サブマシンとして愛用していたXPS 15 9550がもうすぐ3歳なので、振り返りをしてみようと思います。
自分のノートPCとの付き合い方
10年以上前から、幾度となくハイスペックなノートPCをメインにしようと試みたことはありますが、自分の場合は定着しませんでした。@morimorihogeさんのようにメイン環境を持ち運んでどこでも作業できるのに憧れはするのですが、
- たまにChromiumビルドするような仕事があるので、マシンパワーは妥協したくない。
- ウィンドウの位置をなんとなく配置するのに慣れすぎて、外部ディスプレイ抜いたら移動してしまうのにどうしても耐えられない。
- メインPCとサブPCがあることで、テストに役立つので、結局常時2台を手元に置く必要がある。
- 会社で座って作業するのが一番集中できる人間なので、持ち運べる意味があまりない。
というあたりで、メインのデスクトップ + サブのノートPCというのが定着しています。
ノートPCに求めること
サブマシンなので、主な用途は移動中やミーティングなど自席以外での作業(資料を見たり書いたりSSHで緊急対応したり)、およびメインのデスクトップPCでは難しいタイプの開発・テスト・デバッグです。
- わくわく感があること
- 気に入るかどうかはモチベーションに直結するのでとても大切です。どんなに性能が良くても、見た目が気に入らなかったり中華しすぎているとわくわく感が削がれるのでNGです。
- タッチパネルを搭載していること
- タッチ操作対応の開発をするときに最近は必須です。
- 高解像度ディスプレイを搭載していること
- システムDPI設定を100%より大きくしたときだけ発生するバグは多いので、重要です。
- 毎日持ち運んで使う気になる重さとバッテリー持ち
- 重さ2kgくらいまで、バッテリーは省エネしながら4-5時間くらい持てば許容範囲。
VAIOかSurfaceと悩んだ結果、当時は値段とのバランス(と2連続でVAIOだったので気分転嫁)でXPS 15にしました。
良かった点
1. とても硬い
アルミ削り出しのボディは、とても硬くてたわみが少ないです。まあ外観と外側の質感は薄くなる前のMacBook Proそのまんまですが、頑丈そうなのは気分が良いです。
(硬いから壊れないというわけではなく、何度か開いたまま隅っこを持って負荷をかけたせいかヒンジのあたりに違和感が出始めていますが、とはいえふにゃふにゃよりは良いと思います)
また、後述の通りキーボードは頑丈ではないですが、カーボンファイバーのパームレストはわずかに染みができる程度でほとんど劣化の気配がないのは立派だと思います。
2. ポート類が必要最低限そろっている
フルサイズUSBが2個とHDMIがあるので、アダプタ類を持ち歩かなくても会議室のテレビやスピーカーマイクに接続できるのはとても便利です。
主にこれが原因で、XPS 15 2-in-1や最近の小型PCへの買い換えに躊躇しています。
3. MacBook ProユーザーからACアダプタを借りられる
MacBook Pro 15インチ付属の87WアダプタからUSB Cケーブルをつないだら、ゆっくりと充電できました。いざというときに頼れるのは良いものです(45Wなどで充電できるかは未確認)。
気になった点
1. スリープから勝手に復帰していることがある
どのPCでもあることですが、スリープしたまま鞄に入れておいたら勝手に復帰して熱くなっていることがたまにありました。お弁当と一緒に入れると傷むので気をつけましょう。
しばらく使ってわかったことは、BIOSやドライバのアップデート直後に発生しやすく、その次のアップデートをしたり1週間くらいすると自然に落ち着くということです。発生時期が予想できるようになってからは、心の準備ができるのであまり気にならなくなりました。
2. スリープ復帰が少し遅い
スリープ復帰が、3秒くらいですっといくこともあれば、何やら30秒くらいかかったり、ログイン成功したあとしばらくマウスカーソルがウニョウニョ動いてキー入力を受け付けない状態になることがたまによくあります。1~2年使ってからだんだん発生頻度が上がってきた気がするので、多分トラックパッドのあたりで何かノイズ拾ってるのか、ディスクIOが詰まってプチフリして挙動不審になってるのかなどと思っていますが、よくわかりません。
