第3回
こんにちは、アルバイトの片山です。
いよいよ就活や卒論を少しずつ気にし始める時期となりました。実はインターンなるものの存在をつい最近まで忘れていたので、気がついたら応募期間が終わっていました。インターンは3年生の夏にやるものみたいなので大学1、2年生の皆さんは気をつけましょう。
さて、BPSのスタッフインタビューも第3回を迎えることとなりました。今回は育休中で最近あまり会社に来ない千葉さんにインタビューしました。お楽しみに。
インタビュー
お久しぶりです。まずお名前を教えてください。
ちばじゅんいちです。
BPSでの職種を教えてください。
最近僕は翻訳会社の仕事やってるからなぁ。まぁ、入ってから三年間くらいの話をすると、職種としてはテストをメインでやっています。
テストといいますと具体的にはどのようなことをされるのでしょうか?
BPSでリリースしている電子書籍アプリ、対象OSがMac、Windows、Android、iOS、Linuxと色々あって、他社から依頼されたものや、BPS独自のものでは超画像や超縦書、それらのテストです。
ありがとうございます。えーと、最近あまり見かけないのは先程おっしゃっていた別の会社の仕事があるから、という感じなんでしょうか?
ええ、別の関係ない会社でやってます(注: 育休中です)。僕はもともと5年くらい前まで、横浜の翻訳会社で品質チェックをやってました。
それは翻訳内容の品質チェックということでしょうか?
そうそうそう。多言語の翻訳プロジェクトでの品質チェックです。数字があってるかどうかとか、原文勘違いして翻訳してないかとかそういうのを40ヶ国語くらい見ていました。
わぁすごい。
で、hachi8833さんもそこに勤めてたんですが、
え?
BPSに来ちゃったんで追っかけるようにして(hachi8833さんに知らせないまま)勝手に応募したら勝手に受かっちゃったんで。
なんか波乱万丈な感じでいらっしゃったんですね。
うん、波乱万丈で。hachi8833さんのおまけで。
要は前職は翻訳会社での品質チェックをされていたのに今はなぜかBPSにいらっしゃるということなんですね。
前職も品質チェック、BPSでも同じようにアプリケーションの品質チェック、になってます。
差し支えなければ大学時代の研究といいますか、主な専攻について教えてください。
大学は割と翻訳のほうに関係があって、英文科でした。で、ゲルマン系の言語、例えばドイツ語とか英語とかアイスランド語の発音・音声について、あとは単語の変遷について、スペリングの変遷についてなどをやっていました。
なるほど。では以前の職場には言語関係で行かれたということですね。
そうですね。言語関係の面白そうなところを幾つか探している中で翻訳会社が当たりました。
でその後、hachi8833さんに着いてきてBPSに来てしまった、と。
はい。
どうもありがとうございます。
何とは言いませんが浮いてます
次の質問に参ります。テストということで色々なマシン使われていると思いますが、普段メインで使われているマシンについて教えてください。
Macbook Proです。UNIXツールを使うのでMacです。
ツールは何を使われるんですか?
bashで操作できる奴ら。viとか。
あ、vi派なんですね。
エディタはvi以外使ってないです。
あぁ......。いいですよねvi......(※Emacs派です)
あとは普通にUNIXのコマンド。例えばgrepとか。
あーls
してgrep
とかですか。(※"ls -l | grep hoge
"的な話のつもり)
そうそう。それとかファイルの中身色々見たり。多言語関係とか翻訳関係、あとはテストで使う電子書籍とかのファイルの中身を見たり自分で組み立てたりするのにUNIXツールをガンガン使ってます。
ははぁ。
あとは正規表現大好きなのでgrepで使いまくり、他のアプリでも正規表現エンジンを自分でプラグインみたいにしてぶち込んでみたり。
ははぁ。なんかマニアックな方向なんですね。
はい。マニアックな方向でやってます。
はい。ありがとうございます。えーと、次行きます、次。えー。
今の答えで良いのかな。
うーん。まぁ適当にまとめておきます。なんか足りなかったらまた聞きに行きます。
ははは。
最近仕事上で何か課題はありますか?
最近来てないのでねぇ(笑)
ははは。
なんだろう、課題......。
あ、僕は直接関係はないんだけれど、自動テストを出来るといいなぁっていう雰囲気が盛り上がってるみたいです。K島くん中心に自動テストの環境を作ってるみたいです。ちょこっとは興味あるけど自分では組めないので。
最近のアプリチームはそんな感じになってるんですね。
ちなみに自動テストっていうのはプログラムを組んでテスト用のサーバーにあげると、勝手にビルドして、ビルド通りませんよ〜、とか、電子書籍を自動で読み込んで、うまく読み込めませんよ〜、とかいうエラーを通知してくれるらしい。
じゃあ頑張って人力でチマチマチマチマやってかなくても自動でやってくれるんですね。
で、主にもう納品するラインが出来ている製品のデグレをすばやく見つけられるということです。
あ、えっと、デグレという言葉の意味を教えてもらってもいいですか?
