週刊Railsウォッチ(20190312-2/2後編)RubyのStringScannerクラス、AWS Amplifyでサーバーレス、Unicode 12.0登場ほか

こんにちは、hachi8833です。前回に続き、公開つっつき会にてYassLab株式会社の安川要平さん(@yasulab)をお迎えしてのRailsウォッチ、後半参ります。

  • 各記事冒頭には⚓でパーマリンクを置いてあります: 社内やTwitterでの議論などにどうぞ
  • 「つっつきボイス」はRailsウォッチ公開前ドラフトを社内有志で(鍋のように)つっついたときの会話の再構成です👄
  • 毎月第一木曜日に「公開つっつき会」を開催しています: お気軽にご応募ください

前回のRails Conductor話などが盛り上がったので、後半は「Ruby」からです。録画失敗は今回も影響していますので、誤りがありましたら@hachi8833までお知らせください🙇🙇。

お知らせ: 3/25〜3/26の週刊Railsウォッチはお休みします

3/25〜3/26は祝日およびRailsdm取材のため、週刊Railsウォッチはお休みをいただきます🎌。


Ruby

Rubyの知られざるStringScannerクラス

# ruby-doc.orgより
p s.scan(/\w+/)      # -> "This"
p s.scan(/\w+/)      # -> nil
p s.scan(/\s+/)      # -> " "
p s.scan(/\s+/)      # -> nil
p s.scan(/\w+/)      # -> "is"
s.eos?               # -> false

p s.scan(/\s+/)      # -> " "
p s.scan(/\w+/)      # -> "an"
p s.scan(/\s+/)      # -> " "
p s.scan(/\w+/)      # -> "example"
p s.scan(/\s+/)      # -> " "
p s.scan(/\w+/)      # -> "string"
s.eos?               # -> true

p s.scan(/\s+/)      # -> nil
p s.scan(/\w+/)      # -> nil

つっつきボイス:「StringScannerクラスってあまり知られてないんでしょうか?」「scanって使うときは使いますけどね: この間Rubyでざざっと書いた泥臭〜いコードでも使いましたし」「へ〜」

後でコードの要点をSlackに流してもらいました↓🙇。

until (s.scan_until(begin_regexp)).nil?
  # hogeっと何かする
end

Rubyのdupcloneの違いを追ってみた(Ruby Weeklyより)

つっつき会でこのあたりはさらっと流しました。

# 同記事より
bello = Animal.new
bello.name = "Bello"
bello.age = 10

bello_clone = bello.clone
bello_dup = bello.dup

bello_clone.name # => "Bello 2"
bello_clone.age  # => 0

bello_dup.name   # => "A new name"
bello_dup.age    # => 0

参考: instance method Object#clone (Ruby 2.6.0)

dupはオブジェクトの内容、taint情報をコピーし、cloneはそれに加えてfreeze、特異メソッドなどの情報も含めた完全な複製を作成します。
clonedupは浅い(shallow)コピーであることに注意してください。
docs.ruby-lang.orgより

Ruby ToolboxでのRailsダウンロード履歴(Ruby Weeklyより)

短い記事です。RubyGems.orgruby-toolbox.comにgemごとのダウンロード履歴をビジュアル表示できる機能が付け加わりました。

<a href=”https://www.ruby-toolbox.com/blog/2019-02-25/historical-gem-download-charts>
同記事より

普通の設定ならrails newすればここでカウントされるんでしょうね☺️。あとこんなレスがプルリクについてました↓。

enums: 型安全なenumライブラリ(Ruby Weeklyより)

この間のsruby↓と同じ人が作ったgemで、実用というよりはsrubyに関連したenumのあり方の提案のような趣でした。内部でsafestructというこれまた自作のライブラリを使っています。

READMEには書かれていませんでしたが、gem install enumsを実行した後、pryでrequire 'enums'include Safeを実行するとEnumが使えるようになりました。