3. タッチパッドの慣性スクロールの止め方がわからない
タッチパッドはWindows 10の「高精度タッチパッド」に対応しており、Windows PCの中では使いやすい部類に入ると思います。
ただ、2本指でスクロールできるのは良いのですが、スクロールすると必ず慣性がついて、これが勢いによりますが3秒ほど流れます。「ブラウザで大きくスクロール → 慣性が終わる前にCtrl+Tabでタブ切り替え」すると、Ctrlを押した時点でCtrl+ホイールの拡大が働き、ページが極端に拡大されることがよくあるのがとてもストレスです。このためだけに外部マウスが欲しい。
4. キーボードが割れた
2年ほど使っていたら、キーボードの↑キーが割れてしまいました。
ヤフオクでキーボードを3000円弱で購入し、パチッと取り替えたら良くなりました。まるごと取り替えるのは面倒だったのでキートップだけ差し替えています。
5. バッテリーが膨らんだ
2年少し使っていたら、タッチパッドがクリックしづらいことに気づきました。ポンッとタッチするタイプのクリック(2本指では右クリック)はできるので、不自由はないのですが、カチッと押し込むのができません。
よく見るとタッチパッドがパームレストから出っ張っています。こういうものだったのかな?と思って数ヶ月放置していたのですが、新品を見たらタッチパッドはパームレストから凹んでいたので、どうやらおかしいと気づきました。
原因は、タッチパッドの真下にあるバッテリーの膨張です。ということで、バッテリーを交換しました。ヤフオクで9000円くらいで新品バッテリーを購入しました。シールを信じるなら純正品です。
分解には、小さめのプラスドライバーの他に、裏蓋を開けるのにT5サイズのトルクスドライバーが必要です。Amazonで安く売っていたこれでバッチリでした。一家に1セット常備しておきたいですね。
分解してみたら、膨らんでいました。
バッテリーは裏蓋さえ開ければ一番簡単に外せる場所にあります。サクッと外します。
新旧のバッテリー比較。
バッテリーを交換したら、タッチパッドが無事に収まり、クリックもしやすくなりました。めでたしめでたし。
6. サポートの品質は良くない
購入直後(2016年初)に追加ACアダプタを購入したとき、2018年春に、キーボードが壊れて純正保守部品を購入しようとしたとき、の2回サポートに連絡しましたが、対応品質はお世辞にも良いとはいえませんでした。
- 当時公式ショップに純正ACアダプタが記載されておらず、チャットで問い合わせると「取り扱っていない」と言われた。
- 翌日電話すると別の部署につながり注文できた。
- キーボードが壊れたので部品を注文しようとして、値段を聞いたら「価格表はない、見積書の発行に1週間かかる」と言われた。
- 注文するにはPDFを返送する必要があるが、フォームになっていないので、印刷して記入してスキャンするか、Photoshopなどで加工する必要がある。
- トータル2週間以上たって届いたものは全然違う部品で、結局正しい部品は値段が3倍だったので、返品した。返信をもらうのに10日以上、返金されるのに1ヶ月ほどかかった。
有償サポートを契約すれば違うのかもしれませんが、別にサポートが欲しいわけではなく部品を普通に注文したいだけ(初期不良以外でパーツ交換で直らないレベルで壊れたら諦めるつもり)なので、ヤフオクを使う方が精神衛生上良いという結論に至りました。
3歳の誕生日を前に
いくつか気になることはありますが、僕にしては長く3年近く使っている程度に、トータルでは気に入っています。4Kタッチパネルは開発・テストに使いやすく、購入当初はいらないと思っていたdGPUも、GPU依存の不具合を洗い出すのに以外と便利です。またThinkPadほどではないですが、修理部品がヤフオクで容易に入手できるのもDELLの強みだと思います。
とはいえそろそろ次の機種を探す時期です。XPS 13 2-in-1は気になっていますがUSB Cしかないのと、同じメーカー連続だとわくわく感が削がれるので、VAIOが息を吹き返さなければSurfaceかHPかなあ...