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中小企業診断士になりました(受験記)

2023年4月、無事に登録が完了し、中小企業診断士登録になりました。
ストレート合格する方も多いと思いますが、なんだかんだで合格まで4年もかかってしまいました。へっぽこ生の受験記です。

受験の動機

趣味。

普段から継続的に勉強できる優秀な方は良いのですが、僕は締切に追われないとひたすらサボるので、たまに試験などを申し込んで「お金払っちゃったから勉強しないともったいないな」という気持ちになれる試験は好きです。何十万もするスクールに通うほどのお金も覚悟もやる気もないので、適当にテキストを買って進めました。

1次試験

1次試験は、7科目を2日に渡って受験します。マークシート方式ですが、長期戦です。合格ラインは全体で60%以上、ただし40点未満が1科目も無いこと、となります。

1年目(2019年)

基本的にはTACの「スピードテキスト」を買って、通勤電車の中で暗記しました。ただ、一度に買うと途中で挫折したときに無駄になるので、1科目をある程度やり終わってから次を買いました。スケジュール管理という概念はありません。

  • A経済学・経済政策
    • スピードテキストを買って通勤電車の中で黙読
    • なお経済学の知識は大学でミクロ経済を1コマ履修しただけ
    • 最初の科目なのでやる気があり、問題集も買って電車の中でやった
  • B財務・会計
    • 簿記2級は持っていたので、その知識でなんとなくはわかりそうだった
    • テキストは買わず適当にネットで無料の問題を解いた
  • C企業経営理論
    • スピードテキストを買って暗記
    • まだ初期の科目なのでやる気があり、問題集も買って電車の中でやった
  • E経営法務
    • スピードテキストを買って暗記
    • 時間が残り少なくなっていたので、問題集は購入せず
  • D運営管理 ( オペレーション・マネジメント )
    • のんびりしてたらテキストを買って読む時間もなくなっていたので直前にネットで無料の問題を解いた
  • F経営情報システム
    • 流石にこれは余裕そうな気がしたので何もせず
    • ITパスポートみたいなものです(なおITパスポートは持っていません)

初年度に買ったテキスト

初年度に買ったテキスト

ちなみに、技術士(情報工学部門)や情報処理技術者(高度区分)に合格していれば、経営情報システムは申請で免除できます。ただ、合格ラインが「全体で60%」なので、確実に高得点が取れる科目は免除申請せずに受験したほうが、合格しやすくなります。せこい。

結果(自己採点)

科目 点数
経済学・経済政策 64
企業経営理論 78
財務・会計 60
運営管理(オペレーション・マネジメント) 70
経営法務 56
経営情報システム 96
中小企業経営・中小企業政策 33

合計で6割は達成したのですが、1科目33点で落ちました。なんか最後の科目でびっくりするくらい何もわからないぞ、と思ったら、どうも科目の存在を見落としていたようで、テキストも買わず問題もやっていませんでした。7科目もあると何をやったかわからなくなりますね。受験される方は、7科目ちゃんと数えることをお勧めします。

2年目(2020年)

1次試験で一部不合格の場合、「科目合格」となり、その後2回までは合格した科目は免除されます。そのため、6割に満たなかった「経営法務」「中小企業経営・中小企業政策」を翌年に再受験です。ただここで、ついでに「経営情報システム」も申し込みました。これなら、経営情報システムは90点は取れるから、残り2科目で平均45点取れば合格できます。せこい。

  • E経営法務
    • 昨年のスピードテキストに加えて、同じシリーズのTAC スピード問題集を買い足して練習
  • F経営情報システム
    • 何もせず
  • G 中小企業経営・中小企業政策
    • 今年は忘れずにスピードテキストを買って暗記

買い足したテキスト

買い足したテキスト

結果(自己採点)

科目 点数
経営法務 76
経営情報システム 92
中小企業経営・中小企業政策 65

無事に合格できました。経営情報システムの保険はなくても大丈夫でした。

2次試験

1次試験に合格してから、2次試験の情報を調べ始めました。

  • 1次試験に合格した年を含めて、2年間受験できる。
  • 事例に対する記述式が80分 * 4事例ある。
  • 合格ラインは1次と同じく全体で60%以上、かつ40点未満が1科目も無いこと。

1年目(2020年)

1次試験に合格した年です。受験申込書は申し込まなくても勝手に届きます。

とりあえず、1次試験でお世話になったTACの「集中特訓 診断士第2次試験」を買ってみました。わかったことは

  • 答えが1つに定まらない助言形式が多く、どう勉強すれば良いのかわかりにくい。
  • 事例1~3の違いがよくわからない。
  • 事例4だけはどうやら簿記1級みたいな問題のようだ。

