BPS渡辺です。コロナなかなか終わりませんね。疫病は想定外でしたけど、不況には仲間と試行錯誤しながら必死で準備してきていました。何をもって終わりかもよくわかりませんが、仮に終わっても社会構造が元に戻らなさそうということで、想定が甘かったのかもしれません。
新型コロナ肺炎の現状 大変厳しいですね。
この疫病 日本や世界の社会構造を激変させることになるのではないか と危惧しています。
そのような中での会社運営 重責だとおもいますが どうぞ視野を広く持って 対処お願いします。
コロナ初期に、同僚のご家族から連絡を頂戴しました。粋がって、ちゃんと準備してますよ!と返事しちゃいました。ああもう恥ずかしいなあ。念入りに準備したつもりでしたから。3年間分の計画があればまー大丈夫でしょうと。乗り切れているつもりではいますが、もっとうまくやれたな、という感触もあります。全力だったので後悔はありませんが詰めが甘かったのは否めませんね。
他にもいろいろコメント・アドバイスをくださった方がいました。いつも応援いただきましてありがとうございます。直近数年もなんとか成長することができました。また後日記事にさせてください。
さて本題です。
目的・目標
- ミスをなくすこと。手入力撲滅。
- 手間を減らすこと。工数削減など。
- 経理内製化とバックオフィス陣のキャリアパス作り。
置き換え前後イメージ
背景や流れなど
1→10人
最初からちゃんとすればよかったじゃん、という話でもあるんですけど、創業当初はこのへんのことがよくわからんかったのと、実務で頭がいっぱいだったから会計その他は顧問会計士さんに丸投げして忘れてました。顧問会計士さんはインストール型の弥生会計を使われていて、クラウドでデータを参照できませんでした。ただ、発行する請求書ももらう領収書も数えられるほどしかなくて、適当に暗算してた結果とさほど乖離もなく、集計したデータは年に1-2回見るのでも問題なさそうだなと感じていました。年1-2回の打ち合わせで初めて集計された数字をみて、へー and/or ふーん という僕に、会計士さんがいろいろ説明してくれる、といった状況でした。あまり興味ないものを自主的に覚えるのはしんどいので、教えてもらう機会が作れるというのはいいですよね。
10→20人
それからちょっとして、人も仕事も増え、請求書を毎回エクセルで作ってだしていると僕みたいな雑なやつがいたらデータは紛失するので、印刷して保管しないといけないわ情報共有しないといけないわで管理が面倒になり、クラウド型の請求書作成システムを使いたくなりました。Misocaは、弥生の子会社だから弥生会計と相性がよいだろう、相性がよければ顧問会計士さんに面倒かけなくてすんで結果顧問料があがるとかもないだろう、とふんで使い始めました。安いし1年間無料ですし。副次的な効果として、当然売上を集計する機能があり右肩あがりではじめて見たときに仕事のやる気が出たのを覚えています。2年目にはいると昨年対比で売上が見れるのでさらにやる気が出ました。
20→50人
売上の集計がいつでも見れる状態になると、今度は支出とセットでみれるようにしたくなるじゃないですか。このプロジェクトは予定と比べてどのくらいの結果で終わったのかな~とか。お客さんから業績が悪くなっちゃって大きめのお値引きをお願いされているけど、過去数年の取引でいちおう利益でてるなら協力したいよね~とか。個別にデータとして整理している外注費、クレカの明細、経費精算、日報くんの稼働実績を支出として取り込んで、支出の推移とその内訳を細かく分類して把握できるようにしました。CSVを所定の場所にコピペすればspreadsheetに取り込まれていって、売上と支出がわかると収支がキャッシュベースでわかるようになるようにしました。これらが弊社の管理会計です。冒頭のBEFORE&AFTER図の、BEFOREにあたる部分ですね。
前項の管理会計に対して、財務会計がどうなっているかというと、設立当初の状況からあまり変わっていません。売上や支出については取り込みやすいように仕組みはつくりましたけど、それを取り込んでから、仕分けをして結果をみるのは今も年1-2回です。取り込むデータの量自体は大幅に増えていますから作業量自体は増えているとは思います。ただし仕組みは変わっていない、という状況ですね。そして取り込みの作業は、前項で解説した管理会計の仕組みと、顧問会計士さんがまとめてくれる財務会計の仕組み、計2回同じような作業を行います。作業が同じなら、最初から財務会計用の仕組みで管理会計も行えばいいじゃん!弥生が閲覧できないのと取り込み作業を年1-2回しかやってくれないのが問題なら、弥生を他のツールにかえて、取り込みを僕らでやるか自動化すればいいじゃん、といった構想から今回のツール変更の決断と選定を始めています。
50人~
freee/MoneyForwardなど有名なクラウドツールはもう何年も前からよく耳にしますけど、数年前に確認したときは機能が充実していなくて移行したときに管理会計時に失うものがたくさんあり、また顧問会計士も慣れていないため、関わる人全員にとってあまり有益な選択とは思えませんでした。ただここ数年で、流行り物に手を出す人が増えてそれに引きずられて顧問会計士さんも別の所で慣れてくれたのと、数年前はなかった機能がいくつか拡充されて、弊社にとってもよい選択と思えるようになってきました。社内でこの移行作業を推進できる若手が育ってくれたということもとっても大きなきっかけになったかもしれません。かなり広範囲で影響がある切り替えだと思うのですが、気づけば終わっていたですよ。
