2023年ですね。あけましておめでとうございます。
年末年始になると株が好きな友達から数カ月ぶりの連絡が集中します。年賀状みたいなもので、思い出してくれるだけでもありがたいですし、何よりも日常ではこういった話に付き合ってくれる人が少ないので情報交換ができて楽しいです。年末年始は気が向いた時に情報収集して事業計画を書いてみては捨てるをくりかえすくらいで、基本的に暇ですし。
今年のトレンドはこんなかんじ。
- 今年は全体的に下げ相場で含み損かかえた人が増えた
- 金利上がるかもって言われ続けて実際上がりはじめた
汎用性がありそうなものをピックアップしてまとめます。
年末年始に伝えた内容なので、メガバンクの上昇率に関してなど、今の価格をみて発言していないことをご理解ください。
所得税と住民税の還付
本来は年末に需要が高まる内容ではあるのですが、急いでやって失敗するのもあれなので、今年の年末で何かしらお役に立てたら幸いです。
損益通算
損益は合算できます。1つの口座無いの利益と損失が合算されるように、複数の口座があって利益がでてる口座と損がでている口座が1つずつ以上あればそれを合算して申告することで、支払った税金を取り戻すことができます。
- A証券会社で利益50万、税金10万
- B証券会社で損失50万、税金0万
何もせず放っておくと10万取られたまま終わりですが、確定申告で損益通算させればA証券会社経由で支払った税金10万円が還付されます。この作業が面倒であれば確定申告をプロにお願いすることもできます。管理している全ての口座が特定口座で利益がでていれば何もすることはありません。
税金は利益の20%くらいなので合算することでどのくらい還付されるのかを計算して、やる・やらない、自分でやる・外注する、を決めましょう。証券口座の損益通算含めた確定申告をまとめて依頼した場合、良心的なところでそこまで複雑なことをしていなければ2~3万円くらいで対応してくれるのではないかと思います。
次項の損出し、特に複数の口座でクロスして損を出す場合には、この損益通算の仕組みを前提として覚えておいて損はありません。
損出し
前項で触れたように利益に対する税金は新たに損を確定すれば還付されます。一つの口座のなかでも、複数の口座をお持ちでも然りです。
- 現時点で、利益50万、税金10万
- 長期保有予定の銘柄Aが、含み損で50万
売却益や配当で利益がでてるけど含み損を抱えた長期保有前提の銘柄があれば持ち直しておきましょう。具体的には、売ってから買い直します。含み損を抱えていたならば売ったタイミングで損失がでて、その損失の分だけ過去に払った税金を取り戻すことができます。
- 含み損50万を抱えた銘柄Aを売却する
- 売却したばかりの銘柄Aを買い直す
何もせず放っておくと10万取られたまま終わりですが、含み損を抱えた長期保有予定銘柄を持ち直しておけば、上記の例だと先の取引で支払った税金10万円をとりかえすことができます。
また、同量の同銘柄の株式を現時点の価格で持ち直すことになるため、含み損を抱えていた銘柄であれば投資額に対する配当効率の向上が見込めます。
- 持ち直す前:取得単価100万円で2.5%の配当、含み損50万
- 持ち直した後:取得単価50万円で5%の配当、含み損は0万
損益通算の結果、いくらか税金が還付されることによって他銘柄や同銘柄への投資が可能になり、手持ちの軍資金で多少の投資対効果向上が得られます。還付されない、つまり投資対効果向上が望めないような状況であれば意味はありません。どちらにせよ長期保有する銘柄であれば、利益が出た年の利益相殺のために含み損はとっておきましょう。
損出しの注意点
損失を確定させた後に再びその銘柄を買い戻すことになるわけですが、同じ証券口座で同一営業日内での売買すると取得単価が平均化されて本来得られる節税効果が半減します。そのため、買い直すタイミングは売却の翌営業日以降にしなければいけません。
- 売って損失確定させた時の価格は100円
- 翌日以降に買い戻す時の価格は多少変動してしまう
売買のタイミングをずらさないといけないということで、上記のように損しちゃうかもしれません。得することもありますけど、年末年始のように日経平均が落ちやすいタイミングでやや損する可能性のほうが高いかもしれませんね。
