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日報くんで事業セグメント収支計算向け機能をリリースしました

日報くんで、顧客単位やプロジェクト単位に加えて事業単位での集計も可能になりました。

背景・思想

ある程度会社のお仕事の種類が増えて規模が大きくなると、事業セグメントで収支を計算したくなりますよね。弊社の事業セグメントは、大雑把にはこんな感じです。

  • 受託開発
    • チームA
    • チームB
  • 商品開発&販売
    • 商品A
    • 商品B
  • それ以外

集計と把握のタイミングとしては、資金調達の折や、デットがあれば毎月または毎四半期、公開または公開準備中であれば毎月、この収支計算を行うために売上や原価のデータを集めていらっしゃる人も多いのではないでしょうか。弊社はいずれにも該当しませんが、マトモな会社がやってることは真似しておいても損はないだろうという考えのもと、仕事効率を落とさない範囲できることをしています。

顧問税理士のイオリンのコメントです。LINEではお茶目なアイコンですがイオリンは僕が爆睡している午前2時にも活動している仕事熱心で頼れるパートナーです。弊社は別に上場準備はしていませんが、前項の考えのもと会社をよりよくする方法を教えてください、という相談をしておりまして、内部統制の真似事みたいなことに付き合ってもらっています。

現状

弊社では、2022年の夏頃からfreeeを会計ソフトとして導入しています。freeeに限った話ではないと思いますが、下記画像のように、セグメント毎の売上を管理することができます。高いプランだと「事業セグメント」というラベルが加わるようでした。普通のプランでも「部門」というラベルが存在していて、機能としては大差ないので、僕たちは「部門」で管理しています。

※上は売上を事業セグメント毎に整理している画面のスクショです。

そして収支を把握するということは、売上だけでなく、支払いも事業に紐づけていくわけですよね。これもfreeeに限った話ではないと思いますが、外注費や広告費やサーバ費や給与など、今どきの会計ツールではそれぞれ支払い毎に事業に紐づけていくことができます。給与についても、1ヶ月に1回ある振込合計金額に対して、いくらを事業Aに、いくらを事業Bに振り分けるか、その正しい数字さえ把握できていれば、会計ソフトとしては十分な機能が備わっている状態と言えます。

※上は給与を事業セグメント毎に整理している画面のスクショです。

課題

以下のように、社外に支払う類のお金は、支払先と金額が明記されているため、計上に困ることは少ないです。

  • 外注費
    • A社向けの受託開発をB社に手伝ってもらった費用 → 受託開発事業
    • 自社教科書ソフトのパンフレットデザインを依頼した費用 → 教科書事業
  • 広告宣伝費
    • 教科書ソフトを紹介できる展示会への出店費用 → 教科書事業
    • 受託開発実績インタビュー支援を業者に依頼 → 受託開発事業
  • サーバ費
    • AWSのほうでどこどこサーバごとの料金が月次で送られてくる → 該当する事業に計上

でも、自社向けに払うお金(給与など)は、振込先社員名に対して支払った給与額、または、社員を多く抱えている会社様の多くは一括で支払いに乗せているかと思いますので、給与というラベルと振り込んだ合計額しか会計ソフトに取り込まれていない状況かと思います。

例として、通帳や会計ソフトで持っているデータはこちら。

  • パターンA
    • Aさんに25万
    • Bさんに25万
    • Cさんに50万
  • パターンB
    • 給与としてまとめて100万

freeeなどの会計システムには、給与として計上されている金額を、それぞれの事業に配分する機能は備わっていたとしても、正確な配分ができなければ意味がありませんね。社員が少ない場合や、多くてもお休みや勤怠情報に一切関係なく一定の金額を払っている会社さん以外は、事業毎に正確な金額を配分するのは難しくなってきます。

また、給与などが安定している会社であっても、生産性向上を意図して、事業間で人員のヘルプや一時的な異動はおきるでしょう。受託開発事業が今とっても忙しいから一時的に商品開発のメンバに助けてもらう、みたいなことが弊社では起きます。社員が多く所属しているけど他チームをよくお手伝いしている事業・チームは、配分の際に正しい数値を入れられないと、本来はとてもいい動きをしているのに不名誉な収支成績に見えることがあります。

こういった事情を考慮し、良かれと思って全事業や全チームの成績が悪くならないように適当に入力すると、それに気づかれてデータとしての信頼性が乏しくなって誰も見てくれなくなります。そしてもちろん自分も見なくなって全てが無駄になります。適当にやってみて失敗とまでは言えないまでもしっくりこなかったという経験から、やるならちゃんとやりたいな、と感じています。

弊社では、もともと稼働管理に使っていた日報くんで、事業という考え方を追加してもらうことで、この問題を解決しています。

解決方法

日報くんで、顧客やプロジェクトに事業を紐づける

顧客やプロジェクトの設定画面で、事業を登録できるようになりました。これによって、普段A事業に属している社員がB事業のヘルプにきてくれたとしたら、B事業側で稼働が集計されるようになります。

日報くんで、紐づけた事業毎に稼働やコストを算出する

見ての通りです。いちおう用語の説明加えておきます。

  • 時間:事業で費やした合計時間を出力します。
  • 時間(%):全体に稼働時間対して、その事業が占める時間の割合を出力します。
  • コスト:日報くんでは役職を設定することができ、役職毎にコストを設定できます。設定したコストを考慮した合計額を出力します。
  • コスト(%):全体の稼働コストに対して、その事業が占めるコストの割合を算出します。

正確な割合で給与を事業セグメント毎に割り振る

ちゃんと計算された金額が各事業毎に計上されています。ボカしてるしボカしてなくても正確かどうか社内の詳しい人じゃないとわからないようなスクショを使っていて申し訳ないのですが、信頼できるデータソースを用いてわりと変化に強い仕組みで事業セグメント収支把握ができるようになったと思います。


弊社と同じニーズをかかえてる会社様いらっしゃいましたら使ってみてください。m(_ _)m

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