「夏のTechrachoフェア2023」ということで、 今年もチームの近況を交えつつアプリチーム の紹介をさせていただければと思います。
🔗 どんな仕事している?
アプリチームでは、自社製品である電子書籍ビューア、デジタル教科書ビューア、およびそれに関連するアプリ、システムの開発を主な業務としています。
- 電子書籍ビューア:『超縦書』 『超画像』
- デジタル教科書ビューア:『超教科書』 および 『超教科書クラウド』
Windows/Mac/Android/iOS/Webブラウザが主な対象環境になっており、特にWebブラウザ向けでは、画面遷移を伴わない、いわゆる「シングルページWebアプリケーション」として開発しています。
これらのビューア製品の自社開発の他に、ビューア製品をコアとしたアプリの受託開発、たまにビューア製品とは関係ない受託開発も実施しているという感じです。
🔗 ここ最近の動き
電子書籍ビューア関連については、導入いただいているお客様からのご指摘、ご要望を受けての製品改良が中心となっていました。主なところとしては、広告の表示と書籍の閲覧を融合させる対応をいくつか行いました。電子書籍はコンテンツの販売のみでなく、広告を見ることでコンテンツを閲覧いただけるパターンのサービスも多いことがその背景となっています。
また、『ちょい電書』サービスも開始しました。昨年のチーム紹介でも書いていた、「資料の配布、閲覧をWebブラウザ上で行いたいという小規模な導入を想定するお客様からのお問合せが増えているというところ」への対応をサービスメニューとして整理、整備したものとなります。
Web上での電子書籍(マンガ等の画像物、小説等の文字物どちらも対応)の配信を小規模に実現するためのサービスで、先行的に個別受託案件として実施していた仕組みを営業チーム側でサービスパッケージとして整えてくださいました。ご興味、ご関心ありましたらぜひお問い合わせください。
デジタル教科書ビューア関連についてですが、昨年と同様にEDIXでの展示を行わせていただきました。
各種出版社・印刷会社様、専門学校様等々、沢山の方々にご来場いただきました。ご足労いただきありがとうございました。
EDIX展示ブース全体
講演スケジュールと榊原取締役
ブースでは、2024年度4月からの正式導入に向けて開発中の「学習進捗管理」機能、「コンテンツ間連携」機能を中心にビューアのデモ/操作体験、各種講演を行わせていただきました。
来年5月のEDIXも新規機能の先行展示を行う予定です。またビューアの開発者も展示の案内に参加しておりますので、超教科書を使っている上での疑問、要望など頂けると大変嬉しいです。ぜひお越しください。
このEDIX展示の他、2023年3月末まで文部科学省の事業『令和3年度補正予算「デジタルコンテンツとしてのデジタル教科書の配信基盤の整備事業」』 の対応を行なっておりました。この事業の中で、
- デジタル教科書ビューアの軽量化
- アカウント管理機能(ログインID・CSVファイルの統一)
- 児童生徒のアクセシビリティ向上に関する各種機能
を中心に各種機能の追加、改善を行いました。ビューア/ビューアプラットフォーム側として対応した内容については、報告書 が公開されておりますので、詳細はそちらを参照いただけますと幸いです。
🔗 チームの特徴・体制
さて、ここからはチームの特徴、体制としてというところで、基本は変化していません。
チームメンバーはそれぞれ異なった得意分野をメインのスキルとして持っています。
- Windows/Macアプリを C++ でガリガリ開発するのが得意な人
- iOSアプリ(Objective-C, Swift)が得意な人
- Androidアプリ(Java, Kotlin)が得意な人
- iOS/Androidアプリをまとめて作れるFlutterをずっと追いかけてきた人
- HTML + CSS + TypeScript & JavaScriptが得意な人
などなど
さらには、UIを作り込んでゆくレイヤが得意な人、SDKとしてコアな処理を固めていくのが得意な人などなどの違いもあり、全く同じタイプの人はいないと言ってもいいくらいです。
これら、実装寄りの開発スキルを持つメンバに加えて、開発の進行、取りまとめ側をメインスキルとする人たちもいます。