- 引け成行で売却した時の価格は100円
- 翌日成行で買い戻した時の価格は80円(前日終値から-20円)
そういったヘッジとして、複数の証券会社でクロスさせて損出しします。
クロスでの損出し
含み損がある銘柄を対象に、同日同タイミングに、A証券会社で成り行きで売ってB証券会社で成り行きで買います。簡単なのは株式市場が始まる9時よりも早くおきて成行きでセットしておくことですね。
- 同日同タイミングで
- 前場が始まる前に成行で
- 前場が終わる前に引成で
- 後場が始まる前に成行で
- 後場が終わる前に引成で
- A証券会社で売る
- B証券会社で買う
1つの証券会社で同じ銘柄を売りと買いを行うこともできますがそのタイミングが完全に一致しないために損することも(得することも)あります。複数の証券口座をもっていれば、売買をクロスさせて同じタイミングで売買を行うことができます。
クロスさせるメリットの大部分はタイミングのズレを解消できることですが、売買量が比較的小さければ、複数のネット証券口座を利用することで売買手数料もより効率よく抑えることができます。アクティブプランに設定しておけば1日50~100万くらいまでなら手数料無料なネット証券会社も多いので、総売買額1000万くらいの銘柄の損出しであれば20日かけて1か月以内にすべて無料で持ち替えることができます。
手数料なんて微々たる額だし保有額もでかいし一発で終わったほうが楽だぜ、な場合でも、損出しタイミングのズレによる影響とリスクが大きくなりますから、クロスさせるメリットがでてきます。
金利上昇で下がりやすい銘柄
金利があがると大抵の金融商品は価格が下がります。特に影響をうけやすいのは言わずもがな不動産ですね。関連してREITのことよく聞かれます。ここ数年、コロナ直撃直後以外はゼロ金利が続いていて高値でしたもんね。僕も規模がでかいREITは大好きです。
ゼロ金利のときは、REITを買いたいなら東証REIT数が1800円切ってから買い下がりはじめるのがいいでは?と答えてました。でも今は、金利は上昇しているし円高進んでるし来年の税制でマンションの相続税対策が見直されるため内需は落ち込む想定ですよね。それを見込むと、過渡期であることは間違いなく、半年くらいは株は見なくてもいいと思います。でもどうしても、という方がなぜだか多いので、それなら1600円様子をみながら買い下がってみてはいかがでしょうか。
金利上昇で上がりやすい銘柄
主に銀行系ですよね。長年、見向きもされない代表格みたいな扱いを受けてますが、僕はメガバンクが特に大好きです。金利もつかないし債権など他金融商材に魅力的なものが全くない時代に、潰れないし配当もそこそこなメガバンクはとてもいいやつに思えてきませんか。計算するとIDECOや貯蓄型保険なんかより全然いいですよ。
ただ、REITと同じで、購入すべきだったのはゼロ金利のときです。今(年末年始)からだとメガバンクも1割程度しかあがらないので、REITと同様に過渡期である今、これらの銘柄含め、株はやっぱり半年くらい特にみなくても良い気がしちゃいますね。どうしても配当がある銘柄を買いたいという人が周りに多いのですが、REITや適当なものを買うくらいならまだ1割くらい上がる見込みがあるメガバンクのほうがマシです。
直近の値上がり前にメガバンク株を持ってた人は、また大幅に下げた時に適時買い下がるとして、一生持っておけばいいです。額面で投資金額年4%はついているだろうからいろんな手数料取られる前の投信よりも全然いいはず。地銀はともかくメガバンクならそうそう潰れないだろうし。そうじゃない人は、焦ってなにか買うくらいならPOで半年間くらい遊んで、状況が安定してきてから改めて考えてもいいのではないでしょうか。
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最後に
いかがでしたでしょうか?長文でごめんなさい。たまたま訪れたし、著者の渡辺や所属しているBPSという会社についても見てやるか、と思ってくださった方はこちらもどうぞ。