ただまあ現実は甘くないというか、財務会計と管理会計は目的が異なるので1つのツールとUIにデータがまとまってるからぱぱっと最終形態ができちゃうってものでもないですよね。少なくとも10人をこえた会社だと様々なツールやフォーマットで日々成長する業務や体制を追いそして次の成長につなぐための経営分析を日々行っているもの。その過去の努力と資産をツール内の機能を使ってどこまで自社色にカスタマイズできるかが大事なところであり、一朝一夕にはいかないし、できたとしても完全にフルカスタマイズしていた2つを統合しているわけでしその状況下でうまく最適化していかなければです。それには半年~1年くらいは検証や試行錯誤が必要だと感じており、今回の記事は導入して1ヶ月程度なので、管理会計単品の制度をどこまで向上させられたか?については別の機会にまとめていこうと思います。
検討・比較
機能・料金等
そういえばこういったシステムの紹介担当って、証券会社の営業さんが転職してきているんですね?たまたま弊社を担当してくださった方がそうだっただけかもしれませんが。別途検討している法務支援ツールの紹介担当もそうでした。前に記事にしましたように株は趣味でよくやってまして営業担当さんの知り合いとはちょこちょこ仲良くさせてもらってるので聞いてみたら、SaaS型のフィールドセールスにかなり流れているそうですね。投資代行という職業は日本ではバイアスがある職種であり、かつ提供するものが無形商材なので、SaaS型のシステムはとっても売りやすいとのこと。どうしても対面営業が主体になっているところ、コロナをきっかけに転職していきましたと。話を戻します。
まず、選択肢として弥生会計オンラインもありましたけど弊社でやりたいことのスコープが会計に閉じないので今回は候補から外しました。次に対象規模が小さすぎるプランと、上場を前提とした機能が揃っているプランは選考から外しました。上場についてはこのシステム選定中にもよーく社内外から聞かれましたけど、まったく視野にないわけではないのですが気持ちだけが先行してもしょうがないですし、上場を想定したプランだと機能がだいぶ多く複雑になるので移行直後はシンプルなプランのほうが成長痛が小さいと判断しています。
サービスの開発方針による構成の違いはあれど、freee も MoneyForward もそれぞれいい商品ですね。いずれも大手ですし最低限必要になりそうなものは当然全部揃っているようにみえましたし、クラウドツール特有の多少のもっさり感はたっぷりあるものの使い続けられるくらいにはよくできてて、すごいなあと素直に感じました。操作感や自由度は当然ながらspreadsheetに敵うはずはないのですが、会社規模にあわせた情報共有を目的に使い方を制限したり統一したりをツール側で矯正してくれるのは助かりますね。使う人の会計リテラシーはバラバラですし。
今回はfreeeでいきます。
金額は極端に高価でなければ、社内工数削減と社員満足度向上と今後の経営合理化に繋がればほぼなんでも良しと判断して選定をしました。それぞれをトライアル利用をしてみて、どちらも目的が達成できるようです。金額もだいたい同じくらい。選定の決め手となったのはfreee側にある入金と売上金の自動突合機能です。
弊社には少額のSaaS商材があり、毎月何百社に振込・クレカ・口座引落で料金を頂戴しています。しかも、だいたい金額が同じなため、目視で消込作業をしていくのが辛く、専用の銀行口座を分けていくつか管理していたくらいです。それに対して、請求内容と入金内容が社名・金額で一致すれば自動突合されるというのはとても便利に感じました。
MoneyForward社でも開発中とのことでしたからもしかしたらこの記事を公開している頃にはすでに完成しているのかもしれません。テレビCMではすでにできるぜ、って言ってましたし。使い勝手とか見た目はMoneyForwardのほうが好きでした。出力形式が顧問会計士さんがよくくれていたフォーマットに似てますしね。ただ、弊社が導入を決意した今年3月頃にはfreeeにしかない機能であったのと、既存の会計フォーマットこだわらずにビジネス支援を目的に開発しているとのことでしたので、freeeの導入にしました。
導入して1ヶ月、気づいた惜しいところなどなど
請求タイトルが設定できない
全ての管理をfreee上でできたらよいのですが、手元にデータを落としてきていろいろと集計したいときだってあるじゃないですか?その時に、請求書にタイトルという項目が存在しないので、一覧したときになんの請求かを確認するためには、実際の請求書を開くほかありません。これは管理会計をする人たちや事業やチーム管理する人にとって地味に・・・というかめちゃくちゃ不便なのではないだろうか。
概要欄に変数を入れられない
請求タイトルが設定できず一覧画面でどんな請求書かわからない。ならば他に表示される項目に入力しておいてそれで見ればいいじゃん、と思ってみつけたのが「概要」という項目でした。ここに、ほか項目同様に◯年◯月分といった変数をいれられたなら、一覧画面でもみれるし、手間も省けるので助かるのですが、ここでは変数は使えないとのこと。手動入力めんどくさすぎます。