はい。デグレは一旦完成したもの、完成して市場リリースなり、社内で使えるようになっている完成版に色々機能を付け加えていくことはよくあるんだけれども。
アップデートですね。
付け加えた機能とは別で、今まで使えてた機能が突然使えなくなってしまった。これは新しく機能を付け加えたせいでバグってるんだというのがデグレです。
なるほどなるほど、ありがとうございます。自動テストは使えていた機能が使えなくなってしまった、というようなバグのテストをするのに役立つんですね。あと、最近いらっしゃってないのでちょっと微妙な質問になってしまうかもしれないんですが、これから仕事上、もしくは職場で実現していきたいなっていうものは何かありますか?
ふふっ。
えっ、なんですか。
ふふっ。そうですねぇ。会社的には人々の働く雰囲気を良くしていきたいなって思います。
それはどういうことなんでしょうか。
ここ一年くらいでだいぶ人が増えてきたんですよ。いままで増えてきた勢いよりもずっと早く増えてるんですけれども、なんか新しく入った人たちが会社の中で悪ふざけしないんですよねあんまり。
ほほぉ。真面目なんですね。
SLACKでも発言が少なかったり黙ってる人が多いんで、気が早いけど大企業病みたいになったらちょっといやだなと。
変に気を使って風通しが悪くなってしまうみたいな感じですかね。
そうそうそうそう。無駄話はムダだと思うんだけれども、適度なおふざけとか、遊び心のある発言なり、ちょっと変なツール作ってみたんだけれども、みたいな技術者の得意なところを活かしたお遊びっていうのは必要だと思うんで。
潤滑油的な。
うん、潤滑油的な。そういうのを盛り上げていきたいですよね。
はい、ありがとうございます。では次で最後の質問になります。
はい。
休日は何をされているかとか、趣味は何かとかを教えてください。
はい、休みの日は、えーと、僕JavaScriptが好きなので、家でNode.jsサーバーを作ったり、あとは翻訳業務で使うチェックツールを作ってみたり。
チェックツールっていうのは自動校正かなんかみたいなものなんですか?
えっと、翻訳の文の中で括弧が足りないとかスペースが足りないとか、カタカナの使い方がちょっと標準とは違うよっていうのとかをエラーとして出してくれるといいなぁっと。
というのを作られていると。
なかなか完成しないんですよね。
あっはっは。ありがとうございました。以上です。
追記
なぜかインタビューで言及されたうえに追記までしているhachi8833です。
内輪褒めと思われるかもしれませんが、千葉さんはたぶん日本では極めて珍しい「多言語マニア」です。世界中のありとあらゆる自然言語の文法や文字や発音を探求し、自らの中で体系化するのが趣味で、なおかつさまざまなプログラミング言語(アセンブラを含む)や電気工作なども同じように大好きという、実にまれな人物です。
彼が私の目の前で、同じ英語から翻訳されたアラビア語の文章とペルシャ語の文章のどちらがどちらであるかをずばり識別したときは本当に衝撃でした。曰く「ペルシャ語はアラビア語と比べて冠詞 الـ が少ない」のが手がかりなんだそうですが、こちらはどれが冠詞なのかを見分けることも覚束ない有様でした。
出会った頃には思わず冗談で「北のスパイか何かですか?」と尋ねてしまったほどで、以来不思議な付き合いが続いています。
コードを書く仕事を専業でしたことがないにもかかわらず、JavaScriptやbashやmakeでざくざく何か書いてしまうファーストコーダーでもあり、インタビューでも述べているようにマカーかつvimmerでもあり、さらにskk使いでもあります。極めて特殊なハッカーというか、最近使いどころのない「ネクシャリスト」という言葉をもじって「ネクシャリンギスト」と呼んでみたい気持ちです。
私と同様正規表現や文字コードを愛しており、JavaScriptの正規表現の貧弱さを共に嘆いております。 彼の上を行くマルチリンギストがいるとすれば、私がお会いした中では青山学院教授にしてW3CメンバーにしてRubyのi18nコミッターでもあるマーティン先生ぐらいしか思い付きません。鐘や太鼓で探しても見つからないとはこのことです。
行動力も極めて旺盛で、頼まれなくてもいろんなことをずんずんやりこなしてしまいます。以前TechRachoでもご紹介した、漫画翻訳の能率を大きく向上させるツール「Numba Lumba」は、元々彼が漫画翻訳のハンドリングのために自ら開発したツールだったのです。弊社のカルチャーや行動原理とマッチしているので、ほぼ何の制約もなく存分に活動できていると思います。今後もざくざく面白いことをやりましょう。