» require 'enums'
enums/1.1.0 on Ruby 2.6.1 (2019-01-30) [x86_64-darwin18]
#» true
» include Safe
#» Object
» Enum.new( 'Color', :red, :green, :blue )
#» Safe::Color
» Safe::Color.class
#» Class
» Color::RED
#» #<Safe::Color:0x00007fdcd70b6d30 @key=:red, @value=0>
» Color::BLUE
#» #<Safe::Color:0x00007fdcd70b53e0 @key=:blue, @value=2>
» Color::GREEN
#» #<Safe::Color:0x00007fdcd70b6060 @key=:green, @value=1>
» Color.keys
#» [:red, :green, :blue]
» Color.values
#» [0, 1, 2]
» color = Color.red
#» #<Safe::Color:0x00007fdcd70b6d30 @key=:red, @value=0>
» color.red?
#» true
» color.green?
#» false
» color.yellow?
# NoMethodError: undefined method `yellow?' for #<Safe::Color:0x00007fdcd70b6d30 @key=:red, @value=0>
# from (pry):13:in `__pry__'
» color.is_a? Enum
#» true
» color.is_a? Color
#» true

» Enum.new( 'State', :fundraising, :expired_refund, :successful )
#» Safe::State
» State.values
#» [0, 1, 2]
» State.keys
#» [:fundraising, :expired_refund, :successful]
» State.fundraising
#» #<Safe::State:0x00007fdcd7adbf40 @key=:fundraising, @value=0>
» State.fundraising.value
#» 0

ふと気がついたのですが、enumsはhashieというgemやOpenStructとちょっと似てますね。参考記事を見るとhashieは気をつけないとつらみが発生しそうです。

参考: hashie gemを使わない3つの理由 | MMMブログ
参考: class OpenStruct (Ruby 2.6.0)

その他Ruby

クラウド/コンテナ/インフラ/Linux/Serverless

Serverless関数を追う(JavaScript Weeklyより)

// 同記事より
// amplify/backend/function/shibafunction/src/app.js
app.get('/pictures', function(req, res) {
  // Add your code here
  res.json({success: 'get call succeed!', url: req.url});
});
app.post('/pictures', function(req, res) {
  // Add your code here
  res.json({success: 'post call succeed!', url: req.url, body: req.body})
});

つっつきボイス:「冒頭に出てくるAWS Amplifyって何でしたっけ」「これ何だったかなー、前にも見たような気がするけどこの辺は使ったことないし」「そういえばウォッチで取り上げてたかも💦(ウォッチ20181015)」


aws-amplify.github.ioより

後で調べると、以下にまとまった情報がありました。

参考: AWS AmplifyでサーバレスWebアプリの構築(Cognito + API Gateway + IAM認証) - Qiita

AWS AmplifyはGoogleのFirebaseのライバルっぽいと思ったらやはりそのようです。


firebase.google.comより

AWS X-RayでPython Webフレームワークのサーバーレスアプリをサポート(Serverless Statusより)


つっつきボイス:「AWS X-RayでPythonサーバーレスをサポートだそうです」「X-Rayも使ったことないし😆: AWSのサービス間を計測してデバッグに役立てられるということのようだ」「AWSのサービス多すぎ😆」

参考: AWS X-Ray とは - AWS X-Ray
参考: AWS X-Ray のユースケースと要件 - AWS X-Ray


docs.aws.amazon.comより

その他クラウド


同リポジトリより

他にも「やわらかRuby」などがあるそうです。

参考: やわらかRuby
参考: Hubot + CoffeeScript ではじめるやわらかプログラミング入門

SQL

SageDB: 学習する?データベースシステム(DB Weeklyより)


同記事より

SageDBを支えるアイデアの中核にあるのは、データや負荷分散について1つまたは複数のモデルを構築し、データベースシステムのあらゆるコンポーネントについて最適なデータ構造やアルゴリズムを自動構築するというものである。このアプローチは「データベース合成(database synthesis)」というもので、これを用いて、あらゆるデータベースコンポーネントを特定のデータベースやクエリ負荷や実行環境に特殊化することで前例のないパフォーマンスを実現できるようになる。
同記事の引用部分より大意


つっつきボイス:「研究中の新しいデータベースシステムというか、その論文の紹介ですね😆」「CIDR’19って見慣れないカンファレンスだけど、Conference on Innovative Data Systems Researchの略みたい↓」