- 開発管理全般が得意な人
- 開発要件、仕様の整理が得意な人
- 品質管理、テストが得意な人
- ドキュメンテーションが得意な人
などなど
アプリチームでは、開発対象の製品、案件毎に、メンバーそれぞれの得意分野を持ち寄る形でプロジェクトを担当します。一緒に担当するメンバから他領域のフィードバックを得られたりと良い刺激があります。
🔗 開発においてよくあること
開発においては、完全に0から全てのコードを書くことは稀です。OSSのライブラリを利用することはもちろんですし、大きいものになるとChromium (GoogleのWebブラウザChromeのOSS版) を読み解きつつ、必要な改造を加えるというものもあります。
そうなると、当然ながら微妙に必要性とズレた機能となっていることや、バグを発見してしまうこともあります。
そのようなときには
- 自分たちで直す、改造する。
- 当該OSSプロジェクトのバグ管理システムにバグ報告をして、修正要望の調整をする。
ということも行います。Chromeや、Safariについて不可解な挙動に悩まされることも度々あり、必要に応じでバグ報告を行ったりもしています。
OSSを使うにあたって、ただあるものをあるがままに使うというのではなく、このような対応を行っていくことに「なれている」「物怖じしない」人は活躍できている状況があります。
その一歩前の段階である、普通に利用する場合においても、ドキュメントされていない部分の挙動などを実験的に試したり、ソースコードを読んで確認したりということをよく行っています。
🔗 これからの見通し
教育のデジタル化、クラウド化に関連する形で、「ビューアをSDKとして製品提供し、開発者の方に使ってもらう」という仕事から、段々とサービスプラットフォーム を運用していくという仕事にシフトしていく流れは続いています。
このサービスプラットフォーム化について、今までは超教科書ビューア、および超教科書クラウドが主体だったのですが、電子書籍ビューア側についても何らかの形で推し進められないかと考えています。このサービスプラットフォーム化について、今年度こそは電子書籍ビューア側で具体的に動きたいところです。
また、アプリチームは徐々に人が増えてきており、チームリーダー一人ではメンバの様子を細かく見れていないことも起きている心配があります。そのため、まずサブチーム、やがては独立チーム として運営できるようなある程度の分割もしなきゃいけないのではないかと考えています。その営みの中で、チームリーダーをできる人を育てる and/or 採用する ことができたらなと思います。
さらには、「あたりまえ をつくる」という会社としてのビジョンを受けて、「アプリチームではこういうふうに、ソフトウエア、システムを開発する」といった、ポリシー、文化みたいなものを醸成する、そして文章化するみたいなことができたらいいなと思うのですが、こちらはまだちょっとフワッとしすぎてる段階ですね。ただ、開発にあたってのチーム内議論でも「どうあるべきか」をきちんと考えつつ、かと言って理想論だけじゃなくそれを踏まえて「現実的にどう対処するか」を決めていく動きは浸透しているように感じています。ここを骨格としていければと考えています。
🔗 おわりに
ごく簡単ではありますが、アプリチームの近況、および仕事・開発の現状についてまとめさせていただきました。
超絶スキルを持つ開発者は、もちろんチームの開発戦力としてすごく大きな位置を占めるのですが、それだけでは仕事が回っていかないという状況は相変わらずです。
最初はドキュメンテーション、テストを担当しながら、徐々に開発を学んでいくことを目指す方、開発への1ステップとしてではなく、コアスキルとして品質管理、テストを極めたい方、実装スキルには自信はないが、情報の整理、方式の検討、ステークホルダー向けの説明・プレゼンテーションに自信のある方にも、活躍していただける場所があると考えています。
あ、あと「アプリ」チームとなっていますが、Web系の技術者もぜひ参加していただきたいと考えています。完全にWebと切り離されて存在する「アプリ」も最近はほとんどありませんので、是非に。
本記事でもし興味を持っていただけましたら、採用へのご応募をご検討ください。