュアル・教科書などあらゆる散文におすすめです。
なお4割という数字は私の体感のみに基づいています。
コツ: 「こと」という文字を検索して、手を加えられるかどうかを順に検討する
たったこれだけです。
私はこの手法に「コトチェック」と名付けました。Google検索ではまったく出てこない言葉なので、これが初登場ですね。
別に「こと」以外の言葉でもよかったのですが、後述するように「こと」は文章の中で割とまんべんなく出現するのと、冗長になりやすい表現なのでチェックの手がかりとして採用しました。
例1: 「こと」を違う表現に置き換えてみる
文章の目的や自分の文体にもよりますが、特にビジネスドキュメントやマニュアルの類では「こと」を使わない簡潔な表現が合うかもしれません。
- 改善前
- 表現することができる
- 改善例
- 表現できる
表せる
冗長と思える場合に修正すればよいので、別に無理して「こと」をひとつ残らずつぶす必要もないと思います。
例2: 「こと」が連続している場合、一方を削除する
「こと」の連続使用も割とよく見かけますね。この場合は明らかな誤りです。
- 改善前
- 〜ということがあるということを
- 改善例
- 〜場合もあることを
〜できることを
例3: 「こと」の周辺に問題がないかどうかをチェックする
以下は「ある」が重複している例ですが、「こと」に注目することで発見しやすくなります。
- 改善前
- 問題があることがある
- 改善例
- 問題が生じる場合がある
問題が起きる場合もある
このように「こと」に着目することで、文章の他の部分の修正にもはずみがつきやすくなります。「こと」という語はたいていの文章で頻繁に利用されるので、漫然としたチェックにならずに済みます。
特に、非常にボリュームの大きい文章を急いでチェックする場合に効果的だと思います。
どんなときにコトチェックするか
「コトチェック」は文章修正のどの段階で行っても構いませんし、場合によっては繰り返し実施してもよいでしょう。
普通は、全体構成などがある程度固まったところで仕上げに一度コトチェックすれば十分だと思います。
意外な応用例として、学校で提出を求められている論文やエッセーなどがはかどらないときにとりあえずコトチェックしてみるのもおすすめです。いつしか修正に熱中し、全面的なリライトに踏み込むこともしばしばです。
まとめ
コトチェックは実施が簡単なうえ、文章の「こと」という文字とその周辺にチェックを集中できるため、かなりの効果が期待できます。漫然と文章を眺めるよりもずっと効率的です。
「こと」は文章の中で比較的まんべんなく出現するので、非常に長い文章を大急ぎでチェックする場合にも偏りが生じにくいのがありがたい点です。
「こと」を検索して順にチェックするだけなので、特別な仕組みなしでほぼどんなエディタ/ブラウザでも簡単にコトチェックできます。
ブログ記事をネットに放流する前やお客様への納品前に、一呼吸置いてからコトチェックすれば、思わぬところで身を助けることもあると思います。
合言葉は「公開前にコトチェック」「納品前にコトチェック」「コミット前にコトチェック」。文書作成・校正のたしなみとして、ぜひお試しください。
以下は記事公開後に見つけたツイートです。
あー、それ全く同じことを某WEBDBナントカの編集長さまに指摘されて大量の書き直しを命じられたことが(過去に何度も)あったことを思い出しました。
職業病的な何かなのか、それとも単にシロウトの書く文章はそうなりがちなのか、あるいは別の要因があるのか、なんなんでしょうね?— Akira Matsuda (@a_matsuda) May 14, 2020