背景:素のまま使っていた30坪オフィスに400万円の原状回復費
皆さまこんにちは。BPS渡辺と申します。コロナでオフィスを移転したり複数あるオフィスを一部解約した方も多いのではないでしょうか?弊社も2020年1月に契約したオフィスをわずか3ヶ月程度で解約申請しました。全社的なリモートワークへの転換を機に、これ以外にも都内にあったオフィスをいくつか解約しています。
さて、オフィスのグレード、原状回復の指定業者さんも様々ですが、解約をしたオフィスの中で1件、30坪くらいのオフィスなのに原状回復費として400万円以上の見積もりをあげてきた指定業者さんがいました。
結果として僕たちは2割くらいの費用にまで下がったので、今後の自分たちや、同じ用に怖い想いをしている方々のために、検討の流れや気付きの情報を残しておきます。
高いけど、まともな会社さんが見積もってるからこんなもんじゃない?
妻からの言葉でした。ケチケチしている僕も大手は好きですよ、何をお願いするにしても安心だから。大手総合建設会社が指定業者となっていて、さすがにこんな大手がおかしなことをするわけはないよなー、なんて僕も感じました。でも、素のまま使っていたオフィスをこんなところがこんな手間暇(≒お金)かけて原状回復する必要あるのだろうか?こんなもんなのだろうか?
安心の大手からきた見積書を信用したくなる気持ちはわかります。だって大手だし。それに、もらった見積書に対してケチつけたり値下げ交渉なんてやりたくないですよね。高くない?っていったらすぐに説明に伺いますって言ってくるからめんどくさいし、それでも高いから嫌だって言ったら嫌われるかもしれないし、自分のお金じゃないし処理したほうが楽じゃないですか。お金をもってないケチな自分が”高い”と感じただけで、本当に高いのかどうかもわからないですしね。
でも、大丈夫です。やったことなくて不安だから嫌な気持ちに拍車がかかるのであって、やったことある or やったことある人のやったことの流れをみれば、安心できます。そして、“高い気がする?”という感情は、間違っていないです。
あれ、適当に検索した結果と比較しても、けっこう高いぞ?
30坪ってさすがに大規模オフィスじゃないですよね?大規模だったとして最大で300万くらいが相場なんじゃないか?中規模だとすれば150万くらいなんじゃないか?原状回復費って幅があるとか工事内容次第とか聞くけれど、素のオフィスのままで相場の上限の倍以上で見積もりをしてくるってどういうことだろう?なにかを壊した記憶もないし。。
想像してた額よりも遥かに高い費用をつきつけられると、なんでこんなに不幸なんだろう?自分はなにか悪いことをしてしまったのだろうか?これが正しい費用だとして、なんでもっと早く気付けなかったんだろう?回避できなかったんだろう?今後もこういったことが起きるのかな?と疑心暗鬼にさえなりませんか?
こちらについても大丈夫です。これも不安だから嫌な気持ちに拍車がかかるんであって、どういう選択肢があって、どうすればいいか、合理的な費用感で解決できたよっていう事例をみれば臆することなく対処できます。
誰に相談するべきなのかなー?そもそもどんな選択肢があるんだろう
以下、実際僕らが検討したことです。
直接値下げをお願いするか?
見積書の内容はよくわからない商材や作業内容にあふれていて、事細かく読んで理解して妥当性を聞くのはなかなか大変そうでした。
それでも、頑張って
(1)ネット価格よりも高い商材の費用内訳(例:カーペットが他EC価格の3倍高いなど)
(2)必要かどうか不明な作業の内訳(1年しか使っていないLEDの取替は必要なのかなど)
(3)素の状態でのオフィスの原状回復が賃料1年分近いのはさすがにどうなの
あたりの相談はしてみたところ、調整がはいり、100万ほど値下がりました。
合理的でないものは調整してくれるようです。
(1)と(2)はわかりやすく値段が下がったり項目ごとなくなりました。
(3)は思いの丈をぶつけても効果はありませんでした。(。-∀-) ニヒ
知識がなさすぎるので(調べる気持ちが尽きかけてきたので)
一緒に戦ってくれる人に連絡、ということで次の選択肢へ。
弁護士に交渉代行をお願いするか?
世の中には情弱な人が損するようなことに溢れてますからね。お金を払ってから後から後悔した方も多いんじゃないでしょうか。僕もしょっちゅうあります。
きっとこの業者さんも悪意があるわけではなく、純粋に儲けたくてめちゃくちゃ高い費用から交渉をスタートしているだけなのではないか?情報の非対称性がなくなってきた現代ではあまり使わない手法・・・と勝手に思っているのですが、大手(≒古い体質)の会社だと、特に日本だと多い気がします?
そんな事を考えながら、いつも困ったら助けてくれる友人兼顧問弁護士に相談してみました。
すると、“自分が担当して現状回復費用を多少圧縮することはできるけれども、慣れていない領域だと時間がかかる(つまり費用が高くなる)から、今回はプロに頼んだほうが手元に残るお金が多いと思う。”という解答をもらいました。なんていいやつ。弁護士さん紹介してほしいかたいたら教えてくださいね。戦場があれば嬉々として先陣を切ってくれたのでこちらが冷静になれます。
というわけで次の選択肢へ。
原状回復のプロに診断と交渉をお願いするか?
検索してヒットする業者さんにまとめて連絡して相談してみました。
見積もりを依頼した業者さんたちからの見積もりを見るに、この業界には初期見積もりはなく、成果報酬しかないみたい。
つまり、うまくやれば思いっきり値下げできる可能性あり、かつ、その可能性が案件全般を通して高い、ということですね。
だいたい、値下げした費用の40~50%のところが多いですね。
僕たちは400万→300万に下げてもらってから、そこからプロにお願いして、300→100万弱になりました。
もし最初からお願いしていたら、400万円→100万円になっていたわけで、300万の5割で150万の交渉代になりますね。
なるほどたしかに成果報酬のほうがよさそうだ。交渉代行で最初に定額100万っていわれたら依頼を断りそうですよね。(; ・`д・´)
依頼したら、気づいたら終わってました。アフィリエイト目的の記事じゃないので依頼させていただいたところは伏せてますが気になる方は私のFacebookにでもご連絡ください。
今回のことを踏まえて僕らは次どうするか?
僕たちは一度プロのお手並みを拝見して盗めるだけ盗むことができたため、次回も自分たちで交渉→プロへの交渉代行を行います。
次回以降は、1段階目の自分たちでの交渉による値下げ幅を大きくすることで、2段階目のプロへの交渉代行を依頼したときの値下げゴール地点はそのままに、成果報酬費を圧縮することができそうですね。
ただ、一度プロの手順ややりかたをみて、たしかに引き出しや他事例からの“妥当な費用感や選択の選び方”の知識は存在するものの、想像もできなかった交渉術があるわけではないように感じました。そのため、今回も1回目の直接交渉から1-2日程度念入りに準備をしていけばそれなりの削減効果があったかもしれません。
オフィス規模や原状回復費見積もり金額によってはご検討ください。:)
・・・
余談ですが、原状回復の指定業者に選ばれているようなところって、固定のいい仕事をもらってるんだからテナントがでるときの原状復帰費用くらいまけてよー、と僕はもともと思ってました。現実は逆で、指定業者に選ばれているところはオーナーから普段から買い叩かれていてそこで利益を得られないため、テナント側の原状復帰のタイミングで利益を得るような業界構造になっているところが多いそうです。なるほどですね~。
助けてくれたharukaさんとleyleyさん、ありがとうございました。