社員数名の開発会社が20人採用したあと黒字をキープするためにやったこと

2年前、役員と社員あわせてエンジニア5人だった弊社は1年間で20人のエンジニアを採用しました。採用前の当時の売上は約1億。採用のために使ったキャッシュは売上の10%程度の1000万円前後。社内の実働も含めると実質売上の15%以上です。それについては以前記事にしましたので興味があるかたはこちらをどうぞ。今回のその後についでです。そもそも何やってる会社だ?と興味もってくださった方はこの記事でも軽く紹介しますがもしよければ弊社HPをご覧ください

採用の目的は事業拡大でした。時間の切り売りから商品の提供まで売り方は様々でしたが弊社売り物は技術です。だからエンジニア募集しました。そして自分たちの夢を一緒に追いかけてくれる人が20人も集まってくれました。数年間3~7人でやってきたのでまるで夢のような感覚でした。でも悪夢のような速度でお金が飛んでいきます。倒産しかけるって表現は人それぞれだと思いますが「月々収益が増えないと3ヶ月後に倒産する」的な状況には何度かありました。思いつく限りの施策をうち、終わってみれば増員1年目からぎりぎり黒字を維持し、一人あたりの集金額は減ったものの今後の商材になりうる様々な資産ができました。

やってきたこと+感想

※実施内容に因果関係がある気もするので時系列で並んでます。

1. プッシュ型の営業は捨ててみた

ピザ会スーツも捨てました。ニンニクたっぷりのピザも皆で食べちゃいます。営業できるやつがいなかったので人が増えても教えられないので拡大もできない。だからプッシュ型の営業は捨てました。ネットで情報を公開し続ければ大繁盛しないまでも声くらいはかかるでしょ。僕らの武器は開発なので開発記事をフックに人に開発力を知ってもらうことが自然に思えました。それがTechRachoです。

徐々に自然検索も増えたけどそれ以上にURL直うちで訪れる人も増えました。弊社のことを何かしら知ったうえでアクセスしてくれているということですね。これはエンジニア5人が下手なテレアポして営業に走り回ってても実現しなかったはずです。皆様の支援あってアクセスは増え定期的にお仕事の依頼を頂戴しています。ここまでのメディアになるまで15000記事を皆で書きました。増員直後は皆が暇でよかった。この時期不安が多くて本気でハゲるかと思った。

2. 技術的な制約を設けてみた

WEB開発はRuby on Railsで弊社の場合は、Ruby on Rails、を主戦場として選択しました。Ruby on Railsといえば、Rubyをベースに作られたMVCフレームワークです。最近は少数精鋭のスタートアップでよく利用されるようになってきましたね。僕らもそうですが、Ruby on Railsじゃなくても高速に開発できます。Rubyを使い始めたのもその時最も開発効率が良さそうで楽しそうだったからで、より良いものがでたら会社がこけない限りまた一気に変えるかもしれない。でもそれまでは、特に理由がない限りサーバーサイドプログラムはRubyで書いています。25人程度の会社ですからね。効率よく資産をためて共有するためには、違う仕事をしていてもある程度共通する部分を作っておくのは便利です。知識を得るのも実績を積み上げるのも仲間を募るのも。

はてブランキングrails世界は広くってありがたいことにRailsという技術的制約をもうけてもお声がけいただけます。Rubyで検索したらよくでてくるからでしょうね。はてブもソコソコ多いみたいです。おかげさまで生きていけてます。

3. 趣味を事業化してみた

expo超縦書
安定した事業(例:Ruby on RailsによるWEBシステム開発)を構築できたら余裕ができてくるわけで、新規事業を立ち上げたくなります。新規事業を立ち上げるときは資産を活用しろ、とよくアドバイス頂いたものです。その方針で新規事業を考えたこともあるのですが、リスクヘッジやお金を考えすぎると気持ちがついてこないんですよね。最初の事業に依存しちゃうかもしれないとか当時は言い訳してましたが、ぶっちゃけ制約が面倒臭かっただけだと思う。自分が燃えないような目標掲げても周りがついてきてくれないので自分のわがままを信じて興味というか憧れがあったコンテンツに近いビジネス領域を選択してみました。電子書籍です。電子書籍で漫画読みますか?電子書籍で縦書き表示された小説を読みますか?それなら弊社のソフトを利用いただいたことがあるかもしれません。

