社員数名の開発会社が1年で6/20人離職させてしまった開発会社が再発防止のためにやってみたこと

入社後まもなく退社する方についての記事が最近目立ちますね。さすがにヨドバシさんのように10日以内はないですが3ヶ月以内に退社した新卒や中途の方もいましたし(文末に詳細まとめます)、いまは緑のメッセンジャーを作っている前職では3日だけ出社して音信不通になった開発者もいたので、意外とよくある話なのかもしれませんね。前職で問題意識を強く持てたらよかったのですがその時はそこまで気が回らず、今の会社で手痛く悲しい経験をしてはじめて被害の大きさと改善の重要性を痛感しました。

採用時にエージェントその他に支払った何百万~何千万も痛いですが、せっかく一緒に夢を追える仲間が協力しようと思ってくれたのに別れるのは、何度経験しても落ち込みますね。(退職した)個人の成長が会社の成長を追い越して卒業するならまだしも、会社の実力不足で夢半ばのまま別れると悔しさしが倍増します。まあ退職しても他社で経験を積んで戻ってきてくれた方もいますが、そもそも退職しなくて良いようにしておきたいですね。というわけでいろいろ試してみました。

まず、その結果は下記になります。
・上記記事の採用活動以降に採用させていただいた方は全員継続してくれています。(9ヶ月~)
・シリコンバレーからの2名も同様に、残ってくれています。(3ヶ月~)

なお、いろいろ挑戦する前と今とでかわらない弊社の情報もまとめておきます。参考までに。
・SES(いわゆる客先常駐)はしません。
・給与は業界相場あたりだと思います。
・フレックスも裁量労働制もありません。
・月の平均残業時間は10-40時間程度です。
・エンジニアからは特に業務外でも勉強し続けようぜという価値観とプロ意識を感じます。
・デスクはだいたい160センチ、椅子はエルゴヒューマンです。
・モニタ数は自由に増やせますがキーボードは拘りあるなら自分で用意します。
・OSは基本的に何使っても良いですが自己責任です。
・業務内容については弊社ホームページをご覧ください。

さて、これまでの退職者の退職理由と、離職防止のためのやってみたことを紹介していきます。

まずは退職理由から紹介していきます。

エンジニアやめてデザイナになりたくなった

新卒で採用した子です。それなりに能力はあった気がするのですが業務でやるとなると話は別なんですかね。学習速度がまわりよりも遅く、気づいたら出社しなくなりました。話をきいたら、毎日朝から夕方までプログラムを書き続けるのは辛く、だったらデザイナになりたいとのことで、いまデザインの教室に通っていると。平日出社しないでデザイン教室いくなら一言ほしいなあ、とか、お金はらっていく教室は仕事より楽しいだろうなあ、といった感想を小言のように言ってみて反応を伺いましたが考えは変わらなかったので本人の希望通り退職手続きとなりました。そういえばリクルートのエージェント経由で採用させていただきました。
デザイナになりたい
せっかくなので当時のアバタを公開していきます。毛布をかぶって開発する一風変わった子だったので着ぐるみ仕様です。

学校の先生になりたくなった

第2新卒で採用した子です。情報系の知識もしっかりしていて、雰囲気も良く、成長速度も良い感じでした。会社が傾いた時期にいろいろ精神的に負荷をかけてしまい、離脱してしまいました。本人は学校の先生になりたくて教員免許も持っているので転職をすると言ってましたが気を使ってくれてたんだと思っています。経験不足、知識不足、何よりもぼくの実力不足が原因なのが悲しい。採用する方のためにも自分のためにも会社のためにも成長せねばという、苦いけど良い経験になりました。
先生になりたい
こちらも当時のアバタです。何かと知識豊富で日本の常識を知らない僕にいろいろ教えてくれてました。プロフェッサー仕様です。

職責が広すぎて怖くなった

そこそこ大きめのSI企業から転職された方です。手元に流れてきた仕様書を製造するか、製造前の仕様書を作るのを仕事範囲だと捉えていました。仕事範囲の広さは会社によって異なるのは当然ですが、転職前と後とでは振り幅が大きかったようです。というよりも、中堅とはいえ入社してすぐにプロジェクトを任せるのは、実力が伴っていたとしても、ダメですね。こちらの記事も書きましたが慣れで精神的な負荷は軽減できるので人に合わせて緩急は意識して仕事を任せていくのがベストですね。
責任多いのは嫌だよ
魔法使いという職業は本人の好みです。退職後もけっこうアバタを使ってくれる方が多くて嬉しい。

HTML担当だったのにバックエンド開発も求められるようになった

いまでこそフロントエンド開発にも力をいれてますが、WEB系の人材はすべてバックエンド開発にシフトさせていた時期があります。HTMLとWEBデザインに興味がある子にバックエンドのサーバサイドプログラミングばっかりをもとめたりマネジメントという名の雑務を手伝ってもらえないかと相談したら、想定していたキャリアと異なっていたの退職されました。気持ちの面はともかく、これはお別れするのが正解だった気がしています。会社の選択した方針にそってずっと我慢することはない。
かわいいサイト作りたかった
美人さんだったのでなるべくそのままさわやかな感じで。FFのキャラでこういうのいませんでしたっけ。