といったところ。1次試験の内容は前提とありますが、実際のところ(財務・会計以外は)ほぼ関係なく、内容全部忘れてても問題ない感じです。

一応受験料は払って受験申込はしたのですが、勉強のやる気が出ません。そんな中、「コロナやばいので、今年受けなかった人は来年と再来年の2回受験できるよ」という案内が。これ幸いと、サボりました。

2年目(2021年)

受験資格があれば、受験申込書は申し込まなくてもまた勝手に届きました。早速申し込み。

去年やる気がでなかったのはテキストのせいだということにして、評判の良い「ふぞろい」シリーズを買い直しました。人気だけあって、流石にクオリティが段違いですね。というより、あれだけ自由度の高い作文問題で、回答例が1個だけ書いてあっても何も参考にならない。

2次試験用のテキスト

2次試験用のテキスト

今度は真新しいノートを開いて少しだけ解いてみましたが、どうにも感触がつかめず、また事例4は全く手も足も出ません。

ということで、受験はせず再びサボりました。

3年目(2022年)

今年合格しないと1次試験からやり直しで、多分その気力はないので、最初で最後のチャンスのつもりで勉強しました。

まず事例1~3については、「ふぞろい」を片手に、過去問を解いて採点して、なんとなくどういう回答が点に繋がりやすいかを掴みます。
結局のところ日本語力ですねこれは。書いてあることから、答えてほしそうな回答を導き出す。事例1~3の違いは正直良くわかりません。微妙に使うテンプレが違うだけでほとんど同じ試験に見える。

事例4だけは、真面目に対策しないといけません。簿記2級の知識で過去問を解いたら、全く太刀打ちできず、何をしたら良いのかもわかりませんでした。そこで、TACの「第2次試験事例IVの解き方」というそのものズバリのテキストを購入。求めていたものはこれでした。基本から応用まで順序よく解説付きで載っていて、解き方を理解するのにはとても良かったです。苦手がなくなるまで2~3周ほど周回。その後過去問をやったら、解説が言っていることを理解できるくらいにはなりました。

初学者にはおすすめの良書

初学者にはおすすめの良書

ということで当日の感触。

  • 事例1
    • なんかチョットデキタ気がする!
  • 事例2
    • ダメぽ...だけど事例3と4で巻き返せる範囲!
  • 事例3
    • オワタ \(^o^)/
  • 事例4
    • もう帰りたい...許して...

受験後の主観的自己評価では、順に「75点、55点、50点、40点」くらいでした。
事例4への愚痴としては、一部が日本語的に何を指しているのかわかりにくく、その答えが次の問題につながるので、非常に解き味が悪いんですよね。エスパー力が必要。

結果

多分今年から(?)開示請求しなくても点数が送られてくるようになりました。

多分今年から(?)開示請求しなくても点数が送られてくるようになりました。

なぜかギリギリ合格だったようです。例年より難しかったという評価もありますし、相対評価でどうにかおこぼれをもらったようです。とにかく空白は無くすぞ、と途中式でも何でも書きまくったのが功を奏した。

多分ChatGPTに受験させたら僕よりは点数高いと思います。

口述試験

合格率99.7%の口述試験です。0.3%には体調不良や交通事情でたどり着けない人もいると思われるので、基本的には会場にたどり着けば合格できると思われます。念のため、なるべく普通な人に擬態するためにスーツで行きました。何年ぶりのスーツだっただろう。

これは流石に合格しました。

この誰もが受かる口述試験に何の意味があるのかは正直わかりません。替え玉受験対策なんですかね?

3次試験

筆記試験の勉強中に知ったのですが、どうやら試験合格後には実務従事または実務補習が必要なようです。

実務補習は、同期の新人数人でグループを組んで、ベテランの診断士と一緒に実際に診断業務をするということ。5日で5~6万円、15日で16万円ほど払わないといけませんが、経験としては5日コースを体験してみるのも良さそうです。

しかし、合格発表後にのんびりと申し込みページを開いてみたのですが、どうやらこれは受付開始初日に枠が埋まってしまうもののようです。全然申し込めませんでした。隠れた3次試験。次回の受付は7月ということで、忘れそうなので実務補習は諦めて、自社と子会社の社長にコンサルサセテクレとお願いして実務従事を行いました。

登録まで

必要書類をWordで記入して印刷し、合格証書と住民票の写しを添えて郵送すれば、2ヶ月ほどで登録が完了します。「身分証明書」「登記されていないことの証明書」はいらないのかな?と思ったら、どうも数年前から士業全体で要らなくなったらしいです。住民票の写しだけならコンビニで取れるので、市役所と法務局に行かなくて良いのはとても楽です。

この合格証書は登録時に回収されてしまうので、手元に残りません

この合格証書は登録時に回収されてしまうので、手元に残りません

しばらくすると、登録証が届きます。プラスチックカードでした。

登録証

ところでこのPDF傾いてませんか?