定期請求(繰り返し請求するため請求書発行を月次などで自動化する機能)発行の連絡先がアカウント全員に飛ぶ
弊社では毎月・毎四半期・毎年発行する請求書があり、請求し忘れないようにするためと、請求内容を毎回コピペしなくていいように、自動的に繰り返し発行する機能を使っています。Misocaでも使っていましたし、freeeに移行しても使い続けています。その連絡がくるわけですが、おそらくアカウントを発行した全員にメールが飛んでいます。
アカウントを作成しているのだから問題ないのでは?と感じる方もいるかもしれませんが、弊社の会計システムのアカウントは、便宜上他社の人員も持っていることがあります。具体的には関連会社にも属している請求担当が請求を立ててくれます。その場合、所属企業が異なるため、社内全体の請求状況はみれずに、自身が作成する・過去に作成したものだけ閲覧できるようにfreee内で設定しています。
設定で制限をかけているので実質問題はないものの、なんとなく違和感を感じるのと、設定で制限をかけ忘れてたり間違えてたりしたらややこしいので、ちょっと微妙な仕様だなとは感じます。
入金額が請求額と異なる場合に不慣れな人にはややこしい手間が発生する
こういう状況ですね。
請求額と入金額が異なる場合のfreeeの処理についてご相談させてください。
取引先からの入金額が異なり、差額を翌月の請求時に調整するケースが度々発生します。
例:
当月、取引先に3300円の請求をした。
取引先から3000円の入金があった。
翌月、取引先に不足分の300円を加算した3600円を請求した。
取引先から3600円の入金があった。
決定した方針
弊社の担当がいつのまにか会計士さんとやりとりして方針をきめてアナウンスをしてくれてました。感謝。
改めて操作方法などまとめますが、請求額と入金額が異なる場合の対処方法について取り急ぎ方針を共有します。
請求書発行者側も合わせて対応が必要になるので、まとめ次第全体にも共有かなと思います。
やや避けたい方法ではありましたが、売上の操作に繋がるということでこの方法をとらざるを得ませんでした😅
(正確ではあるものの少し手間がかかる方法です。)
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■入金額が請求額より多い場合
①「自動で経理」で差額を「仮受金」として登録。
②次回請求時に過剰入金分だけ値引する。
③値引部分の勘定科目を「仮受金」にする。
■入金額が請求額より少ない場合
①「自動で経理」で「一部入金にする」を利用
②次回請求時に繰越金額を含むフォーマットで請求書を作成する。
https://support.freee.co.jp/hc/ja/articles/900005453546
これができたらよかったな
弊社→顧問会計士
請求額と入金額が異なる場合のfreeeの処理についてご相談させてください。
取引先からの入金額が異なり、差額を翌月の請求時に調整するケースが度々発生します。
例:
当月、取引先に3300円の請求をした。
取引先から3000円の入金があった。
翌月、取引先に不足分の300円を加算した3600円を請求した。
取引先から3600円の入金があった。
この場合、freeeの取引登録で入金額の預金3,000と売掛金の3,300の差額を調整する必要が生じます。
月次単位での正確さは欠けますが、入金額に合わせて売上を調整する方法であれば、
翌月の請求書作成時にさらなる調整(繰越額を別途記載したフォーマットでの請求書作成など)が必要になることもなくスムーズではないかと考えておりますが、このような方法で問題ありませんでしょうか。
これができたらよかったな、がNGな理由
顧問会計士→弊社
事前にご相談頂いてよかったです。
確かに、売上高を調整する方法は分かりやすいように思います。
ただし、売上高計上は監査法人が最も気にする業務プロセスです。
経理担当者が、売掛金消込のために売上高を調整して計上していると、
指摘を受ける可能性が高いように思われます。
上記の例であれば、3300円の請求金額のうち、
当月入金された3000円を売掛金と消し込み、
翌月入金された3600円を、3300円と300円に分解したうえで、
300円で前期分を消し込み、3300円で当月分を消し込むのが宜しいかと存じます。
弊社の顧問を担当してくださっている方は、元々大手監査法人のIPO審査を担当されていました。監査法人というワードをご覧になってお気づきの方もいるかもしれませんが、かりに上場準備をされるのであれば、という意味になるかと思います。弊社は記事序盤でもお話したように準備をしていくのは時期尚早と感じているものの、憧れにも近いかたちで選択肢には残そうと思っていますのでいちおうあるべき姿に近いかたちでやっていこうという方針です。
補足
あたかも僕が中心となって選定や情報収集に加わったかのように書いていますが実際は担当してくれた山下さんが計画から導入まで、事前準備から導入後の推進やサポートを全部でなければ殆どやってくれています。会社の99%の人員がみないであろう画面や関わることがない業務だけど改善できるととてもよいものも拾い上げて対処してくれています。いつも多謝です。