参考: CIDR 2019


cidrdb.orgより

参考: CIDR 2019 : Conference on Innovative Data Systems Research « Guide 2 Research — CIDRのランキング


guide2research.comより

なお、CIDRでググるとネットワーク用語のCIDRが圧倒多数でした↓。

参考: Classless Inter-Domain Routing - Wikipedia

その他SQL


percona.comより


つっつきボイス:「PerconaのPostgreSQL記事だそうです」「このパラレルクエリは、RDBMS側の話なのか、それともクエリをかける側の話なのが気になる: RDBMS側でやるなら特に開発者が気にしなくていいことだけど、クエリをかけるときだと意識しないといけないので」「どっちなんだろう…RDBMS側の話のようです」「ぽすぐれの10からデフォルトでパラレルクエリが効くようになってるらしい↓」「とりあえず次へ〜」

PostgreSQL 9.6以降のパラレルクエリ実行は、多数の行やインデックスレコードをスキャンする複雑なクエリのパフォーマンスを大幅に向上できます。PostgreSQL 10では、並列実行はデフォルトで有効になりました。OLTP(オンライントランザクション処理)のワークロードが大きいサーバーでは、パラレル実行を無効にしておくことをお忘れなく。シーケンシャルスキャンやインデックススキャンでは、従来同様かなりの量のリソースを消費します。データセット全体に対してレポートを実行していない場合は、不足しているインデックスを追加するか、適切なパーティション分割を用いることによって、クエリのパフォーマンスが向上します。
同記事まとめより大意

参考: オンライントランザクション処理 - Wikipedia

JavaScript

GPU.js(JavaScript Weeklyより)


同サイトより

名前のまんま、GPUでJavaScriptの計算処理を高速化するライブラリだそうです。

// 同リポジトリより
const gpu = new GPU();

// 512 x 512行列(2次元配列)の1つの要素を計算するカーネル関数から
// GPUアクセラレーテッド関数を生成する
// カーネル関数はGPUでパラレルに実行されるので、劇的に速くなる(...こともある)
const matMult = gpu.createKernel(function(a, b) {
    var sum = 0;
    for (var i = 0; i < 512; i++) {
        sum += a[this.thread.y][i] * b[i][this.thread.x];
    }
    return sum;
}).setOutput([512, 512]);

// 512 x 512行列の乗算を実行
const c = matMult(a, b);

同サイトにはデモもありますが、当然ながらGPUを搭載してない私のMacbook Pro Late 2013ではアクセラレーションが効きません(´・ω・`)。


同サイトより

その他JavaScript

JavaScript向けのi18nライブラリです。名前に惹かれてしまいました😙。

// 同リポジトリより
frenchkiss.locale('fr');
frenchkiss.set('en', {
  hello: 'Hello {name} !',
});

// Helper
const generateLanguageTranslator = lang => {
  return (key, params) => frenchkiss.t(key, params, lang);
};

// Generate t that force language
const t = generateLanguageTranslator('en');

// Force result in english
t('hello'); // => 'Hello  !'
t('hello', { name: 'John' }); // => 'Hello John !'
t('hello', { name: 'Anna' }); // => 'Hello Anna !'

CSS/HTML/フロントエンド/テスト

Unicode 12.0が登場(Publickeyより)

さらっと以下も更新されてますね。

IDNAはInternational Domain Names Approvedの略だそうです。

参考: 国際化ドメイン名 - Wikipedia
参考: www.jdna.jp/survey/rfc/rfc3490j.html

伝説の工業デザイナーが授ける「よいデザインの10か条」

動画を再生するといきなりドイツ語っぽい響きでしたが、私にはドイツ語とオランダ語の区別もつきません。

以下は私の解釈です(翻訳ではなく)。

  1. よいデザインは、既存のありかたを根底から覆す
  2. よいデザインは、製品を便利にするパワーを発揮する
  3. よいデザインは、機能とは別にそれ自体が美しい
  4. よいデザインは、製品をひと目で理解させるパワーを発揮する
  5. よいデザインは、「これがデザインです」などとエラそうに主張しない
  6. よいデザインには、下心がない
  7. よいデザインは、10年経とうが20年経とうが変わらずに使い続けられる
  8. よいデザインは、隅々まで丁寧に作り込まれているものである
  9. よいデザインは、ついでに環境にも優しい
  10. よいデザインは、全体を牛耳らず、自らを最小限に留める

