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スマート「窓」Atmoph Window 2の自宅運用3ヶ月目レビュー

morimorihogeです。師走だ・・・

本記事では一部の人には知られているスマート「窓」のAtmoph Window 2のレビューをしてみます。
世の中的にリモート推奨な状況が続きそうな気配なので、もし刺さる人がいたら末尾の紹介リンクからぜひ購入検討してみてください。

Atmoph Windowってなによ?

7月ごろにはてブでバズった都会の家賃1ヶ月分で世界中の景色を手に入れた話という記事を読んで頂くとイメージが分かるかと思います。
僕はちょうどリモートワーク&真夏で室内に引きこもっており、多少開放的な景色が見たいなーという気持ちもあり「これだ!」と思って購入したのでした。

ちょっとお高い金額ではありましたが、クレカのポイントが貯まっていたのを使ったので実質0円でした。その分ややレビューは甘めかもしれません。

Atmoph Window 2インプレッション

僕が買ったのはAtmoph Window 2 Basic(White)のオプションなし版になります。
まずは機能や性能的な部分からインプレッションを書いていきます。

外観

正面からの画像は公式サイトなどでもいくらでも見られると思うので、横と上から撮ってみた画像を。

※モアレが浮いてるのはスマホのカメラ画像の都合で、目視でモアレが浮いているような見え方をすることはありません

こうしてみるとよく分かるのですが、一般的なPC用ディスプレイに比べると縦横両方の方向に視野角がとても広く設計されている(発色なども問題ない)ことが分かります。また、ディスプレイ表面は光を反射しないいわゆるノングレアなものになっています。
普通に安いディスプレイを買ってきて同じように設置しても、視野角の関係で嘘くさい見え方になってしまったり、室内光を反射してディスプレイ臭さが気になってしまうと思うのですが、これはちゃんとAtomph Windowが「窓」として設計されていることによるこだわりなんだろうなと思います。

外枠は色の選択ができるのと、木枠バージョンもあるため、部屋のインテリアに合わせて選べます。

また、ディスプレイ面と壁面の間にはそこそこの厚さがある(2~3cmくらい)ため、配置や見る角度によっては窓が室内に出っ張っているような印象を受けます。外枠の厚みが大きい(5.5cmくらい)のはディスプレイ視野角外から見せなくするため以外に、恐らくこの「出っ張ってる感」を減らすためもあるかもしれません。
正面に近い角度から見ることが多い設置の仕方であれば問題ありませんが、真横に近い位置から見ることが多い配置(廊下など)では気になってしまうかもしれませんので考慮に入れると良いでしょう。

本体ソフトウェア及びUIの使い勝手

9月末の時点ではお世辞に良いモノではなく、端的に言って悪いと言える状態でした。週に1回以上はフリーズしていましたし、そもそもUIの反応が劣悪で操作する度にイライラするレベルでした。

しかし、10月末のソフトウェアアップデート以降はかなり動作が安定し、以後は一度もフリーズしておらず、UIの使い勝手も多少向上したように思えます。
とはいえ、不満がないかというとそんなことはなく、Badから及第点レベルになった、くらいの印象です。

スマホ用リモコンアプリの操作感が非常に独特なため、思い通り操作するのはなかなかの慣れが必要なのは厳しいところです。特にカーソル操作のトラックパッド方式は「どうしてこうなった・・・」レベルで、ITリテラシ低めの人に家電の一種として使ってもらうにはちょっと厳しいと思います。
ただ、後述しますが基本的にしょっちゅうリモコン操作を強いられるようなデバイスではないので、慣れればまあ我慢できるでしょう。

消費電力

サイネージ的な使い方をするということで、ランニングコストが気になる人もいるかと思います。
ワットメーターを所持していないので、手持ちのポータブル電源Anker PowerHouse II 400に繋いでみました。

本体音量ボリューム、輝度の設定は以下の画像くらいで使っています。

というわけで、30W前後くらいでしょうか。

実際に使ってみた感触など

次に、実際に僕が自宅で3ヶ月ほど使ってみている感触を。
利用状況としては自室兼寝室での利用、主に仕事時間帯は本体のスケジュール機能で自動ON/OFFするようにして3ヶ月ほど毎日利用したものになります。

設置環境

雑ですが、こんな感じで設置して使っています。冒頭に挙げたレビュー記事の例ではもっと自分に近い位置に設置していましたが、僕は配置の関係上普段の作業環境から1.5mくらいの距離の位置に設置しています。

また、壁への設置については壁美人のP-4というタイプを使っています。壁美人は石膏ボードに専用ホチキス芯で固定するタイプのため、壁を叩いてコンコンという音がするなら大抵どこにでも設置でき、思いの他耐荷重が大きいです。
余談ですが、僕はDENONのサウンドバーも壁美人で頭上設置していますが、全く強度・ぐらつきなど問題なく利用できています。
※とはいえご利用は皆様自己責任でお願いします

思ったより存在感が大きいのは「音」

購入を検討されている方は恐らくサイネージ用ディスプレイのようなイメージを考えている人も多いと思いますが、僕の設置方式のように常時目視圏内に入らないような利用の仕方をしている場合、最も存在感が大きいのは「音」でした。