デザイナだったけどデザインの仕事がない

デザイナにとって良い仕事を生めず(企画できなかった、受注できなかったなどで)退職されました。デザイン以外にもWEB系のプロマネとしてもすごく仕事できる方だったので、めちゃくちゃ残念です。デザインで困っている方がいたらぜひ相談してみてください。いつ連絡しても多忙そうですが受けてくれたら品質面はもちろん、納期や約束事は必ず守る方です。http://shinayaka-design.com/
藤原さん
一筆でかっこいいデザインができちゃう、がテーマです。基本、硬派な方で、就職中も退職後も使ってもらえませんでした。女装は好きなのに何故だ。

事務担当だったけど事務仕事がない

こちらもデザイナさんと同様の状況になり退職されました。事務系のかたでこれほど優秀なかたはいないんじゃないかと思うくらい。退職させてしまった方々全員に言えることですが、残念すぎる。力不足が悔しすぎる。そんなわけで自分が成長する努力はするけど会社にとって必要な人材になるまで時間がかかるのでプロを招きました。これについては後記します。
事務のプロ
書類不備の多い僕はよく怒られてました。若干性格がきつそうなのは仕様です。ずっと使ってくれてて嬉しい。

さて、実施内容です。

採用前に40時間~160時間程度一緒に働くようにしてみた

インターンシップのようなものです。条件面は良くても”うまがあわない”やつが会社にいたり、仕事に対しての価値観あわなかったり、仕事場の雰囲気に馴染めなかったりして後悔するのは嫌ですよね。新卒の場合は、本当に毎日8時間、月160時間開発したいか?などを見ます。趣味で開発しても仕事だとつまらない、ということもあるようです。適正や実力もみますが、”今後もずっと一緒に働けそうか”をお互い判断する時間が大切だと考えています。人によって交通費だけでなく日当もお支払いしています。お互いをわかったうえで最後条件面談しているのでへんな駆け引きも不安もないという利点はある気がします。
採用フロー

専門知識や経験を重視してみた

設立当初は、根拠の無い自信と何が何でも夢を実現したい根性を併せ持つ人の熱意でどうにかこうにか仕事と優秀な人が集まり、個人の能力が会社の売上に直結する時期ですよね。それを超えてくると能力の足し算で戦ってきた個人の集まりから一つの価値観を共有した様々な専門家の能力が掛け算できる組織に変わっていきます。設立当初に能力や専門分野が異なるパートナーを見つけるべきとよく言いますが、組織に進化できる土台づくりだったということを最近気づきました。その後は事業が増えて組織が枝分かれして、狙う業界や目標にあわせて必要な人材が増えたり明確になったりしてきます。いま弊社はこの段階なので、実現したいことと担ってもらいたい役割を明確にして、適切な方を一人ずつお誘いしていくのがマッチした気がします。最近なにかと話題になっているCTO募集に対するバッシングはこれを無視するからだと思う。集まらないし、とどまらない。
山下

採用のプロに入っていただく

ここでいう採用のプロとは採用エージェントではないです。人材業界と会社のことを熟知した社内担当者です。スタートアップでは人件費の問題で役員が直接採用に関わる時間が多く、またそれが一般的に良いとされています。でも初めての採用活動では毎日にように営業電話がかかってくる人材系の商材を無駄に検討したり、費用対効果の悪い媒体に手を出したり、十分に応募者を集められなかったり、それでも仕事の引き合いや納期は待ってくれないので、採用で急いだり悩んだり成功したり失敗したりを繰り返します。プロがいると変な商材は除外して会社に合った媒体を組み合わせて採用を計画してくれるので応募者の数がまず違います。契約媒体が減るのでコストも大幅に削減できます。そしてインターンを希望する方が非常に多くなります。形式に拘ることを忘れがちな役員にかわって応募者が安心できるような採用フローや説明を行ってくれるのも良いですよね。
大場

役員はあくまでも前座に徹します

役員がイメージしている会社とスタッフからみたそれはいろんな意味で異なります。まあたいてい役員は自分の会社を実際より良いように見てますよね。勘違いだとしても本心だし、熱い想いとともに会社の利点を応募者に伝えることは悪いことではないと思います。
情熱先行
僕も、最高に技術力の高く、素直で勉強熱心で人として尊敬できるメンバばかりが揃っていると信じて疑っていません。それだけ聞いて入社を判断してあとから全然聞いていた話と違った、なんてことがおきたら不幸ですよね。なので軽く僕が会社説明をしたあと、採用を担当とインターンを受け入れてくれる先輩社員の方にお任せすることにしています。結局まわりに負荷ばかりかけちゃってますが、自分が一緒に仕事する人は自分で決めたいじゃないですか。まあその結果フラれることもあるんですけどね。

ひとまずこんなところです。何かの役に立てたらはてブやシェアしていただけると幸いです。
今後の弊社の採用ちっくな記事は、採用担当にまとめていってもらおうと思ってます。

乞うご期待。

また、採用の経緯はその後の経営状況についてと、シリコンバレー組についての記事は下記になります。

売上1億程度の開発会社がエンジニア20人採用するためにやってみたこと
売上1億の開発会社が20人採用したあと黒字をキープするためにやったこと
突然シリコンバレーのエンジニア2名から連絡をうけ日本で共同開発してみてわかったこと

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この記事の著者

渡辺 正毅

1984年生。サンフランシスコ育ち。大学から憧れの日本に留学し、そのまま移住。2006年慶應大学SFC卒。2007年BPS株式会社設立。いい国ですよね。もっとよくしたい。好きになってくれる人を増やしたい。

渡辺 正毅の書いた記事

週刊Railsウォッチ

インフラ

BigBinary記事より

ActiveSupport探訪シリーズ