参考: Appleに影響を与えた伝説の工業デザイナー、ディーター・ラムスの「いいデザインの10か条」 - GIGAZINE

その他

Intel CPUに新たな脆弱性「SPOILER」が見つかる

speculativeは長らく「憶測」「考え込む」以外の意味を知らなかったのですが、金融では普通に「投機」という意味なんですね。


つっつきボイス:「ざっとしか見てないんですが、ハードウェアを再設計しないと根本的には修正できないとか😱」「攻撃手法のひとつのrowhammerでは、同じアドレスにすごい勢いで書き込むと電荷が隣の素子にリークして取り出せることがあるそうです」

参考: SSDなどのストレージへの連続アクセスで権限を奪取できる「Rowhammer攻撃」類似のサイバー攻撃が可能 - GIGAZINE

翌週になって、論文を読んだ人の記事が出ていました↓。とても参考になります。

参考: CPUの新たな脆弱性 SPOILERの論文を読む - FPGA開発日記

その他のその他




つっつきボイス:「この間Slackに貼っていただいたツイートです😀」「漆塗りの特製HHKBが当たるキャンペーンが3/24までやってるので早速応募しちゃいました😋」「お、どうやって応募するのかしら?」「@PFU_HHKBをフォローして以下の固定ツイート↓をリツイートするだけでいいそうです」「ワイも応募する〜😋」

番外

OTTO: ラズパイ3以降で動かすオールインワンシンセサイザー



同リポジトリより

UIのデザインがとても独創的で、久しぶりに息を呑むほど美しいと思ってしまいました😍。独創的で、しかも機能がひと目でわかり、見飽きません。

その後で、この手作りシンセが明快なデザインコンセプトを打ち立てようとしていることに気づきました。いいデザインは偶然にはできないということがよくわかります。

参考: Guidelines: UI · topisani/OTTO Wiki



同リポジトリより


つっつきボイス:「ラズパイ3だ〜🍒」「箱の絵かと思ったらLCD表示なのね」

参考: Raspberry Pi 3 Model B+ review: Hands-on with the new board - TechRepublic


今回は以上です。

公開つっつき会の後の親睦会でも、安川さんから近日発表予定のムフフなものを特別に見せていただいたり、LaTexやSATySFi↓などの話や弁護士ドットコム、IT教育の話に花が咲きました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

参考: macでSATySFiのデモファイルからPDFファイルを生成するところまで - Qiita

バックナンバー(2019年度第1四半期)

週刊Railsウォッチ(20190311-1/2前編)「Rails Conductor」14年ぶり復活なるか?、RubyGemsに複数の脆弱性、2009年のRailsエコシステムほか

今週の主なニュースソース

ソースの表記されていない項目は独自ルート(TwitterやはてブやRSSやなど)です。

Ruby Weekly

Publickey

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DB Weekly

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Serverless Status

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JavaScript Weekly

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この記事の著者

hachi8833

Twitter: @hachi8833、GitHub: @hachi8833 コボラー、ITコンサル、ローカライズ業界、Rails開発を経てTechRachoの編集・記事作成を担当。 これまでにRuby on Rails チュートリアル第2版の監修および半分程度を翻訳、Railsガイドの初期翻訳ではほぼすべてを翻訳。その後も折に触れて更新翻訳中。 かと思うと、正規表現の粋を尽くした日本語エラーチェックサービス enno.jpを運営。 実は最近Go言語が好きで、Goで書かれたRubyライクなGoby言語のメンテナーでもある。 仕事に関係ないすっとこブログ「あけてくれ」は2000年頃から多少の中断をはさんで継続、現在はnote.muに移転。

hachi8833の書いた記事

夏のTechRachoフェア2019

週刊Railsウォッチ

インフラ

ActiveSupport探訪シリーズ