Atmoph Windowの多数ある風景コンテンツは動画映像だけでなく音も収録されており、それぞれの風景に合った音声が流れます。

焚火風景ではじわじわと焼けていく薪の音が聞けますし、

川の風景では水のせせらぎを聞くことができます。

自宅環境を整えてみると分かると思うのですが、無音に近い状態を作り出すのはかなり難しく、どうしてもPCのファンノイズなどが混じります。そこで音楽をかけてみたりもするのですが、音楽はZoomやMeetでのリモート会議の時にOFFにしないといけないため、その後ONにし忘れる、ということが多発します(面倒とも言う)。

ファンノイズなどの機械音は気が散るけど、自然環境音ならそれほど気にならない、という人であれば環境音の再生という観点で、Atmoph Windowはなかなか良いデバイスと言えます。
公式の配信コンテンツも元々環境に溶け込むことを想定したもののみが収録されているため、Youtubeなどで余計な広告アイキャッチや思わぬ動画がレコメンド再生されて集中力を乱すということがないです。この辺り「窓」としてとてもよく出来ているなあと感じさせます。

僕のオススメはTAKIBI系と川系ですが、町中の風景コンテンツもあるので、人の雑踏の中の方がむしろ集中できるという人はそういったものを選ぶこともできます。

猫動画もあります。なごむ

ストレスなく使いたいならリモコンが欲しい

インプレッションにも書きましたが、公式アプリによるリモコン操作は苦痛なので、ストレス無く使いたければAtmoph Remoteという公式リモコンを購入することをお勧めします。
ただ、毎日リモコン操作するようなことがないのであれば耐えられる範囲ではあるので、この辺りはお財布とリモコン置き場の都合に寄るのかなと思います。

なお、本体のSleep/Sleep解除は本体左下にあるスイッチ長押しでできるので、手が届く位置に設置するのであればOn/Offのためのリモコンはなくてもいいのかなと思います。

良くも悪くも「窓」。サイネージ用ディスプレイだと思わないのが良い

この手のサイネージ的なディスプレイがあると、動画再生させたり、時計やカレンダーを表示したり通知を出したりと色々と多機能なものを求める人たちが多いのですが、僕はそちらの方向にいくのは反対で、Atmoph Windowの良さはむしろ「窓」という機能に特化して余計な機能がないことだと思っています。
その意味で「窓」としてのAtmoph Window 2は自分としては必要充分な機能を持っていて満足感を得られるものでした。

# とはいえリモコン操作だけはなんとかして欲しいと思ったり、APIでOn/Offできるくらいの機構があるとセンサデバイスと連携させて遊べるなあ程度には思いますががが・・・

オススメかどうかは「人を選ぶ」

Atmoph Window自体、恐らくメインの設置ユースケースはオフィスや店舗などを想定していると思われる製品のため、純粋に自宅用として誰にでも勧められるかというのはランニングコストや本体料金の面から難しいところです。

ただ、自然な環境音が気にならない(むしろ集中できる)という人には割と刺さる製品だと思いますし「窓」としての機能に着目すれば相当良いクオリティに達していると思います。
窓のない部屋や開放感が欲しい場所に設置すると、ぐっとQoLが上がった気持ちになれるでしょう。

僕にとってはなかなか良い買い物でした。

こういう機能があればいいのに(つまり今はない)

自宅作業環境のお供に使うユースケースであるといいなと思ったのはこの辺りです(中の人、もし見ていたらご検討ください)。

「音の小さめの風景リスト」「自然風景のみのリスト」などの条件付き再生がしたい

気分を変えるために風景の自動切り替え機能を利用していると、静かな焚火風景から一転して町中の風景になって電話の着信音が聞こえてきたり(端的に言って最悪)、静かな風景から突然滝の轟音風景に切り替わったり(着信音ほどではないが、集中力が切れる)ということが発生してびっくりさせられます。

直近のソフトウェアアップグレードでお気に入り機能は追加されたのですが、これは一つしかリストが作れないので複数作れるようになるか、プレイリストのシェア機能(上記のようなジャンルでプリセット提供でも良い)のようなものがあると嬉しいところです。
または、もっと単純に「このコンテンツは自動再生では再生しない」という無視フラグを立てられる機能でも充分かもしれません。見たくない風景の数は多くはないので、手動で無視するのもそれほど手間ではないでしょう。

現状「窓」として使っていて最も不満なのはこれです。同じ風景で固定していれば気にならないんですが、邪魔にならない程度に切り替わって気分転換にもなるといいな、というのもあり難しいさじ加減。

リモコン操作アプリの改善

カーソルを1つ動かそうとしたら2つも3つも動いてしまうUIや、横(いわゆるlandscape)モードに対応していないのは地味に不便です。
設置して最初の初期設定時に無線LANのパスワードなどを入力する際、一気にテンションが下がってしまう部分なので、これが改善されるだけで第一印象は大きく変わる気がします。

まとめ

というわけで、Atmoph Window 2のレビューを書いてみました。

このリンクから公式ストアで購入すると3000円引きで購入できて僕にも2000円のAmazonギフト券が届くので、本記事で興味が湧いた人はぜひこちらから購入してください(宣伝)。
在庫がそれほど多くないため予約注文になることが多いため、とりあえず注文しておいて忘れた頃に届くと思います(僕は2~3ヶ月ほど待ちました)。



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