はじめに
こんにちは。okada.kenです。寒くなってきたので、火鉢を紹介します。火鉢はいいぞ。
火鉢は奈良時代から存在する暖房器具で、昭和30~40年代までは一般的に使われていたそうです。灰の上で炭を燃焼させて暖を取ったり調理器具として使ったりします。南部鉄器の鉄瓶でお湯を沸かすと、鉄分がカルキを除去するせいか円やかな味になりお茶やコーヒーが美味しくなります。
また餅などを焼いたり、鍋を置いて暖かい状態で食べることも可能です。焼き肉なども可能ですが油がしたたり落ちると灰が飛んで汚れてしまうので、私はやりません。
火鉢に必要な道具
火鉢を始めるためにまず必要なのは、火鉢本体と灰です。私が使っているのは関西長火鉢と呼ばれるタイプで、テーブルのような張り出しがあります。落語だとこの長火鉢を挟んでご隠居さんが肘をついてキセルを燻らせながら、大工の八っつぁんと会話をするのは定番シーンですね。
最初に始めるならば、小さい火鉢の方がお手軽です。以下は角火鉢とか手炙り火鉢とか呼ばれるタイプです。私の実家は温泉旅館をやっているのですが、そこで処分品として出て来たのを譲ってもらったものです。大昔は炭を入れて暖房器具としてお客さんに振る舞っていたのだと思います。
以下は関東長火鉢と呼ばれるタイプです(銅壺や古い写真が載ってますが気にしないでください)。これは祖母が大昔家庭内で使っていて、処分しようとしていたものを譲ってもらった火鉢です。かなり年季が入ってて一部木枠が反ってしまっているのですが、こんな古いものを修理するツテも無くそのままになってます。こういう骨董品ってどうやって修理したらいいんですかね。
なお角火鉢ならヤフオクやメルカリなどで3000円から売られています。関西長火鉢、関東長火鉢の場合はサイズが大きいこともあり中古でも数万円することが多いです。他にも陶器製の火鉢などもあり、小さいものならお手頃価格で購入できます。火鉢と合わせて灰も必要です(灰もネットで売られてます)。
火鉢と灰の他に、道具として最低限以下の3つが必要です。いずれも安い中古なら1000円からあります。
- 五徳・・・・鉄瓶、ヤカン、網などを置くために必要
- 火箸・・・・炭を掴んで移動させるのに使う
- 灰ならし・・灰を移動させたり、掘るのに使う
燃料として炭も必要です。黒炭が主役だと思いますが、可能ならホームセンターで売られてるバーベキュー用の炭ではなく、火鉢用の炭を買うことをお勧めします。バーベキュー用の炭は屋外使用が想定されているので煙が出ることがあり、屋内の火鉢には適してません。私は火鉢屋さん(https://hibachiya.com/)でクヌギ炭を買っています。
黒炭だけでも火鉢は楽しめますが、たどん(炭団)の併用もお勧めです。黒炭は消えやすく8時間燃え続けさせるのは難しいです、特に慣れていない最初は。たどんは火力が弱いものの、黒炭より容易に着火出来て8~12時間安定的に燃え続けてくれるので、たどんの種火を使って黒炭を燃焼させると火の扱いが容易になります。たどんはいつもAmazonで買ってます(https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01836EK26/)。
白炭(備長炭など)を使うのも良いですが、白炭は着火が難しいし、爆跳(突然爆ぜる)の危険もあるので最初はお勧めしません。火力が強くて長持ちするし燃えてる姿がカッコいいので、慣れてきたら試すと良いと思います。
以下のように炭斗箱(炭取り箱)があるとカッコイイですが、最初は段ボール箱に炭を保管でも良いです(トングがカッコ悪いんですが、大きい炭を掴むのに便利なんですよね…)。
火鉢での火のつけ方(自己流)
では火鉢に炭を置いて火を付けてみましょう。以下は私の自己流ですのでご了承ください。
たどんを中心に置きます。
たどんの周りに黒炭を配置します。火付きを良くするには小さい炭を空気の流れが出来るよう適度に距離を空けて配置します。小さい炭が無い場合、大きい炭を割って小さくします。
以前は台所のガスコンロで台十能を使って着火してましたが、最近はガストーチを使ってます。黒炭とたどんの両方に熱が届くように向きを調整しつつ、約5~10分間掛けて着火します。当たり前ですが、カセットボンベは使用中の火鉢の近くに置いてはいけません(熱せられたカセットボンベが爆発します)。
火が付いたら空気の流れが出来るよう隙間を空けつつ炭を配置して燃え広がるのを待ちます。経験則ですが、燃えてる炭を3つ向き合わせるとよく燃えて火が消える可能性が少なくなります。
こんな感じにお湯を沸かせるくらいの熱量が出るまで燃え広がるまで、1~2時間くらい掛かります。とても時間が掛かるので、例えば夕食に火鉢を使うなら午後4時くらいには炭を燃やし始めます。
炭は火を付けるのも難しいし、油断するとすぐに消えるし、火が付くのに数時間掛かるくらい不便なものです。火鉢は周りに座ると暖かいですが、部屋全体を温めるほどの熱量は無いので現代の暖房としては役に立ちません。
そんな不便な火鉢を使う理由は、趣があるからです。手間暇掛けて炭火を熾すのは難易度があって面白いし、炭が静かに燃える時のかすかな音、鉄瓶でお湯が沸騰する時の音色が気持ちいい。大人の火遊びなのです。
注意事項
室内で燃焼させるので、二酸化炭素と一酸化炭素に注意して換気しましょう。気になる人はセンサーを買うと良いです。以下は市販の二酸化炭素センサーです(かなり空気が悪い数値が出ています)。
以下は市販の一酸化炭素センサ2つと、電子工作で自作した一酸化炭素センサーです。
重要なのは各種センサを用意して、CO/CO2濃度を検知する目を用意することです。炭を燃やすとCO/CO2濃度が上がっていきますが、換気扇を回すと濃度があっという間に下がります。この変化が見えるようになると、安心して火鉢を扱えるようになります。
まとめ
以上です。少しでもワクワクしたら火鉢を買ってみてください。私は今夜も火鉢で暖を取ります。