トータルでかかった費用

  • テキスト代: 11冊計 30,690円
  • 受験料: 78,200円
    • 2019年1次試験: 13,000円
    • 2020年1次試験: 13,000円
    • 2020年2次試験: 17,200円
    • 2021年2次試験: 17,200円
    • 2022年2次試験: 17,800円

合計11万円弱、他に郵送費や住民票の写し取得費用などがかかりました。結構お高かった...内3.4万円分は申込みだけして受験しなかったドブ捨て。

後で気づいた誤算

この資格、5年おきに更新が必要で、そのために年1回講習受けないといけないというのを筆記合格後に知りました。民間試験と違って受験料が安くて維持費がかからないのが国家試験の好きなところだったのに!

他の試験との比較

過去に受けたことがある国家試験との、受験フィーリングを比較してみます。あくまで主観ですし、一部古いかもしれません。

受験料

  • 中小企業診断士試験
    • 1次: 13,000円
    • 2次: 17,800円
  • 技術士試験
    • 1次: 11,000円
    • 2次: 14,000円
  • 情報処理技術者試験
    • 7,500円

やや高めだなーと思います。それにしても、値上がりしたとはいえ情報処理技術者試験は激安ですね!

受験申し込み方法

  • 中小企業診断士
    • 紙の願書が必要です。初回は、返信用封筒を入れて郵便で申し込みます。つまり、申込期限ギリギリに思い立っても、初回は受験できません。
      • 2年目以降は受験資格ある限り勝手に届く。
    • 申込書に振込用紙が挟まっていて、これに名前・住所を記入して郵便局で受験料を振り込むと、申込みが完了します。振込用紙 = 申込用紙。
      • 最初はびっくりしましたが、ある意味合理的だなと思います。
  • 情報処理技術者試験
    • ネットで申し込みできます。
    • クレジットカード払いできます。
  • 技術士試験
    • 願書がフォーム付きPDFで公開されるので、それに記入して、印刷して郵便で送ります。プリンタが必須です。
    • 受験料は銀行振込して、振込控えを願書に同梱します。
  • 行政書士試験
    • 申込時に、顔写真をJPEGデータでアップロードします。
    • なので、受験時にスピード写真を撮って貼り付ける手間が無いのは素晴らしい。ほかも真似して欲しい。
    • ちなみに落ちました。

受験者層

  • 30~40代くらいが多い印象です。自分はボリュームゾーン。
  • 9割は男性。
  • 2次試験は、受験率がとても高い。空席がほとんどありません。これが新鮮でした。
    • 統計資料を見ると、2次試験の受験率は驚異の96%。2年連続でサボった僕みたいなのは少数派のようです。
    • ちなみに情報処理技術者試験は昨年の受験率75%くらいでした。4人に1人は申込みだけして会場に行かないので、実際空席が目立ちます。
    • 技術士の2次試験は受験率76%くらいだったので、やはり「2年しか受けられない」というのが、高い受験率に繋がっているのでしょうか。
  • 口述試験は当然ながらスーツが多いですが、なんとなく、技術士の口述試験ほど「全員スーツ」ではなかったような気がします。95%くらい?

予備校の宣伝

2次試験では、朝イチに予備校がファイナルペーパー入りのウェットティッシュなどを配っています。夕方帰る頃には、事例1の模範解答を配っているのだから恐れ入ります。筆記の合格率は2割弱なので、会場にいる人の8割以上は来年の顧客だと思えば、営業活動にも力が入りそうです。

帰りにもらってすごいなと思ったのは、

  • 今申し込めば3割引
  • もし今年で受かってたら全額返金するので、早めに申し込んでもリスクなし
  • 受験料は予備校が負担。合格したら5万円キャッシュバック。その他諸々で、合格すると自己負担金1万円まで減る。

みたいなやつでした。当然小さい字で合格祝い金は受験体験記が必須となっているので、予備校的には合格実績+事例紹介が増やせるからどっちにしても良いんですね。商売うまいなあ。

このような宣伝は、簿記試験などでもよく見ますが、情報処理技術者試験ではあまり見たことがありません。受験者層の人種が違うんでしょうか。予備校は行ったことがないので、ちょっと実感がわかないです。

終わりに

ということで、無計画な受験生の記録でした。20代の頃に比べるとペースが落ちてしまっているので、もっと頑張らないと。次は何を受けようかな!


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