超縦書サンプル
本が好きなんですよ。出版業界と関わりたかった。ただそれだけ。出版社や大手印刷会社もいるなかで、ぼくらが貢献できるのは技術です。だから電子書籍を配信するインフラ(ビューアやDRMやCMS)を開発して販売する業務を始めました。初めての自社商材開発で、初めての大きな先行投資。1年で先行投資して回収できると思ったけど甘かった。ギリギリ黒字をキープしたがRuby on Rails側の預金を食いつぶしてしまった。

ちなみにぼくらが狙った電子書籍市場は丁度業界全般的に皆が期待していたほど市場が成長しないことを実感し始めた頃で、中小の競合も減り、大手がIRのために仕方なく継続するビジネスになってました。弊社の売上も伸びず、その時期に大事なメンバが何人か離脱し25人くらいだったのが20人弱に減り、とても苦しい時期でした。冒頭で「倒産しかけた」と表現した状況に陥ったのはここらへんです。ウオーターサーバを撤去するだけでスタッフにバレるんですよね。あれは困った。でも商材は完成し、競合と同等以上の品質を社員の数の違いもあり他社の何分の一の費用で提供できるようになり、このタイミングでようやく安定し始めたといえます。

4. 自由と責任ある仕事を任せてみた

junta and mangareborn創業メンバはわがまま言いやすいかわりに責任ある仕事をします。どんな仕事もします。僕もその一人です。とりあえず何でもやってみる創業メンバに対して、後から加わってくれたメンバは専門能力が高いですよね。役目があってそのために採用するわけですからね。だから人が増えて責任範囲が明確になるにつれて創業メンバより後から入ったメンバのほうが実力を発揮しやすくなります。僕の場合は特に専門分野がないからかもしれませんが、まだ20人なのになんでも創業メンバが決めて旗振りする時期は終わったんだなと感じます。

organization収益も改善するけどそれ以上に後輩の成長曲線が改善します。何でも挑戦して失敗して成長に繋げられる環境を作るのは難しいけど、一番むずかしいのはそうする決断をすることと、権限と責任をセットで渡すことと、徐々に徐々に渡すことです。権限がないとやっれられないし、一気に渡すと精神的に潰れます。潰してしまった方々、本当にごめんなさい。僕の実力不足です。

5. 採用にさらに力をいれてみた

採用採用は大事なパートナー探しですし、採用はしっかりやろうと思えばしっかりと時間がとられます。経験が増えた分は楽できると期待していましたが、20人じゃなくても採用すると組織が変化するので必要な人財も変わります。今、弊社はここです。結果については、半年後くらいにまとめてみようかなと思っています。採用担当の方々、ぜひいろいろアドバイスください。

よかったらこの1個まえの記事もどうぞ。
売上1億程度の開発会社がエンジニア20人採用するためにやってみたこと

最近の挑戦はこんなこともやってみました。
突然シリコンバレーのエンジニア2名から連絡をうけ日本で共同開発してみてわかったこと

関連記事

40名:増床の費用対効果改善と社員満足度向上のための個別指導教室
35名:拡大と社員満足度向上を見据えた人事・採用担当の仕事と迎え入れ方
30名:拡大と収益率改善のための大量採用の実現と社内平均値の上げ方
25名:今後の開発体制強化を意図したウィングドア社株式取得
25名:引き受けられる案件難易度向上を実現するバーサタイルウェイ社株式取得
25名:今後の拡大を支える仕組みづくりを開始、まずは社員研修から
20名:拡大に応じて残す外注先とそうでないところの選定基準
20名:経営能力と資源確保のための第三者割当増資を実施
20名:拡大を決意し2015年度振り返り改善点を洗い出す

Ruby on RailsによるWEBシステム開発、Android/iPhoneアプリ開発、電子書籍配信のことならお任せください この記事を書いた人と働こう! Ruby on Rails の開発なら実績豊富なBPS

この記事の著者

渡辺 正毅

1984年生まれ、サンフランシスコ育ち。大学から憧れの日本に留学してそのまま移住。いい国ですよね。もっとよくしたい。好きになってくれる人を増やしたい。BPS代表。

渡辺 正毅の書いた記事

週刊Railsウォッチ

インフラ

Rubyスタイルガイドを読む

BigBinary記事より

ActiveSupport探訪シリーズ